パワー9なしでヴィンテ大会準優勝!?強豪たちの穴をつけ!「スターライトよしかスペシャル」徹底解説

割引あり

■はじめに - ヴィンテージフォーマットの魅力

この記事にたどり着いたMtGプレイヤーに、質問をしよう。
あなたはヴィンテージと呼ばれるフォーマットを体験したことはありますか?
きっとYesと答えるプレイヤーはほんのひと握りだ。
多くの読者のみなさんは「そんな体験ある訳ないじゃん」「結局はMoxとか持ってる貴族の遊びでしょ?」と思っているに違いない

何を隠そう私自身も、オンライン大会「添削杯」に参加するまでは「貴族の遊び」という考えをもつ1人であった。
しかし今では、MF名古屋のヴィンテージ大会や草の根ヴィンテ大会の常連にもなり、パワー0ヴィンテージ『C4』を広め、ヴィンテージ界隈にもっと活気があふれるようにと願う人間となっている

なぜか?

それは、マジックの深淵たるヴィンテージは、動きがド派手で、負けても勝っても楽しくて、奥が深く、レガシーやEDHなどその他エターナルフォーマットともまた毛色の違う、大いなる魅力に溢れているフォーマットだからである

デッキのカードとか内容固定でほとんど変わらないんでしょ?というイメージも人によってはあると思う。
しかし実際には全然そんなことはなく、なんなら新たなデッキがどんどん生まれてくる不思議フォーマットなのだ。
カードも、スタンやモダンでは見向きもされない奴らが活躍したりする

紹介するデッキについて

今回はそんな魅力たっぷりのヴィンテージを限界まで楽しみしゃぶり尽くせる、パワー0でもかなり勝てるデッキ『スターライトよしかスペシャル』の紹介をしようと思う。
2024年7月6日には、古豪ひしめく沖縄ヴィンテ大会(本土からもガチ勢が集結した)で3-1という華々しい成果を得た。今時点での私の環境理解とデッキ採用カード解説を記事にまとめようと思う。
楽しんでいただけると幸いだ


■ふしぎなデッキリスト

まずはデッキリストからご覧いただこう

[メインボード]
4:《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》
1:《大食の幼生、グリスト/Grist, Voracious Larva》
4:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker》
4:《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》
3:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》
2:《門衛のスラル/Doorkeeper Thrull》
2:《聖遺のワイト/Wight of the Reliquary》
1:《溌剌の牧羊犬、フィリア/Phelia, Exuberant Shepherd》
1:《敵対工作員/Opposition Agent》
1:《苦難の収穫者/Harvester of Misery》
2:《カザド=ドゥームのトロール/Troll of Khazad-dum》

1:《水蓮の花びら/Lotus Petal》
1:《Mox Jet》
2:《暗黒の儀式/Dark Ritual》
1:《致命的な一押し/Fatal Push》
1:《精神的つまづき/Mental Misstep》
1:《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
2:《再活性/Reanimate》
1:《突然の衰微/Abrupt Decay》
1:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
1:《壌土からの生命/Life from the Loam》
3:《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー/Tyvar, Jubilant Brawler》
2:《活性の力/Force of Vigor》

4:《不毛の大地/Wasteland》
1:《露天鉱床/Strip Mine》
2:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
2:《沼/Swamp》
3:《Bayou》
1:《Scrubland》
1:《地底の遺体安置所/Underground Mortuary》
1:《薄暗い裏通り/Shadowy Backstreet》
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
1:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
1:《カラカス/Karakas》

[サイドボード]
2:《悪名の騎士/Knight of Infamy》
1:《門衛のスラル/Doorkeeper Thrull》
1:《敵対工作員/Opposition Agent》
3:《苛立たしいガラクタ/Vexing Bauble》
2:《流刑への道/Path to Exile》
1:《突然の衰微/Abrupt Decay》
1:《空の怒り/Wrath of the Skies》
3:《虚空の力線/Leyline of the Void》
1:《活性の力/Force of Vigor》

