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美しい時

この週末、気分が良くなるってこんなことだった!と思えた瞬間がありました。良き瞬間が2度ありましたが、うち1つをお話しします。 上野の東京都美術館で「Walls & Bridges」展を見てきました。過去のお仕事の関係で足を運んだのですが、確認したかった作品よりも、むしろ別の作品がより気になりました。というより、そうそう、こういう世界観が私好きなのよ、と再発見。ジョナス・メカスの映像作品《歩みつつ垣間見た美しい時の数々》が良き瞬間をくれました。 ただただ耽美な世界に揺蕩う時

    • 秋が来た

      ここ数日からっとした天気で涼しいので、気分がとても良い。 先週まで調子が調子が少しおかしいと感じていた理由は単に暑さによるものだったようだ。そう言えば、昨夏もそうだった。 いつかお金持ちになったら、セカンドハウスを持つことにしたい。このまま関東在住となると、8月はまったく生産性の上がらない月になりそうだ。人にも優しくなれないので自己嫌悪にもなる。セカンドハウス!

      • 金子隆一さん

        金子隆一さんが逝去された旨を昨晩知った。 衝撃を受けた。彼のいない日本写真界、どうなっちゃうんだろう。 取材させていただきたい内容が最近重なってきているので、改めてお会いしたいと思っていたところだった。端くれの私に対してもいつもフェアに接してくれた。 いつも当たり前の存在、みんなの生き字引のような存在、作家に光を与えるような存在、仏のような存在。 ダンディーな金子さん、周囲の人々には、いつも良いことばかりではなかっただろう。 けれど、あまり接点のなかった自分にも、本当にショッ

        • 新しさと

          東京藝術大学美術館陳列館での展覧会「居場所はどこにある?」に行ってきた。 超アクチュアルな文脈でコンテンツを取り扱っているはずなのだが、既視感が気になって、期待したほどの新しさ、面白さは感じられなかった。 よく言うところの、作品になった瞬間、展示された瞬間にすでに古くなっているとはこのことだろうか。 松田修氏の作品は、生きることそのものを強く訴えかける普遍性と、ストーリー、テクノロジー、抽象度の高さゆえ、一番印象に残った。 普遍性をいかに抽象度の高い作品にするかで、既

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          3本

        記事

          マインド・マップ

          先日、川田喜久治展をみてきた。 1965年刊行の「地図」は、自分からするとどうも未分化なもの、ラカンの精神分析論にも出てくるような、言語化、記号化されるもの以前のもの、あるいはその途上にあるものを写しているように見える。この度展示されている作品は、ピグメントプリントでのニュープリントであるという。支持体は和紙とのことで、プリント自体もぼやっとして見える。それでも、いざプリントされてしまうと、フィジカルな存在となり、未分化なものではいられなくなるものだ。物質化し、否応なしに、生

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          勝手な推察が展覧会をつまらなくさせる

          先日東京国立近代美術館で眠り展をみてきた。 眠りをテーマに同じ独法に属する美術館のコレクション作品を集めた展覧会である。出会ったことのない作品を見る機会もあったが、正直あまりピンと来なかった。 一番ピン来なかったのは、各章の冒頭でゴヤのエッチングが紹介されていることである。もしゴヤを切り口に据えるのであれば、テーマや構成をよりシャープにすべきでないか。なぜゴヤなのかよくわからないまま、展示構成の核を握っている様相なので、やっぱり美術って欧米目線で動いているんだろうな、とかそん

          勝手な推察が展覧会をつまらなくさせる

          予期せぬ出会い

          先日、根津美術館に初めて足を運んだ。もっと早く来れば良かったと後悔した。 これぞ私の求める美の感覚、美の世界。 古き時代にすでに優れた抽象美術が生まれているのだ。この美術館で実感させられる。抽象度の高い作品が上手にまとめられ展示されている。極めて平易かつキャッチーに編集され、初心者が容易に理解した気持ちになれるテキストとその労力にも唸らされる。そして品良く設計され、手入れの行き届いた庭園まで。すべてが美のために存在している。至る所に美的感覚の優れた人々、気持ちを込めて仕事

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          石元泰博

          本当におもしろい人だと思う。 東京の東京オペラシティアートギャラリーと東京都写真美術館で開催されている石元氏の企画展を観に行った感想。アーティストなのだから、おもしろいのは当たり前じゃん、だとかそういうレベルではない。2館目の鑑賞は後日に行うつもりだったが、楽しさのあまり1日で両館に足を運んでしまった。 シカゴのシリーズから「シブヤ」にいたるまでの作品の変化を通して、彼の内面の変化が見えてくる。その様相がユニークで、こだわりや社会への眼差しが浮かび上がり、素敵な人だと実感

