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5年前のインタビュー記事を振り返ろう!!

過去の自分と向き合おうシリーズ! 第三弾!!

ごきげんよう、渡葉です。突然ですが皆さんは、インタビューを受けた事はありますか? 私は確か人生で4回くらいあります。

うち2回はテレビ番組のインタビューで、どっちもカットされたようで実際には放映されなかったみたいです。街頭インタビューみたいなやつですね。結構みんな経験があるんじゃないんでしょうか。まあこれはどうでもいいです。

問題は残りふたつ。こちらは有象無象としてのインタビューではなく、私という個人として、指名されて答えたものです。ちゃんと記事の形にもなり、広く公開されたやつです。そんな事あるの?? まあ、ありました。人生わかんないもんですね。

ひとつは大学生の頃。受験生向けの、学校案内パンフレットに、在校生の言葉が載ってるんですが……そこに経済学部の代表として、写真つきでインタビューが掲載されました。言わばグラビアですよ。えっ……俺、グラビア経験あるんだ。そうなんだ。そうみたいです。

何を喋ったのかは殆ど覚えてませんが、ライターさんにかなり脚色され、「経営学を学ぶとは、人を学ぶことです」みたいな発言をした事にされていた。意識高そうで気持ち悪いな……! そもそも俺に何が経営できるってんだよ。

べつに自分が学部を代表するほど優秀だったかというと断じてそんな事はなく、担当の大学職員がサークルの先輩だったので、まあ、普通にコネで依頼されました。そんなんでいいのか?

なお、同じサークルから複数人を登用したため、隣のページには当時付き合っていた彼女が掲載されてました。まさか純朴な高校生たちも思うまい。このページがそんな爛れた関係だとは……。大学の公式の冊子という事でこのパンフは広く配布されたようで、妹の通っていた女子高にもガッツリ置かれたそうです。怖いですね。

……で。残るひとつのインタビュー。これが今回の本題。最重要。

なぜって……最後のひとつは、この私が唯一「渡葉たびびと」名義で、作家として受けたインタビューだからです。厳密には、小説コンテストで大賞を取った受賞者として、これから応募する人へのアドバイスを求められたわけですね。この俺が!!

今から5年も前の話になるのですが……なんと恐ろしい事にこのインタビュー、まだネット上に残っており、全文を読むことができます。カクヨムのサイトに掲載されてるので、KADOKAWAが滅ぶまでは残るのかもしれません。おっそろしいですね。

その記事とは……こちら!

仰々しいタイトル

えー、というわけでね。今回はこのインタビュー記事を、ひとつひとつ振り返っていきましょう。抜粋で紹介しますので、全文は上の記事をご覧ください。

対面インタビューではなく文章での回答だったので、脚色もまったくされてません。自分のナマの声です。内容はほとんど覚えてませんが、受賞者の先生から後進へのアドバイスですから、きっと有益なことが書いてあるはずです! 学んでいきましょう!!


Q.賞へ応募したきっかけ

友人に誘われて、第1回のコンテストに応募したのがきっかけです。
どこかに小説を応募したいとは思いつつも実際には何もせずフラフラしていた自分にとって、Webで作品を公開するだけで応募できる手軽さは魅力的に映りました。

なんか、友達に勝手に応募されたアイドルみたいなこと言ってますね。誘われたのは事実だけど、前段として、そもそも日頃から「プロなりてぇー」と発言していた事実があるからな。そこ抜かすなよ。


Q.作品作りで気をつけていること

賞を頂いた作品に関して言えば、「なるべく多くの人に読んでもらえるものにしよう」というのを常に考えています。
主人公を少年にするとか、明るい雰囲気を保つとか、基本的な事は守るようにしていました。キャラの内面ひとつ取っても、あまりネガティブな物言いをさせないように意識しています。

あっはっはっはwww いま見たら当たり前の基礎の基礎の基礎の基礎の常識の常識の常識の常識しか書いてなくてウケる。でもこれが当時の自分にとって一番大事だったのは疑いなく、まさしくこれが受賞プロデビューできた最重要のポイントなんだよな。

自分の性癖に素直に書いていたら主人公は少女になるし、ゴリラヒロインになるし、すぐルサンチマンを抱えるし、舞台設定は破天荒(野生化したパンツが襲ってくるとか)。男性向けラノベレーベルに応募するという事の意味を何も理解していない。受賞するためには、自己改造する必要があったのだ。

まず断腸の思いで主人公を男にして、かわいいヒロインも作った。ネガティブなことを書くと読者が離れるのも分かったので、当時連載中だった「背すじをピンと」や「とんかつDJアゲ太郎」を参考にしてネガ要素を極力排除した。「負けるのが怖い」という文章を「勝つのが好きだ」にまるっと置換した。

俺がプロになれたのは、いったん自分を捨てて、感情でなく理屈で作品を作ったからなのだ。だからシナリオ屋になった今でも、基本的には理屈で話を考えるし、リビドーの蛇口は固く閉じたままだ。たまに勝手にチョロっと漏れてくるけどな。

まさに実体験にもとづいた発言……。でも他の人たちはこのくらい全員確実に理解してるからアドバイスとしては成立してないと思うぞ!!!


