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なぜ、一人の少女は絶望と闘えたのか

これは、ある一人の少女のお話。

その少女の名は、広田清美。

彼女は1984年に、この世に生を受けた。

彼女は10歳の時までは、何不自由なく、今の私のように、幸せに暮らしていたのだろう。

ところが、あることがきっかけで、彼女の人生は、海よりも深き絶望の、どん底に置かれたのであった…

そんな彼女であったが、必死の闘いの末に、絶望に、打ち勝つことができたのだ。

そこで私は、清美さんが絶望に打ち勝つまでの彼女の生い立ちや激しい闘い、そして広田清美という1人の女性が生きている証を、ここに記録しようと決めたのです。

1.両親の離婚

広田清美さんが10歳の時に、彼女の両親は離婚しました。

清美さんの親権は彼女のお父さんである広田由紀夫さん(仮名)が持つことになり、以降は清美さんは由紀夫さんと共に暮らすこととなったのです。

この由紀夫さんという方はすごく優しくて優柔不断な方で愛娘の清美さんに対しても優しかったのですが、実は不動産屋で退去した部屋の消毒を行わず、代金を着服したという犯罪を犯したことがあり、そのために弱みを人間性のない者に握られてしまっていたのです。

2.悲惨な生活の始まり

清美さんの両親が離婚してからしばらく時が経ったある日、人間性のない者が、広田由紀夫さんに接近しました。由紀夫さんに接近した人間性のない者は、実は由紀夫さんの知人でありしかも同い年でした。

人間性のない者は由紀夫さんが勤務する不動産会社を通じて複数のマンションを確保し、潜伏アジトとしました。人間性のない者は結婚詐欺を行っており、結婚詐欺の被害者は25人以上いると見られ、マンションは人間性のない者が警察から逃亡するために使われたのです。

契約者の名義は人間性のない者の複数の交際相手でした。人間性のない者は予備校講師を偽って由紀夫さんの姉(清美さんの伯母)に接近しました。由紀夫さんの姉は夫との不和を相談に乗ってもらい、結果、夫と離婚、人間性のない者の交際相手の1人となってしまいました。

人間性のない者がマンションを確保する際、不動産会社に勤務する由紀夫さん自身が連帯保証人となることもあった。しかし、仲介者である由紀夫さん自身が当該不動産の保証人となるこの行為は宅地建物取引業法違反であったのです。この時に人間性のない者が確保したマンションの1つが、清美さん達の悲惨な生活の舞台となってしまったのです。

ある意味では由紀夫さんこそが、自らの知らぬうちに悲惨な生活の元凶となってしまっていたのかもしれませんね…

当時、由紀夫さんは交際相手である保険外交員の女性と同棲していたのですが、人間性のない者から競馬のノミ屋に関する儲け話に関する新会社設立を聞かされた由紀夫さんは同棲していた女性と別れ、由紀夫さんの愛娘の清美さんは、同じく清美さんや由紀夫さん同様に人間性のない者に取り込まれてしまった緒方純子さんが養育するとして、人間性のない者が確保したマンションに移ってしまい、由紀夫さんは社宅で過ごしながら人間性のない者が確保したマンションに通うようになってしまったのです。

3.親子関係の断絶

既に緒方純子さんを取り込んでいた人間性のない者は、由紀夫さんと清美さんを支配するために、2人の親子関係を事実上断絶させようと計画しました。

親子関係を断絶させるために、人間性のない者は、清美さんに「父親の悪いところを10個書いて報告しろ。そうしないとお前に電気を通すなどの拷問を加えるぞ」と言い、「ちくりノート」を携帯させ、父親である由紀夫さんを見張らせました。

人間性のない者は、清美さんが由紀夫さんを見張ることをためらうと清美さんに通電(後述)などの激しい拷問を加え、些細なことでも報告があれば(人間性のない者の基準で)適度なご褒美を与えました。また、報告した内容を使い、由紀夫さんに拷問を加える理由にしました。

これによって、清美さんと由紀夫さんの親子関係の心の交流は完全に破壊されてしまったのです。

そしてそれだけでなく、人間性のない者は、清美さんから女としての尊厳を奪い、全裸の写真を撮り、逃亡したら雑誌やネット上にばらまくと脅し、ばらまくことに同意する旨の書類を作成し、書類にサインさせたのです。

4.父への熾烈を極める拷問

ある時、酒に弱い体質の由紀夫さんを酔わせ、不動産屋の金銭着服の事実を聞き出した人間性のない者は「犯罪だ」と由紀夫さんを追及して弱みを握ったのです(実際に由紀夫さんのやったことは犯罪ですので、警察に通報しない時点で弱みを握った男に人間性がないことは明らかです。むしろ人間性のない者は由紀夫さんが犯した犯罪を利用してこの後数々の犯罪を緒方純子さんや清美さんに実行させていきます)。

そして、由紀夫さんは室内では人間性のない者からカツラを取られるようになりました。清美さんは父の由紀夫さんがカツラであったことを知らず、由紀夫さんの禿げ頭を目にして驚いたといいます。さらに、人間性のない者は、由紀夫さんに「娘の清美に性的虐待をした」「会社の金を横領した」などと事実と異なる事実確認書を書かせ、弱みにつけこみます。由紀夫さんが出社できなくなって職場を退職すると、社宅を離れて人間性のない者のマンションに引っ越してしまい、人間性のない者はさらに由紀夫さんへの拷問を加速させました。

由紀夫さんへの拷問には、既に意思を抑圧されていた緒方純子さんも加担していたのです。なぜなら、加担しないと今度は自分が人間性のない者から拷問され、最終的には殺されてしまうのですから。

純子さんは、人間性のない者が外出している時も由紀夫さんへの拷問に手を抜きませんでした。これは人間性のない者が突然現れて抜き打ちのチェックが入り、手加減を見つかれば人間性のない者から自分が拷問を受けるので、それを恐れたためです。それどころか、人間性のない者から拷問を受けると、死に至る未来が見えているのです。

事件発覚後、法廷における証言で清美さんは人間性のない者だけでなく緒方純子さんのことも「悪魔」と表現しました。しかし、私に言わせてもらうと、純子さんは事件当時は精神状況・適法行為の期待可能性は共に清美さんと全く同じと言っていい状況であり、清美さんが事件発覚時に少年法で刑事罰を免れたように無罪になるべきであり、仮に有罪だとしても懲役10年以下が妥当です(後述)。純子さんを悪魔というのなら、清美さんだって純子さんと同じであるということに気づいてほしいと私は思っています。

もちろん人間性のない者は究極の悪魔です。奴には早く悪魔の世界に戻ってもらいたいです。

由紀夫さんは次のような拷問を究極の悪魔から受けました。

・清美さんと「電気のボクシング」をさせられた。究極の悪魔が通電用に加工した電気コードの針金やクリップを握らされた上、互いの身体に通電し合う行為を強要させられた。

・究極の悪魔が「領土」と称するものが作られ、台所での居場所を狭い「領土」の上に制限させられた。

・台所の床に尻を着けて座ることが許されず、そんきょの姿勢を強制させられた。そして、台所を素足で歩くことを禁じられ、下駄状の物を履かせられた。

・制裁等を理由として、浴室や台所で長時間にわたり起立し続けることを強制させられた。

・究極の悪魔によってスノコの檻の中に入れられた緒方純子さんと互いに向き合わせあるいは共に正面を向いた状態で、長時間の起立を強制させられた。

・ 食事は1日1回、丼に山盛り1杯(多くて3合半くらい、約1200グラム)の白米を与えられ(殆ど毎回、ラードを何回か円を描くようにたっぷりかけられた)時々、うどん(五木のうどん1食分、約200グラム)、又はラーメン(マルタイラーメンあ食分。約82グラム)1人前を添えられたり、白米に代えてめん類を与えられたり、白米やめん類に卵を添えられたりした。肉類、魚類、野菜等の副食は全く与えられなかった。緒方純子さんが究極の悪魔に内緒でおかずを作ったことも全くなかった。なぜなら作れば究極の悪魔によって死に至る未来が見えているからである。