・1枚採用だらけ

このデッキの大きな特徴は、とにかく1枚採用が多いこと。
逆に4枚採用しているカードの種類は限られている。
しかしこれは迷いがあるわけでなく、理由がしっかりとあって必要カードを必要枚数入れているに過ぎないのだ。
調整の結果の産物である

採用枚数それぞれに対し、具体的な考え方としては
▶4枚:①環境デッキに100%刺さる ②デッキに必須の潤滑油
▶3枚:①環境デッキ75%に刺さる ②1枚、場に出ると戦況が一変する
▶2枚:①環境デッキ50%に刺さる ②有利盤面に引き戻してくれる
▶1枚:強い盤面がピンポイントに存在する
という感じだ。①②があるものは、①②のいずれかに該当するときこの採用枚数になっている、という感じだ

・メタカードの塊

デッキコンセプトは「すべてのデッキに対抗するデッキ」だ。
1枚のカードが2~3種類のデッキににらみをきかせており、相手の動きをとにかく封じ込めて総合力で競り勝つ。そういう発想で構築している。
このデッキはメタカードの塊デッキということができるので、正直ヴィンテージ初心者には扱いが難しいかもしれない。
しかしクロックパーミッション(邪魔しながら殴り勝つ)タイプのデッキが好きであれば、環境理解が進むにつれてこのデッキの強さが分かってくるように思う。

■ヴィンテ環境について

このデッキを楽しむためにも、ヴィンテ環境を少し覗いてみよう。

ヴィンテージフォーマットにはいろんなデッキがある。
ので、晴れる屋の使用率ランキング(2024.7/15現在)をもとにデッキを解説していこうと思う。
※デッキ名をタップすると晴れる屋のデッキリストページに飛びます。

色々ある

・《Mishra's Workshop》を使う「ショップ」系

ジュエルショップ

《切望の宝石》(ジュエル)を《Mishra's Workshop》(ショップ)で早出しし、ドローをつなげて勝利を目指すコンボデッキ。
《切望の宝石》から出る3マナとΦマナ(2点ライフ)で《ファイレクシアの変形者》を唱えられるため、ずっと《切望の宝石》が出続けて3ドローし続けることができる。

ドローした先にはヴィンテージのお家芸、《Time Vault》+《多用途の鍵》無限ターンが待ち構えているという算段だ。
アンタップしてしまえばデメリットなしにタップだけで無料の追加ターンをもらえる《Time Vault》と、
それを起こすことができる《多用途の鍵》の2枚コンボ。強力無比である。
最後は《ウルザの物語》トークンで殴ったりして勝つ

アグロショップ

《継ぎ接ぎ自動機械》が《Mox》連打で育ったり、《イラクサ嚢胞》や《ウルザの物語》トークンが巨大なサイズで出てきて殴り勝つビートダウンデッキ。
序盤から攻め攻めな構築なところが、ジュエルショップとは構築の思想が全く違う「ショップ」系デッキだ

ウルザショップ?

名前がわからないため「ウルザショップ」とした。デッキ名が分かる人教えてください。
《Mishra's Workshop》のマナでシカリアンを唱えることで分隊を作ってドローを進めつつ、マナ加速の先に《最高工匠卿、ウルザ》や《ワームとぐろエンジン》を出す中速デッキ。
青単に寄せたのがこのウルザ型。フィニッシュはお好みのクソデカクリーチャーで

シカリアンショップ(青白)

青白のショップデッキ。前述ウルザ型の《シカリアン》ドローや《意志の力》など、青の強みは残しつつ、《アージェンタムのマスティコア》や《遺跡の天使》で相手盤面を触り、《オズワルド・フィドルベンダー》が《Mox》を生贄に《ポータブル・ホール》を持ってきたりする。
白のいいところも足し合わせた青白コントロールデッキがこれだ。
同種のショップ系デッキにも強く出られるという特徴をもつ、クロックパーミッションデッキ

・コントロール(《ルールス》相棒)系

青黒コントロール

クリーチャーは相棒の《夢の巣のルールス》のみ。ボードコントロールし、カウンターでしのぎ、とにかく相手の足止めをして《Time Vault》無限ターンを狙う純正コントロールデッキ。
《狼狽の嵐》をメインに厚めに採用できるコントロールデッキはこれだけ。1マナが貴重なリソースになるヴィンテージでは、《狼狽の嵐》は相当な脅威となる

