時代の転換期

新型コロナウィルスの感染拡大が世界各地を震撼させている。これからしばらくの間、経済的な不況を迎えることは想像に難くない。米国による自国優先主義、中国のマスク外交、ハンガリーにおけるコロナをきっかけとする独裁体制の強化など、政治的に極端な場面が現れていることから、世界政治における勢力図にもこれから大きく変化が見られることとなるであろう。このパンデミックは、グローバリゼーションが進化したからこそ突発的に発生した世界規模のテロであると筆者は感じている。我々はこの危機から何を学ぶべきであろう。

ETV特集による良企画を視聴した。国際政治学者イアン・ブレマー(Ian Bremmer)、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noa Harari)、経済学者・思想家ジャック・アタリ(Jacques Attali)が、この情勢を読み解き、啓蒙的な言葉を投げかける。今回の危機に対する向き合い方が、次の時代の行方を左右することを、我々が自分事として意識する必要がある。市民が自発的に参画する姿勢、バランスの取れた利他的な行動が、新しい時代を切り開くための重要なポイントとなり得るようだ。

市民としての個人レベルの行動だけでなく、世界政治のあり方についての示唆も得たが、今後の日本の行方は筆者には想像がつかない。長らく思想や理念の薄い国家運営であったからこそ、より発展した民主主義が追求され得る新しい時代には他国との差がさらに広がることと思われた。(「緊急対談 パンデミックが変える世界 〜海外の知性が語る展望〜」、NHK Eテレ、4月16日放送、キャスター道傳愛子)



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