ホガークヴァイン75枚徹底解説

ホガークヴァインというデッキがある。

昨今では青入りカニタイプも赤入りジャンドタイプもレガシーのメタゲームにおける立ち位置は悪くなく、結果を残しているホガークヴァインであるが、
昨年末に書いた私の記事「ホガークヴァインのノウハウいろは」も1500ビューを突破し、世界が今あらためてホガークヴァインを求めていると感じたので当記事の作成に当たった。

なお、この記事で扱うのは代表的なカニホガークと、ジャンドがベースの(独自の)ホガークヴァインのリスト2本についてであるが、基本戦術の話を絡め、各カードの採用理由を細かく掘り下げる記事である。
デッキの基本の動きやコンセプトについてはノウハウの方にガッツリ書いているのでそちらを参考にし、前提として読むと読みやすいかもしれない。

各カードのメリット、2デッキの差はどこにあるか、回しやすいデッキリストにシフトするための提案など多くの話を詰め込むので多分結構なカロリーの記事になっている。
時間を作って読んでいただき、デッキを回し、そして反芻していただきたい。

カニホガークのリスト解説

さて、まずは晴れる屋を参考にしたカニホガークのリスト解説を行う。

4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3:《汚染された三角州/Polluted Delta》
3:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1:《湿地の干潟/Marsh Flats》
3:《Underground Sea》
3:《Bayou》
1:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
1:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》

4:《面晶体のカニ/Hedron Crab》
4:《墓所這い/Gravecrawler》
4:《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》
4:《復讐蔦/Vengevine》
4:《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4:《恐血鬼/Bloodghast》

4:《狂気の祭壇/Altar of Dementia》
4:《黄泉からの橋/Bridge from Below》
4:《入念な研究/Careful Study》
3:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
2:《むかしむかし/Once Upon a Time》
Sideboard
2:《思考囲い/Thoughtseize》
4:《活性の力/Force of Vigor》
4:《虚空の力線/Leyline of the Void》
2:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
2:《突然の衰微/Abrupt Decay》
1:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》

順番は前後するが、まずはクリーチャーを見ていこう。

4:《面晶体のカニ/Hedron Crab》
4:《墓所這い/Gravecrawler》
4:《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》
4:《復讐蔦/Vengevine》
4:《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4:《恐血鬼/Bloodghast》

このデッキは《面晶体のカニ》の上陸効果を自分ターゲットにして墓地を肥やし、途中《恐血鬼》を上陸で並べたり《墓所這い》を場に出したりして黒/緑の生物を揃え、招集から《甦る死滅都市、ホガーク》につなげるデッキである。
墓地肥やしのキーパーツであるカニと供給者、帰ってくる墓所這い・恐血鬼・復讐蔦、最大打点でありライブラリアウトのエンジンたるホガーク、すべて4枚採用。
無駄がない美しいリストと言えるだろう。

4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3:《汚染された三角州/Polluted Delta》
3:《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1:《湿地の干潟/Marsh Flats》

フェッチは11枚。
サーチ先は8枚と少ないため少しフェッチの採用枚数が多いかと思うが、これは《面晶体のカニ》の上陸誘発のためである。キーである上陸能力のためには確実にフェッチを持ってくる必要があるのだ。

3:《Underground Sea》
3:《Bayou》
1:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
1:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》

カニを唱えるための《Underground Sea》を持ってくるフェッチが必須なのはもちろん、緑絡みのフェッチが多い(7枚採用されている)のは《ドライアドの東屋》のためだ。
このデッキは《面晶体のカニ》を採用していることで《甦る死滅都市、ホガーク》キャストのための黒/緑クリーチャーのカウントを序盤に用意しづらく、《ドライアドの東屋》をサーチすることでそれをカバーする構成となっている。
そのため緑が含まれるフェッチを確実に引き込んでいく必要もある。
そこがいわば生命線となるのだ。
ちなみに《沼》一枚は好みの一枚を採用するといい。冠雪でもいいし、冠雪じゃなくてもよい。これは不毛対策と月対策である。基本土地を抜いてしまうと支障をきたすので採用の必要がある。

