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【梅子黄】うめのみきばむ『魑魅魍魎が住む町』芒種/末候🍀

6月が、私はあまり好きではない。
40代辺りが、1番嫌いだったかな?
それは6月が、私の誕生月だから。
1つずつ歳を重ねて行くことに、すごく焦っていたから。
3人note息子たちが中高生で反抗期真っ只中、毎日毎日身体も心もヘトヘトだった。


自分が何をしたいのか、どう生きたいのか、何が好きなのか、そんなことさえ分からなくなっていた気がする。


そんな時、近所の本屋さんのレジのそばで、薄緑色の小さなチラシを見つけた。
児童文学の作品募集のお知らせだった。
本を読むことは好きだけど、作文も読書感想文も手紙も苦手な私。
まぁ、とりあえず貰っておこうと持ち帰った。


原稿用紙10枚まで。
全く何を書いて良いのやら?
そんな時、不思議な夢をみた。
ポケットに入るくらい小さなゾウを拾った夢。
1番下の息子がめちゃくちゃ反抗期で手をやいていた時期だったので、彼が小さい頃のエピソードを取り混ぜて書いてみた。


応募の作品の中から、その作品を見つけて下さった3人の先生方。
それをきっかけに「つのぶえ」という児童文学の同人となって、もう二十年以上たった。
毎月実家に顔を出し母と買物に出かけ、午後からは同人誌の例会に出席する事が、一ヶ月に1度の私の楽しみになった。
やっと、好きな物を見つけることが出来た。


3人の先生方は、もう亡くなられて寂しいが、何とか例会を続けて先生方に恩返しせねばと思っている。
思っているだけで、何も出来ていない私。
私と違って同期の同人で、先生方に恩返しを果たした友人がいる。

この悦子さん、自分で編集し、出版社(出版社って、どうやって作るんだ?)を立ち上げ、自ら出版したこの本で、見事!泉鏡花金沢市民文学賞を受賞された。
それも第一回目の受賞者が、私たちの先生で、それからちょうど50回目に見事に夢を叶えた彼女。
天国の先生方もきっと喜んで下さってることだろう。


今月の例会は、百万石祭りの真っ最中で(百万石行列は前日に終わっていたのでまだ良かったが)結構道が混んでいて遅刻ギリギリセーフ!いやアウトだったか?


百万石行列には、各企業から参加しなければならないルール?があったらしく、私も参加することとなった。
4つ年上の先輩が町娘で20歳だった私が何故か鳥追い姿、三味線を手に深く傘を被り紫色の怪しげな着物姿。
何だが、危ない職業なんじゃないかと、当時の彼♡(残念ながら現在と同じく、夫ヨッシーさん)に言われた。


その濡れ衣を晴らしてくれた方が、あの悦子さん!
悦子さんは他の同人でもあり、時代小説も書いていらっしゃる。
そちらの本の中に発見!
悦子さんの文章の中に、鳥追いは「三味線を弾きながら春を言祝ぐ唄を歌って町中を流して門付けをし、いくばくかの合力を受け取る」と書いてあった。
良かった〜(^^)!


さらに悦子さんに、教えて頂いた。
売れっ子の芸者さんや何処ぞやのお嬢様が身分を隠して、その時だけ鳥追い姿で流していた事もあるらしいと。
「私、芸者さんパターンにします!」と思わず宣言。
自分で勝手に決めて何の意味があるのか?


タイトルの魑魅魍魎が住む町のことを忘れるところだった。

金沢には犀川と浅野川という2つの大きな川があり、その2本の川の間に金沢城や近江町市場などがあり、街の中心部となっている。
浅野川を渡った先にひがし茶屋街がある。


そんな意味合いがあってか、同人誌の先輩に
「浅野川から先は魑魅魍魎が棲んでいる」
なんて昔言われたんだよねって。
最近、確認したら、そんな失礼なこと言ってないよ~って言ってましたが(^^)


とにかく、魑魅魍魎が住むもっと先の金沢の端っこの町で育った私。
その思い出を書いた「キリちゃんの町」を以前は有料としていましたが、皆さんに読んで頂きたいのと、応募のため、有料ラインを外しました。
お時間ありましたら読んでみて下さい🍀

ではでは、皆さま良い1日をお過ごし下さい🍀

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