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(令和三年・2021/07/21〜07/31) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 & etc., 💕🐧

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月31日(土曜日)   通巻第7003号  
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(休刊のお知らせ)小誌は明日8月1日─2日が休刊です 
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 中国の教育産業界に土石流。株価大暴落のあとに
  4億人が使う宿題アプリの「猿輔導」は時価総額が1・6兆円だった
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 上が上なら下は下。御上が政策を決めれば、下は対策有り。「上有政策、下有対策」の国。
 だが、突然の「土石流」は、防ぎようがなかった。
 中国当局は学習塾、補習斑、家庭教師センターなど「教育産業は利益追求であってはならない」とし、「免許交付を新ルールにかえる」とした。

 中国の教育産業界は大学進学率の急上昇(ことしの大卒は909万人)に伴い、たとえば、宿題アプリで急発展してきた「猿輔導」は、時価総額1・6兆円。
昨年に猿輔導が上場した折には、2300億円をかき集めた。教育補習など広く利用されるアプリゆえに利用者は四億人を超えたという。

 この当局の措置により、大手のTAL(米国でも上場)の株価は71%の暴落、「GAOTU TECHEDU」が53%、新東方教育が41%の下落と、いずれも土石流被害は甚大。付帯して校舎賃貸オーナーから参考書出版社、流通など、猛烈な被害がでるが、じつは出資側のほうの被害がもっと大きい。

 補習産業の急伸ぶりをみてアリババ、テンセント、バイトダンスなど中国の大手ベンチャーはファンドを通じて教育産業に投資した。2020年だけで、この業界には100億ドルもの巨額が雪崩れ込んで、まるでマネーゲーム。教育者としてはふさわしくない行為に目が眩んでいたことも事実ではある。

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宮崎正弘『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 ──中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前々号の「アフガニスタンに甦る狐と狸、タリバンは一枚岩ではない」は衝撃的なニュースです。一方で、昨日のアルジャジーラ報道ではアフガニスタン南部で大規模な戦闘があって数百の犠牲が出ているそうです。
 アメリカが去るのは、たしかに中国が慌てて言うように「無責任」な側面がありますね。
   (DH生、名古屋)

(宮崎正弘のコメント)昨年11月に米国は「ETIM(東トルキスタン独立運動)」をテロリスト・リストから削除しています。これは米国がアフガニスタンへ介入するときに中国の協力を得るための取引でしたが、中国はこれに合法性を得たとして、テロリスト対策だと言い張ってウイグル族への弾圧を正当化してきたのです。米国は「ETIM」はテロリストではないばかりか、「存在が確認できない」と理由を述べています。

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(読者の声2)貴紙通巻第7001号に(読者の声4)として卑弥呼の遣使の年が景初3年であるとの再反論が寄せられました。
帯方郡太守の任期の前後という細かな点を問題としておられますので、考えられる可能性について検討した上で、景初3年説は成り立たないことを論じたいと思います。
まず、再反論者さまは、東夷伝序文から「景初年間、大規模な遠征の軍を動かし、公孫淵を誅殺すると、さらにひそかに兵を船で運んで海を渡し、楽浪と帯方の郡を攻め取った。」と主張されますが、「さらに」とされた箇所は原文では「又」であって、必ずしも前後関係を示すものではありません。
つまり景初年間の出来事として大軍を派遣して公孫淵を誅殺した話と、密かに海を越えて軍を派遣し楽浪・帯方両郡を収めた二つの話を、「又」で繋いでいるのです。
序文という大掴みに概要を述べる箇所では、重要度が大きい方を先に述べることは普通であり、公孫淵の誅殺が先に書いてあるから前後関係がこれで決まりとするほどのものでは無いと考えます。
念のため当該箇所の原文は「景初中、大興師旅、誅淵、又潛軍浮海、收樂浪・帶方之郡。」となっています。
また、「魏書 東夷伝 韓伝」に「明帝が景初中(237〜239年)に密かに楽浪郡太守鮮于嗣と帯方郡太守劉?を送った」ことについて述べられます。これは公孫淵誅殺後のことであると理解されている様です。
原文には「景初中、明帝、密遣帶方太守劉?・樂浪太守鮮于嗣、越海定二郡」とありますから、前文同様、この文からは景初何年のことか確定はできませんが、明帝は景初3年早々に死去していますから、景初元年か景初2年のことであるのは間違いありません。
公孫淵誅殺は景初2年8月(都に知らせが届いたのは9月)のことですから、帯方太守劉?を海路派遣したのは、誅殺前とも誅殺後とも受け取ることができます。従って、普通に読めばどの様に読むことができるか判断しなければなりません。
公孫淵誅殺後に派遣したのであれば、何故わざわざ海路で密かに派遣する必要があるのでしょうか。
行く手を遮るものがいなくなったのですから、何も密かに海路で派遣する必要はなく、白昼堂々と陸路を行けば良いのです。
「海を越えて密かに派遣する」というのは、公孫淵に気付かれないように「密かに」海路で派遣し、韓を平定し退路を断った、と理解するのが普通では無いでしょうか。
魏は陸上の戦いでは強くても、水上の戦いはそれほど得意ではありません。
それゆえ、長江を隔てた孫権に手を焼いているのです。そのような魏の軍を苦手な海路で派遣するのですから、公孫淵に気付かれないように密かに行う必要があったのです。
明帝の周到な準備を窺う事ができます。おそらく背後固めは景初元年中には完了していたと思われ、景初2年になって討伐軍が派遣されることになったのです。
密かに背後を固めた後、正面から大将軍司馬宣王の軍勢が進軍したと、読むのが普通では無いでしょうか。
その後(景初2年6月に)卑弥呼の使いが来た時は太守は劉夏に代わっていました。劉?が劉夏に代わった事情についてはよく分かりません。再反論者さまの論によれば、9月に公孫淵誅殺の報告が届いた直後くらいに韓平定の軍を別に派遣したということですが、公孫淵が滅亡すれば慌てて韓を平定する必要はなく、ゆっくりと司馬宣王の帰還を待てば良いだけであり、この時点で密かに別軍を派遣して韓を平定する意味は戦略的にも政治的にも、何より経済的にも無いのでは無いでしょうか。
 陳寿の文は簡潔であるため、解釈に幅が出るところは少なくありませんが、前後などの関係をよく読み解けば、難しくひねった箇所など無いと言って良いと思っています。
勝手な理解をして、難解で読み解けないので自己流の解釈を行う人たちが絶えませんが、反論者さまは良いところまで読み込まれていると思います。折角そこまで読み込まれているのであれば後一歩だと思います。
今一度冷静に思い込みを離れて読み直されることをお勧めしたいと思います。
  (高柴昭)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月30日(金曜日)弐   通巻第7002号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~滴滴やファーウェイ、ZTEばかりではない、ぜんぶだ
  米上院議員、SECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求
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 滴滴(DIDI)は6月30日にNY市場に上場し、予定価格14ドルのところ、初値が18ドル。時価総額はいきなり7兆5700億円となった。四日後、中国はDIDIを手入れして審査に入ったため株価は暴落した。

 7月9日の時価総額はピークから2兆3000億円ほど減らして、5兆2000億円ほどになった。米国ファンドにも損害がでたことは明らかだろう。上院議会銀行委員会は、この値動きがおかしいので調査を要求した。

 7月26日には中国の学習塾規制強化により、香港株式市場で中国教育銘柄の株価が半値以下に暴落した。新東方教育科技などはオンライン個別指導で業績を伸ばしたが、いきなり47%下落した。
 四日間続いた続落で中国の株式市場から6兆3000億円弱が蒸発した。

 中国の株安に連動して、日本の中国依存度の高い企業が軒並み、連鎖株安となり、とくにソフトバンクグループは真っ青になるほどの暴落ぶり、ほかに日本電産、ファースト・リティリング(ユニクロ)、東京エレクトロン等が下落した。

 7月29日、米上院議員らSECにNY上場のすべての中国企業を調査せよと要求した。
「滴滴やファーウェイ、ZTEばかりではない、ぜんぶだ」
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~マオイストがアメリカを機能不全に陥れ、左右分断をさらに深化させた
  この世紀の大陰謀は分裂の隙に中国がアメリカに浸透し、「共産化」が目的だ

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山口敬之『中国に侵略されたアメリカ』(ワック)
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 唐突に降って湧いたデモがBLM(黒人の命も大事)だった。
 背後関係を知りながら左派メディアは、まるで彼らに正義があり、進歩的な勢力のように報じて保守陣営からのまっとうな批判を門前払いしてきた。日本の某新聞と、その傲慢さはそっくりである。
 そう、アメリカのメディアは左翼に乗っ取られたのだ。
 60年代のベトナム反戦運動のときからサンフランシスコは左翼的な過激リベラルの町だったが、いまや極左が支配する共産主義の巣窟になった。アメリカですら『武漢ウィルス』説は消えた。
 マオイストがアメリカを機能不全に陥れ、左右分断をさらに深化させている。この世紀の大陰謀は分裂の隙に中国がアメリカに浸透し、「共産化」させることが最終の目的である。
だから中国に都合の悪い情報を流すことはタブーとなったと著者は強調する。
 評者(宮崎)のサンフランシスコ取材は何回かあるが、最後に行ってから西海岸のほうは十数年訪れていない。オークランドあたりの現況を本書で知って、これほどの精神の荒廃ぶりになっていたとは! 一種衝撃である。
 リベラル左派がつどうハリウッドも状況は同じで、反中国の映画にでたリチャードキア、ブラッドピットらは干されていた。
 もともとアメリカは価値観が分断していたが、この弱点につけこんだのが中国だ。
 「全米の黒人を指揮して暴力的な抗議活動を激化させる一方、民主党や大手メディア・SNS企業と共闘して、『共産主義の敵』『中国共産党の敵』であるトランプ氏を倒すという大目標を達成した」(244p)。

 かくして警察機関が根腐れを生じ、機能不全となって、せっかくトランプが回復させつつあった治安は、もとの状態から、さらに最悪状態に転落した。黒人の犯罪現場でも警官が手を出さないのである。
 そして、このおそるべき全体主義は巧妙に姿をかえて日本に上陸した。それがLGBT、夫婦別姓、女系天皇など、中国の陰謀から発した洗脳工作が顕著な勢いでメディアを蚕食した。著者、山口氏の批判は静岡県知事の媚中路線にも及ぶ。
 手遅れかも知れないという危機意識が著者を走らせる。
 アメリカは政治の脳幹部分がマオイストたちに犯されて、赤い国に転落した。犯罪者が黒人という理由で英雄となり、その客観的事実を述べるとレイシストとして批判される。黒人の横暴に警官は手を出さなくなって、治安はますます悪化している。
 この黒人の闇組織と中国が裏で連携している。
 だからアメリカは赤く染まり、自由主義は失われ、多数の穏健なアメリカ人はびくびくした日常を送っている。はびこる腐敗と不正義、それをバネに大統領に不正に当選したバイデンの無自覚的な中国への妥協。
このままではアメリカは沈んでしまうのではないのか。いや、確実に沈むだろう。
その日こそが中国の世界制覇の野望が達成されるのだが、かくいうと陰謀論に聞こえるらしくて、日本では哄笑される議論である。
 著者の山口氏はアメリカ駐在が長くTBSワシントン支局長の経験もあるアメリカ通だ。
 問題となったスポットを歩き回って、その臭気を嗅ぎだしながら、麻薬取引の現場や、白人を脅す黒人の現場を目撃してルポにまとめた。
 迫真の、最新の現場報告で、高尚な場所からアメリカ政治を分析する所謂『アメリカ通』のセンセイたちの報告とはまるで趣が異なる。
 評者は個人的に、この現場突撃取材は嘗てのミッキー安川風だという強い印象を抱いた。昨年一月、評者はNYに一週間ほど滞在していたが、チャイナタウンは殷賑を極めていた。その時点でNYの土産屋を十数店舗は歩いたが、バイデンの人形は売ってなかった。つまりコロナ禍爆発前までアメリカはトランプの圧勝ムードであり、まだ社会は健全だったような気がする。
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    樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@    【知道中国 2258回】       
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港140)

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 香港返還とは一面で北京のオ殿サマと香港の越後屋の饗宴であり、それほどまで両者の利害はスイングしたということだ。やはりオ殿サマも越後屋も共にワル、それも稀代の大ワルなのである。

 昨今の日本ではオ殿サマの「凶悪度」のみが糾弾されるが、じつは越後屋だった負けてはいない。ワルの越後屋のサジ加減を見誤るから、香港の姿を平板極まりない民主VS強権という二項対立で捉え、納得し、軽々しく激怒してしまうのだ。
おそらく、これから疾風怒濤の時を迎えるに違いない両岸関係にしても独立VS統一、民主VS強権では簡単には解き得ない複雑極まりない局面が次々に出現すると思われる。やはり台湾にも越後屋がいないわけでない。いや、いると考えるのが常識と言うもの。そのことを忘れるべきではない。

日本では日中関係を政治と経済とに分け、「政経分離」「政熱経熱」「政冷経熱」などとラチもない4文字を弄んで原則なきご都合主義でお茶を濁してきた。これからもそうだろう。
 そこへいくと彼らの場合にはウソ偽りナシ。ことに返還に当っては正々堂々と、誰憚ることなく「政経癒着」「政経談合」「政経合体」「政経両得」で押し通してみせた。それを「愛国商人」の4文字でコーテイングして。アッパレとしか言いようはないが、この関係が成り立つのも、越後屋が手練手管を弄し、オ殿サマと丁々発止と虚々実々の駆け引きを繰り広げてきたからだ。これこそ正真正銘の、支配されながら支配するというカラクリだ。

 であればこそ、その実態を詳細に綴る必要があるわけだが、本稿の狙いは70年代前半の殖民地時代の回想である。だから余り深入りせず、両者の蜜月風景の一端をチラッとだけ見ておくことにしたい。
もちろん、中国が「過渡期」と位置付けた返還までの日々に繰り広げられた欲と得との競演(狂演?)に関しては、いずれ詳細に綴る必要はあるだろうが。

 1982年3月、先ずイギリス側が動き、訪中した議員団が香港の将来問題に関する交渉の早期開始を求める。すると不安になった香港の企業家たちを北京に迎え、?小平は97年前後に香港の主権回復を明言すると共に、香港の安定と繁栄の維持を約束した。すでに化かし合いは始まっていた。82年6月のことである。

 3か月後の82年9月に訪中したサッチャー首相を迎え、?小平が香港問題に関する基本的立場を語る。ここで割譲した香港島と九龍の領有を主張するサッチャー首相に対し、?小平は「バカなこと言うものではない。あれは貴国が軍艦で脅して強奪したもの。断固として返してもらいますよ」とピシャリ。
この時点で、流れは一気に中国ペースで動き出す。

 ここで不思議に思うのは、?小平がサッチャーの横っ面を張ったのが9月24日で、この動きに呼応するかのように、時を置かずして香港のある学生組織が?小平発言支持を打ち出し、「香港島割譲を定めた南京条約、九龍割譲を記した北京条約は共に不平等条約だ」「香港は中国の神聖な領土の一部だ」「香港を取り戻すことは中国人民の神聖なる責務だ」と訴えたことである。
だが、この動きを返還に向けて中国側が仕掛けた環境醸成工作の一環と考えるなら納得できそうだ。ありえない話ではない。

 中国からの帰路に香港に立ち寄ったサッチャー首相は、9月27日に「(南京・北京の)両条約は正当な国際条約であり、如何なる理由があっても中国側の考えは認められない」「イギリス首相として香港に対する責任、イギリスとして香港の人々に対する責務を果たす」と言明した。首相会見場の場外では、中文大学と理工学院の学生代表が「不平等条約反対」「中国侵略条約は断固として認められない」などのプラカードを掲げ気勢を上げていた。

 10月1日の『人民日報』が「サッチャーの香港談話は断固として認められない」と報じた。香港廠商聯合会に集う企業家が北京に馳せ参ずるや、11月20日、中国政府要人は「主権回復」「港人治港(香港人による統治)」「制度不変」「繁栄維持」を口にしたのだ。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)新刊の『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店)が都内の大型書店には並んでいましたので、すぐに拝読しました。
 非常に時宜を得た玉著で、ネットを主戦場に「認知戦争」が始まっているという視点は新鮮です。ハッカーを駆使する新形態への戦争の対応として、米英などファイブアイズと日本、EU、NATOが連携してマイクロソフトへの中国のサイバー攻撃を非難して対抗措置を取ると発表しました。
 東京五輪に照準を合わせてサイバー空間でテロ攻撃を仕掛ける中国に西側が結束したサイバーの対中包囲網です。英国は、ファイブアイズ諸国と日本を同士国と位置づけ、中国に対抗する仲間と位置付けています。
 下記記事をご参照までに
「日本経済新聞」7月19日から。(引用開始)「米国や欧州、日本の各政府・機関は19日、中国のサイバー攻撃を一斉に非難した。中国政府とつながるハッカーが世界でランサムウエア(身代金要求型ウイルス)などによる攻撃を行い、経済活動の脅威になっているとみなした。バイデン米政権は同盟国とともに中国へ圧力をかけて是正を求める。
日米や英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)が中国を非難した。米政府高官は18日、記者団に対し
「米国と同盟国、パートナー国は中国に責任を取らせるための追加行動を排除しない」と強調し、対抗措置を講じる構えを見せた。サイバー攻撃に関する懸念を中国政府高官に伝えた。米ホワイトハウスは19日の声明で、3月に発覚した米マイクロソフトのサーバー向けソフトに対するサイバー攻撃について、中国国家安全省と協力関係にあるハッカーが実行したと断定した。これとは別に米司法省は19日、数年にわたって外国政府などを標的にサイバー攻撃を仕掛けた中国国家安全省の関係者ら4人を起訴したと明らかにした。
米連邦捜査局(FBI)や米国家安全保障局(NSA)は19日、中国のハッカーが利用する約50の手口などを公表し、世界の政府機関や企業に警戒を呼びかけた。ラーブ英外相は19日、「中国政府は組織的なサイバー攻撃を止めねばならない。そうでなければ、その責任を負うことになる」とコメントした。日本外務省は「自由、公正かつ安全なサイバー空間という民主主義の基盤を揺るがしかねない悪意あるサイバー活動は看過できない」と強調した。EUは中国に対して国際ルールを守るよう要求した。(引用止め)」
  (NO生、千代田区)