墓荒らし

カウンター、ドロー、追加ターンの青、《溜め込み屋のアウフ》《突然の衰微》《活性の力》など相手の足止めカード、それらを展開しつつフィニッシャーになる《死儀礼のシャーマン》と、とにかくテンポを取ってボードを制する思想で組まれたコントロールデッキが墓荒らしだ。
つい最近までは《王冠泥棒、オーコ》をフィニッシュに据えていたが、モダホラ3後は《超能力蛙》が試されているようだ

・コンボ系

最後の審判/ドゥームズデイ

・《最後の審判》を唱え、《Ancestral Recall》でカードを引き込み《Black Lotus》などから《タッサの神託者》を出すルート
・《タッサの神託者》+《Demonic Consultation》というEDHでよく見るコンボルート
この2つのルートを持つヴィンテ屈指の強コンボデッキがDoomsdayだ。《狼狽の嵐》《目くらまし》《意志の力》などのバックアップはレガシー同様厚めに搭載されているため、相手コンボを足止めして自分の動きを通しにいける点も強い

オース

《ドルイドの誓い》から《偉大なる統一者、アトラクサ》を出すデッキ。
相手側にクリーチャーいなかったら《ドルイドの誓い》誘発しないやん!と思うじゃないですか。
そんな時には《禁忌の果樹園》が火を吹くんですねぇ

「お前、クリーチャー持ってんだろ」って言う輩みたいな土地

《アトラクサ》はフィニッシャーなのにドローカードとか《オーコ》とかトップ10枚から次のアクションを連れてくるので、《アトラクサ》本体を対処されても舞える。
《活性の力》で《ドルイドの誓い》を破壊してくる緑デッキには、《実物提示教育》から《アトラクサ》が飛んできたり《修繕》から《鋼の風のスフィンクス》が飛んでくる。ほんまうんち

緑だと《母聖樹》で破壊以外の対処方法がない

・ヘイトベア系

イニシアチブストンピィ

《金属モックス》と2マナ出る土地から、1ターン目にクソ野郎どもを出してくるデッキ。
特に《エメリアのアルコン》はヴィンテ環境に劇的に刺さる。
フェッチランドやデュアルランドはもちろん《Bazaar of Baghdad》みたいな土地もタップイン、Moxを唱えれば次のアクションができず、何もさせてもらえないまま《不毛の大地》で土地ハメされて終わり、みたいなこともしばしば起きる。
レガシー禁止の《白羽山の冒険者》は即殺クラスのカードパワーを誇っており、モダホラ3の新カード《魔女の結界師》は「オース」デッキや「ショップ」系デッキにも睨みをきかせている。
非常にバランスよく勝ち切れるデッキだ

・《Bazaar of Baghdad》系

唯一無二の能力

タップするだけで2枚引いて3枚捨てる。
「墓地は第二の手札」と言われるMtGでは《Bazaar of Baghdad》は最強クラスの土地だ。

ドレッジ

ドローする代わりに発掘(ドレッジ)する…?なるほど、では《Bazaar of Baghdad》で2枚ドローをドレッジに置換しようではないか、という悪魔のデッキ。
発掘5→発掘5→3枚手札を捨てる(発掘持ちカード)と動くとみるみるうちに墓地が肥え、《ナルコメーバ》《イチョリッド》が場に戻ることで《秘蔵の縫合体》が場に戻り、、、と気づけば簡単に相手ライフを刈り取るクロックが場に並ぶ。
いやいや、20点のライフは削れないでしょ?と思ってたら《這い寄る恐怖》×2が墓地に落ちたせいでライフ14点スタート、みたいなこともよくある

ピッチホロウ

《ゴブリンの太守スクイー》《死の達人》を捨て、《両替機》でトークンに変換、アップキープにまた手札に戻してぐるぐるするデッキ。
《死の達人》をコストに《意志の力》をピッチスペルとして打ったり、《ゴブリンの太守スクイー》をコストに《激情》をピッチスペルとして打ったりするのでピッチホロウと呼ばれる。
最近は《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》とかも試されているとかいないとか