4:《入念な研究/Careful Study》

カニと合わせて墓地を肥やす、手札に来た不要カードや墓地にいて機能するカードを落とすために4枚必須。

4:《黄泉からの橋/Bridge from Below》

ライブラリアウトルート、ビートダウンプラン、いずれの場合もまずは墓地に落としておく必要があるのでメイン4枚必須カード。

4:《狂気の祭壇/Altar of Dementia》

2ターン目にホガーク、3ターン目にこのカードが場に出ればそのままライブラリアウトで勝利する。このデッキにとっては真に重要なコンボパーツのため4枚。

3:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》

主に対コントロールでのフィニッシュ前の前方確認に陰謀団式療法3枚。
後述するジャンドタイプではメイン採用枚数が2枚になることもあるが、カニタイプの場合はライブラリアウト色が強めのため前方確認が重要となり、また墓地に《黄泉からの橋》がある状況で《面晶体のカニ》の生贄をコストとしフラッシュバックするとゾンビトークンが生まれ、黒クリーチャーカウントを稼ぐことができるため《甦る死滅都市、ホガーク》のキャストにも繋がる点が重要。
採用枚数は多めとなっている。

2:《むかしむかし/Once Upon a Time》

できれば3枚ほど採用したい枠。コンボパーツのカニや土地のサーチに役立ち、サイド後には《活性の力》のピッチコストに当てることも可能である。
取り回しの良さはさすがの一言に尽きる。

カニ入りホガークヴァインのサイドカード選択

2:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》

カニホガークの場合、コンボが決まるまでは一瞬だ。
サイド後には《面晶体のカニ》から一気にライブラリを墓地送りにしてホガークを唱える動きが重要となってくるため、入念に攻め時を見極める必要がある。
対コントロールではイチにも二にもまずハンデス、というのが基本となるため思考囲いまであると心強い。
《陰謀団式療法》の4枚めと合わせて6枚、ハンデスを駆使してタイミングを伺う。

4:《活性の力/Force of Vigor》

《虚空の力線》や《虚空の杯》(X=1で止まってしまう)、《安らかに眠れ》、《墓掘りの檻》など、このデッキにとっての天敵となるエンチャントやアーティファクトは少なくない。
これらをテンポロスなく、マナを払わず処理する必要があるため4枚採用。
以前3枚でサイドを組んでいた経験もあるが、確実に引く必要がある場面が多く、また2枚めをコストにできるなど引くメリットも大きいので4枚採用が間違いない。できるだけ4枚入れたほうが良い。

4:《虚空の力線/Leyline of the Void》

ミラーはもちろん、リアニメイトなどへの墓地対策として。相手だけ墓地が消える点とマナがかからない点が優秀。とにかくこのデッキはマナを使わないサイドカードを必要とする。

2:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》

相手の力線などを割れるカードでありつつ、不毛の大地としての役割も持つ。
《タバナクルなんちゃら》とか《暗黒の深部》などの苦手な土地への対策としても活用。

2:《突然の衰微/Abrupt Decay》

オーコなどの対策に。サイド後は少々ゲームスピードが遅くなるマッチもあり得るため、長期的にアドバンテージを稼ぐカードを破壊する必要がある。
サイドに枠があれば取りたいカードではあるが、ここの2枚は自由枠

4Cホガークヴァイン(ジャンドベース)のリスト解説

さて次は独自のリストだが、9割がたジャンドの4Cホガークヴァインだ。リストは以下のとおり。

4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《汚染された三角州/Polluted Delta》
2:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3:《Badlands》
3:《Bayou》
1:《Underground Sea》
1:《沼/Swamp》
1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
1:《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》

4:《墓所這い/Gravecrawler》
4:《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4:《恐血鬼/Bloodghast》
4:《復讐蔦/Vengevine》
4:《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》
2:《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
2:《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
1:《憤怒/Anger》

4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
2:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
3:《むかしむかし/Once Upon a Time》
3:《狂気の祭壇/Altar of Dementia》
4:《黄泉からの橋/Bridge from Below》

