P1Harmony FIND OUTの全曲を自分なりに解釈してみる回。③

5.Before The Dawn

この曲はラップ詞がかなり多いのにバランスが悪いと一切思わないの、ボーカルパートの存在感の強さとか、ラップの心地よさとかが全部きれいにまとまってるんだろうな…と毎回圧倒されます。絶対に生で聴きたい。
そしてここの歌詞についての解釈、かなり偏って?います。見当違いの可能性かなりあります。ご注意を。

발자국만 남은 꿈 따위
익숙해 날 계속 밟아
그들은 말해 누구라도 이룰 수 있대
거짓말뿐인 세상
정말 네가 손을 뻗니?
언제부턴가 나와 꿈을 떼어놓는 낯선 그 손길
어른들이 손에 쥐여줬던
풍선 같은 꿈들을 터뜨린
저들의 뾰족한 손가락질
결국 가리킨 방향은 저들과 똑같은 길
의욕 따윈 나에게는 욕심
내 불꽃은 눈밭에서 핀
피하지 못할 Destiny
足跡だけが残る夢なんて
慣れた 僕を踏み続ける
彼らは言う 誰でも叶えられると
嘘しかない世界
本当に君が手を伸ばしたの?
いつからか 僕と夢を離した見慣れないその手
大人たちが手に握らせてくれた
風船のような夢たちを割った
奴らの尖った指
結局指した方向は奴らと同じ道
意欲なんて 僕には欲望
僕の花火は雪の中で咲いた
避けられない Destiny

ここで言う”足跡だけが残る夢”ってのは先駆者がいてただ後を追うだけといいうことなのか、もしくは前に進みたいのに前に進めず、ただ同じ場所…自分の足跡をひたすらに踏むだけになってしまっている状況か。だと思ったんですが、次の歌詞から後者の方が近いのかな。と思いました。自分が歩いた道しか見えなくて前に希望が見えなくなってしまったような状態。
”いつからか僕と夢を離した見慣れないその手”
”大人たちが手に握らせてくれた風船のような夢を割った奴らの尖った指”

ここにきて歌詞の中に味方のような立場の大人がでてくるのがまた新鮮にも思えました。でもその前に”本当に君が手を伸ばしたの?”とあるので、自分で風船を手にしたのではなく、大人が風船を持たせたという可能性もあるな…と思いました。そうすると最初の夢は大人があらかじめ道標をつくっていた足跡だらけの夢かもしれない。嘘だらけの世界。
ちなみにこのフレーズの中で「그들」と「저들」が出てきていて、どちらも彼らと訳しても問題はないと思うんですが、後半に出てくる「저들」は悪い奴のようにも思えたので「奴ら」としています。
でももし、風船(=夢)を大人たちの意思で持たされたのだとしたら、それを割った”奴ら”は僕らに自ら夢を掴めと言おうとしたのかもしれない。
花火が雪の中で咲くと咲かずに消滅する…ということだと思うんですが、大きく花開くと思っていたものが全く開かなかった状態。”避けられない運命”というのはあらかじめひかれていたレールに気付けなっかったが故のことのような。

항상 해가 뜨던 자리에는 달만
창밖을 가리던 커튼은 그 자리에
걷히지도 않은 채 눈을 가린다
빛이 없어졌는지조차 모르지
내 세상엔 없던 것이기에
또 남을 시기해 질투해
새벽에 머물러 있는 나는
빛을 볼 생각이 없네
가장 추악한 아름다움에 끝내
빠져나오지도 못할 늪에
다시 빠져드네
いつも太陽が登っていた場所には月だけ
窓の外を隠していたカーテンはその場所で
閉じ込められてもないまま 目を隠す
光が無くなったかさえも分からない
僕の世界には無かったものだから
また人を妬んで 嫉妬して
夜明けに留まっている僕は
光を見る考えがない
最も醜い美しさに終わる
抜け出せもしない沼に
また嵌まっていく

夢を追いかける途中で深い闇に出会ってしまった話。ただ夜が来ただけで窓にかかったカーテンはいつでも開けることができて、部屋に閉じ込められている訳でもないのに自ら目を覆う。光がまだあるのかも、無くなったのかも分からないまま。今までいた世界には朝と昼のような明るい時間しかなかったっから。
明るい新世界を目指していた中で突然の壁、闇にぶつかってそこから動けなくなっているようなイメージ。DILTでは妬みや嫉妬に噛みついて戦っていたのに、闇の中では自らがその立場になってしまっている。
両方同じ単語を出しているの、ジョンソプなら意味を持って書いてそうで良いです。かなり。ここについて詳しく聞けたら聞きたいな…。
冒頭のインタクの”僕を踏み続ける”とこのジョンソプの”夜明けに止まっている僕”はどちらもその場で足踏みをしているような様子を描いているんだと思うんですが…。2人の世界観がそれぞれ素敵で良いですね。
”抜け出せもしない沼にまた嵌まっていく”の歌詞。かなり重い1フレーズだなと思いました。妬みや嫉妬という醜くも魅力的な闇に嵌まって抜け出せなくなって”夜明けに留まっている”。