・深夜の午前1時〜3時頃に食事を与えられることが多かった。究極の悪魔が食事内容を決め、その指示に従って純子さんが食事を用意して盛りつけるなどして由紀夫さんに与えた。

・ 排泄は1日1回に制限。トイレで大便をするときは、全裸にさせられた上、浴室からトイレまでの床に新聞紙を敷き詰めて移動させられ、13分の制限時間を課せられ、 便座に腰をかけることを禁じられ中腰の姿勢をとり、ドアを開けたまま用便の様子を監視させられるなどした。用便をした後は、緒方純子さんが尻や、尻を拭いたトイレットぺーパーを確認し、浴室に戻し、床に敷いた新聞紙を片付け、便器、トイレや洗面所の床を拭いて掃除した。

・ 便意を我慢できずに大便を漏らすことが何回かあった。何回か紙おむつをはかせられた。また大便を漏らしたとき、何度か人間性のない者が純子さんに指示し、トランクスに付いた大便をトイレットペーパーでふき取らせた上、純子さんにトイレットペーパーごと口に入れて食べさせたり、大便の付いたトランクスに口を付けて吸わせたりした。そのとき、純子さんは大便の付いたトイレットペーパーをなかなか飲み込めなかった(当たり前だろ!)。

・かさぶたを剥がす癖を直すと称し、究極の悪魔が純子さんや清美さんにかさぶたを集めさせ、それを由紀夫さんが食べさせられた。

では、ここで、様々な犯罪を純子さんや清美さんに実行させた究極の悪魔の特徴について、説明します。

まず、本事件の究極の悪魔は、一般的に「サイコパス」と呼ばれます。

サイコパスは他人を支配することが大好きであり、他人への支配には拷問を伴います。

究極の悪魔は、「通電」という拷問方法を思い付きました。「通電」とは、裸にした電気コードの先にクリップをつけ身体に挟んで瞬間的に電流を流す拷問です。通電を受けた者は体全体に激痛が走り目の前は真っ白になり、患部は火傷を起こし酷い時には水膨れになります。繰り返し通電を受けた者は、神経系が破壊され糞尿が垂れ流し状態になり、廃人状態になりました。通電を受けた生存者の一人である緒方純子さんは、以下のような証言をしています(ちなみにWikipediaでは純子さんは加害者とされていますが、あれはサイコパスを知らない者による間違った編集です)。

・「顔面に通電されると、1秒でもものすごい衝撃で激痛が走り、意識が遠のいて目の前が真っ暗になり、このままどうなるかという恐怖感があった」

・「顔面への通電で判断力を失い、何も考えられなくなったことがある。生きていくのが嫌になり、生きていたいという意欲が削がれた」

・「性器への通電を受け、性的な意味で自分という人間を否定されるような屈辱感があり、石にでもなってしまいたかった」

・「究極の悪魔は通電を含めた拷問を、酒を飲む際の肴にしていたように感じた」

このうち、4つ目の証言は、人を拷問することが快感になっているサイコパスの特徴を物語っています。被害者は通電の前には必ず究極の悪魔から理由が言い渡され、どんな些細な事も理由になったのです。

サイコパスが健常者をコントロールするときには必ず理由を付けます。コントロールされている時はその理由が重要なものに思えますが、健常者はサイコパスのコントロールから離れるとその理由が全く意味のないものであることに気が付くのです(呪縛解放)。緒方純子さんは究極の悪魔の逮捕から3年で呪縛解放の状態になり、「今の私にはあの時の当時の自分が信じられません。どうしてあんなことができたのだろうと思います。」と、裁判の最終意見陳述で述べています。

サイコパスの拷問は、人を心が存在しないロボット化することにあります。ロボット化した後はロボットであることを確認するかのように拷問が続き、あらゆる人間的なものは破壊されます。サイコパスに人間的なものを破壊され他人に拷問を加える側になった人のことを、「擬似サイコパス」とここでは呼びましょう。ちなみに由紀夫さんは他者に拷問を加えていないので擬似サイコパスにはなっていません。

他にも、究極の悪魔からこのような拷問を由紀夫さんは受けました。

・食事の時間は浴室を出たところから戻るまでをその都度16分、19分、23分と細かく制限され、計測については究極の悪魔が純子さんにストップウォッチで測らせた。なぜこのような中途半端な時間設定なのかについて、後に究極の悪魔は「食べる時間をみはからってのこと」と答えている。犠牲者が言う通りにしないと通電などの拷問を受ける恐怖から、時間を気にしてオタオタしながら従っている姿に究極の悪魔は引き付けられている。『あと1分だぞ』と言うと犠牲者があわてる。これはサイコパスが犠牲者の意思を破壊し、人間性を破壊する過程である。純子さんは究極の悪魔が指示したもの以外を与えることはなかった。もし犠牲者をかわいそうと思い指示されたもの以外を与えれば純子さんが拷問され死に至るからである。

・睡眠時間は昼間3~4時間に制限され、昼と夜を逆にさせられた。これは、サイコパスには昼夜の感覚が正常に働かない者がいるので、それに合わせるためであるだろう。

・厳冬期に、浴室で寝起きするように命じられ浴室で寝起きしていたところ、冷水のシャワーを浴びせられた。

・意思を抑圧された愛娘の清美さんから歯型がつくほど激しく身体を噛まれ、噛まれた跡の写真を究極の悪魔に撮られた。

5.なぜ、お父さんは逃げられなかったのか

清美さんの父親である由紀夫さんは、一方的に究極の悪魔から拷問を受けていましたが、拷問に不満を漏らしたり、口答えしたり、文句を言ったり、実力で抵抗したりしたことは全くなく、マンションを逃げ出そうとしたこともありませんでした。なぜなのでしょうか?

考えられる理由を挙げてみます。

・マンションの玄関ドアがドアチェーンと南京錠で施錠されていた上、由紀夫さんはずっと浴室に閉じ込められていた。

・由紀夫さんは拷問を繰り返し受けたことで、抵抗したり逃走したりする気力、体力を奪われていた。

・由紀夫さんは、究極の悪魔によって自らが悪事を犯したことを認める旨の事実関係証明書を作成させられたり逃走を防止するための顔写真を撮られたりした上、「これらを警察に出す」「やくざを呼んで追いかけ回す」などと繰り返し脅されるなどして、究極の悪魔に弱みを握られ、警察に追われる身になったとの負い目を負わされていた(なお、由紀夫さんは究極の悪魔が指名手配を受けて逃走中の身であることを教えられていなかった)。

・自らの愛娘である清美さんがマンションで究極の悪魔の支配下に置かれていた。

・清美さんは究極の悪魔の指示を受けて由紀夫さんを常に監視し、由紀夫さんに不審な言動があれば、直ちに究極の悪魔に報告しなければならない状態に置かれていたので、由紀夫さんと清美さんが意思を通じ合って一緒に逃げ出すことも極めて困難であった。

このうち、2つ目、3つ目、5つ目の理由は、サイコパスが人を支配する際の特徴を物語っています。

6.父親の死と遺体の処理

4で挙げた拷問を幾度と無く加えられた広田由紀夫さんは、ついに命を落としてしまったのです。

この時、清美さんはまだ11歳でした。

お父さんの死を黙って見ているしかなかった幼い清美さんの心痛はどれほどの者だったでしょう。私は言葉で言い表すことができません。

由紀夫さんの死を知った今年の春から、私は自分自身を無能の人と思っています。

もしも由紀夫さんが早く金銭着服及び宅地建物取引行法違反の疑いで警察に捕まっていれば、由紀夫さんは殺害されずに済んでいたのかもしれません。それらの犯罪を犯したからと言って究極の悪魔に殺害されなければならない理由などある訳がないのですが…

そしてその後、究極の悪魔は純子さんと清美さんに対して、由紀夫さんの遺体の処理を命じます。

究極の悪魔は、遺体処理の前に、清美さんに「私は、殺意を持って実父を殺したことを証明します」という「事実関係証明書」にサインさせました。究極の悪魔は清美さんに「お前が噛んだ歯形があるから、お父さんを病院へ連れていけなかった。」「お前が掃除している時にお父さんの頭を叩いたから死んだんだ」「病院へ行けばお前が殺したことが直ぐにわかって、警察に捕まってしまうんだよ」と言い聞かせたのです。