Q.影響を受けた作品

今回は王道で行こう、と決めたら「現代を舞台に、少年少女が出会う話」になったあたり『フルメタル・パニック!』や『涼宮ハルヒの憂鬱』の影響は大きいのだと思います。

正直、この頃にはもう「なろう」の異世界バブルは始まっていたので、これが王道という考えは古すぎてメチャクチャ恥ずかしいな!! 古代人すぎるだろ。まあ、自分にとっての王道が「これ」ってところは今でも譲れないけどさ。ボーイミーツガールって、もう失われた文化なんだろうか?

全体に明るめなホビーバトルっぽい雰囲気は「ポケットモンスター」シリーズや「メダロット」シリーズなどのゲームの影響でしょうか。

間違ってはいないんだけど、この分野で一番影響を受けた「ワールドトリガー」が抜けてますね。なんで書かなかった?

そういえばこういうホビーものやスポーツものみたいなジャンル、もう随分長いこと書いてないな。間違いなく自分の源流のひとつであるのに。まあゲームシナリオに関しては、たまたまそういうキャラの仕事が回ってこない限り書けないから仕方ないんだけど。どうにかしてネジ込めないかな。

ちょっと変わったところでは、格闘シーンなどのアクション描写は『ニンジャスレイヤー』の文章が源流な気がします。

出た! ニンジャスレイヤー!! 大好きだから仕方ないんだけど、ラノベの受賞インタビューで挙げる作品じゃなさすぎてウケる。この時に同時受賞したクオンタム氏も、同じ質問でニンジャを挙げていたのが印象的でしたね。ラノベの教科書なのかな??(絶対違う)


Q.大賞を受賞して変わったことは?

単純に自信がついたのが一番大きいと思います。

え? マジで?????wwwww この頃の俺って自信なんてあったんだ。全然覚えてない(笑)。やっぱり「大賞」なんて肩書きがもらえると人間変わるもんですかね。

まあ実際、俺はわりとステータスにこだわるほうなので、「受賞者」を名乗れてるうちは元気だったのかもしれません。今なんてどこにでもいるシナリオライターの一人でしかないもんな。かろうじて「プロ」って肩書があるくらい。なんか自分用の肩書作ればいいのか??

担当編集さんについて頂くのが夢でしたし、打ち合わせをするのが夢でしたし、修正点を指摘されて直すのも夢だったんですよね。
生活の一部に、本を作る作業が入るんですよ。凄く夢のある話じゃないでしょうか。

なんかいいこと言ってる。「修正点を指摘されることすら夢だった」ってワナビとしても病的なレベルですね。でも、マジだったんだよなあ。なりたかったもん、プロ。

初心に返るべきなのかもしれない。この頃は一般企業で働きながら作家してたから、創作してる時間は「特別」だった。今はフルタイムでシナリオ業なので、完全に日常になっちゃった。もちろん望んでそうなったんだけど、フルタイムが「特別」になったら無敵じゃないかな。


Q.これから応募する人へのアドバイス

作品の方向性などで迷っている方は、いわゆる「王道」について一度考えてみるのも良いと思います。
つまり、「より多くの人が楽しめる」と思われる要素について追求し、取り入れるという事です。自分の場合はそれで驚くほど評価が変わりました。

上述した実体験にもとづいた発言。当たり前のことではあるんだけど……普遍的な王道というものはある程度存在はする。もちろん好みを出すのは大事なんだけど、自分の好みが道を外れてる自覚があるなら、その上でデビューとかしたいなら、王道のほうがウケやすくておトクだよ! という。

まあマジで売れたいなら、王道がどうとかいうより「時代に合わせろ」と言うほうが手っ取り早いんだけどね! そこは俺は失敗したから強くは言えないかな!!

作風を意図的に変えたり、コントロールする事に抵抗がある方も多いとは思うんですが、大丈夫です。ちょっと設定や雰囲気を変えたくらいで、作品から自分らしさが無くなったりはしません。
自分らしさってやつは意外としぶといです。経験談です。ホントです。

これはマジ。俺も「理屈で話を作ってる」とか言いますが、結局リビドーの蛇口を完全に閉じることは難しいというか。人間ごときが制御できるわけがないんですよね。そして、結局リビドーが染み出たほうが面白くなる。そういう「熱」って読者は絶対にわかるから。逆に作者がノリきれてないのもすぐバレる。

まあ、だからといって盲目的に100%を性癖にゆだねろ、とは自分は言えませんけどね。マジでそのせいでデビューが二年は遅れたと思っている。

今は、まず基礎があって、その上でのリビドーと心得ている。「性癖なんて勝手に表に出てくるんだから、基礎に全振りするくらいでもいい」というのがこの話の主旨。色々ほざいてるインタビューだけど、ここは正しいこと言ってるんじゃないかな。


えー、というわけで、5年前のインタビューの振り返りでした!! 過去の自分と向き合うと、まあ若造が語りやがってよお、と思うけど、やっぱ初心って大事なんだな。間違いなく、あの頃に憧れていた生き方を今、自分はできている。

とりあえず、なんかテンションの上がる肩書を考えたい。というか誰か考えてくれ! 名刺とかに書くから!!

おわり。


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