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(読者の声2)「やまと新聞」(7月28日)のコラムに次の面白い文章があります。
 呉智英著「バカに唾をかけろ」(小学館新書)紹介 「『表現の不自由展』は『当たり屋』」である 三浦小太郎(評論家)
 「思想家・呉智英著「バカに唾をかけろ」(小学館新書)は、著者のいつもながらの切れ味のいい文章で、時局を論じながら、「民主主義」「人権思想」がいかにイデオロギーに過ぎないかを立証している。そこでは、例の「表現の不自由展」についても触れられているが、一言、『人権当たり屋』の一言で片づけている。
呉氏は、そこで展示された、慰安婦を象徴するとされる少女像は、韓国では日本大使館前を含め各地に自由に「設置」されている(アメリカにもドイツにも現実に存在する)。日本でも、公道や公有地はともかく、韓国大使館の玄関なら可能だし、個人の庭にも置けるだろうと指摘し、次のように切って捨てている。
「こうした少女像のどこが『表現の不自由』なのか。津田大介ら破廉恥な運動家連中がわざわざここで表現の不自由を作り出したのだ。ありもしない交通事故を作り出す『当たり屋』と同じである」(『バカに唾をかけろ』)
  (KM生)

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(読者の声3)アフガニスタンを巡っては周辺各国の思惑が入り乱れていますが、トルコは以前からアフガン復興支援事業で土木企業などが参加していたはず。
東トルキスタンとの縁でいえば新生トルコ樹立の際にアラビア語やペルシャ語の語彙が増えたトルコ語を純化しようとトルコ系諸語を研究した。そしてウイグルの言葉はアラビア語やペルシャ語の影響をほとんど受けない本来のトルコ語に近いとされたという。
 地中海・中東でのトルコは大国意識丸出しでギリシャとの間で排他的経済水域(EEZ)を巡って争っている。両国が険悪になりフランスがギリシャのクレタ島に戦闘機ラファールやフリゲート艦を派遣する事態も起こっている。
https://grandfleet.info/european-region/france-intervenes-in-tensions-between-turkey-and-greece/
 
 アフガン和平会議の場を提供するカタールに対し、トルコはトルコ国内にカタール空軍の軍用機36機の駐留を最大5年間認める協定を議会に提出。ギリシャが導入するフランスのラファールを持つカタール空軍と対戦することで対ギリシャ戦の研究になるだろう。
https://grandfleet.info/european-region/qatar-air-force-stationed-in-turkey-for-5-years-scheduled-to-dispatch-rafale-and-mirage-2000/
 トルコの軍事力は近年国産化が進み、無人機の輸出ではカタールにつづきウクライナも購入決定。F35B導入前提で建造されていたトルコ初の強襲揚陸艦「アナドル」はロシア製防空システム「S-400」導入でF-35B調達が難しくなった。そこで無人機の空母にする計画がでているという。
https://grandfleet.info/european-region/turkey-transforms-amphibious-assault-ship-into-aircraft-carrier-with-bayraktar-tb3/

 日本近海では英国空母クイーン・エリザベス打撃群が南シナ海に到達。安倍前総理は李登輝元総統の墓参を名目に訪台に意欲。このへんのシナリオは日英・日米台の連携によるものでしょう。安倍訪台が実現するなら旧暦7月15日の旧盆(台湾での中元節)にあたる8月22日前後がふさわしいように思います。
   (PB生、千葉)
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★小誌通巻七千号突破記念増大号!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月30日(金曜日)   通巻第7001号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜アフガニスタンに甦る狐と狸、タリバンは一枚岩ではない
  中国がタリバンを招待した動機と背景を探ると
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 王毅外相が天津でタリバン幹部を接待し、とどのつまり「東トルキスタン独立運動」の新彊ウイグル自治区への軍事出撃拠点とならないように釘を刺した。かれらに用意されたお土産は何であったか? ソ連と戦ったムジャヒディーンが母体のタリバンは、一枚岩ではなく、つねに離合集散を繰り返す軍閥の呉越同舟というのが実態である。

 北部同盟のマスード司令官は、2001年おそらく内ゲバによって爆殺された。カメラマンに扮して撮影機材に爆弾を仕掛けていたとされる。死をも恐れないのはイスラム原理主義が戦いで死ぬことを殉教としているからだろう。
 マスードは依然として尊敬を集め、その墓はモスクを形取った廟である。弟はカルザイ政権の副大統領となった。

 マスードが不在となって、アフガニスタンの軍閥事情はさらに複雑化し、昨日の友は、きょうの敵、そして明日はまた「友人」となる。そうやって、パシュトーン人主体の山岳国家は過去千年を暮らしてきたのだ。

 北部の拠点マザリシャリフは嘗てドスタム将軍が治めていた。ドスタムはウズベク人であり、残酷な拷問や虐殺をこのみ、タリバン主流派に属したかと思えば、すぐに裏切り、挙げ句はカルザイ政権で副大統領、そしてまた裏切り、トルコへ亡命。また復帰するという、果てしない路線変更、カメレオンの如くに立ち位置を変える。

 イスマイリ・カーンは、北西部のオアシス、ヘラートと統治する「ヘラートの獅子」。不利になるとイランに逃げ込み、政府軍に協力したかと思えばいつしか裏切る。
カーンはパシュトーン人で、現在はガニ政権の閣僚でタリバンと対峙しているが、次の行動は読めない。

 もう一人の厄介な指導者がヘクマチアルだ。
栄華を極めてアフガニスタン政府の首相を二回つとめた。ところが政府高官の立場に有るかと思えば、裏切り、ときにイランに逃げ込み、トルコで亡命生活を送っていたからと思えば、アフガニスタンに舞い戻る。現在のところ、ヘクマチアル率いる軍閥の動静は伝わってこない。

 現状はと言えばタリバンがアフガニスタンのおよそ七割近くを抑えた(タリバンは85%を支配したと豪語しているが)。
ガニ政権の崩壊は高らかな足音を立てて近付いた。

 さて「昔の名前ででてきた」、これらドスタム、ヘクマチアル、イスマイリ・カーンは、後継有力者が明らかにされないまま、実態として強桿な軍閥で、お互いが根強い猜疑心を抱き、離合集散、呉越同舟を繰り返すため、今日の分析が、そのまま明日も同じ状況とは変わらない。だから中国は彼らのうちから軍閥代表を選び、招待したのだ。

 タリバンはモスクワへすでに代表を送り込んだが、ちかくイランへも派遣し、今後の「協力態勢」を協議する予定である。


 ▼明日のアフガニスタンを展望すると。。。。。

 アフガニスタン国内事情はかくの如しだが、一方で国際関係となるとますますややこしい。世界史のグレートゲームは、アフガニスタンをめぐる攻防でもあった。英国が、ソ連が、そして米国が介入し、いずれも失敗に終わった。

 第一に米軍撤退後、新しいグレートゲームの主人公は、米露は関心あれど、介入せず、NATOも引き揚げる。中国は動静に深い関心を寄せるも、軍事的支援となるとどうするか。
アフガニスタンで、唯一、政治的存在感を維持するのはトルコ。しかし地域覇権という文脈で大きな影響力を持つのはパキスタンである。

 イラクへ介入した米軍は、作戦に秀でてはいたが、戦略性に欠け、スンニ派、シーア派、そしてクルド族という、事実上の三分割となった。

 リビアへ介入し、カダフィ政権を瓦解させたものの、リビアはベンガジとトリポリが対立し、伊太利亜とトルコが魑魅魍魎的な動きをしめし、収拾がつかないまま、大混乱となっている。

 タリバンに話を戻すと、外国の利害関係を計測するに絶妙な読みをなして、兵器や資金を外国から調達することにいささかの躊躇いはない。そのためには裏切り、取引、暗殺もためらいなく実行する。
 そこで冒頭の話題にもどるのである。
 中国はタリバン幹部にどのような土産をもたせたのか?
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    (休刊のお知らせ)小誌は8月1日─2日が休刊です 
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜北朝鮮と拉致問題を理解するために初歩的な知識が必要だ
  面妖な思想をなぜ、人々は崇拝するのだろう?

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篠原常一郎『北朝鮮と拉致問題を理解するためのチェチェ思想入門』(育鵬社)
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 主体思想を面妖で狂信的と決めつけるのは容易である。しかし、それでは何故、北の人々ばかりか、民主主義国家であるはずの韓国の人々があれほど熱狂的に崇拝するのだろうか?という謎を解明できない。
 ましてや、この妖しげな思想が日本で拡がっている。在日朝鮮人の間だけならまだしも、沖縄で、そして近年はアイヌ団体に浸透しているから危険なのである。
 なぜ金三代の独裁政権は転覆しないのか、なぜ外国人を拉致するのか、そして何故日本人や韓国人がチェチェ思想の魔力にコロリとはまるのか、著者は元日本共産党の理論家兼活動家だったがゆえに、よく分かるらしい。
 本書はまず冒頭のページで、『チェチェ思想関連機関と日本における諸団体の相関図』のチャートがあって、理解しやすい。その中心人物に野上健一という人物が四つの団体の幹部として顔を出している。
 また政治学者の武者小路公秀が名誉理事とか顧問になっている団体が二つあるうえ、多くで人脈が重なっている。こうした実態が、おおまかに把握できる。驚きは「北海道アイヌ協会」とチェチェ思想団体との強い繋がりである。
 アイヌは先住民族ではない。十二、十三世紀にオホーツク海のどこかから北海道へ流れ込んできた人々で、しかも部族どうしがいがみ合い、殺し合った。アイヌは民族として団結していないうえ、「複数の部族に別れていて、それぞれ言葉が違い、単一言語ではありません。そのためアイヌという民族の定義が定まっていません。では誰が決めているのかというと「北海道アイヌ協会」です」(195−196p)。
 この人たちが国の優遇を承けている。いや、江戸時代からアイヌは優遇されてきたのだが、2018年度の日本政府のアイヌ政策関連予算は、なんと40億円強もあるのだ。
 そして現代日本のミステリーだ。
 このアイヌ団体が、チェチェ思想を研究する団体や、その別働隊に密接な関係があり、とどのつまり『アイヌ利権』を狙っているのである(201p)。
 話が飛ぶかも知れないが、評者(宮崎)、この話に及んだとき、ふと『日本書紀』に出てくる「粛清(みしはせ)」を思い出したのだ。なぞの民族で、ツングース系とされるのだが、六世紀ごろから佐渡や北日本に漂着した。
 『日本書紀』には三個所、この粛清人が記述されている。
 まず欽明天皇の御代に佐渡島へ粛慎が漂着し、斉明天皇の御代に阿倍比羅夫が遠征し、討伐したこと。翻って天武天皇・持統天皇の御代には粛慎が来訪したので、大和朝廷は官位を与えたとある。
 手塚治虫『火の鳥』のモデル、阿部比羅夫は三回蝦夷退治に出向いたが、佐渡の北辺に盤踞した彼らを制圧し、さらに北海道へ進み、どうやら奥利尻島あたりにいた粛清人を平定したという記録がある。
 閑話休題。この粛清人が沿海州から来たのか、樺太あたりからの狩猟民族だったか、諸説あって侃々諤々であるが、結論はでていない。
それにしても、アイヌ利権に振り回され、チェチェ思想が跋扈する日本って、どうなっているのか。
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(読者の声1)貴誌6989号(7月21日)の「デジタル通貨」がらみの話の中で、宮崎先生は実に重要な視点(扇の要)、つまり「約束手形、社債、株式、私募債などは未来の企業収益が担保されているだけで、これが現代資本主義のからくり」であることを鋭く射抜いておられると思いました。
これらはすなわち、「将来の企業収益を信用で担保されているだけ」ということであり、換言すれば、これまでの信用が巨大IT企業のそれに取って代わりつつあるからです。
そもそも民間銀行の誕生とその発展は「価値イコール通貨」とみなすとするところの「人間の性(=同一視してしまう)を社会にトリッキーに組み込む」ことを前提に制度化したものであり、これを基盤として現代の経済社会は成り立っているのです。
そのカラクリを一番「認識・利用・応用」してきたのが?小平からの中国でした。それが巨大IT企業によって徐々に「占拠」されつつあり、このまま放置すれば、アリババなどのIT企業が「価値イコール通貨」であることの「統治手段として」のツール(=メリット)を手中に収める事になり、これを座視していては大変なことになることに気が着いたのが昨今の中国の「中枢」なのでしょう。
今までの中国の諸々の金融機関は、資本主義世界の衣装を「保護色」化して纏ってきたにすぎなかったのですが、この流れが基板からして変わりつつあることは、負債の山の露呈でいよいよ表面化してきました。
中国中枢は自分たちが「価値イコール通貨である」体制を死守するためには、金融分野をアリババなどにゆだねるわけには決してゆかないことに気が着いたのです。どうやら資本主義のカラクリを一番理解している国は中国のようです。
(SSA)

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(読者の声2)貴著新刊『日本人が知らない本当の路地裏中国』、たくみな描写にひかれ、中国本土に入国したことがない私も行ってみたくなりました。等身大の中国のリアルが目の前にあって有益この上ない本だと思いました。この本はたいへん意義のあるお仕事と思います。
  (YF生、港区)

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(読者の声3)貴誌前号投書欄のなかで、「メルマガやブログではなく、ユーチューブ放送、個人のチャンネルに(論壇は)移行しています。宮崎さんも、時代に合わせて個人チャンネルも始められると良いと思います」(老婆心)とありました。
 保守系の論客の多くも個人チャンネルで発言されています。是非、「宮崎チャンネル」の開局を期待したいです。
  (NK生、鹿児島)

(宮崎正弘のコメント)小生は職業としての物書きを四十年。ずぅっと活字媒体一本で発言して来ました。ツィッターもフェイスブックもLINEもやっておりませんし、携帯電話もガラ携です。町に公衆電話がなくなったから仕方なく「年寄りスマホ」を持ち歩いておりますが、使い方は電話と万歩計だけ。あとは操作方法が分からず、そこへもってきた個人チャンネルですか?
 カメラも持ち合わせず、スタジオもなく、どうやって、そういう新しいことに時間を費やす必要があるのか、わかりません。月平均で五、六回ほど桜チャンネルや未来ネット、言論テレビ、WILL等の電波媒体に出ておりますので、十分ではないかと考えています。

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(読者の声4)貴誌第6999号(読者の声3)に景初三年説への反論が寄せられていますが、前回述べましたように景初二年六月の時点では勝敗が決しておらず、もしもその時に大夫難升米が帯方郡に行ったとすれば、面会した太守は公孫氏側の人物になります。
しかし「魏志倭人伝」には難升米は魏側の太守劉夏と面会したとありますから、公孫氏滅亡後の景初三年六月のことだというのが明白な事実なのです。
 「魏書 東夷伝 韓伝」に「明帝が景初中(237〜239年)に密かに楽浪郡太守鮮于嗣と帯方郡太守劉?を送った」という記事がありますが、すでに前回ご紹介した「東夷伝 序文」に「景初年間(二三七 - 二三九)、大規模な遠征の軍を動かし、公孫淵を誅殺すると、さらにひそかに兵を船で運んで海を渡し、楽浪と帯方の郡を攻め取った。」とあります。
「魏書公孫淵伝」によれば公孫淵の死は景初二年八月ですので、明帝はそれを知ってから、楽浪郡と帯方郡を攻めさせたということですので、景初二年六月よりも後の話なのです。
 この景初二年か三年かの問題は、単なる「三国志」原文の誤写かどうかという軽い問題ではなく、「魏志倭人伝」がどういう政治目的で書かれたのかを証明するための非常に重要な話なのです。
反論者様は明帝の功績を寿ぐために卑弥呼が遣使したという思い込みから、景初二年説に固執していますが、それが誤解であることをご理解いただいたと思います。
 「魏書少帝紀」に『景初三年(239年)正月丁亥朔(ついたち)(十二月一日)、明帝が重体となった。』とあり、さらに、「魏書明帝紀」に『(景初)三年
春正月丁亥の日(一日)、太尉司馬宣王が、〔遼東から〕帰還して河内に到達すると、明帝は早馬によって彼を召しよせ、寝室の中に引き入れて、手を取り、「私の病気はひじょうに重い。後の事は君にまかせる。君はよって曹爽とともに幼い息子を輔佐せよ。私は君に会えたのだから思いのこすことはない。」と告げた。宣王は頓首して涙を流した。その日、明帝は嘉福殿において崩御した。時に三十六歳であった。癸丑の日(二十七日)、高平殿に埋葬した。』とあります。
また、「魏書少帝紀」に(景初三年二月)丁丑の日(一月二十一日)に司馬懿の功績を大いに誉め、天子を善導する役「太傳(たいふ)」に除すという詔勅を下したとあります。この時点の曹魏の実力ナンバーワンは大司馬(軍のトップ)である上記の曹爽でした。すでに病死した曹魏第一の功労者曹真の子です。
ですから司馬懿は倭の遣使によって曹真の功績を超えるものにしたいという政治目的から、明帝崩御後に、明帝が任命した帯方郡太守劉?を自分の部下の劉夏に代えたと推理できます。
 倭国を懐柔するように司馬懿の命を受けた劉夏は、倭国に遣使を促し、景初三年六月に帯方郡に来た難升米らを洛陽に護衛を付けて送りました。
司馬懿にとっては、自らの功績を最大限にアピールする最も重要なチャンスですから、幼い皇帝の補佐役になった司馬懿は、たとえ明帝の喪中であっても、卑弥呼の遣使を絶賛する詔勅を景初三年十二月に作らせたのだと推理できます。
その詔勅を全文掲載する「魏志倭人伝」は、司馬懿を曹魏第一の功労者として顕彰するために作られた文書だということです。
曹真の功績であるはずの大月氏の朝貢記事は明帝紀に簡単に書かれていますが、「三国志」に西域伝を意図的に載せていませんので、陳寿の偏向が見て取れます。
「晋書 宣帝紀」にも卑弥呼の朝貢を司馬懿の功績として魏の少帝から封邑を加増されたという記事が載せられています。
陳寿の「魏志倭人伝」は司馬懿を顕彰するために西晋の朝廷の人々に向けて作られた文書で間違いないのです。
 ですから魏の朝廷の人々に司馬懿の功績を理解させるために、帯方郡太守劉夏と、前回述べましたように、漢字を読み書きできる倭の大夫難升米が談合して作った邪馬台国への行程記事に基づいて、陳寿が「魏志倭人伝」を書いたのだと推理できます。
このような政治文書のフェイク記事を素直に読んで、いくら正しく解釈しても万人が納得できる邪馬台国の場所へはたどり着けなかったということなのです。
 ということで、従来の発想では邪馬台国問題を解決できないということですから、ここで新しい発想として、邪馬台国への行程記事は一度横において、ヤマト王権成立過程を仮説推論(アブダクション)によって科学的に解明する手法を採用しました。
それによって邪馬台国問題だけでなく弥生時代前期末から古墳時代初頭の歴史問題もほぼ解明できました。その詳細は拙ブログ「古代史を推理する」をご覧ください。   (刮目天)
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      🎉 ㊗️ ★慶祝 小誌通巻7000号! ㊗️ 🎉
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月29日(木曜日)弐    通巻第7000号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~世界はやはり「複雑怪奇」だ。タリバン幹部が中国を訪問
   王毅外相、天津でタリバンに「和平を実現できる重要な役割」と追従
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 いよいよ終わりが近付いた。
 8月31日に米軍は撤退完了予定。「バグラム空軍基地は電源もとめて、放棄された」とアルジャジーラが伝えた。同基地は米空軍が過去二十年間に作戦展開の枢要な場所であり、兵隊の輸送にも使用してきた。