ホロウヴァイン

個人的最推しデッキ。《Bazaar of Baghdad》から《日を浴びるルートワラ》《猛火のルートワラ》を捨てて唱え、《復讐蔦》を場に戻す高クロックビートダウンデッキ。もちろんデッキ名にある《虚ろな者》も唱えるよ。
《ガイアの揺籃の地》からマナを出せば、普通に手から《復讐蔦》を唱えたり《呪詛呑み》のレベルを最大値にしたりすることも。
とにかく殴る!妨害されたら考える!と、考えることが少なくわかりやすいデッキ

主要なデッキはこんな感じだ。
では、これらのデッキにどう対処していくか。
75枚のカード解説とともに少しずつ触れていく

■採用カード解説

4:《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》:潤滑油

ヴィンテージ最強格の1マナアクション

言わずと知れた1マナプレインズウォーカー。
墓地対策、マナ加速、2点クロックとすべてをこなすタフネス2の天才。
《オークの弓使い》で倒せないのほんまどうなってんのこいつ?
《Bazaar》デッキの《復讐蔦》《死の達人》のような墓地依存寄りのクリーチャーを抜くのにも一役買い、《不毛の大地》で自分側の土地を割られてもマナが出るおかしいやつ。
能力に一つも無駄がない。緑黒で構築する理由。4枚採用

4:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker》:環境全刺さり

このデッキ最強はこれ

このデッキの核。フィニッシャー、墓地対策、相手の強力なカードをパクるカード。
確実に3点を刻むだけでなく、墓地利用を否定することで《Bazaar of Baghdad》を活用するデッキも否定する。
ひとたび相手フィニッシャー(例えば《偉大なる統一者、アトラクサ》)を《暗殺者の戦利品》などで除去すれば、自分が無料で使うこともできる。以前《活性の力》で《Time Vault》と《多用途の鍵》を同時に破壊、ダウスィー能力から唱えて無限ターンしたこともあった。あまりに極悪非道で相手と爆笑した。
《暗黒の儀式》からの《ダウスィー》+《思考囲い》コンボを採用したい気持ちもあるが、枠がないため今回《思考囲い》は不採用となっている

1:《大食の幼生、グリスト/Grist, Voracious Larva》:ビート対策

ブロックしてよし釣ってよし

期待の新人。
相手が早い段階で殴ってくるアグロショップ、イニシアチブやホロウヴァインなどのデッキに対し接死1/2が強大な壁になる。
《再活性》や《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》でグリストや隣のクリーチャーを釣り上げ、能力起動してプレインズウォーカーになれば、+1能力を連打しているだけで殴るデッキは沈黙するだろう。

-2能力もヴィンテージでは強力だ。
フィニッシャーを踏み倒してくる《ドルイドの誓い》を破壊したり、Moxを並べて巨大なトークンを生み出してくる《ウルザの物語》を破壊したり、あとは単純にMoxを破壊(事実上の土地破壊)したりもできる。
殴りに行くカードではないし、活躍する状況が限定的なため採用は1枚

4:《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》:環境全刺さり

パワーなしヴィンテージの星

相手のMoxが嫌なら、否定しちゃえばいいじゃない。
というカードだが、ついでにジュエルショップのようなコンボデッキにバチバチに刺さるので(《一つの指輪》のドローや《切望の宝石》のマナを出す能力封じ)4枚採用。
アウフを出してこれ1枚で殴り勝つこともたまにある。ヴィンテージの《溜め込み屋のアウフ》は想像の1億倍くらい強力なのでぜひ使ってほしい。枚数は減らせない

3:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》:戦況を一変

この絵すき

ヴィンテージにはとんでもないドローカードが多くある。
ジュエルショップには《切望の宝石》(3ドロー)や《逆説的な結果》(最低3~10枚以上ドロー)があるし、青いデッキには《Ancestral Recall》(3ドロー)はもちろん入っている。たまに《Timetwister》(7枚ドロー)まで入ることも。
ドローカード自体がコンボの要になるデッキも存在するヴィンテージ環境では、《オークの弓使い》は必要カードなのだ。
ただ、どのデッキに対しても必須という訳ではないため3枚採用にとどめた