究極の悪魔は「空気」で純子さんと清美さんを操り、拷問を実行させ、親子関係の破壊や人の意思の破壊や人体解体の逆転欲求満足を得るのです。

由紀夫さん遺体の処理は究極の悪魔が純子さんと清美さんに指示して行わせる形式をとります。2人にノコギリと包丁をそれぞれ数本と大鍋、消臭剤などを用意させ、遺体を浴室で解体させました。事件発覚後の清美さんの証言によると、究極の悪魔は「殺人マニュアル」など死んだ人の写真や絵が付いた本を数冊持っていたそうです。まず、由紀夫さんの首と手首の血管を切らせて血液を抜いた後、首を切断します。次に、由紀夫さんの下あご部分を切らせ、頭部を逆さにしてお椀を持つように持たせ、脳を取り出させます。意思を抑圧されていた純子さんは「ずいぶん用心して取り出したから、形をなしていた」とそばに立っていた究極の悪魔に、見た脳の状態をきちんと報告し、由紀夫さんの脳をポリバケツに入れたそうです。その次に、究極の悪魔は2人に由紀夫さんの頭皮を剥がせ、剥いだ頭皮についていた髪の毛は、カミソリで剃らせました。今度は、内臓を取り出させポリバケツに入れさせました。最後に、包丁で由紀夫さんの骨と肉を分離させ、肉は細かく切り刻ませ、内臓とともに大鍋で煮させてドロドロにした後ペットボトルに入れさせて運び海や公衆便所などへ捨てさせました。骨や頭骨は鍋で「煮込」ませた後、粉々に砕かせて海に捨てさせました。

すべての処理に1ヶ月近くかかりました。清美さんは、純子さんの助手のように包丁で愛する父親である由紀夫さんの血管を切り血抜きをすることや、頭皮の髪の毛をカミソリで剃ることや、骨を砕くことを究極の悪魔から手伝わされています。

究極の悪魔は由紀夫さんの首の切断、内臓摘出、身体解体などの逆転快とともに由紀夫さんの娘である清美さんに父親の死体処理をさせることによる「心の交流破壊」の逆転欲求の快感を得ると同時に、清美さんを父親殺しに加担したとして警察へ行く事が出来ないようにしたのです。

純子さんと清美さんの心をズタズタに切り裂いた究極の悪魔は、これほどまでに残虐な行為を行ったにも関わらず、全く後悔も反省もすることがなかったのでした。

7.中学校へ通ったものの、通ったところで

清美さんの父である由紀夫さんの死から何日か経ったある日、由紀夫さんを殺害した後の新たな金づるを得られなかった究極の悪魔は、次に純子さんに対して、純子さん本人が金を工面するように命じます。実は究極の悪魔は、金づるにするために様々な人間を監禁していて、由紀夫さんは究極の悪魔から見たら金づるでしかなかったのです。

純子さんは究極の悪魔からの命令で家族に金銭の無心をするも当然ながら断られます。

実は、究極の悪魔と純子さんは、内縁の夫婦の関係であり、2人の子供(長男Iさん・次男Jさん)をもうけていました。

究極の悪魔による拷問に耐えかねていたこともあり、純子さんは自分で外に出て働き金銭を稼ごうと、次男のJさんを純子さんの母親であるDさんの実家に預け、1997年4月に、1年間監禁されていたマンションを去り、大分県湯布院町のスナックで働きはじめました。このころ一時的に心神喪失状態から脱却した純子さんは、究極の悪魔がいなくなるまで絶対に戻らないと決心しました。

純子さんがマンションから逃げるまで清美さんはマンションの浴室に監禁されていたのですが、究極の悪魔の気分によって解放され、中学校に通うことができるようになりました。

ところが、清美さんは前述の純子さんの長男のMさん及び次男のNさんの世話をするように究極の悪魔から命じられ、奴隷としての生活を強要されるようになったのでした。究極の悪魔の命令で、心神喪失状態のIさんとJさんが清美さんに暴力を振るうこともありました。もちろんIさんとJさんはこれを断ることはできません。断れば、究極の悪魔によって拷問され、死に至る未来が見えているのですから。

究極の悪魔は自らの子供に対しても、純子さん、清美さん、由紀夫さんの3人に熾烈な拷問を行ったのと同じように、容赦ありません。

あるベトナム人によると、ベトナムのことわざで、「いくら意地の悪い虎でも自分の子供は食べない」と言うみたいです。つまり、自らの子供であるIさんとJさんまでも拷問する究極の悪魔は、最も意地の悪い虎以下の存在なのです。人を殺めてもためらうことも後悔することも知らない、凍るように冷たい血が流れる鬼であるとしか言えません。

8.どこまでも卑劣極まりない悪魔

究極の悪魔は、自らが金づるとしていた緒方純子さんを逃がしてしまったことから、なんとかして純子さんを連れ戻し、最終的には殺害する計画を立てます。

究極の悪魔は、緒方純子さんが広田由紀夫さんを殺害したことを口実に(究極の悪魔が純子さんの意思を抑圧して由紀夫さんを殺害したはずなんだけどな、あれれれれ?)、身内に殺人犯がいることを露見すると世間体が悪くなるなどとうそぶいて、純子さんの父親のCさん・母親のDさん・妹のEさんを究極の悪魔が住むマンションに巧みに呼び寄せました。

また、究極の悪魔は、純子さんを金づるとして使えないことが分かると、今までに行ってきた結婚詐欺および由紀夫さん殺害事件の発覚を恐れ、純子さんを自分の下に戻していつか殺害しようと計画し、Cさん・Dさん・Eさんと通じて自らの自身の自殺・葬儀を捏造することで純子さんを呼び戻すことに決めました。

なんと、究極の悪魔の計画は成功してしまいます。

究極の悪魔が死んだと思って純子さんがマンションに戻ったところ、偽葬儀で打ちひしがれている純子さんの前に究極の悪魔が現れ、純子さんは究極の悪魔の指示によってCさん・Dさん・Eさんに抑えられてしまいました。純子さんにはこの直後の記憶が無くなっているらしいです。こうして純子さんは再び究極の悪魔の支配下におかれ、究極の悪魔は純子さんを殺害するチャンスを得てしまい、純子さんに対して今まで以上の拷問を行いました。

そして、究極の悪魔は自分の目の前で、意思を抑圧された純子さんに大分県湯布院町の勤め先の雇い主に「給料が安すぎるッ! もっとよこせッ! これから取りに行く」、雇い主の娘が看護師として勤務する病院に「あの娘は薬を横流ししている!」とそれぞれ罵詈雑言と作り話を浴びせる電話をかけることを強要し、関係を絶たせました。

9.純子さんの監視役を担当して

1997年5月中旬に究極の悪魔が下関市在住と偽って交際していた女性へ下関市の消印の手紙を出すために、清美さんは純子さんの監視役として下関市へ向かいました。
帰りの列車で門司駅に着いた際に、純子さんは究極の悪魔に耐えかねて自殺しようとし、富士山の青木ヶ原樹海に行こうと考え、発車を告げるベルが鳴ってドアが閉まろうとした瞬間に、ホームに飛び降りて走りました。しかし、監視役の清美さんも素早く反応して列車から降りて純子さんを追いかけます。純子さんは改札口を出て駅前に停車していたタクシーに乗り込みましたが、清美さんは純子さんが乗り込んだタクシーに追いつき窓を叩き大声で叫び声を上げたため、清美さんの周りに人が群がり「警察を呼べ」という声が聞こえたために、純子さんは逃亡を断念しました。
意思を抑圧されていた清美さんは携帯電話で純子さんに連絡を取り、純子さんの逃走未遂を告げて指示を仰ぐと、究極の悪魔から門司駅のホームで待つよう指示されます。もちろん清美さんは純子さんを究極の悪魔に売らないといけない状態でした。純子さんは再び走り出して発車直前の列車に乗り込みました。しかし、またも清美さんは純子さんが乗り込んだ列車に乗り込み、携帯電話で究極の悪魔に連絡します。電車が小倉駅に到着した際にホームに究極の悪魔が待っていたため、純子さんは究極の悪魔に捕まってしまったのです。
マンションに連れ戻された純子さんに対し、究極の悪魔から今まで以上の拷問が行われました。