          石元泰博

          「君に届け」

          先日やっと「君に届け」(2010年公開)を観た。 三浦春馬さんの繊細な演技に引き込まれて、その晩は神経がパンパンになってしまい、よく眠れなかった。 三浦さんの逝去後、彼の演技を「繊細」と称える映画人のコメントを多々目にして、繊細な演技って何だろうと改めて考えた。彼の生きた証をできるだけ早く目にしておきたいこともあって、この秋はできるだけ三浦さんが出演する映像作品を鑑賞するようにしている。 三浦さんの演技を見ていると、表情の変化やセリフの回し方から、その先を察するようにこ

          「君に届け」

          やさしい光

          あまり書くべきことではないのかもしれない。 けれど書きたいと思う。 三浦春馬さんが亡くなって思ったこと。 7月18日(土)の午後、ニュース速報をスマホ画面で目にしたとき、一瞬何が起きたのかわからなかった。文字を読み返したとき、驚きのあまり声を上げてしまった。 三浦さんの出演作のことはほとんど知らない。テレビで活躍しはじめた時期がちょうど私がテレビを見なくなった時期に重なっているから、普段は邦画を観ないから、というのが主な理由だと思う。けれど昨年の歌番組でのパフォーマン

          やさしい光

          いつもの

          なぜか気分が重い。 今日は好きなカフェへ行く。気持ちが少し晴れた。 原稿に取り組めていない、昨日の職場はざわざわしていた、仕事をきちんと進めると進めすぎと言われる、なんか不安になった、自分ってダメなのかも、とかなんか変な気持ちが積み重なっているのかもしれない。 今日良かった出来事ってなんだろう? 好きなカフェで良い気分を少し味わえた、好きなチョコパフェを食べた、店員さんに一瞬癒された、車を運転した、かな。書いているうちに気持ちが少し良くなってきた。 父と電話をしてい

          いつもの

          ゲルハルト・シュタイデル

          映画『世界一美しい本を作る男〜シュタイデルとの旅』(2010年)は美しい。ドイツ・ゲッティンゲンに所在する出版社シュタイデル。代表のゲルハルト・シュタイデル(Gerhard Steidl)は、世界中の作家と美しい書籍を作り、彼らの作品を世に知らしめることに貢献してきた人物である。 劇中ではシュタイデルが海外に住む作家を訪ね、打ち合わせを行う様子が流れている。作家との会話を見るだけで、シュタイデルがどれだけ作家から信頼されているかがわかる。映画では本作りにおけるABC的な進行

          ゲルハルト・シュタイデル

          日常と非日常

          J-WAVEの番組で青木理モデレーションによる平野啓一郎によるトークを聞いた。 今回の新型コロナウィルスの一連の動きを、束の間の非日常であり、再び日常に戻ることができると誰もが思っているのではないか。 けれど、ここ数年を振り返ると、SARS、MERS、新型コロナウィルスといった、新しい感染病が比較的短い間隔で現れていること、また、毎年夏の終わりに大規模な自然災害が発生していることから、日常と非日常が交互にやって来るものであると認識する方が良いであろうとのことであった。

          日常と非日常

          時代の転換期

          新型コロナウィルスの感染拡大が世界各地を震撼させている。これからしばらくの間、経済的な不況を迎えることは想像に難くない。米国による自国優先主義、中国のマスク外交、ハンガリーにおけるコロナをきっかけとする独裁体制の強化など、政治的に極端な場面が現れていることから、世界政治における勢力図にもこれから大きく変化が見られることとなるであろう。このパンデミックは、グローバリゼーションが進化したからこそ突発的に発生した世界規模のテロであると筆者は感じている。我々はこの危機から何を学ぶべき

          時代の転換期

          March 29, 2020

          はじめて投稿します。これから何を書いていこう。 とってもドキドキします。 わくわくする日もあれば、メランコリーな日もある。 詩を書きたいこともあれば、写真をアップしたいことも、ただ愚痴りたいこともある。 けれど、基本的にはイメージに関すること、写真、映像をメディアとする作品、あるいは展覧会に関する専門性を高めるべく、日々自己研鑽に励んでゆきたいと思うので、その過程での日常的な気づきを、ここnoteで記していくこととします。 みなさん、どうかよろしくね!

          March 29, 2020