You know darkness is the deepest
Before The Dawn
Before The Dawn
여기서 난 절대 멈추지 않아

Even though it feels like falling
off the deep end
off the deep end
다 이길 수 있으니까
더 잘할 수 있으니까
I can see the sun is rising
You know darkness is the deepest
Before The Dawn
Before The Dawn
ここで僕は絶対に止まらない

Even though it feels like falling
off the deep end
off the deep end
全部勝つことができるから
もっと上手くできるから
I can see the sun is rising

これサビの英語詞がそれまでの歌詞の主人公とは少し別の立ち位置からの言葉のようにも思える気がします。自分の中にまだ少しだけ残る希望の光というか、まだギリギリ挫けていない部分。”あなたは闇が最も深いことを知っている”と声をかける何か。
前の歌詞がかなり後ろ向きになっているような中で、”ここで僕は絶対に止まらない””全部勝てるから””もっと上手くできるから”と奮い立たせるような歌詞。切実な歌い方が印象的なんですが、後半部分がすごく…親の期待に応えきれなかった子供が泣きながら話す言葉のようにも聞こえてくるな。と思うことがあります。ここの歌詞がすごく、他の曲よりも一段と子供らしさというか…色んなことを経験した大人じゃなくて、初めて大きな闇にぶつかった”未成熟”な彼らの現状を感じるようにも思いました。

진흙 속에서 피어나는 Flower
진흙 속이라 더 아름답게 보이는 것
그것뿐 다 거품 같은 말들뿐 지금껏
그 거품들에 의지한 채 숨 쉬어 왔던
내게 말해 제발 꼭 피워 내라고
새벽 달빛에 몸 의지해서라도
달빛을 불씨 삼아서
Burn like the sun
나의 밤을 태우기 위한
Like trigger on a gun
해 본 적 없더라도 손에 꼭 쥔 채
눈을 잠시 감았다가 떠
泥の中で咲く Flower
泥の中だからより美しくみえるもの
それだけ 全て泡のような言葉だけ 今まで
その泡たちを頼るまま 息を吸ってきた
僕に言ってくれ お願い 必ず花を咲かせろと
夜明けの月光に身体を寄せてでも
月光を火種にして
Burn like the sun
僕の夜を燃やすための
Like trigger on a gun
やったことがなくても手に必ず握ったまま
目をしばらく閉じてから開ける

”必ず勝てるから”と闇から抜け出すことをきめた後の話。
抜け出せない闇の中で、すぐに割れて消えてしまいそうな希望の言葉だけを頼りにどうにか気持ちをつないでいた。
”必ず花を咲かせろ”と言って欲しい。という歌詞。これまでの曲の中で初めて、こちら側に助けを求めるような部分です。このあたりがかなりPeacemakerにもつながっていくような気がします。”僕ら”じゃないとダメな理由のような。必ず花を咲かせろと言ってもらうだけで、その使命感で燃えていない月の光を無理やり火種にしてまでも闇から抜け出す強い意志につながるの…。すごい…なんでしょうね…。心にくる。

항상 마주 보던 그늘은 말고 빛을 보고 싶어
저 밖으로 나갈 거야
이제부터 더 굳게 먹어 마음도 Yeah
어둠 속 몸부림을 소리쳐
남은 불씨에 진심을 후 불어 내
타올라 불꽃처럼 나를 괴롭혔던
슬픔은 변해 잿빛으로
가장 밝은 빛을 보기 위해서는
가장 깊은 어둠을 바라봐야 한다는 걸 이제는 알아
いつも向かい合っていた陰じゃなくて光をみたい
あの外に出ていくんだ
昨日よりももっと固く覚悟を決める Yeah
闇の中でもがく
残った火種に心を吹き込む
燃え上がる炎のように僕を苦しめた
悲しみは変わり 灰色に
最も明るい光を見るためには
最も深い闇を見なければならないことを今は知っている

