ゴール・D・フジオカ

ヒマジンのImagine

ゴール・D・フジオカ

ヒマジンのImagine

最近の記事

  • 固定された記事

『少年批評宣言』(2023)①

 いま、ここに読まれようとしているのは、ある名付けがたい「自由」をめぐる書物である。 【オープニング】 読み、書き、力、マンガのすべてを手に入れた男、オ・D・エイイチロウ。彼が冒頭に放った一言は、少年たちをイメージの海へと駆り立てた。 「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世のすべてをそこに置いてきた!」 少年たちは、〈偉大なる航路〉を目指し、夢を追い続ける。世はまさに、大マンガ時代。  ありったけのメディアをかき集めて、各々、スマホで探し物をする。時には、

    • ドーナツの穴・ロジー

      「ミスター・ドーナツと墓場のキタロウに捧ぐ…」 リングドーナツの話をしよう(以下、ドーナツと略す)。 ドーナツは、ドーナツの穴が存在しなければドーナツとはいえない。 この穴はドーナツではない。 ドーナツがなければ、ドーナツの穴もまた存在しない。 ドーナツの穴を構成する空間がなければ、ドーナツもまた存在しない! しかして、ドーナツがなければ、ドーナツが存在する空間もないが 「絶対矛盾的自己ドーナツ!」 どーなってやがる!

      • 『少年批評宣言』(2023)②

         少年とは何か。渋滞の元となるような羅針盤には頼らず、熱にうかされて舵を取るものである。個人的な嵐も、誰かのバイオリズムに乗って思い過ごす者である。時には仲間の力を借りつつも、心の赴くままに、「この海で一番自由な奴」を目指して旅を続けるものこそが少年である。  大人とは何か。大人も以前は少年であった。ある失格した人間の「大人とは、裏切られた青年の姿である」という発言は的を得ている。このバラバラな道化自身、本当は青年として見て欲しかったのだろうか。ある大人たちは、自由の名のもと

      • 固定された記事

      『少年批評宣言』(2023)①