 以後、アフガニスタンに残留する米兵は、カブールの米国大使館を護衛する650名。カルザイ國際空港を警備するトルコ兵がおよそ700名。ほかにはボランティア団体、医療関係者らが自主判断で居残る。

 トルコはNATOの役割の継続を実行するのだとする。事実、リビア、シリア、イラクにトルコ軍は派遣されており、また国内ではクルド族武装勢力と日夜戦っているので強い。
トルコはNATOのなかで唯一のイスラム国家である。

 戦況はタリバンの攻勢が目立ち、イランとの国境地帯のへラートでも、「へラートの獅子」と懼れられた反タリバン勢力のモハマド・イスマイリ・カーンは市民にタリバンとの戦いを呼びかけ「神の加護があり、国教は守られる」と西側記者に豪語した。
 カーンの叫びは虚ろに聞こえた。

 7月28日、天津に到着したタリバン代表は総勢9名(団長格はムラー・アブダル・ガニ・バグダル)、迎えた王毅外相は「タリバンはアフガニスタンの和平構築に重要な役割を果たすことを期待する」と歯の浮くような発言を繰り出した。

その一方で、「アフガニスタンに東トルキスタン独立を叫ぶテロリストの出撃基地としないよう、彼らを撲滅すること(も期待したい)」とボロっと、ホンネも覗かせたそうな(アルジャジーラ、2021年7月28日)。

 タリバンとアフガニスタン政府との和平会議はカタールを舞台に続けられているが、何も成果はなく、そのうえタリバンはモスクワへも三名の代表団を派遣して、独自の「外交」を展開している。

 モスクワでタリバンは「国境地帯の85%は抑えた。タリバンはISやアルカィーダを身内に認めてはいない」と発言したという。

 WHOは、緊急に350万本のワクチンが必要だと國際社会に訴えている。
「アフガン国民の1800万以上が危険な状態にあり、このうち子供が310万人」としているが、米軍撤退後、いかなる手立てで衣料品や食糧、ワクチンを運ぶのか? 
結局、タジキスタンやパキスタンに設営された難民キャンプまでの脱出が、残された道ということになるのではないか。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌が通巻7000号とは痛快な出来事です。老生は貴誌が「宮崎正弘の國際ニュース早読み」と題していたときからの読者で十年以上です。でも創刊から18年とうかがっていて過去のアーカイブも読みたいと思いますが、前のサーバーは閉鎖されてますね。
 なにしろ現代日本で、無料メルマガというのも凄いことですが、最近は孫達がメルマガやブログではなく、ユーチューブ放送、個人のチャンネルに移行しています。宮崎さんも、時代に合わせて個人チャンネルも始められると良いと思います。
   (老婆心)

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(読者の声2)オリンピックは連日の金メダルに盛り上がっている。テレビは見ないのでもっぱらネットですが、ほとんどの競技はNHKと民放のサイトで見られる。gorin.jpは最初にCMがボリュームMAXなので要注意。
https://sports.nhk.or.jp/olympic/
https://www.gorin.jp/

 どちらも基本は英語実況/実況なし、テレビと同時なら日本語実況がつく。マイナーな男子高飛び込みシンクロでは英国優勝の番狂わせ。女子高飛び込みシンクロでは中国だけ異次元の完成度。やはり中国はすごい。
 28日は朝から競泳男子バタフライで銀、女子200mメドレーで金と絶好調。卓球女子は伊藤美誠が韓国にストレート勝ち。韓国といっても元中国人。伊藤が対戦したポルトガルも元中国人だった。
 自転車ロードレースなど府中市から富士スピードウェイまで男子は244キロを6時間、女子で147キロを4時間という長丁場。スタートから10キロほどのパレード走行では大國魂神社を通り、巫女さんが見送る光景や手水舎の様子をアップで紹介。動画では27分まえあたりから。
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/5ad76af9-a02e-423f-8b9e-b2b80b651985/

 山中湖や雲がかかる富士山もヘリコプター映像で紹介。
 五輪広告から降りたトヨタはロードレースのサポートカーすべてを担当するのでレクサスやカローラが常時映る状態。下り坂では時速80キロを超えるというなか、元F1レーサーが足回りのセッティングを担当したといわれるだけあって屋根に予備の自転車をたくさん積んだカローラが下りのコーナーを難なく通過する。欧州で唯一メーカーごとのCO2排出規制をクリアしたトヨタにとって良い宣伝だったでしょう。
 五輪のテレビCMを取りやめたトヨタはトヨタイズム(https://toyotatimes.jp/)というネット媒体で情報を提供している。
CO2削減問題も欧州と日本を比較しわかりやすく説明。トヨタのヤリスという車種を例にフランス工場ではCO2排出量の少ない電力(原子力)、岩手工場ではCO2排出量の多い電力(火力)で生産。将来は生産にかかわるCO2が問題となるかもしれない、といろいろでてくるのですが、自動車の電動化は当然として、現在の最適解は各種ハイブリッド、将来的には水素が有望と見ている。
 フランスが原子力でCO2排出のほぼない電気ならドイツはどうする。ヒトラーがユダヤ人を追い出したようにメルケルは原発を周辺国に追い出している。いざとなれば東欧の汚い石炭電力でも涼しい顔で使うのだろう。

 自動車の電動化について日本のメディアは正しい報道をほとんでしていない。ITmedia ビジネスオンライン連載の池田直渡「週刊モータージャーナル」 第1回は2015年フォルクスワーゲンの「排ガス不正問題がわかるディーゼルの仕組み」から始まり、第251回・252回は「日本のEVの未来を考える」、第255回「暴走が止まらないヨーロッパ」、第319回「EVの行く手に待ち受ける試練(前編)」となっている。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2107/12/news016.html

 電力供給の問題、モーター・バッテリーの大増産にともなう資源価格の高騰、バッテリー増産計画が過大であること、モーターもバッテリーも使用部材が多いので素材の原価以下には価格は下がらない、と当たり前なのになかなか理解されないことを繰り返し述べている。
 ドイツとベルギーの洪水、中国の洪水、ロンドンも冠水といつ電力インフラが止まるかもしれない。東日本大震災でオール電化住宅がどうなったか記憶も新しい。なにごとも冗長性(余裕)が必要ですね。
  (PB生、千葉)

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(読者の声3)相変わらずの日本のリーダーシップの危機(デイビッド・リー)
 このエッセーで吉田圭秀陸上幕僚長の見解を批判したことにつき、これは吉田陸将の言葉を曲解しているのではないかとのご指摘を数名の方から頂きました。そして、陸上自衛隊のサイトに掲載されている、本年3月26日付の吉田陸将の就任挨拶の文章を送っていただきました。
 すると、そこには「刀を抜かないために真剣に刀を研ぐ」抑止力の要として、統合運用や日米共同の要として、地域社会との絆を繋ぐ要として、陸上自衛隊は、全隊員一丸となって、使命を果たしてまいります」という言葉がありますが「日本は決して『刀を抜く』ことはないと言明しているわけではないことが判明しました。
 陸上自衛隊、及び吉田陸幕長には大変ご無礼なことを申し上げたことになり、心よりお詫び申し上げる次第です。
 では、なぜデイヴィッド・リー氏が、このような誤解から来る失礼な文章を書いたのか、氏に確かめてみましたところ、日本語の読めない氏は、英文Asahi Shimbun (6月27日)の記事(By YOSHIYUKI KOMURATA)を読んで、このエッセーを書いたということです。この記事は、見出しが次のようになっています。
New GSDF head vows to never ‘unsheathe the sword
 (新陸上幕僚長は「決して刀を抜くことはない」と誓う)
 さらに文章中にも、「刀を抜くということは既に作戦の半分が失敗していることを意味している」だとか、日本語の原文から大きくかけ離れた内容のことを書いております。
英語のネイティブからしたら文字通り、「決して刀を抜くことはない」と誓っていると解釈するのは当然でありましょう。吉田陸幕長の挨拶を事前にチェックしなかったことは大いに反省しております。
 従いまして、今回の誤解を招く失礼な表現を含むエッセーにつきましては、これを撤回削除させていただきたいと思います。
 なお、こうしたことが起こったそもそもの原因は、英文Asahi Shimbunの誤解をまねく記事にこそあると考えます。慰安婦問題についても英文Asahi Shimbunではいまだに、吉田清治の本は全くの捏造であり、朝日新聞は謝罪し、過去の15本を超える関連記事を削除したこと、慰安婦強制連行など全くなかったことを正しく報道していません。今回の件につきましては厳重にその誤解記事に修正要求をしたいと思っております。
   (「史実を世界に発信する会」会長代行 茂木弘道)

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(読者の声4)宮崎さんと石平さんとの最新作(『中国が台湾を侵略する日──習近平は21世紀のヒトラーだ!』、ワック)のなかでも、過熱して腐ったものが墜ちるように、不動産を基軸に中国経済の崩壊が始まるだろうといわれていますが、ついに開発業者株、社債の暴落がはじまり、中国市場全体が荒れ模様となりました。四日連続で続落です。
 このあと、中国経済はどうなるのでしょう?
   (JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)有名な国有企業の社債デフォルト、倒産ラッシュです。
年初来の暴落率を一覧すると次のようです。
 上海総合指数     ▼19・59%
 上海A株       ▼20・51
 深センB株      ▼16・28
 深センA株      ▼19・05
 香港レッドチップ   ▼20・89
 株式投資は「夢」に賭けるのであり、それが消えれば、暴落が始まります。
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★小誌、次号で通巻7000号です◎
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月29日(木曜日)通巻第6999号  <前日発行>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 インドも軍事力の円滑輸送目的にダージリン シッキム 西ベンガルを繋ぐ鉄道
  僅か45キロの鉄道だが、トンネルが14,橋梁が17の難工事
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 中国は青海省西寧からチベットのラサまで「青蔵鉄道」を平均4000メートルの高地に敷設、つづけて先月には四川省からラサをつなぐ鉄道の一部区間を開通させた。
 中印国境はときおり死者を出す紛争地帯、鉄道は軍隊の移動の円滑化に役に立つ。

 インドは対抗上、?地アルナチャルプラデシュ州と西ベンガル地区と結ぶ鉄道の建設を普請中だ。途中駅は三つ。
 ダージリン、シッキム、西ベンガルを結ぶのは軍が緊急時に移動がしやすくするためで国家安全保障が最大の理由だ。
 
 しかし2009年に起工したが、予算は既に6度も増額され、また工事完成時期も何回も延ばされた。現在の目標は2023年三月まで。
 
 ルートはヒマラヤの雪解け水の通り道、季節によっては川の流れが速く、しかも岩盤が形成されたのが若い地盤であるため、土砂崩れ、土石流事故が頻発している。
 まだ難工事に手間取り、僅か45キロの鉄道なのに、途中トンネル14ケ所、橋梁が17ケ所。おまけに附近にダムを建設中である。

自然環境保護団体は「森林資源を守れ」として、反対運動を展開している。というのも、インドには1980年に制定した森林資源保護法に抵触するからだ。中国が国境付近に兵站を構築し、後方支援のための鉄道を完成させたのとは対照的にインドは民主主義国家、自然保護に五月蝿い国である。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 自衛隊人生をまっとうした陸将は、国の行く末をどうみるのか
  国家安全保障より省益に拘る官僚主義の弊害が日本の欠陥だ

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福山隆『続・空包戦記  元陸将が切り拓いた波瀾万丈』(イカロス出版)
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 書名の「空包」がやはり気になる。
 実弾演習はすくないばかりか、国防より災害救援の活動で知られる自衛隊は、これまでは日陰の存在だった。国民の風向きが変わったのは国際情勢の変化への対応でもあり、また女性自衛官が増えたことによって雰囲気もなごやかになり、ふたりの女性防衛大臣が登場したし、いまの防衛政務官は外務省出身の参議院議員・松川るい氏である。これほどに環境が激変した。
 しかし現実に自衛隊は空包を撃つ。まだ、こんなことやってんの。
 隊内で川柳の佳作は、
 「たまに撃つ 弾がないのが 玉に瑕」
というものだったことは、広く知られる。
 
さて著者の福山氏は五島列島の出身、これが本書の伏線になる。苦学して防衛大学に入り、以後は自衛隊一筋。その苦労は並大抵ではなく死にかけたことも何回か。ストレスが溜まり無気力状態が続いたときに精神的に立ちあがれたのはカソリックの洗礼だった。なるほど五島列島はキリスト教会が数多く残る土地柄であり、これが精神形成の土壌にあったのかも知れない。
 著者には『兵站』など多くの著作があるが、サリン事件では自衛隊の部隊を率いた。その記録は『地下鉄サリン事件 自衛隊戦記─出動部隊指揮官の戦闘記録』 (光人社NF文庫) である。
 本書は自ら自衛隊人生を振りかえり、その履歴を語りながらも問わず語りに我が国の安全保障と国益を考えている。
中谷元・元防衛大臣の推薦の辞は「福山中隊長のもとで過ごした小隊長生活は私にとっても得難い糧となりました」とある。
 韓国駐在武官、外務省への出向、富士教導団長として『総合火力演習』を指揮した。
 多くの逸話のなかでも、田中六助政調会長が目を悪くして国会答弁に立ったとき、際立つほどの大きな字で巻紙を読み上げていたが、あの答弁書類の清書をマジックインクで書いたのも福山氏だったとか。
 本書でじつは最も重要な部分は外務省と防衛庁(当時)の力関係である。GHQは「戦前の旧軍による外交への容喙を阻止するどころか、米軍を通じて防衛庁をコントロール下に置ける環境」だった。
そんな時代に著者は外務省への出向を命じられるのである。
 こう書かれる。
 「外務省と防衛庁の文化の違いは歴然としていた。旧軍が解体され、防衛庁、中でも陸上自衛隊では旧帝国陸軍の文化をあまり継承しなかったが、解体を免れた外務省の場合は、戦前からの文化やしきたりをそのまま継続していた」
 これが何を産んだかと言えば、外務省の鼻持ちならないエリート意識であり、自衛隊を下に見る性癖が身についていたことだ。
 しかし国防とは「情報が命」なのである。「安全保障にとっては、クルマの両輪のように緊密は協力関係が必要で、とりわけ情報の共有が不可欠である」
 この国家にとって枢要な共通の理解が両省のあいだに出来上がったのは近年の国際情勢の変化と米国の対日戦略の変更によるのである。
防衛大臣には防衛大学出身も就くようになり、そもそも、防衛庁は「省」に格上げされた。海将の大塚海夫氏は防衛省出身で初めて大使となって、ジブチへ赴任したのも2020年のことである。
本書を通じて、国防の最前線の現況も把握できた。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)猛暑お見舞いを申し上げます。さて「乗って歩いた中国全33省旅遊記」と副題のある新刊(宮崎正弘『日本人が知らない 本当の路地裏中国』、啓文社書房)を世界地図を拡げながら存分に耽読したしました。
大兄の旺盛な行動力、緻密な観察力に改めて感嘆というより驚嘆を覚えております。それにしても現中国の高速鉄道網に発達には、従来のシナ人観を超えた新しい力の発揮が見える如くにて、一種の空恐ろしさを感じたことでした。
   (小堀桂一郎)

