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【玄鳥去】つばめさる『預言者とバイク』白露/末候🍀



まだ会社に勤めていた頃の話だが、同僚のTさんに言われたことがある。
「ナツメさんが、誰かの噂をすると、その人から必ず電話があリますよね」
「そんなことないって。アッそうだ、○○さんがねぇ、この前言ってたんだけどね。ウソ!」
鳴り出す電話と、モニター画面に表示されるその人の名前!
「ほらね」
当時、私が勤めていた会社の電話には、従業員さんの電話番号が入力してあり名前が出るようになっていた。
「私じゃなくって、この事務所が不思議な力があるんだよ、きっと」
「違うと思います」
キッパリ言い切る同僚のTさん。
退職した後も、Tさんとは仲良しなのでランチに行った時に聞いてみた。
「噂をするとかかって来る電話、どうよ?」
「ピタッとなくなりました」
自信満々に笑顔で答えるTさん。


元会社は運送業だった。
退職した後も懐かしさから運転手さんネタを夫ヨッシーさんに話すことがあった。
その日もドライブ中、ヨッシーさんが運転する車の助手席で、おしゃべりな私はラジオみたいにずっと話し続けていた。
常々いろんな話を聞かされているヨッシーさん、会ったこともないのに、皆の情報をよく知っている。


ちょうど信号待ちで止まったタイミングで、私はまた話し出した。
その日は二人で白山さん(白山神社)に向かっていた。
「前に写真見せてもらったんだけどね、Mさんのバイクって、真っ白でカッコ良かったよ」
バイク好きなヨッシーさん、すぐに話に乗ってきた。
「エッ、Mさんバイク換えたんだ。なんてヤツに換えたの?」
「わかんないよ。バイクの名前なんて」
言った途端、開いたままの私の口が、息をのんだ「ハッ」の状態で固まった。
運転するヨッシーさんの向こう側の車線に停まった1台の白いバイク。
指差す私と振り向くヨッシーさん。
私に気付いたMさんが
「あっ、ナツメさん、久しぶりぃ〜」
笑顔で手を振り、颯爽と去って行く白いバイク。
さすがにびっくりした。



いやいや、単なる偶然だよ。
そんな力、ある訳ナイナイ!


でも最近は、認めることにした。
何故かと言うと、やたらそんな情報ばかり耳に入って来るようになったからだ。
たまたま、本好きなお客様から立て続けに2冊本をお借りした。
「コレ面白かったから読んでみて。私もう読んだからゆっくりでいいよ」
2冊とも内容は、今起きていることは偶然ではなく自分が創り出していると書いてあった。
2冊とも、コレでもかって位に同じことが書いてあった。
いい加減に認めなさいよって言われているみたいに。


確かに。
会いたい人には、思い立ったらすぐに連絡したり会いに行ったりする。
それはプライベートでも仕事でも一緒だ。
そんな時、不思議と言われるのは
「ちょうど連絡しようと思っとったんよ、良かったぁ」
と言う言葉。


きっと、私だけじゃなく、誰でもテレパシーみたいな目に見えない電波を放っているに違いない。
だから不思議な事は起こるし、ご縁がある人たちと繋がっていく。


そんな事ナイナイ!
ではなくアルアル!
なんですよ。きっと🍀


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