2:《門衛のスラル/Doorkeeper Thrull》:環境75%刺さり

ヴィンテ環境にぶっささり

今回の構築の要。白をタッチした理由はほぼこいつ

【ジュエルショップ】
《一つの指輪》⇒プロテクション無効
《切望の宝石》⇒ドロー無効
《マイトストーンとウィークストーン》⇒何もさせない

【Doomsday】
《タッサの神託者》⇒勝とうとしても勝てない

【オース】
《偉大なる統一者、アトラクサ》⇒カード回収能力無効

何より【白単イニシアチブ】デッキにかなり強く出られる。
《白羽山の冒険者》《練達の地下探検家》のようなイニシアチブを得るクリーチャーはもちろん《孤独》の除去能力を無効にすることができる。
相手がイニシアチブをすでに得ている状況であれば、このクリーチャーで殴りにいきイニシアチブを奪うことも可能だ。
しれっと書いたが《タッサの神託者》対策として100点のカードなので、サイド後Doomsdayデッキに3枚目を増量する。
メインではクロックとして貧弱なので2枚だけ採用

2:《聖遺のワイト/Wight of the Reliquary》:有利盤面を作る

いぶし銀

土地を持ってくるタルモゴイフ。
どこがタルモ?と思うだろうが、このデッキは攻撃力が低すぎてひとつ前の環境で《タルモゴイフ》をフィニッシュブローとして評価し採用していた。
今でもデッキ開発者のよしかはタルモを採用しているが、個人的に《不毛の大地》や《karakas》を適切なタイミングで持ってきたいので《聖遺のワイト》を採用している。

デッキ構築的にコンスタントに3/3とか4/4とかで殴れるし、6/6くらいのサイズになることも多々ある。
終盤戦の高クロックとして頼もしい。適当にサクれるクリーチャーを用意してくれる《オークの弓使い》との相性はいいが、それ以外ではクリーチャーを生贄にするデメリットがつらいので2枚のみ採用

1:《溌剌の牧羊犬、フィリア/Phelia, Exuberant Shepherd》:ピンポイントメタ

モダホラ3の大注目カード

ヴィンテージ特大注目カード。相手も自分も対象に取れるのがすごい。
ヴィンテ環境ではMoxと並び5/5以上のサイズになる《ウルザの物語》トークンもこれ1枚で吹き飛ばせるし、《王冠泥棒、オーコ》が用意してきた食物トークンベースの鹿も吹き飛ばすし、20/20破壊不能のマリット・レイジトークンもこれ一枚あればOKだ。
相手が油断しているところで鼻を明かしてやろう。
このデッキじゃなくても活躍の場が今後増えそうなカードだ

3:《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー/Tyvar, Jubilant Brawler》:戦況を一変

陰の実力者

今ここまで紹介してきたクリーチャーを、誰でも場に戻せる最強プレインズウォーカー。だがびっくりするくらい注目されてない。ぜひみなさまタイヴァー使ってあげてください。つよつよなので

【相手とのかみ合い1】
《ダウスィーの虚空歩き》を起動、追放されていた相手の《Time Walk》を対象→《タイヴァー》-2能力で《ダウスィー》を先に場に戻す→このターン唱えてOKになっていた《Time Walk》を0マナで唱え、再び虚空カウンターを乗せて《Time Walk》を追放。
▶その後は2回目の《Time Walk》を唱えてもいいし、いったんターンを持ち越して次の《タイヴァー》や《再活性》を引き込むことで《Time Walk》連打を目指してもいい

相手とのかみ合い2
相手が《溜め込み屋のアウフ》を打ち消した、次の3ターン目に《タイヴァー》を唱えて通った。
-2能力起動で打ち消されず《アウフ》帰還。
《アウフ》の部分は任意のカード《n》で置き換え可能。相手にぶっ刺さるクリーチャーを無料で戻せるのが強い