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(読者の声2)映画監督伊丹十三氏はマスゴミによって隠された社会の悪を暴く、という作品を残し、そのために殺されたのであるが、(公式には自殺)一つだけ間違った判断をされ、検察・特捜部を正義の味方、立派な組織として「マルサの女」などを作ってしまった。
日本国民は、未だに最も信頼できる組織として「裁判所、検察」などを高く評価している。
しかし元日産の社長カルロス・ゴーン氏のおかげで、いかに日本の司法制度がインチキであるかが世界に拡散され、「国家の品格」を貶めたのも、正義の味方、法の番人であるはずの悪名高き泣く子も黙る検察なのであるという事実は、腐敗したマスゴミの親切な誘導・隠蔽によって、国民には知らされていない。
担当の検察官も「有罪」を勝ち取らないと、出世ができない、という情けない利己的な非倫理的、不法な理由。
 近代民主主義国家の条件として、法の尊重、3権の独立・分離がある。戦前・戦中の日本では、危機的状況であるので、検察の便宜を計るという理由で、国民の法的権利が「暫定的」に制限された。検察にとって大変「便利で楽な」状態が未だに踏襲されている。
しかも裁判所は検察と極めて友好的な関係が作られ、人事交流などによって裁判官は安全な終身雇用が保証されているにもかかわらず、検察の家来として、必ず言われたとうり有罪にしてしまうのである。たまに正義感で、検察の意に反して、無罪にすれば必ず左遷される、と知っている。
 この様な、後進国的な確立した制度の腐敗が隠蔽されている理由は、「記者クラブ制度」にある。数名の大手のマスゴミから選ばれた、「優秀な」記者が検察担当になるが、情けないことに彼らも直ちに良心を棄て検察の家来になり、悪いことは書けない、書かない。だから、ほとんどの国民は知らない。警察も何もしない。
北朝鮮の日本人誘拐事件でも、日本政府は無視、被害者家族が声を上げると、渋々何の成果も産まない話し合いだけだった。 
 (KM生)

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(読者の声3)私の投稿に対して、景初2年は誤解で、景初3年が正しいとする反論が投稿されました。
 その論によれば、「景初二年六月はまだ戦争中で勝敗が決着していません」「景初二年六月に卑弥呼が魏に使いを送ることはできません」とのことです。もし卑弥呼の遣使が、戦い済んだ翌年であったのならば、帯方郡の太守劉夏が、わざわざ護衛をつけて使者を都まで送り届ける必要がありません。
倭人伝には「太守劉夏、吏を遣わし、将(ひき)いて送りて京都に詣らしむ」と記載されています。平時であったのならば、なぜそこまでする必要があるのでしょうか。
都へは早馬を出しておき、卑弥呼の使いは自分たちだけで行けば済むことです。戦いの最中だからこそ、護衛をつける必要があったのです。
また、景初3年早々に明帝が亡くなり急遽喪が発せられました。
もし景初3年に派遣されたのだとしたら、喪中の遣使ということになります。弔問使ならばともかく、実に間が抜けた遣使ということになります。卑弥呼は魏が喪中であることも知らない間抜けだったのでしょうか。
更には、卑弥呼の使いは年内は魏にとどまっています。喪中に何のために留まったのでしょうか。仮に、喪中であったことを知らなかったとしたら、失礼を詫びて喪礼を済ましてすぐに帰国するのが普通です。
留まった挙句、返礼の贈り物は(喪中で渡されなかったため)持ち帰らず、喪が明けた翌年(正始元年=240)に、魏使が卑弥呼のところまで届けることになったのです。
このように、景初3年の派遣とするのは一見尤もらしく見えますが、少し踏み込んで考えるとチグハグで説明がつかないことが理解できると思います。
卑弥呼の使いは明帝を励ますために遣わされ、戦況を見極めるために留まっていたのです。明帝に不測の事態が起こらなかったら豪華な返礼品を携えて意気揚々と帰国したはずでした。
反論者さまの投稿のように、日本書紀を初め古い時代の史書に景初3年とするものがあることは事実ですが、これは早い時代から戦中の派遣は無いという思い込みがあったことを示していると考えます。
現存するのは書写されたのもとは言え、原文には景初2年とあるのですから、安易に書き間違いと思い込まず、慎重に吟味をすれば、このような誤解は解消するはずです。
残念ながら各種の年表など多くの資料は当然のように景初3年と記載されており、それに依拠する通説が少なく無いのですが、世人を迷わすものだ考えています。
  (高柴昭)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月28日(水曜日)弐   通巻第6998号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ガンツ(イスラエル国防相)、緊急にフランスへ飛ぶ
  ペガサス(イスラエルの傍聴システム)でモロッコがマクロン大統領を盗聴
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 ルモンドは、イスラエルのソフトウエア「ペガサス」を駆使してモロッコの情報機関がフランス大統領マクロンの電話を盗聴していた疑いがあると報じた。
このためベニー・ガンツ(イスラエル国防相)は7月28日、緊急に渡仏、フランスのフローレンス・パルリ国防相と会談する。 

 イスラエル国防省は公式的に「レバノンの治安情勢に関しての情報交換と意見の調整を行う」としている。
ペガサスはテロリストの動きを探る目的でイスラエルのNSO社が開発し、17ヶ国に輸出された。

ベニー・ガンツは2011年から四年間、イスレル軍参謀総長。退役後、政界に進出して新党「青と白」を結党、リクードに迫る勢いをみせ、一時は首相への最有力候補に擬せられた。
ネタニヤフ前首相とは犬猿の仲で、ベネット政権では副首相を兼任する実力者。また二月には秘密裏にヨルダンのアブドラ国王と面談したと言われる。

渡仏出発前日の26日にガンツはBBCの独占インタビューに応じ「イランのウラン濃縮プロジェクトが最終段階にあることは知っているが、イスラエルは何時でもその計画をぶち壊すことが出来る。世界の安定に望ましくないイランの野望を阻止する行為に世界は反対しないだろう」と述べた。
これはペルシア語に同時翻訳されて字幕ニュースとなったため、イランでも多くがこの会見を見たという。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@    【知道中国 2257回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港139)

   △
 今から60年ほどを遡った1960年前後、日本でも香港フラワーと呼ばれるプラスチック製造花が流行ったことがある。多くの家庭で飾られ、街にも出回っていたはずだから、ある年代以上の日本人は頭の片隅に記憶していると思う。

名もない多くの日本人が香港フラワーに投じたカネが回り回って李嘉誠の手許にかき集められ、不動産投資に回され、香港の不動産価格を吊り上げ、「地産覇権」「財閥独裁」という香港社会のカラクリを堅牢なものに仕立て上げた。
世界最悪の貧富の差を生み、そして李嘉誠を「超人李(スーパーマン・リー)」「香港首富(香港一の金持ち)」に押し上げたわけだから、じつに不思議な巡り合わせ。やはり世界は複雑系で動いているに違いない。

60年代中期、銀行危機と香港暴動が重なるや、不動産市場は一気に冷え込み、不動産相場は空前の値崩れを起こす。多くが所有するビルや住宅を手放し現金に換え、香港脱出組も少なくなかった。
たとえば香港島の半山区と呼ばれる緑濃い高級住宅地では13、4万元の物件が4、5万元。まさに願ってもないような買い手市場が出現する。かくて李嘉誠は低価格の土地と建物を買って、叩いて、徹底的して買いまくった。

70年代に入るや、李嘉誠は香港フラワーの先行きに見切りをつけ、不動産ビジネスに本腰を入れる。71年6月長江地産を創立し、1年ほどが過ぎた72年8月には長江実業(集団)に改名し、新興華資の不動産ビジネスとしては不動の地位を獲得する。

 その時、折よく株式市場が活況を見せ始め、香港は暫しの株式ブームに沸きに沸いたものだ。猫も杓子も株、株、株・・・幸運が幸運を呼んだわけだ。
 
 2156回で記しておいたことだが、仏頂面が代名詞だったような全漢昇先生が教室に入るなり破顔一笑。中国経済史の講義などそっちのけ。満面の笑みを湛えながら株を当てた自慢話をしてくれたのも、この時期だったのかもしれない。
やはりアブク銭は堅物も狂わす。

 さて李嘉誠である。この株式ブームに一気呵成の大勝負を賭けた。これを商機と捉えた彼は72年11月1日に上場に踏み切り、大量資金の調達に成功する。他の同業者も彼に倣い、72年から73年にかけて不動産業者の株式上場ブームが巻き起こる。

 改めて2253回に列記した不動産企業を眺め返すと、その大半がその後の返還バブルのなかで確実に規模を拡大し、併せて中国大陸での不動産ビジネスを展開していることが見て取れる。70年代半ば、不動産業界では依然としてイギリス系資本が影響力を発揮していた。だが総合的な力では新興華資が勝り始め、イギリス系資本に落日が迫っていたのだ。

 最後に株式取引を見ておくことにする。
 香港の株式市場は当然のように長期にわたってイギリス系資本の独壇場であり、70年代以前をみると上場企業の70%はイギリス系資本であった。
72年の株式投資ブームの際も、依然としてイギリス系の4大商社が覇を競っていた。だが、70年代に入って以降の華資の躍進は目覚ましく、いつしかイギリス系資本の独占状況に風穴が開き始めていた。

 78年の株価上位30社のうち華資は12社。それが3年後の81年には30社中19社にまで増加している。
19社を見ると、総合企業では和記黄埔、隆豊国際、不動産開発では長江実業、九龍倉、新鴻基地産、新世界発展、佳寧置業、国際城市、恒隆、合和実業、希慎興業、大宝地産、銀行では東亜銀行、永隆銀行、海外信託銀行、友聯銀行、ホテルでは美麗華酒店、建設では青洲英■となるが、基本は家長が絶対的な経営権を掌握している家族経営で共通している。

 70年代前半には、新興華資と東南亜華資が合体しイギリス系資本追撃の時代が幕を開ける。80年代以降、返還が現実の政治日程に上るや、北京のオ殿サマが絡んでくる。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)西側諸国で発行されている中国語媒体はアンチ共産党の立場のメディアが多いですが、かといってシナが世界の中心というアナクロな「中華思想」は同じですね。先日の中国共産党百周年にあたり、「共産党王朝はあと何年持つか?」とか、早く崩壊しろとか、分裂した方が良いとかの意見が飛び交っています。とくにアメリカでは、SNSの議論も、中国共産党を評価するような、中国人インテリの集うメディアはないようです。「新唐人テレビ」とか、ご覧になっていますか?
   (HF生、横浜)

(宮崎正弘のコメント)二つのことを申し上げたいと思います。
 第一に東京五輪の卓球で、中国が金メダルを取れず、しかも日本チームが金に輝いたときは、すごいナショナリズムの爆発でしたね。よほどのショックだったのでしょう。でも1964年の東京五輪で、日本がオランダのヘーシングに柔道で日本を負かされたとき、日本人が受けた衝撃は、ナショナリスティックでした。オランダでも、じつはヘーシング凱旋帰国時、30万もの人々が沿道に並んで歓迎しました。
あの当時の民族的ナショナリズムと現代は異質です。
 近年の五輪選手は勝つために民族、国籍を問わず、日本選手の一部は明らかに外国人ですが、もはやこうした多国籍現象に誰も疑問を抱かない。最大の心理的変化は、そのあたりにあるのではないか。
 第二に共産党王朝ですが、30日発売の拙著最新作にも書いているのですが、「王朝の寿命」です。一番長いのが清、唐、明となります。
ところが、おやっと最近、中国人インテリのコラムを呼んでいて発見したのですが、王朝の寿命の数え方が違うのです。
 最長寿は漢で422年、ついで宋が319年、唐が289年、以下明、清と計算されていて、おかしいなと思いましたが、そのうえ、元王朝は勘定に入っていない。
 漢は前漢と後漢のあいだに「新」王朝が11年間挟まり、連続した王朝ではありません。宋は北宋、南宋に別れ、最後に南宋も元に滅ぼされて海の藻屑になり、継続したものではない。清は革命後も存続しましたが、革命史観では王朝の期間を短縮しています。
 さはさりながら、ご質問のなかで、米国で出ている反共産党のメディアは、共産主義、全体主義批判ではあっても、中華思想はむかしのメンタリティのままで、反日基調が多いです。

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(読者の声2)中国を襲った豪雨で河南省の鄭州では25名の死者と報じられましたが。「千年に一度」の洪水とか。その後、東京五輪に隠れて続報無しですが、トンネルの冠水でクルマが200台ちかく閉じこめられたとか。地下鉄でも被害甚大とか言われますが、現地紙で、その後の報道はありますか?
   (TY生、横浜磯子区)

(宮崎正弘のコメント)直近では台風が上海を直撃し、対岸の寧波で洪水、五万人が避難、停電が続き、三万本の木々が倒れたとか。
 鄭州の死者は27日現在で63名、もっと増えるでしょう。
 自然災害の猛威は、こんどは甘粛省の敦煌です。100メートルの砂嵐がゴビ砂漠からやってきて市内が真っ暗。シルクロード観光のメッカも視界ゼロです。

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(読者の声3)貴誌第6996号(読者の声4)で、(投書氏が)卑弥呼の魏への最初の遣使が「魏志倭人伝」に景初二年(238年)六月とあるので、これを正しいと誤解されています。
しかし、景初二年か景初三年の誤写であるかはいろいろと議論されましたが、「三国志」をしっかりと読めば景初三年が正しいことは明らかです。
 景初二年正月に魏の明帝は詔勅を下し、司馬懿(「三国志 魏書明帝紀」では司馬宣王)に遼東(太守公孫淵)を攻撃させました。
「丙寅の日(九月十日)司馬宣王が、襄平において公孫淵を包囲し、大いにこれを撃ち破って、公孫淵の首を都に送りとどけ、海東(遼東)の諸郡は平定された。」(今鷹真・井波律子訳「三国志」世界古典文学全集24A 筑摩書房1977、p.108)。
ですから景初二年六月はまだ戦争中で勝敗が決着していません。「東夷伝」の序にも以下のとおり明確に書かれていますので、景初二年六月に卑弥呼が魏に使いを送ることはできません。
 「公孫淵が父祖三代にわたって遼東の地を領有したため、天子はそのあたりを絶域(中国と直接関係を持たぬ地域)と見なし、海のかなたのこととして放置され、その結果、東夷との接触は断たれ、中国の地へ使者のやってくることも不可能となった。景初年間(二三七 ~二三九)、大規模な遠征の軍を動かし、公孫淵を誅殺すると、さらにひそかに兵を船で運んで海を渡し、楽浪と帯方の郡を攻め取った。
これ以後、東海のかなたの地域の騒ぎもしずまり、東夷の民たちは中国の支配下に入ってその命令に従うようになった。」(今鷹真・小南一郎・井波律子訳「三国志」世界古典文学全集24B筑摩書房1982、p.295)
 さらに「日本書紀 神功皇后紀」に引用された「魏志倭人伝」の記事にも景初三年とありますし、「梁書 倭伝」にも景初三年と明記されていますから、卑弥呼が魏に最初に使いを送ったのは景初三年(239年)で間違いありません。
 西晋の史官陳寿が三世紀末に完成させた「三国志」の原本はすでに残っていません。南宋の時代に版本が登場するまでの期間は写本が作られましたが、結構誤写のある写本によって現在私たちが読むことのできる「三国志」の版本が作られたようです。
 例えば、現在の「魏志倭人伝」には邪馬台(臺)国をすべて邪馬壹国とされていますから、邪馬台国はなかったという主張をされている方も居られます。
しかし、原本を見たと考えられる五世紀の范擁の「後漢書」に「邪馬台国」と正しく書かれています。
 安本美典「倭人語の解読」(勉誠出版 2003, pp.181-182)によれば、「古代の日本語では、母音が二つつづくのは、かなり厳重に避けられていた。」とありますので「yamai」や「yamaichi」という言葉は「古代の日本語の音韻の特徴からみて、ありそうにないことである」とあります。
それでも古代日本語の「い」は「ゆ」に近い音であったとして、倭人が「やまゆ」と言ったのを、中国人が「邪馬壹」と記すことはあるが、古文献のなかにも現在地名でも「やまゆ」という地名は見当たらないようである。」とあります。「やまゆ」の意味は「山のいで湯」とも取れますが、「魏志倭人伝」には「南して邪馬壹国に至る。女王の都とするところなり。」とあり、邪馬壹国の登場は一度だけで、後は全て女王国です。邪馬台国は、ヤマ(国)に住む女王(台)の支配する国という意味ですから、どちらが相応しいかは明らかです。
 そして、「魏志倭人伝」に登場する倭国の国名や人名などは、上で述べられたように倭人の発音を中国人が聞いて漢字に変換する際、韻書(発音引きの漢字辞書)に並べられた漢字グループの最初の文字から機械的に選んだとされたというのが通説でした。それは日本に漢字が伝わるのが、五世紀初頭とされていたということもあるでしょう。
 しかし最近、北部九州の弥生中期の遺跡から硯(すずり)の破片が発見され、従来石鍬などとされた約50点が硯であったと分かったと報道されました(「糸島の弥生遺跡に硯工房か 出土の石製品約50点」今井邦彦、朝日新聞デジタル記事2021年5月1日 9時30分)。
また福岡空港の雀居遺跡で弥生後期の木製組机が見つかっていますから、「魏志倭人伝」の時代にはすでに漢字を読み書きできた倭人が居たと考えられます。
 従って漢字の書けない倭人が中国人に教えたのではなく、倭人が直接書いて教えたと考えるのが良いようです。
何故なら、男王や一大率が居たとされる伊都国だけが「好字」で、卑弥呼をはじめ他のほとんどの国名や人名などは「卑字」が多用されているからです。ちなみに伊都国は「孟子 尽心上篇」に登場する夏王朝末から殷王朝初期にかけて活躍した政治家伊尹(いいん)に因む国の名前です。
孟子を読む教養人である、ある倭人が「魏志倭人伝」に登場する国名・人名等を、漢字の読めない倭人をバカにして、魏の役人に書いて教えたものであると推理できます。これによって、邪馬台国問題だけでなく日本建国の過程まで完全に解決します。「卑弥呼神社」が存在しないのも当たり前でしょう! 卑弥呼は比売大神の名前で日本全国の五万とある八幡神社で祀られています。詳しくは拙ブログ「古代史を推理する」「倭王帥升は何者だ?」「【わかった!】室見川銘板のなぞ」などをご参照ください。   (刮目天)

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(読者の声4)7月29日は何の日? 午後4時靖国神社に集まろう
「つくる会CH」で三浦小太郎さんと参加呼びかけの動画を配信しました。
https://www.youtube.com/watch?v=QPX1qx-V1V0

