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ロビンソンとスペースアポロ

先日、近所のスーパーで変わった名前の菓子パンを見つけたので購入した。

その名もスペースアポロである。

なんと宇宙っぽい名前だろう。味や材料についての情報は一切無く、ただただ宇宙っぽい感じを放っている。「スペースアポロ」という語が何を意味するのかは不明でも、宇宙っぽいオーラだけは凄い。名前だけで言えば小惑星探査機「ハヤブサ」よりはるかに宇宙っぽいし、なんなら「スペース」がついているぶん本家「アポロ11号」よりも宇宙っぽい。かなり宇宙宇宙している。マジで宇宙みが深い。

だが肝心のパンが宇宙っぽいかというと、全然そうでもない。パンは普通の菓子パンだ。星のマーク一つない。普通に名付ければ「カステラ風なんちゃら」になると思う。宇宙をこじつけようと思えば、全体の形を半月、挟まったクリームを天の川、その中のザラメを星々に見立てることは可能だが、結構無理がある。オリンピック開会式の演出みたいにNHKのアナウンサーに解説してもらわないと意味が伝わらない可能性が高い。

それでも「スペースアポロ」という名前はなかなかアリだな、と思う。キャッチ―で覚えやすいし、「スペースアポロ」という単語のもつレトロな雰囲気が、パンの素朴な感じとマッチしている。名前と中身の関連性はかなり薄くても、割と似合っているんじゃないだろうか。もっとパンにあった名前を考えてと言われても結局「スペースアポロ」よりしっくりくるものが無いような、そんな感じだ。

そういう名前で他に思いつくのがスピッツの名曲「ロビンソン」である。この「ロビンソン」というタイトルは歌詞の内容とはほとんど関係がなく、ただただロビンソンしているが、曲にぴったりはまっている。

「ロビンソン」という単語は歌詞に一度も出てこないし、意味から考えても(ロビンソン・クルーソーという多少強引な後付けはあるにせよ)関わりは薄い。そもそもの由来も、タイのロビンソンデパートからとってつけた仮タイトルをそのまま正式なタイトルにしたということらしく、やはり歌詞とは関係がない。

それなのにこのしっくり感だ。どこにも違和感がない。所ジョージの金髪くらい馴染みまくっている。つまりかっこいい。もう「ロビンソン」以外の名前で満足するなんて無理だ。それくらい「ロビンソン」はとても素敵なタイトルで、僕は「ロビンソン」が大好きだ。だからなんだという話だけれど。


あと余談を二つ。

1.「ロビンソン」の歌詞みたいに、「スペースアポロは宇宙の風に乗って飛んでいく」という話をしたかったが、はさむ場所がなかった。

2.「スペースアポロ」→「ロビンソン」→「SOMPOホールディングス」で無限にしりとりができるので、参考までに。

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