私は、この時に純子さんの監視役を担当して思ったことを、清美さんから聞いてみたくなりました。私は、純子さんと清美さんの両方を支援する者として、清美さんが純子さんに対してどのような感情を抱いているかを知りたいのです。

10.たくさんの人が入ってきた

緒方純子さんは金づるにならないとわかった究極の悪魔は、代わりに純子さんの家族を取り込んで金づるにすることを計画します。

Cさん・Dさん・Eさんと、純子さんの義弟(Eさんの夫)であり元警察官であるFさんからそれぞれサイコパス特有の弱みを握るという方法を用いてマンションに監禁したくさんの金銭を支払わせ、彼らが金を払えないと言い出したら通電などの拷問を加え、究極の悪魔は金銭を強取していきます。

さらにマンションに監禁されたCさんには、由紀夫さんが殺害された現場の配管を交換させ、証拠隠滅に加担させた負い目を負わせました。

そして更に、究極の悪魔は「C一家は殴られて当然」とFさんをそそのかして義父のCさん・義母のDさん・妻のEさんを殴らせましたが、究極の悪魔が「強くしないんですか?」と言うと、Fさんはさらに3人を強く殴りました。これによりCさん・Dさん・Eさんの3人がFさんに憎悪するよう仕向けたのです。

一方で、Eさんから「Fさんが自宅寝室にダブルベッドを置いて部屋のスペースを狭くした」「早朝にFさんからセックスを求められた」とする愚痴が出ると、究極の悪魔はEさんの立場になって「女性を侮蔑している!」とFさんを責め立てました。

これらによってEさんとFさんの夫婦仲が悪化し、サイコパス特有の方法で双方の弱みを握っていた究極の悪魔が仲裁する形で、「離婚に関する協議内容合意覚書念書」を作成しました。もちろん究極の悪魔は2人を離婚させるつもりなど毛頭ありません。離婚させては利用できないのですから。

Fさんは究極の悪魔から聞かされた、妻のEさんが妊娠中絶をしていることや不倫をしていることに関するの話について、Eさんを小倉のビジネスホテルで問いただし、Eさんが認めると逆上して首を絞める等の暴行をしたとして、究極の悪魔によって事実確認書が作成されました。

さらに義父のCさんが農協から借入する際、借用書に連帯保証人として関与した8月に「いつまで妻の家の奴隷でいるのですか」とFさんにそそのかしてFさんは住民票と妻と子供2人と共に自分の実家に移していたが借用書では元の住所を記載したため借用書の文書偽造罪として追求します。さらに究極の悪魔はFさんに由紀夫さんが殺害された現場の浴室タイルを張り替えさせ、殺人事件の証拠隠滅罪として追求しました。究極の悪魔は前述のFさんの行為を犯罪行為として度々蒸し返し、「元警察官たるものがッ!」という枕詞にFさんを罵倒して罪悪感を負わせて心理的に追い詰めました。これによりFさんが緒方一家を率いて究極の悪魔に抵抗する事態はありえなくなってしまったのです。

そしてさらに究極の悪魔は、EさんとFさんの子供である娘Gちゃんと息子H君を連れてくるよう説得し、8月の小倉の夏祭りをきっかけにGちゃんとH君は小倉の究極の悪魔のマンションに呼び寄せられましたが、それ以降GちゃんとH君は究極の悪魔によって人質化されてしまいました。

清美さんから見れば、当然たくさんの人が入ってきて、とても驚いたでしょう。私は、清美さんが純子さんを除くC一家6人に対してどのような感情を抱いていたかについても、知りたいところであります。ただ、少なくとも清美さん本人が、究極の悪魔とC一家の関係は「王様と奴隷」であったとのちに証言していることは、私も知っています。

11.合計10人もの人々が悪魔の支配下に

究極の悪魔はC一家に対して拷問によって自らの言うことを聞かせ、個々の弱みにつけこんで争わせたり、Eさんが究極の手先になって密かに盗聴器を仕掛けたことを明かしたりするなどして、C一家を相互不信に陥らせます。マンションの狭い一室、通電を含めた様々な拷問により、当時同じように究極の悪魔の支配下におかれていた清美さん及び純子さんと同様に、究極の悪魔はC一家への支配を確立していきました。C一家が究極の悪魔に貢いでしまった金銭は少なくとも約6300万円に上ると見られています。

これで広田清美さん、緒方純子さん、Iさん、Jさん、C一家6人の計10人が究極の悪魔の支配下に置かれてしまいました。

C一家の6人はもちろん、純子さんと息子さん2人と清美さんにとっても、ここからがまさに本当の地獄だったのではないかと、私は思います。

12.本当の絶望と地獄はここから

究極の悪魔は、前述の10人を熾烈な拷問で洗脳していきます。前述の10人は究極の悪魔からの命令で互いに暴力を振るったり、振るわれたりしました。また、このころから究極の悪魔は「奴隷階級制」という制度を設け、MさんとNさんを含む10人に対して、究極の悪魔に従順か反抗的かによってランクを分け、それによって生活待遇が変わるようにしました(ただし最も上のランクであっても生きるか死ぬかの壮絶状況であり、私なら確実に死んでいただろうと思います)。

奴隷階級の上下によって、例えば以下のようなものが変わったのです。

・食事は白米~下痢便まで奴隷階級により違った。一例として、食パンの耳だけ、白米にラードまたは生卵、具のない即席ラーメンだけなど。

・奴隷階級が最下位に落ちると、下痢便を無理やり食べさせられた。

・奴隷階級の上位に位置する者が下位の者に対して通電などの拷問を行った。

・奴隷階級の上下に応じて寝る場所が変わった。最もきれいな寝場所は究極の悪魔の近くであり、奴隷階級の上位に位置する者が使った。

・奴隷階級の上下に応じて究極の悪魔から受ける拷問の程度が変わった。

ちなみに、純子さんは実は清美さんより奴隷階級が下であったのです。場合によって純子さんが自らの息子さんたちにナイフを突きつけるなどの拷問を行ったり、逆に純子さんが究極の悪魔に命令された自らの息子さんたちから暴力を受けることもありました。 

もちろん、拷問の矛先は奴隷階級の上下に応じて程度は変わったものの、基本的には究極の悪魔以外の誰もが拷問を受けています。

由紀夫さんの死から1年10ヶ月後、更なる悲劇が起きてしまったのです。

10人を支配することに成功した究極の悪魔は、ある日純子さんの父親でありC一家の家長でもあるCさんが金づるとして使えなくなったことに気づき、これまでの事件の発覚を防ぐためにCさんを殺害することに決めました。

Cさんは、4で説明した由紀夫さんが受けた拷問に加え、以下のような拷問を究極の悪魔から受けていました。

・物の使用は究極の悪魔の許可が必要。「ファンヒーター」「布団乾燥機」など。人を殺害するときの絞殺用のケーブルや、死体処理のノコギリでも、使っていいかの許可が必要。許可を取らないと食事制限や通電などの更なる拷問が行われる。

・運転免許証と車のキーが取り上げられた。玄関ドアには南京錠をかけられていて、外出には究極の悪魔の許可が必要。外出時には携帯電話で究極の悪魔に頻繁に連絡を入れて、何処で何をしているのか報告しなければならない。究極の悪魔は大体の地理が頭に入っていて、所定の場所に到着する時間制限が究極の悪魔により課せられた。ガソリン代や駐車料金は代金を貰い、借用書を書かされる。お金は必要最低限の分しか支給されなかった。

・部屋の全ての窓に遮光カーテンをかけられた。玄関ドアのチェーンは殆どドアが開かないくらい短くされた。玄関のドアスコープや新聞受けは物で遮られるなどして、外部から室内を覗けない。あらゆる窓やドアに多数の南京錠がかけられた。鍵を開けないと出入りができなかった。