Sideboard
4:《虚空の力線/Leyline of the Void》
4:《活性の力/Force of Vigor》
2:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
2:《沈黙の墓石/Silent Gravestone》
1:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
1:《巻き添え/Run Afoul》
1:《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》

まずはクリーチャー構成から。

4:《墓所這い/Gravecrawler》
4:《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4:《恐血鬼/Bloodghast》
4:《復讐蔦/Vengevine》
4:《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》

カニホガークのリストと同じく、これらのキーカードに変わりはない。
《墓所這い》はメインボードではクリーチャーを唱えるカウントくらいの活躍しかないため弱く見えるが、サイド後にはビートダウンプランを主にするため活躍するシーンの非常に多いカードだ。

2:《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
2:《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》

ジャンドタイプの特徴の一つとして「墓地を肥やす手段に乏しい」というのがある。
《信仰無き物あさり》と《縫い師への供給者》はあるものの、それだけでは墓地を肥やしきれず《甦る死滅都市、ホガーク》へはつながらないことがある。
そこで、《屍肉喰らい》を唱え《縫い師への供給者》を生贄とすることで墓地を肥やしていく動きや、《サテュロスの道探し》で墓地を肥やしていくことが重要となる。
《サテュロスの道探し》はこのデッキにとってベストカードで、2マナと少し重いコストではあるものの必要枚数墓地を肥やしつつ次ターンにつながる土地獲得もしてくれる、非常にありがたいカードだ。

1:《憤怒/Anger》

ジャンドホガークヴァインには隠れた必殺技が搭載可能だ。
それは序盤に持ってくる《Badlands》と墓地にいる《憤怒》で《甦る死滅都市、ホガーク》が速攻で走る、というもの。
これはただ速攻を付与するだけではない。ライブラリアウトプランの際に相手側にエムラクールなどの対処札がある時、盤面を整え同ターン中にライフを一気に削りきるという大きな強みを持つ。
確実に息の根を止めるための一枚なのだ。

4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《汚染された三角州/Polluted Delta》
2:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

フェッチは9枚採用。カニホガークとは違い上陸誘発を積極的に狙う必要性は薄いため少なめの採用だ。
色も黒が入っていればOKなので安いもので揃えられる。

3:《Badlands》
3:《Bayou》
1:《Underground Sea》
1:《沼/Swamp》

今回はサイド後に4Cとなるため《Underground Sea》を採用しているが、純正ジャンドホガークヴァインの場合は《沼》の二枚目採用でよい。

1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
1:《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》

ジャンドタイプのホガークヴァインには余分な黒/緑クリーチャーカウントの用意が必要なく、《ドライアドの東屋》を採用する必要はない。そのおかげで好きな土地を採用することができる。
《ファイレクシアの塔》には、前述した「墓地を肥やす手段に乏しい」という点を《縫い師への供給者》のサクリファイスでカバーする役割があり、ジャンドタイプの構築の場合には必須となるだろう。
《知られざる楽園》は4Cのためのマナベースという点はもちろんのこと、たまに4マナで唱える《復讐蔦》のための色準備や《恐血鬼》の上陸に役立つので1枚忍ばせたい。純正ジャンドの場合には《沼》を採用するのもいいと思うので好みで選んでほしい。

4:《黄泉からの橋/Bridge from Below》

確実に落とすための4枚採用。

4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting》

ジャンドホガークヴァインの特徴の一つ。後引きの不要牌をフラッシュバックで落とすことができる《信仰無き物あさり》は、《入念な研究》よりも使い勝手がいい。
このデッキの場合《ファイレクシアの塔》から3マナの用意がしやすいという構築面での噛み合いもあるため、活躍の場は本当に多い。
初手に欲しい一枚なので4枚採用。

3:《狂気の祭壇/Altar of Dementia》

ジャンドホガークヴァインはライブラリアウトとビートダウンプランのバランスがいいため、引きすぎ防止の意味を込めて《狂気の祭壇》は枚数を減らしている。
しかし、このデッキを回し始める初心者の場合は《むかしむかし》を2枚に減らして4枚採用するのも大いにありだ。
正直いって好みの問題だと思うのでどちらでもいいと思う。

2:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》

コンボが決まるタイミングにハンデスはしたいが、コンボ特化デッキではないため陰謀団式療法の枚数もダイエット。
前方確認がしたい環境にあれば、《狂気の祭壇》3枚、《むかしむかし》2枚で《陰謀団式療法》を3枚採用がバランスよく使えていいかなと思う。

3:《むかしむかし/Once Upon a Time》

3枚採用の安心感たるや。
このリストに関しては《狂気の祭壇》の枚数を絞って、《陰謀団式療法》の枚数を絞ってこれを足す価値が大きい。
というのもこのリストは《屍肉喰らい》や《サテュロスの道探し》など枚数採用していないものの中継に必要なカードをどうにかして手札に入れる必要があり、そうなると《むかしむかし》の強さが光る。
2枚でも回しやすいとは思うが3枚あると安心感が違う。

4Cホガークヴァインのサイドカード選択

4:《虚空の力線/Leyline of the Void》
4:《活性の力/Force of Vigor》
2:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》

カニホガークと同じく、コストを払わずに使えるカードの価値は大きいので《虚空の力線》と相手の力線など破壊の《活性の力》4枚採用。
土地まで見れる《暗殺者の戦利品》も2枚採用。

2:《沈黙の墓石/Silent Gravestone》

リアニメイトデッキ対策、兼《外科的摘出》対策。
墓地対策にはいろんなパターンが見られるが、《外科的摘出》の採用枚数が圧倒的であることを鑑み《沈黙の墓石》を選択している。
カニと違って一気に墓地を肥やすデッキではないし、相手のカードの対処をしつつ戦う必要のあるデッキであるため、ハンデスでお伺いを立て一気に攻め入るための《思考囲い》採用はせず、すでに墓地に落としたカードを守れる《沈黙の墓石》を採用する方が価値が大きい。

1:《陰謀団式療法/Cabal Therapy》

キーカードを通すためタダで使えるハンデスは追加したい。が、もしかするとオーコの二枚目や他のカードでもいいかもしれない。フリー枠。

1:《巻き添え/Run Afoul》

マリットレイジ対策。
基本的にデプス系デッキには逆立ちしても勝てないと思うほうがいいが、ギリワンチャンあるので1ターンの猶予をもらうためのカード。
今までは《翼切り》で2マナかかったり《Backlash》で3マナかかったりしていたのが急に1マナで良くなるという革命が起きた。
緑のカードのため《夏の帳》を無視するのが最高にクール。ありがとうWotC。ここもフリー枠。

1:《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》

このリストのすべてを物語る一枚。
採用理由はいくつかあって、
・《虚空の杯》がきつい→鹿にしたろ!
・《墓掘りの檻》がきつい→鹿にしたろ!
・《グリセルブランド》《引き裂かれし永劫、エムラクール》《マリットレイジ》→鹿にしたろ!
など

鹿にすればすべて解決って場面が多い。

個人的な意見としてカニホガークも《突然の衰微》を《王冠泥棒、オーコ》にしちゃえばいいじゃんと思っている。
より細かい理由についてホガークヴァインのノウハウいろは」でもサイドチェンジとともに触れているから有料記事を読んで欲しい(ダイマ)。

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選考漏れのカードたち

ここからはオマケコンテンツとして、これ採用どうなの?というカードたちについても解説していく。
選択肢として参考にしてほしい。

★《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》

メイン入れ替え候補。
今年に入ってから、能動的に手札を捨てる手段としてジャンドにも(たまに)カニホガークにも採用が見られるカード。
ジャンドの場合《サテュロスの道探し》と《むかしむかし》の4枚を入れ替え、インプを2枚と《陰謀団式療法》2枚をメイン採用するのが一般的である。
カニホガークの場合は《入念な研究》を2枚減らし投入される。のかな?
カニはリストが比較的完成されているので採用しなくてもいいと思う。