(藤岡信勝)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月28日(水曜日)   通巻第6997号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~イランの反政府デモが、首都テヘランへ。「独裁者に死を」
  ライシ新政権発足直前。大波乱の予兆か
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 水不足が原因でフゼスタン州から始まったイランの反政府デモは、7月18日に警官隊が発砲し、8名が死亡したと報じられた。7月26日にはテヘランの幹線道路を防ぐように大規模なデモとなって、水不足より「独裁者に死を」と訴え始めた。

 独裁国家イランにおいて、明確に反政府を掲げてのデモは久しくなかった。
ましてライシ政権が八月からスタートするが、最初は水不足だけの要求だったためハメネイ師は「デモを取り締まるな。民衆の声を聴け」と命じていた。

 民衆の声が聞こえた。
「ハメネイよ、死ね」の叫びだった。

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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎さんの御新刊『日本人が知らない、本当の路地裏中国』(啓文社書房)を早速拝読しました。小生、中国へは行ったことがないので、宮崎さんのこの新著を読めば、中国を旅した気分を味わえそうで、なにより文明論を展開されて中国の化けの皮を剥がされています。
猛暑の折柄お身体ご自愛くださり、ますますのご健筆を祈り上げます。
   (MS生、板橋区)

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(読者の声2)『日本人が知らない本当の路地裏中国』を読了です。私も中国各地を結構、訪問しているつもりでしたが、宮崎さんは一味違った場所を多数探訪されたようで興味津津です。とくに、こんなに隅々まで中国を行かれたのは、本当に宮崎さんだけですね。
そのご興味の深さ、広さに敬服致します。宮崎さんの博覧強記の原点がここにあるわけですね。
  (RH生、中野)

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(読者の声3)貴誌前々号書評に関して、追加です。『魏志倭人伝』において、何故、卑弥呼の遣使が特筆されることになったのか、という点に着目されたのは誠に鋭い着眼だと思います。
 魏は蜀や呉と戦うに際して、遼東に控える公孫氏が目障りな存在でした。曹操の時代に公孫度を懐柔するため武威将軍永寧侯に取り立てたところ、公孫度は「わしは遼東の王だ。何が永寧侯だ」と言って印綬を武器庫にしまい込んだと公孫度伝にあります。
魏は常に後方から隙をうかがう公孫氏の存在を意識しながら呉や蜀と戦わねばならなかったのです。
青龍2年(235)に蜀の諸葛孔明が死去して少し余裕ができたことで、本格的に公孫討伐に乗り出すことが可能になり、明帝は遠征軍の派遣を決断しました。
景初2年(238)のことです。派遣の軍勢が多すぎて戦費を賄えないとする群臣の反対を押し切っての決断でした。
明帝としても後に引くことはできない戦いで、攻撃して思い知らせて恭順を誓わせるのではなく、壊滅を目指していたことは前後のやり取りからも汲み取ることができ、そのために大将軍は、孔明と渡り合って優れた軍略を示した司馬懿仲達を起用し、高齢の仲達に万一のことがあった場合に備えて副将に?丘倹をつけての万全の布陣を敷いたことからも窺われます。
必ず成功させるとの強い思いで送り出した遠征軍でしたが、戦いには常に不安が付きまといます。
そのような時に、卑弥呼が遠路海を越えて使いを派遣してきたのです。
三国志には記載されていませんが、卑弥呼はこの時、心ばかりの献上品に添えて書状を届けたと考えています。あるいは逆で、書状に添えて献上品を届けた可能性もあると思います。近年の発掘で、北部九州を中心に硯片が少なからず検出されていることから、書状の存在は十分可能性があると見ています。
明帝は大いに心強くしたことは想像に難くありません。それが、不相応とも見える質・量ともに優れた返礼品が下された理由だと考えられます。
通説では卑弥呼の遣使は景初3年(239)とされています。
戦いの最中に遣使はあり得ず、戦いが済んだ翌年であると説明されていますが、緊迫した状況に考えが及ばない一知半解の講釈であると考えています。
  (高柴昭)

(宮崎正弘のコメント)岡田英弘先生の別の本での結論も似ています。魏は西の脅威を牽制するために、東の「大国」と深い突き合いがあることを誇示したかったのだ、とするのが岡田説です。
岡田著作集のどの巻だったか、いま思い出せませんが。

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(読者の声3)貴著新刊の題名をヒントに。
『中国の静かなる日本虐殺 2025』、その1。
202X年、5月3日平和憲法記念日に北京空港から羽田に向かう定期便はほぼ満席、主に日本人乗客。羽田に近づいても高度を落とさず36000フィートのまま東京を通過するように見えるが、日本の中心地、東京都千代田区千代田1番1号に達した時、機内の小型「中性子原爆」が自動的に爆発する。
大量の中性子が都全域のあらゆる生物を瞬時に殺すが、物理的不動産資産にはほとんど影響がない。同時に全てのチップも壊れるので、あらゆる電気、電子部品が不能になり、通信、報道が途絶える。夜になると、東京は北朝鮮のような暗闇に没するのが衛星から観察される。
 たまたま当日訪中していた菅総理、二階氏などは、この不可思議な遺憾な事態を重く見て、習近平氏に人道的な立場から、救援部隊、医療資源を、深く頭を下げて懇願する映像がCNN、NHK、BBCなどによって世界に拡散されるが、すでに大量の武装した人民解放軍は日本各地に到着しており、迅速に日本人民は「解放」され、2600年の日本の歴史はあっけなく終わる。日本人は支那のカンズメ工場に送られ、缶詰になる。表示には単にMADE IN  JAPANと書かれ、人民にタダで配られ喜ばれる。
  世界の指導者は正しい情報を得ているが、各現地の支那人から「虚偽の推測、批判」など許せぬぞ、と言論統制されている。実際、誰が犯人なのかわからない、東京直下大地震、隕石という噂もある。証拠も無い。
 無知な世界の人類は、ただ訝り、恐れる。かくして、支那・中国の長い世界覇権の世紀が始まる。金閣寺は再び放火され、三島氏の「金閣寺」は焚書となり、日本は世界史から永遠に消える。今、悲願の偉大なる中華帝国の復興に向けてすでに「秒読み段階」に入っている、と認識する者は極めて少ない。「KM君、五輪の楽しい祭典中に、そんな縁起の悪い話はやめたまえ。」「言葉にすると現実化する、という信仰があるので、お控え下さい。」「悪足掻きはやめろ。男らしく桜が散るように玉砕するのだ。」

 『中国の静かなる日本虐殺 2025』その2。
イスラエルは小さな国で、敵に囲まれ、小さな原爆一つで国が消える。防衛は攻撃に比べて、非常に高価で困難なため、秘密裏に原爆を数百発製造し、世界も敵も、それを認識している。この防衛方法には「100%確実に」敵が攻撃され破壊される、と「敵に認識されて」初めて効果がある。
しかもこの報復は敵が存在する限り「常に」機能している、と敵に認識されねばならない。
さらに面白いことは、これが全て「嘘」であっても、敵が騙され信じれば効果がある。
 残念ながら日本人は正直で、人を騙すのは得意では無いので、地道に「秘密裏に」100発ほど製造し、それを確実に配達する「秘密の」仕組みを作る。原発のおかげですでに材料はあるので、1年ぐらいで簡単に安く完成する。肝心な点は、必ず確実に、これを「敵が認知する」こと。
知らずに日本を攻撃し、敵も破壊されては、お互いに損をする。
この誤解・悲劇については1964年の映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』が正確に警笛を鳴らしている。
 政府とは「国民の命と財産を守る」のが最大の任務であるが、日本の政府も自衛隊も既に敵の家来になっているので、民間人が「内外の敵に見つからない」ようにやらねばならない。本来なら、政治の教科書に従うならば、無能無策の腐敗した政府を国民が選挙によって民主的に変える、という手間のかかる作業をするわけだが、今、そんな悠長な余裕はない。江戸の終わりの幕府に任せていては、日本は植民地になる、と正しく理解し、反政府・民間人が明治維新を緊急に起こし、日本を辛うじて護った。
 1京円の財産と一億人の生命を救う為の費用は直ぐ集まる。原爆の作り方は実に簡単で、安いが、問題はその配達の方法に工夫が必要だとの事。
こんな国難の時、故本田宗一郎氏のような腕に技と金のある方が、「よっしゃ、ひと肌脱いでやろう」となるといいですね。
(KM生)

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(読者の声4)五輪反対と言って騒いでいた人たち、野党の政治家も黙り。やめろって叫んでいた朝日新聞は、どういう論調なのか。
 コロナでむしゃくしゃしていた日本人にじゃんじゃん金メダルで元気づけてくれますね。  やはり無理しても東京五輪はやって良かったのでは?
   (KK生)
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★間もなく小誌は通巻7000号を迎えます
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月27日(火曜日)   通巻第6996号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~有識者会議の中間報告は二案並記で取り繕った
  何のために、こんな会議をやっているのか
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皇位継承問題を検討する「有識者会議」は7月26日に首相官邸で会議を開き、皇族数の確保のために(1)女性宮家の創設(2)旧皇族の皇籍復帰の二案併記という「中間報告」を示した。
 つまり結論を先送りしてお茶を濁したことになる。

 有識者会議の中間報告は二案並記で取り繕った「総花」論で、いったい何のために、こんな会議をやっているのかと反発がでてくるだろう。
      ▽□☆◎み☆◎□☆や□▽◎☆ざ▽◎□☆き◎☆◎▽   
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)香港からの英国籍パスポート保持者の居住を歓迎するロンドン市長はパキスタン系。19世紀のロンドンを描いた漫画「エマ」では象に乗ってロンドン市内を行進するマハラジャの王子がでてくる。英仏の植民地統治では現地支配層の子弟はロンドン・パリあるいはスイスに留学し贅沢三昧の暮らしを送ったものもいた。
 インドに数ある藩王国の宰相の子として生まれたマハトマ・ガンジーの伝記を読むとインドから英国留学を望むのは一族から縁を切られる覚悟が必要なほど。ロンドンで弁護士資格を取り南アフリカで活動を開始するも肌の色から現地人と同じ扱いを受ける。
大英帝国臣民のつもりが単なる植民地人でしかなかったことを自覚させられる事件です。当時のヨーロッパはポーランドのキュリー夫人がパリの大学で学んだり、知識人はラテン語が共通語の中世以来の伝統があった。ガンジーは1869年、キュリー夫人1867年と明治維新のころ生まれている。
 ヨーロッパの言語はラテン語を基礎にしながらも各国独自の発達をとげた。
戦争のたびに国境が変わるのでポーランドのユダヤ人一家のように家族3世代すべて言葉が違うということも起こる。欧州で一流といわれる国は軍事に加え科学や芸術も評価される。ポーランドにショパンがいなければ、あるいはロシアにトルストイやチャイコフスキーがいなければ両国の価値ははるか下に見られたことだろう。
一流の学者も芸術家もいない国は二流国あつかい。ウクライナやベラルーシなど面積は広くても傑出した人物がいない国は単なる農業国あつかいとなってしまう。

 中国がどんなに宣伝しても近代以降で中国が生み出した科学も芸術もないから中国は二流の評価のまま。ましてや軍事も科学も芸術もなにもない韓国など日本の後ろ盾で威張っていただけ。いまやその後ろ盾との関係が危うくなり、世界中で日本が保証するから、といった空手形が飛びかねない。
文在寅がなにがなんでも菅総理と会談したがったのは背景はそんなところだろう。韓国が日本に対して虚勢を張り、異常にノーベル賞にこだわるのも歪んだ心理の裏返し。
 話がそれました。欧州の戦間期である1930年のミス・ヨーロッパの写真がある。大恐慌の翌年ですが平和そのもの。
参加19カ国はオーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコスロバキア、デンマーク、英国、フランス、ドイツ、ギリシャ、オランダ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スペイン、トルコ、ユーゴスラビア。当時からトルコは半分欧州扱いだったようです。

  ミス・ヨーロッパは1927年から開催。女性の社会進出と重なりコルセットで締め付けないゆったりしたドレスやパーマネントウェーブのショートカットヘアが多いのはココ・シャネルの影響力がどれほど強かったかを物語る。
動画では水着審査もあるが、いわゆる健康的な女性美といった印象。
 欧州各国でかなり顔立ちも異なる。
現代的な風貌のドイツ、顎がケネディを思わせるアイルランド、独仏のいいとこ取りのベルギー、イングランドが意外にかわいい。
https://i.pinimg.com/originals/63/c0/fa/63c0faf8f0def3f31a9898c7c7b122ec.jpg
https://www.youtube.com/watch?v=ZAwFIaKf_90

 ミス・ヨーロッパに選ばれた女性のなかにはハリウッドに進出するも鳴かず飛ばず、ココ・シャネルがアメリカで評価されなかったことに通じます。
胸と尻に異常にこだわるアメリカ人の幼稚性と欧州の価値観は相容れなかったのでしょう。
 1930年の勝者はギリシャ代表。彼女は男物の服を着て女人禁制のアトス山に登るなど女性視点では問題提起、男性視点では世間を騒がす活動をしている。
1位のフランス代表はのちにカラチ生まれの政治家・実業家のアガカーン3世と結婚。アガカーン3世は1934年に英国枢密院入り、1937年には国際連盟議長を勤めた。彼女はエジプトのアスワンにアガカーン3世の霊廟を建てている。

 インド・中東・北アフリカ・東アフリカとインド文化の共通点は多いですが、食事ならスパイスと豆料理、結婚式などで女性がヘンナで手指を染めるのは中東やアフリカのユダヤ人にも共通している。
 インド以西では英国の影響力が圧倒的。衛星放送を見ればクリケットが人気だし、ビリヤード・スヌーカーといった玉撞きゲームが淡々と行われている。
ウイグルのカシュガルではどこにいってもビリヤード・スヌーカー台があり、子供から大人まで賑わっていた。
電信線を引きながらチベットを目指した英国はペルシャからも東トルキスタンを目指した。北インドから中国まで三蔵法師の帰り道ですからカシュガルに英国の影響が残っているのも納得。
 戦前ですら中東をめぐっては英国外務省とインド省の対立があった。それほどインドの影響力が強いことのあらわれ。中国包囲網の一環としてインド・英国と結ぶのがいかに合理的かわかる。
国家観がないといわれる菅総理ですが、対中戦略では腹をくくる時期でしょう。
  (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)二十年ほど前ですが、「インドへの道」という映画を見たことを思い出しました。文明の衝突風な映像が綺麗だったという印象があります。

  ♪
(読者の声2)「言葉で理想を述べても、実際にやることは異なるというシナ人の特性人工的な暗号解読だった漢字が、じつは歪んだ性格形成の本源だった」。
 前号で、岡田英弘著『漢字とは何か 日本とモンゴルから見る』(藤原書店)にまつわる宮崎先生の書評を拝読し、「日本語は人間の情緒を中核として生まれ、育ち、そして国家を形成したのだ」ということを再認識し、五輪で君が代を聞いているときのような、なんとも言えぬ心境になました。
 「ヒトは自分の心の中に自然に宿す感情や情緒は、それが集団としての共通性を有する」ことに何時かしら気づき、それは進化とともに顕在化して行きます。そしてこの心の中に留まる『天然価値』を、心の外つまり他人の集まりである集団(民族)のなかでさらに具現化・実体化・社会化・共有化できるようにしようと努め、出来上がった形が『人工価値』からなる社会というものだと思われます。この天然価値を人工価値にまで『生育〈転換・翻訳〉』させた一番のツール(触媒)が『言語』なのでしょう。
 従いこの世界は人が『生息』する環境と、そこから生まれた天然価値を、社会にまで「成長」させる「ツール」によって、その形態が大きく変わってくることになるとする説明には、納得してしまいます。
ところが不思議なことに、やたらと「多様性」を声高に唱えるリベラルな人たちほど、ウイグル民族固有の言語使用を禁止しようとする中国の振る舞いには口をふさぐなど、言語の「多様性」を排除しても平気な人が多いのです。
つまり彼らは人間世界における「多様性」は言語が中核にあることがわからないのです。
(SSA生)

  ♪
(読者の声3)2001年に、アメリカの貿易センタービルが、アフガニスタンのタリバンによって破壊されてから、20年。アフガンを支配したアメリカは、南ベトナムのように、撤退を余儀なくされる。
 アメリカはアフガンに3兆ドルも費やしながら、アジアの共産勢力(現地主義)により、二度目の敗北を味わった。アメリカは、バーミヤン渓谷で、タリバンによって2001年に仏教遺跡を破壊したイスラム教徒を、異教徒と軽蔑していた。
 何も失う物がない者に、軍事力で異教徒を押さえようとしても、それは点と線を押さえるだけの、表面的なものである。
結局、面という人の心を支配するタリバンには敵わなかった。
アメリカは、工業力や軍事力がいかに優れていても、ジャングルや高山では、現代でさえ、未だ支配できないことを物語る。アメリカは、宗教には寛容な八百万神の日本を変えた成功体験に、酔っているとしか思えない。だが、アメリカはいかにインテリジェンスに優れていても、日本の方がアジアを知っていることを、はからずも証明した。
 中国・朝鮮半島・台湾を含め、アジアのこれからは、日本が出番であろう。
   (斎藤周吾)

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(読者の声4)卑弥呼が使いを派遣した政治的理由について触れられておりましたので、三国志を普通に読めばどのように理解できるのかをお伝えしたいと思います。
 卑弥呼が使いを派遣した景初2年(238)6月は、魏の明帝が遼東付近の公孫氏に対して、乾坤一擲の攻勢をかけた時でした。遠路に大軍を派遣するのは費用がかかり過ぎるという群臣の反対を押し切っての派遣でした。
 思い切った明帝の決断でしたが、内幕は必ずしも一枚岩ではなかったのです。それだけに、遠路、使いを派遣してきた卑弥呼の心意気は心強く感じられたのだと納得できます。
 これこそが、魏志に特筆された理由であり、不相応とも思える、質・量ともに優れた返礼がなされた背景です。これは三国志を普通に読めば、理解できることであり、満足に三国志を読んでもいないと思われる多くの通説をそのまま受け取って論評されるのは、的外れのそしりを免れないと思われます。
  (高柴昭)

