雑記録 愛猫きなこへ
我が家には猫が5匹いる。
年齢順に並べると、モカ(雌キジトラ)、きなこ(雄茶トラ)、あんこ(雄白黒)、みつ(雄薄茶トラ)、幸子(雌白)だ。
どういう経緯で増えたか説明すると、最初にキジトラの雄(きーちゃんと名付けた)が我が家に迷い込んできて、その後定期的にいついてしまった。
数年経ったある日、きーちゃんが、同じ柄の雌猫(息子に見えたのでジュニアと名付けた)を見せに来た。
小柄なその雌猫は最初子供かと思ったが、きーちゃんのパートナーという事がわかった。
そしてその後雌猫は、モカを含むキジトラだけの三兄弟を我が家の軒下に産む。
家の庭で三匹遊んでいる姿にいつも癒された、でも程なくしてモカ以外の2匹は車に轢かれたり、雌猫を求めていなくなったりした。
1匹残ったモカも、知らないうちにパートナーができ、キジトラ雌と同じ我が家の軒下にきなこ、あんこ、みつを産んだ。
ここまで来てやっと我が家で家族会議があり、近所に畑を持っている家もあり、迷惑をかけられまいとモカを含む4匹を我が家に向かい入れ、程なくして避妊手術をした。
幸子は私が社会人一年目の時、居候していた叔母の近所の公共のゴミ箱で見つけた。
多分母猫の引っ越し中に何かありはぐれてしまったのだろう、その時は母猫が戻るまで待ってみたが一向にこず…最終的に叔母の家はアパートだったため、我が家に向かい入れた。
長くなってしまったが、そんな色々な経緯で受け入れた猫たちの中のきなこが6/29、23時に亡くなった。
最初は些細なことだった、5/30尿が出なくなり2度目の膀胱炎ではないかとかかりつけの動物病院で診察をした。
触診等の結果、膀胱炎ではなく便秘という診断が下され、腸の働く作用を助ける注射をした。
その後3日ほど経ったが経過は変わらず、食欲も徐々になくなり排泄も難しくなった。
改めてちゃんとした診察をしてもらおうと、今度は少し離れた隣町の動物病院に行った。
去年のある日曜日あんこが膀胱炎になり、かかりつけの動物病院が休みだった時にお世話になった所だ。
そこで触診、レントゲン、エコーもした所、便が詰まっているのではなく、下腹部に腫瘍ができ水も溜まっている事が分かった。
その腫瘍がガンなのか、猫伝染性腹膜炎か、翌日生体検査して貰った。
結果が分かるのは、東京に検査所がある為、1週間程かかると言われた。
今思えば、1日でも早めに細かな検査が出来る動物病院に連れて行けば良かったと後悔している。
片道1時間ほどかかるが、自分達の知らない検査方法、治療方法を教えてくれるから。
検査を待ってる間、一日おきの抗生剤と点滴をしつつ様子をみる毎日、辛く不安で眠れなかった。
でもこの先に元気になって、またご飯を食べてくれて、みんなと遊べると希望は捨てないでいた。
検査結果が出る前日、きなこは緑色の嘔吐物を2回吐いた、胆嚢がやられていた。
翌日検査結果はガンに近い腫瘍である事が分かった、でも腫瘍範囲が既に広く進行し、抗がん剤は効かず、手術するほど体力は残っておらず…終末ケアに近い形で最後を見届けるしかなかった。
獣医師が「人の亡くなった瞬間に立ち会った事はまだないのですが、動物が亡くなる瞬間には沢山立ち会いました。安楽死の時もありました。その子は顔にガンが出来て、食事もままならず見ていてとても辛いと安楽死を選ばれました。ペットには治療で命を伸ばす治療がありますが、場合によっては飼い主の願いによって引き伸ばしているだけで、ペットの寿命そのものではないんですね。動物病院への移動、治療そのもの、それがきなこちゃんにとっては苦痛になる。
今きなこちゃんがどうしたいのか、それを聞き取り見届けてあげてください。後もっとこうすれば長生きできたんじゃないかとお世話の事について自分を責めないでください。」
獣医師の言葉が腑に落ちた。涙が出た、そしてきなこの最後を見とる覚悟をした。
その翌日きなこは亡くなった。
自力で私の部屋に入って来て、手作りのダンボールベッドに横になり、穏やかそうに見えたが次第に苦しそうな表情になり…緑色の嘔吐物を吐いて亡くなった。その後また穏やかな表情になり、眠るように逝った。
最後の瞬間を見届けた、何故か少しほっとした、もう不安な気持ちになりながら見届けなくていいんだと思えた。
その後は調べた通りにきなこの遺体を整えて、見送った。先週で初七日を迎える。
自分には後4匹猫がいる、猫1匹1匹最後を見届ける責任がある、最後の瞬間まで後悔のないよう愛していきたい。
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