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ままならない


朝井リョウさんの「ままならないからわたしとあなた」を読みました。

・あらすじ

合理的主義で意味がないことはしない薫と、無駄なことにこそ温かみが宿ると考える雪子。そんな二人の中学生から20代までを描いたお話。


・感想


最初は圧倒的に雪子派だった。物語の中でも雪子の目線から語られお話が進んでいくので、ほとんどの読者が雪子の立場になって読み進めていくのだろうと思う。

無駄なことにこそ意味がある、私もそう思う。

例えばお土産。
旅行した時にその土地のお菓子やかわいいキャラクターのキーホルダーなど、今の時代その土地に行かなくてもたいていのものはネットで購入できる。
けど、そういうことじゃない。
その土地に足を運んで、その土地でお土産をあげる人のことを考えることにこそ意味があるのだ。

他にも手紙とか。
大切な日には手紙を書くことがある人も多いと思う。デジタルの文字では伝わらない字の温かさや、便箋を選んだりする時間にこそ意味がある。


けど、この本を読んで温かさや意味とは何かわからなくなった。

お土産をネットで買おうが、LINEで気持ちを伝えようが相手を思っている時間に変わりはないもんねー。

何が正解とかないな!
個人的にはあまりにも合理的すぎる人とは合わないけど!


とにかく、何でも手段を選択できる今の時代に感謝だ。


それと、日直、持久走、職員室とか。忘れかけてた学生時代の記憶が色々蘇った。
誰もが経験してきたであろう学校の雰囲気を描くのがめっちゃ上手だった。

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