採用メリットには初手に抱えがちな《黄泉からの橋》や《恐血鬼》、《復讐蔦》を捨てられる点と、自身がゾンビであることから《墓所這い》のキャスト条件を満たせるという点がある。
またこのインプを採用すると《陰謀団式療法》が捨てられるメリットがあり、フラッシュバックによって0マナで前方確認をすることができるのだ。
ジャンドタイプでも前方確認してから動きたい、カニホガークのような速度で動きたいというニーズにマッチした一枚と言える。
《サテュロスの道探し》と違い1マナというのも使い勝手がいい。

デメリットとしては手札消費が激しくなるため墓地肥やしの枚数に不安が出る可能性がありマリガンに若干抵抗が生まれる点がある。
1マナの道探しみたいのが居ればな…(欲深すぎる願望)

★《沼/Swamp》

メイン入れ替え候補。
《ファイレクシアの塔》や《知られざる楽園》がノイズに感じる、純正ジャンドでやれればいいという人には沼のほうが運用しやすかったりする。
《不毛の大地》や《血染めの月》を乗り越えるにはやはり基本土地が一番。そういう場面もあるため《沼》は気軽に採用してよい。

★《古えの遺恨/Ancient Grudge》

ここからはサイド入れ替え枠。純正ジャンドが墓地対策アーティファクトやチャリス対策に入れるカード。
1枚で2枚まで見られるので取り回しがいい。《朽ちゆくインプ》採用などによる緑カウントの減少で《活性の力》を使いづらいリストになってしまったと感じる場合には採用を検討する価値あり。サイドの枠が足りない場合にも。

★《突然の衰微/Abrupt Decay》

カニホガークには採用されていることが多く、《虚空の杯》や《王冠泥棒、オーコ》の対策に便利な一枚。
打ち消されないパーマネント破壊はやはり強力なので、採用率が高いのもうなずける。ジャンドでも採用を検討する価値が大いにある。
採用する場合は2枚ほど入れたい。

★《アングラスの暴力/Angrath's Rampage》

プレインズウォーカー対策兼アーティファクト対策に。
環境によっては必要になる場合もあるかと思うが、器用貧乏感が強めなのであまり採用はしたくない。採用する場合は1枚。

★《悪ふざけ/Shenanigans》

使い回せて墓地が肥えるアーティファクト対策。《虚空の杯》X=1を避けて使い回せる点はありがたいが、ソーサリーである点、アーティファクトのみしか見れない点を考えると弱い。採用は現実的ではない。

★《カラカス/Karakas》

マリットレイジ対策カード。
《巻き添え》を入れきれないと感じた場合や《剣を鍬に》から《甦る死滅都市、ホガーク》を守りたいという場合には最終手段としてありかもしれない。とはいえ白マナを使うデッキではないので採用は現実的ではない。

以上。
ほか気になるカードなどあればコメントください。

入れ替え候補リストの中では《朽ちゆくインプ》の採用は前向きに検討していいと思う。
サイド後のビートダウンプランの際にも《サテュロスの道探し》と違って勝手に墓地を増やさない点がメリットになる(《虚空の力線》など貼られていると《サテュロスの道探し》は出しづらく任意のタイミングで墓地を肥やせる《朽ちゆくインプ》の方が便利な)ためだ。

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さて、ここまで2デッキについて75枚の解説と入れ替え候補カードについての解説をお送りしたが、いかがだっただろうか。

2つのデッキはサイド後に大きく特徴が分かれ、カニホガークはコンボ特化、ジャンドホガークヴァインはバランス型ミッドレンジというのを覚えておくとより好みのリストを選択、チューンナップできるだろう。

個人的にはどうしても招集で色マナにできないカニをノイズに感じてしまうのでジャンド構築が好きだが、一気に墓地を肥やす爽快感もまた代えがたいものがあると思う。
どちらにしても決まると最高のコンボデッキだから、まずはその動きを自分の目で見て体験して欲しい。

デッキの回し方の基本はノウハウいろはの方で無料で読めるので、まずはそこからスタートしてみてね。

それでは楽しいホガークヴァインライフを。

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