1:《敵対工作員/Opposition Agent》:環境50%刺さり

サーチ禁止マン

ヴィンテ環境には《ウルザの物語》はもちろん、制限カードの《修繕》《悪魔の教示者》《吸血の教示者》や、デッキ名にもなっている《最後の審判/Doomsday》など強力なサーチカードがある。
サーチを止められなかったら有利盤面もなにもなくひっくり返されて負け、ということも往々にしてあるため、サーチ自体を封じることにものすごく大きな価値があるのだ。

当然フェッチランドも咎められるため《暗黒の儀式》から急に出すと相手は詰んで投了、とかもあり得る。
直接「サーチそのものを」どうにかするこのカードはゲームエンド級のため、サイドも併せて2枚採用

1:《苦難の収穫者/Harvester of Misery》:ピンポイントメタ

打ち消されない除去

《死儀礼のシャーマン》絶対殺すマン。
《夢の巣のルールス》絶対殺すマン。
《ダウスィーの虚空歩き》には捨てて除去のモードだとちょい弱(唱えられれば別だが)。

《死儀礼のシャーマン》《溜め込み屋のアウフ》を並べてくる「墓荒らし」のようなデッキにめっぽう強い。ミラーにもバチクソ強い。
味方を巻き込んででも相手盤面を一掃できた方がいい状況はためらわず使ってよい。こっちには《タイヴァー》がいるから巻き込まれたやつらは復活できる。
自軍クリーチャーを巻き込みたくないのであれば、《門衛のスラル》が居る時に展開して5点クロックとして場に出すのもいいかも。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクするのもいいだろう。《フィリア》は+1/+1カウンターが乗るのでブロックされずスルーされたら普通に生き残るし、犬がブロックされればタフネス4ブロッカーまでは討ち取れる

2:《カザド=ドゥームのトロール/Troll of Khazad-dum》:有利盤面を作る

ヴィンテでも大活躍

レガシープレイヤーには説明不要だと思うが、《再活性》して殴ったら勝つ。シンプルイズベスト、最強クリーチャー。
サイクリングが1マナなのはやっぱどう考えてもおかしい。《不毛の大地》構えながらサイクリングしたり、沼からサイクリングして二枚目の黒マナ確保→《ダウスィーの虚空歩き》と繋いでくれたりする。
たまに4マナある状況で《暗黒の儀式》から出ることも。できれば3枚目もほしいが現状《苦難の収穫者》がその枠に収まっている

1:《水蓮の花びら/Lotus Petal》
1:《Mox Jet》

このデッキのコンセプトは「パワーなしでも勝てる」だが、僕はMox持ってるので突っ込んでます。
Moxがなければ土地か《暗黒の儀式》を増やせばOK。マナベースカツカツなので土地ならフェッチランド1枚追加が安心。
《水蓮の花びら》は制限カードのため、1枚は買い得。気軽に入れておいてほしい。
正直このデッキは《Mox Jet》と《Black Lotus》だけはほしい(他のパワー9は不要だが)。1ターン目に《ダウスィーの虚空歩き》を出すとかなり勝てる

より強くデッキを使うのであれば(持ってる人は)Moxとか入れてね

2:《暗黒の儀式/Dark Ritual》:有利盤面を作る

好きな絵の《暗黒の儀式》を採用しよう

なんちゃって《Black Lotus》…と見せかけて、相手が予想していないタイミングで《敵対工作員》をぶん投げたりできるので《Black Lotus》より強い時がある。
人は見えている地雷には突っ込まないが、何もないような態度を取られたら思わずアクションを取ってしまうものだ。
黒ならではの、相手を翻弄する1枚。3枚目を枠を作って入れたい気持ちもあるが枠がなくて困っている。
Moxの項目でMox→フェッチ変更が安心って書いたけど、土地枚数ギリで回せる猛者はMox→《暗黒の儀式》変更の方が使い勝手がいいかも

1:《致命的な一押し/Fatal Push》:便利除去①

対象にとる範囲が広い

実はヴィンテージの《致命的な一押し》はかなり強い。
《死儀礼のシャーマン》《白羽山の冒険者》《エメリアのアルコン》《黙示録、シェオルドレッド》と役割対象は枚挙にいとまがない。
このデッキが白タッチしていなければ、サイドボードにも1枚追加採用するレベルだ。パイオニアプレイヤーやモダンプレイヤーにもおなじみの除去だが、パワータフにかかわらずコスト参照して破壊するのはやはり強い。ヴィンテージにおいても最強コスパの1マナ除去だ

