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【黄鶯睍睆】うぐいすなく『帰って来たチョン』


ウグイスで思い出したが、夫ヨッシーさんは、私よりずっと叙情的である。
「あっ、ウグイスが鳴いている」
「金木犀が、いい香りだねぇ」
とか、
あとYouTubeを見ている時に、優しいお話に、すぐウルウル💧したりする。


個人差かもしれないが、女性より男性の方がロマンチストだと思っている。
何かで読んだが、別れたあと気持ちを引きずるのも男性の方で、
女性は振り返らず、未来に向かって進む人が多いとか?


前置きはこのくらいで、今日は男女の話ではなく、ワンコとネコの話。
私の実家は、ずっと犬を飼っていた。
私が生まれる前からいたのが次郎で、次がロック。
その頃の子たちはみんな雑種だったが、とても優しいワンコたちばかりだった。


中学の頃、近所でシーズーの赤ちゃんが生まれ、そのうちの一匹がうちに来た。
現代とは違いペットショップとかではなく、縁あって我が家に来た子たちばかり。


結婚した当初、ヨッシーさんの家には白猫がいた。名前はチョン!
左右の瞳の色が違う真っ白な猫。
ヨッシー家は、代々猫派。
私にとったら先輩の白猫チョンは、うちの三人息子たちにも、優しいお姉さんのようだった。


チョンは、この時5歳くらい。もう女の子というより大人の女性。
窓辺に座り中庭をながめている姿は凛としていて美しかった。
でも男嫌いで、近所の雄猫が近付こうものなら、全力で追っ払っていた。
だから、1度も子猫を産まずに一生を終えた。


大きな病気や怪我をすることもなく、最後に病院へ連れて行った時に獣医さんから
「人間だと、ゆうに百歳はこえてますね。最後は静かに見守ってあげて下さい」
と言われた。


確か寒い季節で、もう立ち上がる元気もなく、ストーブのそばで寝ているチョンを、まだ小学生だった息子たちは、マッサージしたり水を飲ませたりして見守っていた。
息を引き取る時まで、必ず誰かがそばにいた。


お姉さんみたいなチョンがいなくなって寂しい毎日を送っていた頃、不思議なことが起きた。


玄関に何か小さな影。
「エッ?まさか」
急いで開けると、なんと白い小さな子猫。
「ただいまぁ~」
みたいにちょこんと座っていた。
回りに親猫も兄弟もいない。
それに捨て猫みたいにオドオドしていない。
本当に「ただいまぁ~」って感じだった。


何か映画にあったじゃないかな?
何度も生まれ変わってご主人のもとに帰ってくるワンコの物語。


それも、おんなじ真っ白な猫。
学校から帰って来た子供たちは大喜び。
ちょうど用事で名古屋に行って留守にしていたおばあちゃんに一刻も早く知らせたくて、写真屋さんでネコと三人息子の写真を撮ってすぐに送った。


今みたいにスマホがあれば、いとも簡単なことが、当時は郵送するしか方法がなかった。

でも残念なことに、その子はうちに来て一年くらいで、道路に飛び出し死んでしまった。
車にぶつかったのだろうけど、見た目には怪我も見当たらず眠っているみたいだった。


あんまり、みんなが寂しそうだったから
「ちょっとだけだよ」
って、チョンが天国から帰って来てくれたのかもしれない。


ということで、生まれてからずっと猫しか飼ったことのないヨッシーさんが、始めて飼ったのが秋田犬のスズ。
真っ白という点はチョンと一緒♡
だけど、マジでかい!!

イマイチ大きさがわからないスズ






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