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(読者の声5)「ワクチンで集団免疫は作れるか? コロナ対策の現在位置」
 1918年から1920年にかけて流行したスペイン風邪は、ワクチンも特効薬も無い中で世界の人口(当時18億人)の半数から3分の1が感染し、全世界で5000万人以上の人が死亡者を出した末に、集団免疫が成立し収束した。
 さて1年半以上続いている新型コロナは、どういう終焉を迎えるのか。次が考えられる。
(1) スペイン風邪のように、集団免疫が成立する。
(2) 集団免疫は成立せず、社会全体で永遠にワクチンを打ち続ける。
(3) ワクチンに大きな効果が無くなり、収束しないまま死者が多く出続ける状況を甘受する。
 (1)の集団免疫の成立のためには、実効再生産数が高いのでスペイン風邪より遥に多くの感染者またはワクチン接種者が必要とされるらしい。
ここで大きな要素となるのは、ウイルスの変異だろう。新型コロナはインフルエンザの一種であるスペイン風邪に比較すると変異は少ないとの事だが、それでも変異の多様性と速度が大き過ぎると感染またはワクチン接種によって得た免疫が適合しなくなり、(2)の永遠にワクチン(変異に対応した新型)を打ち続ける世界か、(3)の多くの死者を出し続ける世界が待っている。
イギリス在住の免疫学者・医師、小野昌弘氏は、7/20 (火) 付Yahoo! 記事「英の封鎖解除・オリンピック~変異株の競争」で次のように書いている。
https://news.yahoo.co.jp/byline/onomasahiro/20210720-00248887
「ウイルスが流行をひろげてより多くの人の中で自分を複製して増えていけばいくほど、ウイルスが変異を獲得する機会は増える。さらに社会で大流行がおきてしまうと、重症の疾患のため免疫がうまく働かないような人にまで感染する機会もふえる。このような人のなかでは、ウイルスがとくに長期間にわたって感染して多くの複製を繰り返しながら多数の変異を蓄積することが知られている。
 このように、コロナの流行を広げることは、犠牲者を増やすのみならず、新たな変異株を作り出すことにもつながる。」
 小野氏はこのような懸念を示しているが、一般的には一方でウイルスの自然変異では感染力は高まるが毒性は弱まる趨勢があると言われている。
 また小野氏は、懐疑を伴いながらも下記のようにワクチン接種に希望を抱いている。
 「それでも現在主流のワクチンが二回接種すればデルタ株に対してでも9割程度の相当高い重症化回避効果があることは重要で、コロナのパンデミックから抜け出すための大きな希望である。」
 しかし、ワクチンによって耐性菌のような強毒化した変異株の出現可能性が指摘され始めており、一説には南米を中心に流行を広め始めているラムダ株がそうであるとも言われている。そうすると前述(3)のワクチンに大きな効果が無いどころか逆効果となり収束ではなく拡散となってしまう。
https://www.sankei.com/article/20210719-BY3D2742AFM7DGLFD2MM3QHRSI/?outputType=theme_tokyo2020

 なお、日本を含めた先進国で使用しているファイザー製、モデルナ製等のm-RNAワクチンやアストラゼネカ製等のウイルスベクターワクチンは、遺伝子工学上の新技術を使っており治験が完了しておらず長期的リスクが未知数である。
一方中国が現在使用すると共にワクチン外交で友好国に供給しているシノファーム製やシノバック製の不活化ワクチンは、インフルエンザと同様の従来技術を用いており、インフルワクチン程度にしか効かないとも言われるが、他に有害な成分が加わっていない限りは甚大な副作用リスクは低いものである。
  このため、もしm-RNAワクチン、ウイルスベクターワクチンで広範で甚大な長期的副作用が発生した場合には、相対的に中国の独り勝ちとなり、世界秩序と各国の安全保障上、最大の脅威となるだろう。
結局、我々は社会としてワクチン接種を促進すべきなのか? それとも一旦立ち止まってその速度を緩めるべきなのか? 現時点では前者の意見が世界的にも圧倒的に優勢であり、ワクチン無しでの集団免疫は不可能との説もある。
 しかしながら日本は、奇遇にも中国等と同じ東アジアにあり、幸いな事に恐らくは人種的要素と各種感染症の免疫履歴に由来する「ファクターX」により重症者、死者数等が低く抑えられている。このため現在性善説に基づいて体を成していない水際対策と著しく遅れている医療キャパの拡充をまともに図れば、緊急事態宣言等の営業制限や行動制限の発令を最小限に抑えつつ、コロナをコントロール下に置くための下記不等式をある程度の余裕をもって成り立たせる事は可能だろう。
 (感染者、発症者、重症者)/ それぞれの医療キャパ < 1 
なお世界各国に於いても仮にワクチンに長期的副作用リスクが無くとも、前述のワクチン耐性強毒化変異種の発生懸念もあるため、現時点ではワクチン接種は高齢者や既往症者のようなコロナ重症ハイリスク者に対する緊急使用という位置付けに留めるのが適当なのではないか。
 そして食生活や生活習慣の改善により個々人の自然な免疫力を高める地道な取り組み(例えば魚や緑茶等の摂取、屋外に出ての適度な日光浴や軽い運動がよいと言われる)を中心に、使用許可や正式認可が進みつつある各種治療薬も適切に使いながら、なおワクチンに偏重しない集団免疫形成を模索する戦術を採るのが、一見迂遠ながら筆者にはリスク分散の観点からは望ましいと思われる。
(佐藤鴻全)
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宮崎正弘『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』
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 ──暴走老人、西へ単独行。中国全33省を踏破した記録。
第一章 平気で嘘をつき、?を本当にする人々の大地へ
第二章 横行する「やりたい放題」 北京に迫る砂漠、だれも住まないマンション群……
第三章 辺境地、奥地を吹き荒らす中共の嵐
第四章 生命の否定──共産主義の病理を巡る
 中国新幹線を乗りつくせば見えてくる、高速鉄道の景色から描き出す文明論。
「旅はいつも「早朝特急」から始まる。中国全33省を何回にも分けて旅し、新幹線を乗り継ぎ、ローカル線や長距離バスにも揺られ、ほっつき歩きながら、いったい日本と中国は一衣帯水ではなく、全く異なった文明であることに改めて気がついた」。
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 ──中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している
 どうするのか、日本は!
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宮崎正弘 v 石平(激辛対談シリーズ第12弾)
『中国が台湾を侵略する日  ──習近平は21世紀のヒトラーだ!』(ワック)
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  ──習近平は「XITLER」だ!
  ─ーチャイナ・ウォーチャーのコンビ、激辛対談第十二弾!
「ウイグル弾圧・コロナ拡散」で、嫌われ者となって國際的に孤立を深める中国
統計詐称の中国経済は「不動産バブル」で崩壊寸前。難局を乗り切る唯一の手段は「台湾統一」しかないと「悪魔の囁き」に習近平が耳を傾けている!
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★宮崎正弘ライブラリー  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月26日(月曜日)   通巻第6995号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  タジキスタンにはやくも10万収容の難民キャンプを設営
   ロシアはアフガニスタン国境からの難民を確定的に予測している
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 シリア内戦ではアサド体制を保護し、死守したロシア。シリアに潜り込んでアサド体制の崩壊に挑んだISは力尽きて敗退した。
そのIS、そしてアルカィーダはアフガニスタンへ潜り込み、タリバンの一翼を担って、北部に展開している。

 米国はアフガニスタンからの撤退をまもなく完了するが、そのあと「ガニ政権は半年で崩壊するだろう」とCIAは予測しているのだ。「長くても一年だろう」とも。
 引き揚げるアメリカ人兵士に加えて、米国はアフガニスタン人で、米国に協力的だった通訳なども米国に引き取る。
 撤退作業はいよいよ最終段階にある。

 ガニ政権はとうにカンダハルや北部の旧北部同盟や旧ヘクマチアル派の支配した北東部の統治を諦めており、難民に加え、政府軍兵士がタジキスタンへ逃げ込んだことは、小誌でも見てきた

 じつはタリバンは7月8日にモスクワに代表団を送り込み、「シリアでのことは過去の話、われわれタリバンはロシアとは対立しない」とし、国境の過剰警備は不要との見解を示したらしい。

 「昨日の敵は今日の友」というわけだが、ロシアはタリバンの提案をまったく信頼しておらず、今後、どのような戦局となるかを分析している。

 英文『プラウダ』によれば、第一にタリバンには路線が異なる派閥が混在しており一枚岩ではない。
第二にISとアルカィーダが、タリバン部隊で重要な位置を占めていること。
第三に北部の完全制圧を当面の目標としているようだ
とするのがロシアの分析である。

そのためにタジキスタンにすでに十万人が収容できる難民キャンプの設営を終えたという。ロシアはアフガニスタン国境からの難民を確定的に予測しているのである。
一難去ってまた一難。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 言葉で理想を述べても、実際にやることは異なるというシナ人の特性
  人工的な暗号解読だった漢字が、じつは歪んだ性格形成の本源だった

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岡田英弘『漢字とは何か 日本とモンゴルから見る』(藤原書店)
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 日本人の大半が漢字を誤解している。漢字を通して中国人を判断するのも、文化的に大きく誤解をしている。
 漢字は表意文字である。そこには言語学的に、表現力においても自ずと限界があり、現在・過去・未来の動詞変化が欠如しており、まして助動詞も、前置詞も、形容動詞もない奇妙な言語が中国語なのだ。
 ところが、文字を持たなかった日本に五世紀頃から流入し始めたため、日本は中国を文化大国として崇めるという倒錯した価値観と風潮を産んだ。
「一衣帯水」、「同文同種」という、歴史を誤断させる事態を招いた。
 中国に於いて儒教は理想を述べたに過ぎず、実態とは乖離がある。ところが日本はその理想を実践した。道徳を実践した意味で日本は珍しい国であるが、それは本書では書かれていない。
 漢字は長江流域で生まれたことは明らかなのだが、黄河中流の洛陽盆地で発展した理由は、「この一帯だけ黄河を渡ることができた」からだ。すなわち「洛陽盆地は、異なった生活文化を持つ人びとが接触するユーラシア大陸の十字路だった」
 2021年7月に発生した大洪水は、この洛陽盆地に最大の被害をもたらした。鄭州、洛陽、開封は古代から何回も王朝の首都が置かれた。
 岡田氏は記した。
 「漢人にとって漢字を学ぶのは、外国語を使って暗号を解読するようなもの」であって、じつは「漢人の論理の発展を阻害した。どういうことかというと、表意文字の特性として、情緒のニュアンスを表現する語彙が貧弱なために、漢人の感情生活を単調にした」からである。『源氏物語』のような優雅な恋愛を描けないシナの文学! 最近、なぜ渡辺惇一の小説が中国で読まれるかは、この特性を理解すれば納得がいく。
 科挙制度とは、雑多な言葉を喋る多種社会のなかで、共通する暗号を用いてコミュニケーションを成立させることができるエリートを養成することに目的があり、したがって彼らは古典を丸暗記する。
 それゆえに科挙は、「儒教の経典や古人の詩文の文体に沿った表現しかできない」ことになる(29p)。
 嚆矢は秦始皇帝で、漢字を統一し、3300字を公認した。つまり漢字を統一するために、ほかの文献を処分したのだ。それを「焚書坑儒」と歴史家は言うが、儒学者を生き埋めにしたという事実はないと岡田氏は言う。
 日本人が中国人をみて、なぜ個人と家族が基軸の価値観なのかと衝撃を受ける。
「漢字を基礎としたまったく人工的な文字言語が極端に発達したため、それに反比例して音声による自然言語は貧弱になってしまった。だから、一般の漢人にとって心が通い合うのは生活を共にする家族だけになり、その範囲の外にいる人びととは文字言語におんぶした紋切り型のコミュニケーションしかできない」。
 ところが他方で、「漢字はシナ文化圏(皇帝の支配圏)という商業ネットワークには欠かせないものだった」(59p)。
 つまり、こういうことなのである。
 「シナの社会が、少なくとも紀元前221年の秦の始皇帝の統一以来、個人主義の傾向が強く、政治の場ではそのときそのときの利害によって目まぐるしく離合集散が繰り返される。自分以外のだれも頼りにはできない。そうした環境で身を守って生きのびる術は、つねに口先では言葉の辻褄を合わせながら、言葉と関係のない行動をとうるほかにはない」(91p)。
 日本人はシナ文学の理解をも間違えた。漢詩は理念であって情感ではないのである。中国語は情緒の表現が出来ない。だから「心中」が理解できない点ではアメリカ人と同じである。ましてや赤穂義士?
 「国破れて山河あり」なる漢詩を情緒的と捉える日本人は、漢詩を日本語化して解釈した所為であり、「そもそも漢詩は古来、『志』、つまり理念を表現するためのものとされてきた」(96p)のである。
 そして「洛陽の紙価を高める」という故事に象徴される出来事は紙の発明(105年)だったのである。紙は高価なものだったので、「宮中の製紙工場の独占生産で、紙を分けて貰うには帝室の許可が要った」。
この制度は魏呉蜀の三国志時代にも同じだった。ということは何を意味するか?
 ここが大事である。
 「書物を書くということは、魏志倭人伝の時代には、それほど重大な行為だったのであり、したがって女王・卑弥呼の使がシナに来たからといって、それだけのことで魏志倭人伝が書かれ、後世につたえられるはずがない。それはそれだけの、政治的な理由が必要である」(155p)
 つまり政治的プロパガンダを目的に魏志倭人伝は書かれたのだ。その魏志倭人伝を金科玉条の如く仰ぎ見る日本の古代学者って、岡田先生がもし生きていたらどう評価されただろうか?
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     樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2256回】              
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港138)

  ▽
 『香港華資本財団 1841−1997』に収められた1980年の経済統計に基づくと、香港全体の製造業者(工場)は45,407社、従業員総数は86万人余。前者の97%を、後者の90%を占めていることからも分かるように、この時期になると華資は圧倒的優位に立った。

 代表的製造業者を挙げておくと香港紡織、南海紡織、南豊紡織、中国染廠、永新企業、南聯実業、麗新製衣、長江製衣、万泰製衣、開達実業、善美環球、捷和集団、荘士集団、宝源光学、金山実業、徳昌電機、南順集団、震雄集団など。アパレル産業を中心に、香港の製造業は発展した。とはいえ「地産致富」と言う蓄財術は漢族企業家のDNA。だから製造業成功の勢いのままに、不動産ビジネスに雪崩れ込むことになる.

 次に海運業を見ておきたい。
 もちろん1950年代以前、華資は微々たるものであり、海運業はJardine & Matheson(怡和洋行)やSwire & Son(太古洋行)などのイギリス資本に由る完全制圧状態だった。だが50年代以降、香港を含む東アジア地域、ことに日本の経済が上昇軌道に乗るようになると、香港の海運業界は活況をみせはじめる。

 その先頭に立ったのが包玉剛(Y・K・パオ)の環球航運、董浩雲の東方海外、趙従衍の華光航業、曹文錦の万邦航運、スタンレー・ホーの信徳集団だった。世界最大を誇った当時の環球航運は202隻を保有し、2,050万トンに及んだ総トン数は、当時のソ連が持つ商船全体に匹敵したほど。最盛期の70年代末から80年代初にかけての時期、環球航運、東方海外、華光航業を中核とする華資海運会社は、香港のイギリス資本の海運会社を遥かに凌駕する実力を備えていた。

 次いで不動産ビジネス。当初はイギリス資本と併存状況だったが、最終的には完全に凌駕したのである。
すでに指摘しておいたように不動産ビジネスは伝統的に華資の得意分野だった。当初は古くからの商法である「買楼収租」、つまりで建物を買って賃料で稼ぐ方式が主流であったが、60年代以降は経済全体が右肩上がりの成長を見せるようになる一方で、中国からの難民の流入などが重なり全体的に物件が不足し、不動産の需給バランスが崩れはじめる。加えて香港暴動で不動産相場が値崩れを起こす。危機の機は商機の機なのだ。

 香港の動かし難い絶対的条件は圧倒的な土地不足である。社会が安定し、経済が活況を呈し、人口が増加すれば不動産取引は必然的に売り手市場に。72年前後には上げ相場に転ずる。あるいはニクソン訪中によって香港の招来への不安が払拭されたことも、その一因になっているのではないか。

かくして将来性に賭け、異業種からも大量の資金を元手にして不動産ビジネスへの参入がはじまり、すでに2253回で見たように多くの企業が創業し、上場することとなった。

ここで参考までに、李嘉誠の手法を簡単に追っておくことにする。
 香港フラワーで財を成した後に不動産ビジネスの将来性に賭けた彼は、1958年、官庁や金融機関が連なる香港島の中心部から遠く離れた庶民街の北角(この街にもよく通ったものだ)に「長江工業大廈」と名付けた12階建ての工場ビルを建設する。製造業拡大を見越しての工場である。土地がない分、工場を重ねてビルにしてしまった。これが狙い通りの大当たり。まさに教科書通りの「風険投資(ハイリスク・ハイリターン)」である。

以後、香港フラワーが産み出した潤沢な資金を不動産ビジネスに次々に投入する。北角に続き、柴湾、新界の元朗などに次々に工場ビルを建設してゆく。

当時、多くの不動産業者は自己資金(30%)に銀行からの借り入れ(70%)を加えて経営を続けていたので、不動産価格の低迷は直ちに経営を圧迫し、最悪の場合は倒産も。
だが李嘉誠は銀行を頼る必要がないほどに潤沢な自己資金を擁していたのである。
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(読者の声1)次のニュース解説番組「フロント JAPAN」の宮崎正弘さんの出番は8月4日水曜日です。お相手は佐波優子さん。8月4日午前1100−1200.テーマは未定です。
   (日本文化チャンネル桜)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月25日(日曜日)弐   通巻第6994号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ロンドン市長、「香港からの移民を歓迎し支援金をだします」
  153000名が英国への移住を予定。120万ドルの支援金を拠出
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 既報のように、一日千名前後の香港の若者、カップルらが「永久におさらば」して香港國際空港から英国へ向かっている。
英国が新天地というわけでもないが、とりあえず自由社会に腰掛け、西側の何処かに落ち着こうと子連れの若いカップルが多いことは前にも書いた。

