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Voigtlander HELIAR classic 50mmで撮るポートレートが好き

Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VMは2021年9月10日発売されたCOSINA製のレンズです。

古い設計のレンズ構成を温故知新とし、最新の硝材で作成レンズで復刻したような作りになっているレンズです。非常に個性的な写りのレンズですが、ガラス自体は最新設計ですからボケ味やトーンは懐かしい写りであるにも関わらず曇りの少ないクリアの絵が写ります。

ポートレートではオールドレンズがけっこう人気です。理由はポートレート撮影は概ね女性の肖像の撮影であり、柔らかい写りの方が柔らかい印象となってそれが好まれるからで、オールドレンズは最新レンズと比べて基本的に柔らかく懐かしい写りとなるためです。
マクロレンズのようなとにかく解像度や鮮鋭度を煎じ詰めたようなレンズで女性を撮ってみるとわかりますが、毛穴がゴリゴリに写って結局あとからたくさん画像処理をかけないといけないことになります。

さて紹介するHELIAR classicは非常に柔らかく、ボケはきれいなバブルボケであるにも関わらず、一般的なオールドレンズよりもクリアに写ります。
とても柔らかな写りなので、風景を撮るとかなり幻想的で記録的な写真には全く合いません。

河津町の河津桜の風景の作例
山の輪郭とか収差もりもり載っているのが見えますね。
でも桜はこれぐらいぽわんと写った方が綺麗な気もします。

ここまでお話を聞いていただくと、とてもポートレートにあったレンズだと聞こえると思うのですが、あまりこのレンズを使用してポートレートを撮っている方が見当たりません。
そこで自分がかなり好きでこのレンズを一年以上使用してきていて未だに飽きないので、作例を載せて魅力をお話していけたらなと思います。

さて今日のほぼ撮って出しの作例です。

寺尾彗さん:天王洲アイル

ほんと色のトーンがめちゃくちゃキレイなんですよね。
肌色のグラデーションの柔らかさが絶妙で、ほどよく解像してないので拡大しても全然毛穴とかわからないですが、顔の印象は十分精細に伝わる写りです。
正直最近はGmasterレンズより色味やトーンが好きです。
服の白色はけっこう飛んでしまっています。ここは現代レンズほど粘って現像で戻してくることはできません。

寺尾彗さん:北鎌倉

こちらは北鎌倉の紫陽花と和服です。
日陰の緑と紫陽花の青が深く写っていると思います。
この写真はいくらか現像で彩度を調整しています。
ピント面にさえしっかり合えばGmasterクラスのレンズと見劣りしないぐらいかっちり写ります。

瑠々さん:府中市郷土の森博物館①

もっとノスタルジックな作例です。
もっとフィルム風な現像をここからさら手を加えることも可能ですがホワイトバランスの調整だけで適度に雰囲気があります。
後ろの緑や建物のボケ味はかなりぽやんとしていて、流れているのもわかるでしょう。とても印象派な写りですね。

瑠々さん:府中市郷土の森博物館②

もちろんモノクロもいい感じです。
元々LeicaMマウント用レンズですからモノクロの濃淡表現はお手の物です。
普段はLeicaでこういうタイプの使い方をしている人が多いかもしれません。

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