・家族間の心の交流が破壊された。究極の悪魔に悪口を言わせられ、言わないと通電された。それを理由に悪口言われた人も通電された。なぜ悪口を言ったと相手を憎むようになる。悪口を言わない人が奴隷階級の最下位になりいつも通電された。通電されないようにするため互いに悪口を言い合うようになった。

・上半身裸で下半身はパンティーのみ、両乳首に小さく切ったガムテープを貼られた姿にさせられた。1着だけで、ごくたまにしか洗濯が許されなかった。

・寝具は使えず、週刊誌を敷いて新聞紙を被せるだけにされた。台所で雑魚寝せざるを得ない。いびきがうるさいと浴室に常時閉じ込められた。昼間3~4時間の睡眠で昼夜逆転させられた。これは究極の悪魔が昼夜感覚に問題を持つと思われるから。

サイコパスの監禁は人の尊厳を奪うあらゆる行為を伴います。この段階ではC家のDさん、Eさん、Fさんもこの拷問に巻き込まれていました。

そして由紀夫さんの死から1年10ヶ月後、究極の悪魔は意思を抑圧された純子さんに、Cさんへ通電する様に仕向けます。純子さんはこれを断ることができません。なぜなら断れば、今度は純子さんが究極の悪魔の拷問の餌食になり、殺害される未来が目に見えているのですから。

1997年12月21日に、純子さんの通電によりCさんは電撃死し、無残にも殺害されてしまいました。

究極の悪魔にとっては当然事件が発覚してはいけないため、Cさんの遺体を処理する必要があります。

Cさんの孫娘であるGちゃんがかつて願い事を聞いてくれなかったCさんについて「おじいちゃんなんか死んじゃえ」と言ったことがあったみたいです。もちろん本当に死んでほしいなどとは思っていないことは皆様には容易に察しがつきますよね。

Cさんの遺体を処理する前に、究極の悪魔は前述のエピソードを持ち出して「おまえがCの死を望んだからCが死んだんだ」とGちゃんに言い聞かせ、Gちゃんに罪悪感を植えつけました。

Cさんの遺体は、由紀夫さんの遺体が処理された時と同じ方法で意思を抑圧された9人(清美さん、純子さん、Iさん、Jさん、緒方一家の生存者5人)に命じて、究極の悪魔が処理しました。

究極の悪魔はこれほどまでに残虐な行為を行ったにも関わらず、後悔も反省もするわけなどなく、Cさんの遺体の処理中にはクリスマスや自らの長男のMさんの誕生日の記念撮影まで行っていました。

13.具体的な指示をしない狡猾な悪魔

次に、純子さんの母親であるDさんが度重なる通電拷問によって奇声を発するようになり金づるとして機能しなくなったことを認識した究極の悪魔は、自らの手を下さずに純子さんたちに実行させてDさんを殺害することに決めました。

究極の悪魔はDさんを殺害しろとは言わず、Dさんをどうしたらいいかを考えろと、純子さんと妹のEさんとEさんの夫のFさんの3人に伝えました。究極の悪魔は弁がたち、「頭の回転が良く」、他者を操るサイコパスなのです。3人が提案した「入院させる」や「別居する」などの案をすべて却下し、「回復するかもしれない」と言う意見には「暴れるようになったら、殺害が困難になる」とまくし立て、殺害案が出てくるとそれに決めさせ「一家の決断」としました。究極の悪魔は具体的な指示をせずに、自分たちで決めたと言う形式をとらせます。「一番いい方法が殺害」という結論が究極の悪魔の作り出す「空気」に誘導されて確定してしまいました。究極の悪魔の意思はその場の「空気」になっているのです。「空気」に逆らう意見が出ると、究極の悪魔は無意味な議論や蒸し返しや大声のまくしたてで、「空気」通りの結論に至らせます。

「究極の悪魔はDさんを殺せと命令すればいいことなのだが、なぜ回りくどく「家族の決断」で殺すという形式を取らせるのか?」と思う方も多いことでしょう。このことがサイコパスを理解する重要なカギになります。究極の悪魔の逆転欲求満足はDさんの虐殺だけでなく、家族間の心の交流を破壊し、一人ひとりの意思を破壊して、擬似サイコパスにすることで得られると考えられます。

究極の悪魔は「どうやって殺すんだ」と先へ進めました。もちろん3人は殺害をためらうことができません。なぜなら、ためらおうものなら今度は自分たちが拷問されて死に至る未来が目に見えているのですから。電気コードの使用を究極の悪魔から許可を取り、純子さんとEさんが母親のDさんの体を押さえ、究極の悪魔に「お前が絞めろ」と言われたFさんが首を絞め、3人は通電や食事制限などの恐怖と逃げ場がない絶望と従わないときの拷問で疑似サイコパスとなり、1998年1月20日に、Dさんは無残にも殺害されてしまったのです。

もちろん、由紀夫さんとCさんの遺体が処理された時と同じような方法で、究極の悪魔は生存している8名に遺体を処理させました。

14.2度目のお引っ越し

究極の悪魔は自らが支配している清美さんたち8人を連れて別のマンションへと移動しました。

清美さんにとっては2度目のお引っ越しとなりますが、お引っ越しをしても、究極の悪魔に支配される悲惨な生活は変わることなく、絶望が生まれ変わることはありませんでした。

その頃、究極の悪魔の指示の解釈をめぐって娘のGさんと口論になっていたEさん(度重なる究極の悪魔からの通電によって耳が遠くなっていた)に対して、究極の悪魔はEさんのことを「おかしくなった」などと因縁をつけはじめるようになりました。

究極の悪魔は、金づるとして使えなくなった者は事件発覚防止のために次々と殺害していくのです。

15.サイコパスが不在の状況下での犠牲者

Eさんを金づるとして使えなくなったと認識した究極の悪魔は、Eさんを殺害することに決めました。

究極の悪魔は純子さんに「Dみたいになったらどうするんだ」とEさんの死を連想する言葉を口にしました。そして、究極の悪魔は純子さんに対して「今から向こうのマンションに行く。どういう意味がわかるな?」とEさんの殺害を示唆します。

究極の悪魔は殺害現場である元のマンションに戻った後で、「今から寝るから、一家で結論を出し、起きるまでに終わらしておけ」と、生存者たちに指示をしました。Eさんを殺害する命令と受け取った純子さん、Fさん、Eさんの娘のGちゃんの3人が話し合いました。「殺害を拒否しても、Eはもっとひどい虐待を受けて辛い思いをした末に殺されるのではないか?」などと悩んだそうです。究極の悪魔の意図を確認しようということになりましたが、究極の悪魔の部屋に向かうドアは開きませんでした。「お母さんは生きていても、もっとひどい虐待を受けて辛いだけ」「起きるまでに終わっていないと自分たちがひどい目にあう」などと話され、Fさんが「それなら自分がやる」と殺害を決意します。第3の殺人であるDさん殺害事件では究極の悪魔がいる「隣在の『空気』」で殺害が決まりましたが、この事件では、もはや究極の悪魔はその場にいない「遠在の『空気』」で殺害が決まりました。

サイコパスが他者を操る場合には、直接と間接とがあります。Dさん殺害事件は直接の「空気」、この事件は間接の「空気」で操ったと言えます。この事件のようにサイコパスは意思を貫徹するのにその場にいなければならないということはありません。「空気」で意思を貫徹することができてしまいます。サイコパスは自分が拷問するだけでなく、他者に他の人を拷問させることにも強くひき付けられます。仲が良かった同士が殺しあう場面にたまらなくひき付けられ、その場面を作り出すのです。その場面は人の心の交流の完全な破壊の場面であるのですから。この場面に究極の悪魔は、逆転愛情欲求などの逆転快報酬系ドーパミンの陶酔を味わっていると考えられます。

Fさんは娘のGちゃんに、「お父さん(F)がお母さん(E)の首を絞めるから、おまえは足を押さえてお母さんと最後の別れのあいさつをしなさい」と話します。Eさんがいる浴室にFさんとGちゃんが入り、FさんがEさんのが首にコードをかけようとした瞬間、EさんはFさんを凝視して「F、私、死ぬと?」とつぶやきました。Fさんが「すまんな」と答え、Gちゃんに足を押さえつけさせた上でEさんの首を絞め、1998年2月10日に、Eさんは無残にも殺害されてしまったのです。