 ロンドン市長のサディク・カーンは「BNO(英国籍パスポート)保持者の英国移住を歓迎し、市としても、120万ドルを予算化して支援する」とした。
習近平の香港弾圧と植民地化により、未来に絶望した香港人に希望と勇気を与えようというのだ。おそらく123000名から153000名の香港からの移住者を英国は迎えることになるだろう。

 ところで、サディク・カーンという市長の名前から中央アジア系イスラムだろうとあたりをうけて、調べてみると、市長はパキスタン系だ。

EU諸国内では初めてのムスリム市長であり、しかも政治歴は古く、弁護士から下院議員。ブラウン政権では運輸大臣をと務め、ロンドン市長に挑戦した。日本で言えば東京都知事である。

 カーン市長はトランプ前大統領が訪英したとき「脅威の中でも最悪」と酷評し、トランプは「ろくな仕事もしていない負け犬」と応じたことがあった。ロンドン市長も左派系に握られているというのが、英国政治の実情。そのうちチャイニーズの市長が誕生することになるかも。
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(読者の声1)オリンピックの開会式はなんとか終えたものの、共産党・立憲民主党など左派勢力はまだ五輪中止を訴えている。なかでも愚かなのが立憲民主党の小西洋之参議院議員。
千葉県の恥ですが、次点は共産党という選挙区事情で落選させるのは難しい。学歴は立派で中身がないところも元新潟県知事といい勝負。
 国会のクイズ王の異名の通りくだらない質問をしては悦に入る。ツイッターではいつも的はずれなつぶやきがブーメラン。ネットではかぼちゃの天ぷらが有名。セルフのうどん店でトッピングのかぼちゃの天ぷらを落としてしまい、会計で落とした天ぷらの分も払ったことが悔しくてうじうじグダグダ。
 最近ではオリンピック選手村のいわゆる段ボールベッド問題。ニュージーランドの女子選手がマットの確認をする動画に噛み付いた。蓮舫といい小西といいカミツキガメばかり。しかも内容が間違っている。
 「選手村のベットマットのお粗末さに驚いている動画。しかしバッハ会長が一泊300万円のスイートに泊まって、なぜ主役の選手たちがこんな目に遭うのだろうか。五輪が本当に腐敗していることがよく理解できた。」
 https://imgur.com/hNhvLAU
http://crx7601.com/archives/58286325.html

 フィギュアスケートの浅田真央選手はじめ多くのアスリートが愛用するエアウィーヴは15万円近くする高級品。それを粗悪品と決めつけるのはまだしも bedを何度もベットと書いている。本当に東大卒なのか?
 濁音と清音が問題になる商品にブルドックソースがありますが、こちらは英字では BULL-DOG ですが日本語は語感を優先してあえてドックとしたそうです。トヨタ自動車も創業家はトヨダと濁りますが1936(昭和11)以来トヨタとなっています。
・商業美術的に見て、濁点を付けないほうが、さわやかであり、言葉の調子(音の響き)も良い
・画数が8で縁起が良い
 などの理由があるそうですが元韓国人の呉善花女史や四川省出身の石平氏などいまでも清音・濁音の区別が苦手。小西氏もそういった背景があると考えれば納得ですかね。
   (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)ダイジェストの映像をみただけなので、なんとも言えませんが開会式にひとつも「日本」のアイデンティティを感じさせてくれる演出も装置もありませんでした。ひたすら国際主義に媚びている儀式でした。

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(読者の声2)貴誌前号にタリバンのアフガン制圧で、隣国が厳戒態勢に入り、ロシア、タジキスタン、パキスタンが合同で対応策を協議するとか。タリバンの全土制圧が、もはや避けられない事態として国際社会は予測していることになります。
  (DJ生、福井県)

(宮崎正弘のコメント)アメリカは、難民対策で一億ドルを拠出します。つまり難民がどっと溢れ出ることは、すでに想定内にシナリオ。問題はカイバル峠を荷物担いでトボトボと歩いてくる難民でしょうね。
ペシャワールを中心に、パキスタンが受け入れているアフガニスタン難民は、じつに、140万人。これがまた増える。
 日本は海に囲まれているとはいえ、近海をボートで逃げてくる難民をいかに受け入れるのか、近未来の万一のシナリオに対策を考慮しておくべきでしょう。

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(読者の声3)中国河南省の洪水被害、新唐人テレビの中国語版ではずいぶん過激なタイトル。「深夜、バスは鄭州トンネルで死体を運び、洪水は河北に向けられ、邯鄲貯水池は洪水を解放し、橋は流された」
 タイトルの割に映像内容としては薄い。
https://www.youtube.com/watch?v=vETgldPSJU4

 香港メディアの衆新聞中国組の続報では洪水の原因となった鄭州市西6kmの常荘水庫(ダム)の水位が上昇し危険水位を超えたため放水したとある。
動画の16分過ぎから習近平総書記のチベット訪問のニュース。海抜3100mの林芝市はインドと国境を接するだけに狙いは明白。人民服姿の総書記一行を迎えるのは赤旗を振り踊りで出迎える人々。北朝鮮の金正恩の親玉だけにやることもそっくり。
 農村廁所革命を指示する習近平、古いトイレは手洗いの排水もだだ漏れ、ただし鏡の枠はいかにもチベットといった細工が施されている。
ウイグルの屋台なども金属部分はかならず細工がされていますから民族の伝統なのでしょう。18:40に出てくる公共衛生間の写真はすごい。無理やりチベット風を取り入れました、という宣伝臭300%の代物。
https://www.youtube.com/watch?v=Xn8VX4iwyLw
新唐人テレビの映像には子供のチベット僧の学校の様子がありましたが、どうみても漢族顔が多いプロパガンダ映像。北京オリンピックの少数民族の少女がみな漢族だったことを思い出します。
  (PB生、千葉)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月25日(日曜日) 通巻第6993号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~俄に注目集まるタジキスタン、シルカンバンダル国境
  アフガニスタン政府軍が逃げ込む。難民も700名が避難
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 アフガニスタン側のシルカンバンダル峠をタリバンが抑えた。多数の難民が発生し、またアフガニスタン政府軍およそ1000名がタジキスタン側へ逃げ込んだ。
 タリバンは国境の90%を抑えたと豪語した。アフガニスタン政府は、「それは嘘放送の類だ」と否定したが、現実には「半分以上の地域はタリバン支配となっている」(米軍ミラー統幕議長)。

 にわかに世界のメディアが焦点を充てたのは、このタジキスタンという謎の国である。国土のほとんどが2~3000メートル級の山岳地帯、なかには7000メートルを超える山々が連なり、山の中に国があるという印象である。海の出口はない二重の内陸国家で産業は綿花栽培くらいしかない。

この山岳国家に紀元前からオアシスを求めて人々が出入りし、七世紀頃には通商の民=ソグド人がやってきた。東西冷戦中はソ連の一員であり、現在もロシア軍がおよそ7000名、駐在しているとされる。79年のソ連軍のアフガニスタン侵攻は、このタジクから戦車隊が入った。

 タジキスタンは人口970万人余。多数はスンニ派ムスリム。教育無償のため、識字率が高く、ロシア人がほとんど町からは消えたが、徴兵制度を終えると若者が出稼ぎに出るのはロシア、その仕送りがGDPの30%を占めるという。

 現在タジキスタン公用語のタジク語とはペルシャ語の変異したダリ語、もともとはソグド人の言葉とされる。国連派遣で、タジキスタンで活動していた秋野豊・筑波大学準教授が銃殺されたのもタジクで、1998年の事件だった。

 アメリカがアフガニスタンから撤兵し、力の真空が産まれ、タリバンが復活するのは時間の問題といえるが、それだからこそタジキスタン国境なのである。
 アフガン回廊はタジキスタンの南側を東西に貫いて中国に繋がっている。このため1996年頃から、中国軍の秘密基地がタジキスタン側にあると報道したのはワシントンポスト(2019年2月18日号)だった。

 日本の援助は先進国中トップ、有償援助はなくすべてが無償だ。農業指導のほか、留学生五百名を受け入れている。そのわりに親日国家でもないのは、第一外国語がロシア語であり、出稼ぎの必須条件だから日本語を学ぶ機会がないからとも言える。
 また山岳地帯でのダム開発プロジェクトも大方は中国企業が抑えるようになったという情報がある。


 ▲タジキスタンは秘密裏に領土を中国に割譲し、軍の駐留を認めていた

 タジキスタンを治めるのは1994年以来「終身大統領」の印象がつよいエモヌリ・ラフモン大統領で、中国との領土係争は百年以上も続いたが、急転直下、2010年には処理した。

タジキスタンが1158平方キロの山岳地帯を中国に譲渡し、みかえりに一帯一路関連のプロジェクトを貰った。この秘密協定は存在さえ否定されているが、中国軍の駐在説が根強いから、取引条件だったのかも知れない。中国軍は、この回廊の北側でアフガニスタンにおけるウイグル人活動家を監視をしていると見られる。

 問題はアフガニスタンからのテロリストの侵入や難民ばかりではなく、このミステリー地帯は麻薬、武器取引の場所でもあり、たいそう治安が悪いのだ。

 ところで筆者は冷戦終了直後にウズベキスタンから国境を越えて、タジキスタンのペンジケント(パンジケントともいう)という町(人口3万人)に行ったことがある。サマルカンドから東へ50キロ、ほとんど国境の町で、それゆえ商売に明るい人が多いという印象を抱いた。

 ペンジケントは紀元前六世紀に古代国家があったといわれ、多くの遺蹟があって考古学者にとっては発掘作業を本格化させたい地域である。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~尖閣を占領し、地下要塞をつくるのが習近平の計画だ
  米国は世界の警察官に飽きた。アフガンにあと沖縄海兵隊も移動させる?

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日高義樹『習近平が尖閣を占領する日』(かや書房)
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 最初の数行を読み出して、おもわず著者名を見返した。 あれっ。トム・クランシーの遺作でも発見されたのだっけ? 
 ほとんどの米軍の艦艇に乗り込んで豊富な取材経験があり、アメリカの軍事情報に通暁する日高氏のことだから、よほどの確度高いデータの裏打ちがあるに違いない。なにしろ尖閣を占領し、地下要塞をつくるのが習近平の計画だというのだ。
 衝撃の事件は「ネブラスカ州オフワットにある戦略空軍の通信基地が数回にわたって(中国に)ハッキングされ、電波妨害を受けていた。この戦略空軍基地は、アメリカ全土に配備されている大陸間弾道ミサイルICBM、ミニットマンを統括している」重要な拠点である。
このアメリカの地球的規模の戦略にとって枢要な基地がハッキングされた?
 「一歩進めば戦争状態になる。この危険な状況に対処するため、アメリカ戦略空軍と地球防衛軍は戦略爆撃機をアメリカ本土からグアム島やフィリピン、沖縄や韓国のオサンに移動させた」。
尖閣を狙っていることは明白だが、習近平の意思は、「島の大きな岩山と広い岩盤地帯を利用した地下軍事基地である。もっとも重要となると思われるのは、岩山をくり抜いてつくられる地下の空軍基地である」(22p)。
なぜなら「魚釣島の岩山がスカンジナビア半島のスエェーデンの地下軍事基地と同じような地形を有している」からだと日高氏は指摘する。
駐留させる兵力は一箇師団程度の特殊部隊。中国軍はアメリカと対抗できる軍事力を備えたと習近平が判断しているらしいが、そういう野望が達成できるのか、どうか。一箇師団といえば、一万人である。

しかし、アメリカは世界の警察官に飽き飽きしており、そろりと沖縄海兵隊を豪に移動させた。オバマの声明は曖昧模糊としていた。実際は逃げたのだ。
中国はじっとアメリカの疲れを待っていた。さらに米軍の一箇師団はグアムへ移動したとされたが、どっこい空っぽに近く、ほとんどがアフガニスタンへ出かけており、沖縄にもアジアにも海兵隊は不在だったのである。
中国はじっと待っていた。偵察を重ね、尖閣領域を侵犯し続けながら、日米の出方を観測してきたのだ。
つまり、海兵隊など戦闘要員を引き揚げる一方で、基地体制をそのまま維持し続けるとアメリカの対応は、「領土拡大の野心家たちを招き入れる危険な状況である。海兵隊がすべて沖縄をあとにしてしまったから、沖縄とその周辺は、マッチ一本で燃え上がる危険な火薬庫のような状態」
だと警告する。
沖縄をアメリカ軍が放棄すれば、中国が抑えるだろう。すなわち「沖縄の基地と装備は中国に横取りされる」のだ。

 バイデンは中国に対抗して軍事強硬派に変身した。
 あのパンダハガーと言われ、たっぷりとチャイナマネーに浸っていたバイデンが、なぜ突然変異的に対中強硬路線に転じたのか?
それは二流の指導者が切羽詰まると、はったりの決断をするように、トルーマンが決断ある指導者としての評価を得たいがために原爆投下を命じたように、パフォーマンスを見せる必要がある。買収されて中国の傀儡といわれることにも、そうではないと示威する必要がある。だからバイデンはくるりと向きを変えてしまったと日高氏は分析する。
呆気にとられているのは、むしろ習近平だろうとも示唆する。
日高情報は米軍関係者へのインタビューから、台湾の動きを伝える。
台湾軍幹部は秘かに訪米して国防総省と交渉し、トマホーク・ミサイルの供与を求めた。そしてバイデン政権は、「これまでいっさい外国政府に売り渡さなかったトマホーク・ミサイルを数十発、台湾に売却する決定を行った」。
(この話は本当か?)
射程2500キロ、450キロの高性能爆弾を搭載するトマホークは、地上からも海上艦船からも発射できるシロモノ。
もし、これが実現したら「台湾の中国に対する攻撃能力は飛躍的に高まる」。中台戦争は長期化し、経済は停滞し、中国は海上交通路が封鎖されて貿易も行えず、外貨準備は枯渇するだろう。
そうした計算を商業の民であるシナ人が出来ないはずはないだろうに。。。
ところが北京の独裁皇帝は「裸の王様」であり、不正確な情報と周囲の媚びによって、「台湾海峡で戦闘になれば、簡単に勝てると決めつけている」という。
以上は米軍の動きをウォッチしてきた著者のシミュレーションと捉えることが出来るが、こういう筋書きで話は進む。詳細は本書に当たっていただきたい。  
日高氏が最後にいうのは、日本こそ消滅するか否かの最悪に危機に瀕しているという認識である。
いま日本に必要なのは決断できる強い指導者である、という結論は賛成である。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2255回】            
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港137)

  ▽
 香港の資産家の評伝や彼らが経営する企業集団の研究書を読むと、多く「地産致富」の4文字を目にする。彼らにとって「地産」、つまり不動産ビジネスこそが富に致(いた)」る王道と言うことだろう。

 じつは殖民地初期に財を成した何東(ヘンリー・ホートン)から現在に至るまで、香港経済は不動産ビジネスで動いてきたといっても過言ではない。流通、金融、カジノ、製造業などどのような職種で起業しようが、ほぼ例外なく不動産ビジネスに手を出す。不動産ビジネスで手にした資金を、「風険投資(ハイリスク・ハイリターン)」の手法で次の可能性に賭ける。成功したら、またまた不動産に投資し、さらに資産を増やす。

 このような経緯を辿って不動産ビジネスを中核に、それまで関わった様々な業種の企業を束ねた企業集団というビジネス・モデルが誕生することになる。この方式は香港のみならず、台湾、東南アジア華人社会、さらには対外開放後の中国にも見られる。
やはり不動産を柱にした家族経営というビジネス・モデルは、漢族(系)商業文化の主柱なのだ。

 基本的に土地を押さえているのは殖民地時代は政庁で、特別行政区になったら特区政府(その背後に控える大旦那の共産党政権)だから、政治が土地を差配する構図は一貫している。であればこそ不動産取引に政治の力が陰に陽に作用するのは致し方なく、とどのつまりはオ殿サマと越後屋の「腐れ縁」に行き着いてしまう。

 越後屋の跳梁跋扈は返還が近くなるに従って激烈さを増し、北京のオ殿サマもまた香港に一層のチョッカイを出すようになる。北京ペースの返還作業に尻尾を振るなら厚遇し、靡きそうにないなら締め出す。
アカラサマな現実を目にすればこそ、越後屋がオ殿サマに盾突くわけがない。

 香港の「中国回帰」という「理」を掲げるオ殿サマの前で、越後屋は「愛国商人」の衣装を纏って「利」を覆い、「忠字舞」を踊りまくった。「忠字舞」の「忠」の対象は文革時は毛沢東、香港では共産党政権・・・これが返還バブルから2014年の「雨傘革命」前後までの状況だろう。
極論するなら、民主も共産も独裁も強権もあったものではなかった。 

 この辺のカラクリを解きほぐさない限り、「雨傘革命」から逃亡犯条例改正運動を経て20年6月の香港国家安全維持法に収斂する数年に亘る混乱の真相は捉まえられないと思う。

 この問題は、いずれ別途に論ずるとして、いまは1970年代前半に華資が崛起するに至った状況を一瞥しておきたい。とはいえ経済に関する専門的知見を持ち合わせているわけではないので、香港経済研究者の馮邦彦が記した『香港華資財團 1841-1997』(三聯書店 1997年)を援用しながらになるのだが。

 1960年代、70年代に香港経済が成長したことで、製造業者から出発した新興華資は海運や航空、不動産、ホテル、テレビ放送などの部門に進出し、その過程で国際的な海運集団、豊かな資本を抱えた不動産開発集団が形成され、やがて香港経済を一貫して牛耳ってきた巨大イギリス資本に商戦を挑むようになる。香港経済の急成長の波に乗って急拡大した華資は香港経済に確固たる地盤を築くに至るわけだ。