急に純粋に歌詞の書き方について話すんですけど”残った火種に心を吹き込む(=ニュアンス的には精神全部入れるイメージ)”から”燃え上がる炎のように僕を苦しめた悲しみは変わり 灰色に”の流れかなり綺麗じゃないですか…?
熱くて逃げられない炎のように僕を苦しめていたものを、さらに強く熱い自分の炎で焼き尽くして灰にしたという…ことだと思うんですが…。かなり好きです。
そして灰色が”잿빛”と書いているのもまた良い。灰色は”회색”という言い方もあるんですがあえて”잿빛”と選んでいる。”빛(=光)”が入っているので、この時点で苦しみを光に変えているんですよね。そして次の”最も明るい光”につながる言葉選び…。
最も深い闇を見つけて、それを自ら燃やすことで最も明るい光(≒灰)を見ることができる。というようにも考えられる歌詞でもある気がします。

해가 뜰 거란 걸 이젠 잘 알아
아침은 당연한 때니까 말이야
Yeah no dark no light
Yeah no dark no light
믿음의 문제가 아냐 이건
The sun is rising now
두려울수록 간절
간절할수록 태양은 커져 나에게로 와
새벽은 날 가꿀 시간
햇빛을 담아낼 마음의 그릇
준비가 다 됐어 이젠
太陽が昇ることを今はよく知っている
朝は当たり前のことだって
Yeah no dark no light
Yeah no dark no light
信じる心の問題じゃない
The sun is rising now
恐れるほど切実に
切実なほど太陽は大きくなり僕の元に来る
夜明けは僕を作る時間
日光を込める心の器
準備は全て出来た もう

闇に対して”太陽はきっと昇る”というようなことを言うのではなくて”太陽が昇るのは当たり前だから、ただ光をたくさん受けるための大きな器を作ろう”というのがまた凄く良いなと思います。
”信じる心の問題じゃない”って歌詞考えたの誰ですか…。この1文がより一層”朝が来ることが当たり前”ということを強く強調しているように思います。天才。
闇がきたたら”目をしばらく閉じてから開ければ良いだけ”ということ…。

눈 떠 봐
내가 본 어둠도
오늘에겐 그저 어제일 뿐이고
웃어 봐
더 크게 활짝 나를 봐
더 이상 두렵지 않다는 걸 티 내듯이 La la
누군가는 갇혀 있어
이젠 내 차례야 손을 멀리 뻗고
힘들어? 걱정 마 붙잡을게
혼잣말하지 말고 손잡아 어둠은 지나친다
너도 알지 어차피 태양은 밝지
맞이할 빛은 피하지 못할 Destiny
目を開けてみて
僕が見た闇も
今日からするとただの昨日というだけ
笑ってみて
もっと大きく ぱっと 僕を見て
これ以上怖くないんだとひと目でわかるように
誰かは閉じ込められている
もう僕の番だ 手を遠くに伸ばして
辛い? 心配しないで 捕まえるから
独り言を言わずに手を取って 闇は通り過ぎる
君も知ってるでしょ どうせ太陽は明るい
迎える光は避けられない Destiny

ここ最後で最初の”避けられない運命”に繋げてるの気持ちが良すぎます。辛くて堪らなかった”運命”の文字が当たり前に太陽はやってくることを示す言葉になるとは…。
それまでの歌詞は闇にぶつかったP1Harmonyの歌詞の雰囲気だったんですが、ここで闇から抜けだす方法…朝をむかえる方法を見つけた彼らが私たちの手を引いてくれるような歌詞。
ここの”手を遠くに伸ばして 辛い?心配しないで 捕まえるから”の歌詞はIYCMの”手を伸ばすだけしたらいい 誰かがその手を掴んでくれるから”の歌詞に通ずるところがあってかなり好きです。あと純粋に「辛いの?心配しないで」の歌詞と歌い方が優しすぎる。
彼らも闇の中で苦しんだ側なのに、ずっと前に立ってお手本を見せてくれる感じ…。

I don’t wanna give up never
on the ground
on the ground
누구도 날 쉽게 말할 수 없어

Even though it feels like I’m left
in the darkness
in the darkness
난 약하지 않으니까
난 강해져 갈 테니까
I can see the sun is rising
I don’t wanna give up never
on the ground
on the ground
誰も簡単に僕に口出しできない

Even though it feels like I’m left
in the darkness
in the darkness
僕は弱くないから
僕は強くなっていくから
I can see the sun is rising

それまでの歌詞が弱い中でどうにかもがこうとしているようなイメージだとすると、最後のサビは強くなってまた立ち上がっているのが凄く伝わる感じがします。
”僕は強いから”ではなく”強くなっていくから”と最後がもっと強くなる意志を強く感じる言葉でかなり好きです。誰も簡単に口出しできないほどにどんどんと強くなっていく…。
この1曲の中で消えかけていた光が前よりも一段と強く輝く流れが全部入ってるの、とんでもないなと思います。

残り1曲。


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