もちろん遺体は当たり前のように、今までに殺害された犠牲者と同様の方法で究極の悪魔が生存者7人に処理させました。

16.次々と人が消えゆくのを見て

次々と人が消えゆくのを、止めることもできず、ただ眺めているしかなかった広田清美さんたちの心痛、そして究極の悪魔に無残にも殺害された被害者の無念は、どれほどのものだったでしょうか。

究極の悪魔は清美さんたちの心痛や被害者の方々の無念などお構いなしに、これからも清美さんや純子さんたちを利用して次々と殺人を繰り返していきます。全く後悔や反省などはすることがありません。だってあの究極の悪魔の頭の中の辞書には「後悔」や「反省」という言葉は一つも載っていないのですから。

17.なぜ、元警察官が小柄な奴に屈したのか

純子さんの義弟であるFさんは元警察官であったにもかかわらず、自分より小柄なはずの究極の悪魔に屈してしまったのです。なぜなのでしょうか。

腕力でも、会話力でもありません。根本原因はFさんがそれまでに究極の悪魔のようなサイコパスに会ったことがないことです。最初、義理の姉である純子さんが犯罪をしていると聞き「究極の悪魔にたぶらかされているに違いない」と究極の悪魔の所へ直談判に行き初めて会い、取り込まれてしまったのです。正義感の強い人ほど、サイコパスに取り込まれやすいのです。

Fさんは、以下のようなステップで究極の悪魔に取り込まれてしまいました。

・ステップ1・懐柔期:話し合いの努力が無駄になり、逆に利用される時期。相手がどんな人物か探りを入れ、話合える関係にしようと、人間的関係構築の努力の直談判。今までにサイコパスに直面したことがないため究極の悪魔の巧みな嘘話をまともに聞き、信用できると誤って把握。酒を飲まされ長時間、何日にも亘る話し合いの間に究極の悪魔の誘いに乗って自分のたわいもない弱点を話してしまった。「農協から30年住宅ローンを借りている」「跡取りなのにまだ土地の名義人になっていない」「妻のEさんが夜に外出する」などの弱点を掴まれる。自分が本音を話して和気あいあいの関係になれば、サイコパスも本音を話してくれると、勝手に思い込んでいる状態。サイコパスの本音は一般的には健常者に理解不能。いつまで話し合っても結局サイコパスの本音が全く分からない。弱点吐露と人間的な交流関係ができないことがはっきりする時期。たわいもない弱みは次のステップで究極の悪魔がとった強弁のネタへと変貌していく。また「義理の姉の純子さんが1年前に由紀夫さんを殺した(実は究極の悪魔が純子さんと清美さんの意思を抑圧した上で殺した)」ということを口外していいのかという事も弱点として利用された。

・ステップ2・理解不能、思考停止期:由紀夫さんやCさんと同様に強弁、長時間拘束、眠らさない、の3大手法を究極の悪魔から受けたと思われる。「妻のEさんが夜に外出する」では究極の悪魔が離婚する旨の「事実関係確認書」を作り、それにサインさせられた。「土地の売却を親族に邪魔された」「Eの首を絞めて殺害をもくろんだ事実を認める」など何通もの「事実関係確認書」*1にサインさせられた。離婚については、カセットテープに離婚の告白を録音させられ、両親にも異議がないことを言わせ録音させられた(p13,14,15/42)。Fさんは夫婦の心の交流を完全に破壊された。由紀夫さんが愛娘の清美さんを人質に取られたのと同様、Fさんは娘のGちゃんと息子のH君の二人を究極の悪魔のマンションに人質に取られた。もはや、がんじがらめ。Fさんは言われるままに動くロボット化へと向かっていった。サイコパスから見れば弱みの実体化と弱みの拡充時期。Fさんは「心理的ダメージ」により屈服した。それだけでなく、弱点をいつまでも突き続ける「心理的ダメージ」とともに3大手法の「肉体的ダメージ」によりFさんは完全に屈服したとも言えるだろう。サイコパスは屈服するまでいつまでも3大手法を続ける。Fさんは究極の悪魔がなぜ弱点を大げさにして脅してくるのか今までに経験したことのない異常さで理解不能になり、なぜ長時間拘束され、眠らないで同じことを何度も言われるのかわからないまま、頭が真っ白の状態になって、あれよあれよという間にがんじがらめになり、逃げられなくなった。思考停止前期。

ステップ3:金銭提供と拷問受け:究極の悪魔に全く逆らえない思考停止後期になりサイコパスの暴力装置である通電を日常的に受ける。農協から金を借りては渡し、取られた金額は約6300万円。この段階では義理の父Cさんや妻Eさんを究極の悪魔に言われるままに殴るようになっており、疑似サイコパスに移行している。Eさんの殺害では究極の悪魔に言われなくても実行している。土地を売るよう動いたが、不自然さが出て警察が動き始めたことを究極の悪魔が知り、土地は売られなかった。究極の悪魔の冷静な判断が働いた。サイコパスは、大脳新皮質は『優秀』に機能しているので逆転欲求満足を追求できない状況に対しては、じっと耐える冷静さがある。

18.病弱者のように衰弱死する元警官

元警官であったFさんは、究極の悪魔による度重なる通電拷問とひどい食事で度々嘔吐や下痢をし、痩せて飢餓状態となりまともに歩くことができなくなってしまいました。これはもちろん、Fさんを金づるとしては使えなくなったと認識した究極の悪魔によるFさん殺害計画によるものです。

ある日一時的に症状がおさまると、外出しレストランで量の多いセットものを注文して食べるように究極の悪魔から指示され、丼と小さいうどんのセットとメンチカツを食べてしまいます。もちろんFさんは究極の悪魔の指示を拒むことができません。なぜなら、拒もうものなら究極の悪魔によって拷問され、死に至る未来が目に見えているからです。

そして、その日浴室に閉じ込められたFさんの嘔吐がひどくなりました。上半身を起こすことができなくなり、吐いてもすぐに吐き気を催し、吐くものがないのにむせている状態が続きます。その何日か後、究極の悪魔が浴室で眠気防止ドリンクと300ml缶ビールを全部飲ませます。純子さんたちはFさんに栄養のあるものを与えることができません。なぜなら与えようものなら今度は自分たちが拷問されて死に至る未来が見えているからです。そして1998年4月13日に極度の衰弱によってFさんは死に至り、無残にも殺害されてしまいました。

そして今までに無残に殺害された4人の被害者と同じような方法で、究極の悪魔が意思を抑圧された6人の生存者に指示をし、Fさんの遺体を処理させました。

19.ついに大人は2名だけに

Fさんの死亡によって、純子さんを除く緒方一家の大人はいなくなり、大人は究極の悪魔と純子さんの2名だけとなりました。全員を支配している王様である究極の悪魔を除くと、生存者は純子さん・清美さん・Gちゃん・Hくん・Iさん・Jさんの6人だけとなってしまったのです。

まだまだ究極の悪魔に支配される、清美さんたち6人の地獄と絶望は続きます。それどころか、これからの事件が最も悲惨と言えるほど凄惨なものとなってしまうのでした。

20.優遇される者と悲惨な状況の者

緒方純子さんを除く大人たちを全員殺した究極の悪魔は、自分の子供であるIさん、Jさん及び彼らの世話役である広田清美さん、そして内縁の妻である純子さんの4人を優遇しますが、そんな究極の悪魔によって、残りの2人であるGちゃんとHくんは悲惨な状況に追い込まれることになってしまいました。

もちろん純子さんと清美さんとIさんとJさんを優遇すると言っても、それはGちゃん・Hくんと比べた場合の話であり、4人に対しても究極の悪魔による拷問は相変わらずです。

