泣いてる

ひとりの泣いてる少女がいた。

あまりにも悲しそうなので、わたしはどう彼女を壊さずに癒せるか考えた。

わたしは少女の親友にまでなったつもりでいた。

考えに考えて、とうとうさあ、と声を掛けようとした途端、わっと人々が集まってきた。

甲高い声で
大丈夫?
泣かないで
はい、ハンカチ。

あまりにうるさくて、耳がわんわんとした。
このらんぼうもの。

わたしは嫌になってその場を去った。

少女は、より一層大きな声で泣いていた。

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