1:《精神的つまづき/Mental Misstep》:ヴィンテたしなみ枠

ヴィンテといえば《精神的つまづき》。これを取らない理由はない
対象となる打ち消し先は、《死儀礼のシャーマン》《Ancestral Recall》《吸血の教示者》《太陽の指輪》、相手の《精神的つまづき》が主なところ。たまに《致命的な一押し》を消したり、サイド後に《剣を鍬に》を消したりする。制限カードは強いんですよ。コントロールっぽい動きをするこのデッキでは無料の入れ得カード

1:《吸血の教示者/Vampiric Tutor》:ヴィンテたしなみ枠

1ターン目からなんでもサーチできるすごいやつ。《暗黒の儀式》で浮いたマナからサーチしたりもする。このデッキでは《死儀礼のシャーマン》の能力起動を構えながら相手エンドに打ったりすることもできるためかなりの便利カードと言えるだろう。
ちなみに、同じく制限カードにされている《悪魔の教示者》はソーサリータイミング+2マナの動きが重く、テンポロスが大きすぎるため今回は採用を見送っている

2:《再活性/Reanimate》:有利盤面を作る

1マナの釣り竿。その強さは唯一無二である。
このデッキでは《暗黒の儀式》《死儀礼のシャーマン》が《精神的つまづき》の対象となるため、その後の《再活性》が通りやすい。
最強クリーチャーである《ダウスィーの虚空歩き》を起動後に場に戻せるのはもちろん、フィニッシャーとして最強の《カザド=ドゥームのトロール》を場に出せればそのままゲームエンドである。
《水蓮の花びら》《暗黒の儀式》からすぐ1マナでフィニッシャーを釣り上げられるのはやはり強い。

1:《突然の衰微/Abrupt Decay》:有利盤面を作る

主に「オース」デッキ対策。
オースデッキの《ドルイドの誓い》《王冠泥棒、オーコ》はいずれもフィニッシャーとなるため、打ち消されず破壊できるこのカードがほしい。
《オーコ》に関しては墓荒らしにも採用され厄介この上ない。墓荒らしデッキもオースデッキもカウンターを構えてくるため打ち消されない除去が輝くのだ。複数枚欲しくなるためサイドにも1枚

1:《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》:便利除去②

《ウルザの物語》《Bazaar of Baghdad》《Mishra's Workshop》などの土地も触れる除去。
幅広くなんでも破壊できるのが便利すぎてメインに取っておきたい。
《突然の衰微》と違い打ち消されてしまうので1枚

1:《壌土からの生命/Life from the Loam》

《不毛の大地》《露天鉱床》を使いまわすだけで相手の心が折れる。
《耐え抜くもの、母聖樹》も使いまわせてよい。
相手の《不毛の大地》に破壊されてしまったデュアランを戻すことも

2:《活性の力/Force of Vigor》:戦況を一変

ヴィンテージ緑デッキのたしなみ枠。
《Time Vault》無限ターンのコンボパーツを両方破壊、《ウルザの物語》とMoxをセットでつぶすなど、メイン戦から活躍の場は多い。
《ドルイドの誓い》のような一枚コンボや、アーティファクトを活用するデッキに対してサイド後に3枚目を増量する

4:《不毛の大地/Wasteland》
1:《露天鉱床/Strip Mine》:環境全刺さり

ヴィンテージ激ヤバ土地の対策は必須のため、コントロール系デッキでは入れない理由がない。
《Bazaar of Baghdad》みたいな一枚でデッキになるレベルの土地カードがある限り、枚数は減らせない

1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》:便利除去③

打ち消されない置きもの破壊、土地破壊。追加の《不毛の大地》であり《活性の力》でもある。
《活性の力》では割れない《鋼の風のスフィンクス》も対処可能

1:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

《聖遺のワイト》から持ってくる。《カラカス》から黒マナ出ないのが弱すぎて採用

1:《カラカス/Karakas》:便利除去④

《聖遺のワイト》から持ってくる。《偉大なる統一者、アトラクサ》の出たとき能力を《門衛のスラル》で消したあと、これで手札にお帰りいただく。
マリットレイジさんも一撃で吹き飛ばせるため採用。
たまーに自分の犬をぴょんぴょんさせて相手のクロックを止め続けたりする