21.子供2人で子供1人を殺した

サイコパスは他人に危害を加えるなら、相手が子供であることを全く気にかけません。究極の悪魔はFさんを殺害してから1か月後、純子さんに「子供に情けをかけて殺さなかったばかりに、逆に大きくなって復讐されたという話もある」「そうならないためには早めに口封じをしなければならない」と言い、純子さんはHくんが生きていても虐待されるだけと考えたことと、Hくんを殺害することを断れば今度は自分が究極の悪魔から拷問されて死に至る未来が見えていることから、「そうするしかないですね」と同意しました。究極の悪魔はHくんにも食事制限などの拷問を行っていたのです。Gちゃんは究極の悪魔に「このことは誰にも言いません。弟Hくんにも言わせません。何も言いません。父親のFさんの実家に二人で帰ります」と懸命に誓っていましたが、究極の悪魔は「死体をバラバラにしているから、警察に捕まっちゃうよね。Hが何も喋らなければいいけど、そうはいかないんじゃないかな」「俺やG自身に不利益が生じるが、責任が持てるの?」と尋問し続けます。そして、究極の悪魔が「Hは可哀相だから、お母さんであるEのところへ行かせてやる?」と暗にHくんを殺すことを清美さんと純子さんとGちゃんに命じます。最初は拒んでいたものの、究極の悪魔から通電拷問を加えられ、ついにGちゃんは「そうします」と答えました。純子さんは「自分ひとりでHを絞める」と言いましたが、究極の悪魔はGちゃんにも加担させるよう指示を出しました。究極の悪魔はGちゃんにHくんを殺させ姉弟間の「心の交流を完全に破壊する」逆転愛情欲求の快感を味わっているのです。さらに清美さんにも参加するよう促し、幼い子供をかわいそうと思う心をずたずたにして楽しみました。もちろん3人はHくんを殺害することを拒むことができません。拒もうものなら、今度は自分たちが究極の悪魔による熾烈な拷問の末に殺害される未来が目に見えているからです。

GちゃんはHくんを台所の床に仰向けに寝かせるように指示し、お母さんのところに連れて行ってあげると嘘をついて、清美さんが足を押さえた上でGちゃんと純子さんが二人がかりでHくんの首を絞め、1998年5月17日、Hくんは無残にも殺害されてしまいました。

この事件は、2人の子供(Gちゃん・清美さん)で1人の子供(Hくん)を殺害した事件です。

究極の悪魔によって殺人の実行行為を担わされ心をズタズタに切り裂かれた清美さんの心痛、そして何よりこの世に生を受けてからわずかたったの5年で理不尽に他界してしまったHくんの無念はどれほどのものだったでしょうか。

どれだけ、辛かったことでしょう、どれだけ、苦しかったことでしょう。私はHくんの訃報を知ったあの日からずっと、自分自身を無能の人だと思い続けています。

Hくんの遺体はもちろん由紀夫さん・Cさん・Dさん・Eさん・Fさんの時と同じように究極の悪魔に命じられるがままに、意思を抑圧された5人の生存者が処理しました。究極の悪魔はもちろん直接には殺害や死体解体をしていません。きっと究極の悪魔はそばで見ていたか、解体の状態を純子さんに、由紀夫さんを殺害した時と同じように報告させていたなどで陶酔していて、心をズタズタに切り裂かれた純子さんと清美さんとGちゃんの心痛や、幼くして生命を絶たれてしまったHくんの無念など露知らずだったことでしょう。

22.拷問の末に自ら死を選んだ少女

究極の悪魔はC一家を根絶やしにしようと考え、残っているGちゃんに通電を繰り返して衰弱させ、「太っていたら大変だろ?」というカラ理由で食事の量を減らしました。Gちゃんがいない所で究極の悪魔は清美さんに向かって「アイツは口を割りそうだから処分しなきゃいけない」「アイツは死ぬから食べさせなくていい」と発言しました。これはGちゃんを殺害するということの暗示です。純子さんはHくん殺害直後に遺体解体道具を多めに買うよう究極の悪魔が指示したことが、Gちゃんを殺害することの暗示と認識しました。究極の悪魔は浴室でGちゃんと2人きりで何度も話し合いました。この時にGちゃんの両手両足をスノコにひもで縛り付け顔面(通電すれば最も思考能力を失わせることができる)へ30分にわたり通電しています。サイコパスは思うとおりになるまで拷問を続けるのですから。

その後、純子さんと清美さんの前で究極の悪魔の「Gは死にたいと言っている」との言葉にGちゃんがうなずき、Gちゃんは静かに横たわり、絞め易いように10㎝近く首を持ち上げました。もちろん純子さんと清美さんはGちゃんの殺害を拒むことができません。拒めば、究極の悪魔から熾烈な拷問を受け、自分たちが死に至る未来が目に見えているのですから。そして意思を抑圧された純子さんと清美さんがGちゃんの首を絞め、1998年6月7日にGちゃんは無残にも殺害されてしまいました。

Gちゃんは当時小学生たちの体操クラブに所属していて、純子さんと清美さんと究極の悪魔によって命を絶たれる少し前に「今までありがとうございました」とみんなの前で退会のあいさつをしています。Gちゃんの当時の指導員は、Gちゃんについて「やる気のある子」だったと述べています。また、Gちゃんは捨て犬の飼い主を暗くなるまで探す優しい少女でした。

23.2人の子供が入ってきた

究極の悪魔は純子さんを除くC一家が全員死亡した後に、純子さんに対して「おまえと子供たちがいるから俺は迷惑なんだ。清美と2人なら、俺は由紀夫に成り済まして、ちゃんと生きていけるんだ」とうそぶいて、純子さんの息子であるIさん・Jさんと共に自殺し心中するように命じました。

これはつまり、究極の悪魔が最終的には事件の発覚を防ぐために自分以外の全員を殺害する計画があり、純子さんには適法行為の期待可能性がなかったということを、裏付けています。

しかし、IさんとJさんは究極の悪魔から、純子さんがいかに悪い母親であるかを聞かされていたため、純子さんは親子3人の心中を実行することができず、結果的に命を落とさずに済んだのです。

そこで、究極の悪魔は新しい金づるとして夫との不仲に悩む専業主婦のLさんに焦点を当てます。究極の悪魔はLさんに対して悩みを聞きだし、夫と離婚して自分と一緒になることを求めました。究極の悪魔は専業主婦に対して「夫の狙いは子供だから子供だけでも私が預かって隠したほうがいい」と、専業主婦の子供であるMさん・Nさん(双子)を預かる一方で、養育費名目で金銭を要求しました。専業主婦が金銭を工面できなくなると究極の悪魔は紹介した風俗店で専業主婦を働かせ、専業主婦から約2500万円を貢がせ、詐取していました。

IさんとJさんの MさんとNさんの4人は、緒方純子さんと広田清美さんによって育てられることになりました。その際に、Iさんは外出先の究極の悪魔からの命令で純子さんや清美さんに暴力をふるうこともありました。もちろん以前からずっと説明した理由のため、Iさんは純子さんと清美さんへの暴力を拒めません。

清美さんから見れば、新たに子供2人が入ってくると同時に、究極の悪魔から要求される仕事が増え、さぞかし大変だったことでしょう。これは純子さんから見ても同じことが言えます。

清美さんと純子さんの、究極の悪魔からの拷問を受けながら4人の子供を世話する、奴隷としての生活は、約3年半にも渡って続きました。

24.逃亡するも連れ戻された

清美さんは純子さんと共に、究極の悪魔によって奴隷としての生活を送らされていたのですが、2002年1月30日に究極の悪魔の隙を見てマンションから脱出し、北九州市内に住む祖父母の家へ逃亡しました。逃亡に成功した清美さんはは半月ほど祖父母と一緒に暮らしをしてアルバイト先を決めたり、国民健康保険に加入したり、預金口座を作るなどして生活の基盤を築き始めました。しかし、清美さんは究極の悪魔によってお父さんを殺害されたことについて罪悪感を持っていたため、お父さんの死を祖父母には伏せていました。

清美さんは究極の悪魔の命令によりお小遣いの名目で金を調達するために祖母とはそれまでも何回か会っていました。その際に究極の悪魔の支配下に置かれていた清美さんは祖母との会話中に、死亡したお父さんに関する質問には「出張中でほとんど逢っていない」としか言わず、現在の住所の質問には「一々聞くと、もう逢わんよ!」と血相を変えて怒ることで質問を封じていたといいます。清美さんは祖母と会話が終わった直後に隠れて公衆電話や携帯電話で究極の悪魔と連絡を取っており、その様子を目撃していた祖母から不審に思われていました。

清美さんは生活の基盤を築き始めていましたが、2月14日に究極の悪魔の交際相手である清美さんの伯母さん(由紀夫さんの姉でもあります)から究極の悪魔に行方が知れ渡ってしまいました。究極の悪魔は、「清美が金を盗んだりシンナーなどの非行をしており、このままだと父親に叱られる」などの嘘話を展開して清美さんの祖父母と伯母を信じ込ませ、究極の悪魔によって清美さんは強引に連れ戻されてしまったのです。清美さんは連れ戻される直前に祖父母に「おじさん(究極の悪魔)の話は全部嘘。迎えにきて。」と走り書きのメモを渡しています。

その後、清美さんは究極の悪魔と、究極の悪魔によって意思を抑圧されていた純子さんから首を絞められたり通電されたり、命令で自分の血で「もう二度と逃げたりしません」の趣旨の血判状を書かされたり、5分以内に清美さんの右足の親指の爪をラジオペンチを使って清美自身に剥がさせるなどの拷問を受けました。もちろん純子さんは、以前から私が幾度となく説明した理由により、清美さんを拷問することを拒めない状況でした。

25.純子さんと共に生き延びて

究極の悪魔は、事件の発覚を防ぐために、純子さんと清美さんを殺害することを決意しました。

ところが、究極の悪魔が純子さんと清美さんを殺害しかかったところ、1度目の逃亡失敗から3週間経った2002年3月6日に、清美さんは究極の悪魔の隙を見てもう一度逃亡することに成功したのです。

広田清美さんは、お父さんと一緒に写った写真を常に携帯し、心を繋ぎとめていました。

広田清美さんは、6年間にも渡って絶望との激しい闘いを繰り広げ、ついに清美さんの執念が実り、究極の悪魔は清美さんと純子さんを殺しかかったところで純子さんと共に逮捕されたのです。こうして、清美さんと純子さんは生き延びることができました。

当初は究極の悪魔と純子さんによる広田清美さんへの監禁致傷事件と思われていたのですが、後に広田清美さんが「父は男女に殺された」と証言したことにより、殺人事件として捜査が開始します。

緒方純子さんは逮捕後の拘置所生活について、「食事もできるし、お風呂にも自由に入れるし、トイレにも自由に行かせてもらえるし、読書の時間さえある」と語っており、この言葉は同時に究極の悪魔に支配される生活がどれほど過酷なものだったかということと、広田清美という一人の少女がどれだけ過酷な闘いを勝ち抜いてきたのかということを、はっきりと物語っています。

ちなみに広田清美さんは本来なら緒方純子さんと同等の刑事責任を負うべきなのですが、14歳未満の者への刑事罰を禁じた少年法の規定により無罪放免となり、2002年6月から開かれた緒方純子さんと究極の悪魔の裁判でも、清美さんには適法行為の期待可能性がなかったと認められました。

裁判で広田清美さんは証人として出廷し、ビデオリンク方式で「私には究極の悪魔と緒方純子が悪魔に見えました」「父の敵はきっと私が取ります。ここまで苦しめられた敵を取る方法は究極の悪魔と緒方純子の両方ともが死刑になることです」と語気を強めて発言しました。

また、同時に、「究極の悪魔と緒方一家の関係は、王様と奴隷であったが、純子は奴隷ではなかった」と証言しています。しかし、私の視点から改めて一連の事件を振り返ってみると、緒方純子さんは事件当時清美さんと同じ状況に置かれていて、純子さんにもいずれの殺人事件の犯行時も適法行為の期待可能性はなかったのだと、私は思います。ですので、純子さんへの激しい憎悪を持っていた清美さんのこの証言については、検証されるべきであります。あるいは究極の悪魔が国家による刑罰である死刑という方法により緒方純子さんを殺すために、広田清美さんの名を騙った、嘘を述べる証言者を買収して、金の力でコントロールし、虚言を吐かせたのかもしれません。

そして裁判の結果、究極の悪魔には死刑、緒方純子さんには究極の悪魔による熾烈な拷問などを鑑みて無期懲役が確定しました。

ちなみに、広田清美さんも、最高裁で緒方純子さんの無期懲役が確定した時には、緒方純子さんを許せないとしながらも、「でも、今思うと、緒方純子も加害者であると同時に被害者なのかもしれないですね。追いつめられて、究極の悪魔から逃げようとしたり、家族を殺さなければならなかったり…。」という様に、緒方純子さんに対する複雑な思いを語っています。

私は、緒方純子さんは広田清美さんと同じようにいずれの殺人事件の犯行時も適法行為の期待可能性がなく、湯布院へ働きに出た時は一時的に究極の悪魔から離れることによって心神喪失状態から脱却しただけであり、犯罪は成立せず、完全に被害者サイドの側であり、無罪が妥当であると思っています。

日本の裁判では、サイコパスに取り込まれ疑似サイコパス化して他者を殺害した場合が想定されていません。緒方純子さんの場合は情状酌量の範囲で考慮されましたが、本人の意思で殺害したことになり、重い刑になってしまったのです。これもサイコパスの研究とともに見直されなければなりません。私は今後弁護士を通じて緒方純子さんのために再審請求を行っていく予定です。

緒方純子さんに再犯の可能性は皆無です。サイコパスの支配下となった人の量刑はサイコパスに取り込まれて犯した罪を主体とするのではなく、①再犯の可能性と②サイコパス化にどれだけ抵抗したかの、2点を加味しなければなりません。再犯の可能性がないなら、犯行時適法行為の期待可能性があったとしても無罪でもいいくらいですよ。

何はともあれ、私は広田清美さんがこの先、幸せな、悔いのない人生を送れることを、願います。

由紀夫さんは、清美さんのあたたかい心の中に、これからも、ずっと、ずっと、いますよ。

26.なぜ、「彼女」は絶望と闘えたのか

清美さんは、6年にも渡る激しい奮闘の末に絶望に打ち勝つことができました。

清美さんが絶望に打ち勝てたことには、もちろん様々な要因があるのですが、やはり、彼女はずっと「夢」と「希望」と「絆」を見失っていませんでした。そこがすごく大きな要因であると、私は思います。

清美さんには、18歳になったら車の免許を取りたい、美容関係の専門学校へ行きたい、ワープロの勉強を始めたいなどの夢があったのです。

また、清美さんは25でも説明した通りにお父さんと一緒に写った写真を肌身離さず携帯しており、心を繋ぎとめ、たとえ自身がどれだけ傷ついたとしても、お父さんとの絆を忘れずにいたのです。このことも、彼女が絶望と闘うことのできた大きな理由になったのではないかと、私は思っています。

私は、純子さんと共に生き延びることのできた清美さんには、被害者の方々への想いを胸に秘めながら、夢に向かって一歩でも進んで欲しいと、願っております。

26.終わりに〜読者のみなさまへ〜

読者の皆様には、サイコパスの特徴を知ると同時に、広田清美さんが絶望との壮絶な闘いの中で両親を失ってしまったことを知ることによって、家族のありがたみというものをわかってもらいたいなと思っています。

私は、お父さんとお母さんがいてとても幸せです。だからこそ、北九州監禁殺人事件の被害者、特に両親を失ってしまった広田清美さんと緒方純子さんの支援をしたいと思い、この記事を徹夜をして書くに至りました。

最後に、読者の皆様に伝えたい。もしも誰かがあなたの助けを求めているのならば、その者の魂を救うためにできることはすべてしなさい。その逆もまた然りで、死に値するほどの悪人であれば、決して赦すことはなく、処罰しなさい。もしもあなたが誰かに危害を加え、怖れを抱いて生きていかなければならないとしたのならば、その罪を償うためにできることはすべてしなさい。

書いているうちに朝になってしまいました。皆さま、おはようございます。良い夢は見られましたか?

では、私は今日から、もうひとりの生存者である緒方純子さんの絶望との闘いについて、「緒方純子さんのため」というアカウントで記していこうと思います。





 






















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