デュアルランド、フェッチ、基本土地の解説は省略。

[サイドボード]

2:《悪名の騎士/Knight of Infamy》:有利盤面を作る

プロテクション白。イニチアチブ対策。以上

3:《苛立たしいガラクタ/Vexing Bauble》:戦況を一変

Mox絶対殺すマンと見せかけて、ドレッジ絶対殺すマン。
1ターン目《苛立たしいガラクタ》で《意志の力》を封殺
⇒2ターン目《ダウスィーの虚空歩き》で墓地利用不可
ゲームエンド。《暗黒の儀式》があればこれを1ターン目に行うことも可能

2:《流刑への道/Path to Exile》:有利盤面を作る

クロックが細いこのデッキでは相手ライフが回復すると勝ちが遠のきしんどいため、《剣を鍬に》ではなく《流刑への道》を採用。
《アトラクサ》《復讐蔦》やイニシアチブデッキのクリーチャーは、とにかくサイズがでかくてしんどい。殴ってくるデッキにサイドインして相手フィニッシャーを吹き飛ばそう

1:《空の怒り/Wrath of the Skies》:ピンポイントメタ

《ウルザの物語》トークン一掃、ついでにMoxも吹き飛ばすカード。お試しなので《名前の長い土地》と入れ替え枠

3:《虚空の力線/Leyline of the Void》:戦況を一変

《Bazaar》系デッキに貼って、《苛立たしいガラクタ》を置けば1ターンキル。現場からは以上です

※解説済みサイドカードについては触れません

〇採用候補カード

ここからは、惜しくも選考漏れしていたり持ってなかったりで入れてないカード

《The Tabernacle at Pendrell Vale》
通称名前の長い土地。持っていない。
ホロウヴァインとかドレッジとかにクソ強いので入れたい。自分もクリーチャーが並ぶデッキではあるが、1枚これが入る安心感の方が勝る

《思考囲い》/《悲嘆》
《ダウスィーの虚空歩き》と相性が良すぎる。《再活性》を取っているため最初は《悲嘆》も採用していたが、枠がなくなり抜けていった。
《暗黒の儀式》3枚目を採用するMoxなし構築の場合には《思考囲い》は打てるワンチャンがあるので採用はあり。抜けるカードがないです…

《毒を選べ》
黒緑構築(白なし)の場合は入れる。サイド後、主に《ドルイドの誓い》《アトラクサ》対策で入れていた。《流刑への道》に役割をだいたい持っていかれ抜けたものの、能力の選択肢が多く使い勝手は悪くない。枠が生まれたら再登用するかも、と思いつつソーサリーが弱いので微妙か

《攪乱のフルート》
ヴィンテージ完全に理解したら採用したい。ヴィンテ環境、いまの僕にはまだ難しくて扱いきれないため不採用としている。
カード指定系のカードってむずいよね

■最後に

ヴィンテージがどんな感じのゲームになるのかは、一度対戦し、体験してほしい。
理不尽が気持ちよく、負けても悔いが残りにくい不思議なゲーム体験に僕は心奪われた。
パワー9がどうこうなんて関係ない。
どのフォーマットでもそうかもしれないが、特に、いかにゲームを楽しめるかがヴィンテージでは大切な指標になるように思う。

もちろん勝てばより楽しくなるのでこのデッキに乗るもよし、ノーパワーヴィンテージ「C4」を使うもよし。
対戦をして面白さを感じてくれたら一人回し!オンライン対戦!リアルイベント参加!まだまだ未知の世界は広がっている。まずは一歩踏み出してほしい。

リアル大会に興味を持った方はぜひ沖縄へ。毎月ABSOLUTE ZEROさんがヴィンテージ大会を開いてくれています。
スケジュールを合わせて旅行ついでにヴィンテで遊ぼう!沖縄で僕と握手!


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