 華資のなかでも注目すべきは、先ずは製造業だろう。初期香港における製造業は、香港が貿易中継港としての役割を担ったことから派生した。
 主として船舶修理であり製糖業で、当然のようにイギリス資本の牙城だった。20世紀に入って華資の製造業者も現れ、ことに50、60年代に飛躍的に発達した。戦後経済復興と言う世界的潮流に加え、近隣で発生した朝鮮戦争とヴェトナム戦争による特需が追い風になったはず。

 そう言えば70年代前半、香港島や九龍の繁華街に屯す米韓両国帰休兵をよく目にしたものだ。米兵は遊びで、韓国兵は爆買いで、香港にカネを落としていったのだ。

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「静かなる侵略」シリーズの決定版!  30日発売!
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 中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している
 どうするのか、日本は!
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(読者の声1)「世界大学ランキング」で、中国の大学が、アジアの大学で初めて世界トップ20入りを果たした。ところが、東大、京大は30位台といいます。
この日本と中国の大学の差はなにから生まれたのでしょうか?
 (DD生、多摩市)

(宮崎正弘のコメント)簡単ですよ。ハングリー精神の欠如です。
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宮崎正弘 v 石平(激辛対談シリーズ第12弾)
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 この本をめぐる石平チャンネル ゲスト宮崎正弘
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宮崎正弘『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』
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 ──暴走老人、西へ、単独行、中国全33省制覇!
第一章 平気で嘘をつき、?を本当にする人々の大地へ
第二章 横行する「やりたい放題」 北京に迫る砂漠、だれも住まないマンション群……
第三章 辺境地、奥地を吹き荒らす中共の嵐
第四章 生命の否定──共産主義の病理を巡る
 中国新幹線を乗りつくせば見えてくる、高速鉄道の景色から描き出す文明論。
──私の旅はいつも「早朝特急」から始まる。中国全33省を何回にも分けて旅し、新幹線を乗り継ぎ、ローカル線や長距離バスにも揺られ、ほっつき歩きながら、いったい日本と中国は一衣帯水ではなく、全く異なった文明であることに改めて気がついたのだ。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月24日(土曜日)   通巻第6992号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~習近平、突然チベットを訪問。「チベットは豊かになった。未来は約束されている」
  同日、モディはダライ・ラマと電話会談、ブリンケンが訪印を発表
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 習近平が無事に北京に帰り着いてから、公表された。7月22日に習近平は初めてチベットを訪問したことが。よほど暗殺を懼れていたのだろう。

 前日にも習近平は、四川省成都からチベットのニンチェに繋がった高速鉄道の駅や関連施設を訪問したとされ、またインドのアルナチャル・プラデシュ州との国境にあるダム工事現場を訪問したことが合わせて発表された。

 劉鶴副首相らが同行し、ラサ市内ではポタラ宮殿前、繁華街などを「視察」した。サクラで動員されたチベット民衆は手を振って歓迎している風景のフィルムが公開されたが、明らかに演出された、人工的な笑顔。こびるような姿勢。却って気味が悪い。

 習近平は「チベットは豊かになった。未来は約束されている」と演説し、ものものしい警備陣に囲まれながら、初めてのチベット視察旅行を終えた。

 同日、モディ・インド首相はダライ・ラマと、はじめて電話会談を行った。亡命政府を印度北西部に受け入れているとはいえ、インドの首脳が公式的にダライ・ラマ法王と会談したことは象徴的である。
 
 一方、米国はワシントンDC。
 7月23日、ブリンケン国務長官は、27日からのインド訪問を発表した。さきにも、オースティン国防長官がインドを訪問している。
米国のインド重視にも注目しておきたい。
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 離情 酒半ば酣(たけなわ)なるを
  断腸の春色 江南にあり(韋荘「別離」)
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 『唐詩選』に韋荘の「別離」と題する漢詩がある。

 晴煙 漠々として 柳 さんさん
  いかんともせず 離情 酒半ば酣(たけなわ)なるを
   更に玉鞭を把りて 雲外を指せば
    断腸の春色 江南にあり

 毎日千人規模で香港から若者が離れている。若いカップル、ときに子連れ、いずれも片道切符でロンドンを目指す。かれらは90年代の香港離脱組とは動機が異なっており、永久に香港には戻らない人たちである。スーツケースを幾つも抱えている。

 香港返還前のエクソダスは、共産主義の恐ろしさを身に染みて知っている人々だった。かれらは移民条件が緩やかだったカナダを目指した。当時、筆者は貿易会社を経営して毎月のように香港へ通っていたので数百の香港人と名刺を替え、そのうち数十人とは取引があった。30年後、誰一人香港にはいない。皆、小金をためてカナダへ移住した。二年前にその時の一人が日本に遊びに来たが、香港民主化運動に興味を示さなかったことは驚きだった。

 その後、オーストラリアが移民条件を緩和したためどっと豪へ住宅を購入して移住する人が目立った。金持ちが多かった。留学生も夥しく、かれらは卒業後、外国で職を探した。
 香港大乱と大弾圧のあと、英国はBON(海外籍パスポート)を認めた。
自動的に半年の英国滞在を認めるとした。その後の移住申請もプロフェッショナルな職業なら容易に認められるという。
 
 この英国の計らいを頼りに、若い香港の人々は香港を捨てる覚悟を決めた。
 毎日千人ほど、コロナ禍で航空便が制限されているが、香港國際空港にはわかれの風景が随処で見られ、ロンドン到着後は入国審査に長い列ができているという。
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「静かなる侵略」シリーズの決定版!  30日発売!
宮崎正弘の最新刊
 『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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https://www.amazon.co.jp/dp/4198653194/

 中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルにと、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳された。電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している
 どうするのか、日本は!
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(読者の声1)今回の河南省の豪雨災害では5千年に一度など、いかにも白髪三千丈の中国人らしい見出し。調べたら1975年に大洪水があった。文革末期だけに政府批判もなく2005年の南方週末に記事が残っている。
http://www.ne.jp/asahi/cn/news/text/05/758taihoo.html
 大躍進政策の誤りによる人災と3日間で1600ミリという記録的な豪雨によるものですが、政府発表で死者2万6千人、実際にはその10倍以上と見られている。
 香港メディアの衆新聞中国組の報道では鄭州市内の京広路隧道(トンネル)で水没した自動車の様子が出てくる。4.9kmに及ぶトンネル内の犠牲者がどれほどになるのか不明。胸まで水に浸かる地下鉄車内でじっと待つ乗客、立ち往生した列車の乗客に水を配ったり、必死で人命救助する様子を見ると中国人の民度もずいぶん上がったものだと感心する。
https://www.youtube.com/watch?v=COcNFM24gzA
https://www.youtube.com/watch?v=A_X-sRe-s2I
 ニュースの女性キャスターがいかにもベトナム人顔だったのはサイゴン陥落以来の歴史を見れば当然か。
   (PB生、千葉)

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(読者の声2)George Hotz 氏がイーロン・マスク氏と面接した時の話。10年ほど前、「視覚による自動運転のアプリ」を開発するにあたって天才プログラマー少年のホッズ氏に与えられる報酬に関しての条件が示される。
「明日完成したアプリを提出すれば12億円、以後一ヶ月遅れるごとに1億円ずつ減らし、一年後ではゼロ」
つまり、恐ろしい速さの競争が繰り広げられるなか、「時間が全て」。
マスク氏は複数の企業を同時に立ち上げ、無から有への速度が誰よりも桁違いに早い。人を動かすには「飴と鞭」。全体主義・独裁的組織では鞭を使う(飴がないので)。自由資本主義では主に飴を使う。飴の中に厳しい鞭に等しい時間軸を組み込んだ、というマスク氏の発明。
 ホッズ氏は、以後「コンマ・A I」という自動運転の装置を開発し、テスラに対抗している。自動車はトヨタやGMなどに作らせ、それに乗っ取る、つまり目玉と頭脳をつける、という横着な低価格な製品を販売している。
2018年以降のほとんど全てのトヨタやホンダなどの車に付けることが出来、レベル3の自動運転が楽しめる。日本の道路でも使えると思う。
詳しくは;https://comma.ai
(KM生)

   ♪
(読者の声3)「ペガサス」問題が世界政治を揺らしています。イスラエルは調査委員会を設置しました。ハンガリーではオルバン首相が、反対派の政党やジャーナリストの電話番号を把握していた騒ぎ、インドではガンジーが「内務大臣はペガサスを駆使して情報を穫っていた。すぐに辞任せよ、モディを最高裁は取り調べろ」と唱えています。
 これはスノーデン事件のように暗い展望で発展しそうですね。
   (JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)主権国家ならどこでも傍聴をやっていますし、テロ予防など治安関係で脅威となる可能性があれば電話盗聴も認められています。日本は? 戦後、GHQが目の仇として内務省を解体したため、米国のCIA、FBIに該当する組織はありません。日本はそうして文脈でも国家の体をなしていないのです。
 民間企業が傍聴を請け負っているという話は聞いておりますが。。。。

  ♪
(読者の声3)東京オリンピック開会式演出家小林賢太郎氏の突然の解任劇は、日本の言論空間に閉そく感をもたらせたマルコポーロ事件を想起する後味の悪さですね。
 サイモン・ウィーゼンタール・センターの開会式直前の告発に悪意ないし戦略を感じます。日本の五輪組織委員会だけでなく日本の学界・言論界、大手メディア、政治家が、ドイツにおけるユダヤ人虐殺を過去の世界中で行われた民族浄化、現在新疆ウイグルで行われている民族浄化等と合わせて歴史的・哲学的考察もせず、何の反論も政治的反撃もできないのは情けない。
 オリンピックは、スポーツの祭典・平和の祭典ではなく政治闘争およびサイバー戦争の場と化しているようです。
(杉並 KU生)


   ▲
(編集部からお知らせ)HP更新しました。書評欄「福島香織『習近平「文革2・0」の恐怖支配が始まった』(ビジネス社)」
http://miyazaki.xii.jp/column/index75.html
   ▲
(編集部から訂正)前号のノルト・ストリーム(1)は、ロシアからドイツに直結しているバルト海の海底パイプラインで、2011年から稼働。ノルト・ストリーム2は、それに並行して建設中。ウクライナ・ポーランド経由の陸上パイプラインは、ノルト・ストリーム(1)とは別物でした。
 また7月15日、「バイデン大統領は(ドイツではなく)ホワイトハウスで、訪米中のドイツのメルケル首相と会談した」と訂正させていただきます。猛暑バテのうっかりミス、でした。
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⁉️6991号がない⁉️


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月23日(金曜日)   号外 
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「静かなる侵略」シリーズの決定版!  30日発売!
宮崎正弘新刊『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルに、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳。
 電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
  中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している
 「2025 中国製造」とは中国の日本侵略の目標だったのか

「つぎの100年」は何を意味するのか
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 天安門の楼上に立って習近平は長い演説を繰り出したが、その中に「100年」という言葉は十数回もでてくる。中でも、「中国共産党の100年にわたる奮闘の輝かしい歴史を振り返れば、中華民族の偉大な復興の明るい未来が展望できる」として、「小康社会を構築し、貧困問題を解決した。『社会主義現代化強国の全面的な実現』という次の100年に向けて意気盛んに邁進するという奮闘目標を厳かに宣言する」

「次の100年」の第一歩が日本への静かなる侵略だ
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 2018年の台湾六大市長選挙、そして2020年の総統選挙のときに偽情報、デマ放送をSNSネットワークを通じて大量に流したのだ。くわえて中国華芸広播公司はテレビ、ラジオによる宣伝戦の尖兵となった。台湾国民の心理陽動、攪乱情報のみならず、高等で高尚な意見を装ってオピニオン・リーダーの意見を変えさせようとした。
 つまり「概念を構築する方法を変える」のが究極の目的であり、「違う概念をそれとなく植えつける」のである。それによって大衆世論を誘導し、それがオピニオン・リーダーに影響を与えるようにし向けるという手の込んだ作戦だ。
日本ではネット空間はフェイクニュースに汚染されている。中国に命じられたかのように、中国の処断を肯定的にみる意見がネット空間を埋めている。中国を批判するコメントはなぜか削除される。目に見えない言論弾圧が続いているのである。
これほどの左傾化の原因は中国の歴史捏造に加担し拡声器の役割を担っている日本の大手メディアにある。そのうえに恥ずかしげもなく、そうしたメディアに登場してよろこぶ政治家、学者、文化人こそが深刻な問題である。

第1章 習近平は終身皇帝を狙い、台湾併?がその仕上げだ
第2章 ハッカーを駆使する新形態の戦争
第3章 「ジェノサイド」批判で対中包囲網
第4章 貿易・ハイテク争奪戦争から金融の最終戦争に向かう米中
第5章 失望と中国離れ
第6章 中国奥の院、権力闘争は陰湿苛烈
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新刊予告(7月27日発売)
宮崎正弘『日本人が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた! 全33省旅遊記』
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第一章 平気で嘘をつき、?を本当にする人々の大地へ
第二章 横行する「やりたい放題」 北京に迫る砂漠、だれも住まないマンション群……
第三章 辺境地、奥地を吹き荒らす中共の嵐
第四章 生命の否定──共産主義の病理を巡る
 中国新幹線を乗りつくせば見えてくる、高速鉄道の景色から描き出す文明論。
──私の旅はいつも「早朝特急」から始まる。中国全33省を何回にも分けて旅し、新幹線を乗り継ぎ、ローカル線や長距離バスにも揺られ、ほっつき歩きながら、いったい日本と中国は一衣帯水ではなく、全く異なった文明であることに改めて気がついたのだ。
(啓文社書房。1760円 ↓ 予約受付中です)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月22日(木曜日)  通巻第6990号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~恒大集団、ついに断末魔。負債総額33兆円
  ドル建て社債は金利25%! 株価は28%下落中
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 不動産開発で知られる恒大集団は小誌が昨夏よりたびたび報じてきたが債務危機に陥った。
 香港では開発中のマンション販売に関して、主幹事のHSBCは住宅ローンを停止した。
 広東省では広発銀行の要請により二軒のマンション開発販売を停止した。

 一介の貧困青年が不動産ブームに乗って起業した恒大集団は、食品が娯楽産業、最近はEVにまで進出していた。
創業者の許家印は、フォーブスの中国富豪ランキングにも登場した。

 恒大集団は財務不安を抱えていることは以前から指摘されており、2020年には全物件の30%割引で販売して手元現金をかき集めた。償還の迫った社債のために急いだのだ。このとき債券市場で恒大の社債は金利が14%に跳ね上がっていた。

 全土に展開しているマンション、開発中のものを加えて相当の不動産を抱えながら、その資産価値を担保に想定しての判定が社債金利14%、現在は25%。GDP6%そこそこの成長率で、この金利が何を意味するかは小学生でも理解できるだろう。

 問題は恒大集団の倒産が秒読みだということではなく、これは中国経済の基軸だった不動産ビジネスが、いよいよ危殆に瀕しているということであり、一方購買した庶民の側でも、値崩れのあとに残る住宅ローン、個人破産のラッシュとなるだろう。
 
 中国共産党創立百年は表向きの輝かしい宣伝とは裏腹に、不動産市場崩壊の危機が襲うことになるのではないか。
      ☆◎☆◎み☆◎□☆や□▽◎☆ざ▽◎□☆き◎☆◎▽    
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~あれほど酷い仕打ちを受けたのに、なぜ日本人はかくも寛大なのか
  中国人の残虐とソ連兵の無慈悲さ、民族の記憶から消えてしまうのだろうか

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早坂隆『大東亜戦争の事件簿』(育鵬社)
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 すでに多くが語られ尽くした観があるが、若い世代は、まったく知らないし、無知である。
戦争末期に侵攻してきたソ連兵が旧満州の日本人に何をしたか。シベリアへ抑留した日本兵にどんなに壮絶な労働を強要したか、日本人女性をなぶり者にした挙げ句に殺害したか。
 エリツィンは日本の抗議に耳を傾けたが、「それは私たちとは異なる世代の人たちの行為だった」と反省の色なし。ましてプーチンは日本から盗んだ北方四島さえ、返還の考えはない。
 或いは中国人が、通州や通化でどういう残酷な殺人、暴虐を日本人に対してなしたか。
本書は、こうした歴史の断面を総攬的に網羅している読み物で、戦勝国の『戦争犯罪』を抉っている。
扱った『事件簿』は、通州事件、南京事件、黄河決壊事件。ゾルゲ、対馬丸事件、葛根廟事件、引き揚げ者受難事件。元日本兵連続割腹事件、そして抑留者洗脳事案など。
著者はこう言う。
「歴史とは、事件の集積である。一つの事件が次の事件を呼び、また別の事件を誘う。その流れを的確に把握することが、奥行きのある他面多岐な歴史認識の醸成に繋がる」と。
評者は、全体を通読してとくに印象深い取材のなかでも強烈な個所は、ソ連抑留兵のなかで簡単に祖国を裏切り、ソ連に媚びた上、洗脳工作のための『日本新聞』にソ連のプロパガンダを書き込み、天皇制を打倒するべきだと、情報のない抑留日本兵の洗脳に協力した輩がいたことだ。
そのときのボスがコワレンコ。そう、戦後ソ連の対日工作の司令塔だった人物である。
同様に過酷な洗脳工作は中国でも、撫順刑務所内で徹底的に行われた。凄まじい洗脳教育の結果、帰国した裏切り者たちが731部隊とか、三光作戦とかをでっち上げた。
対蹠的に敗戦を恥じて、その責任を取った潔き人々は割腹自決を遂げた。阿南陸相や大西瀧次郎・中将だけではない。じつに夥しい、有能な人々が自決して果てた。
 本書は同時に、戦争に散った無名の英雄達への鎮魂歌である。
              □□□
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     樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2254回】   
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港136)

   ▽
 行きがけの駄賃である。不動産業界を見たついでに同じ93年の資料に基づいて、70年代前半に上場された主だった企業を挙げておきたい。味気ない記録の羅列ではあるが、その無味乾燥気味の事実から当時の香港の経済状況が薄ぼんやりと浮かび上がって来るから、やはり興味は尽きない。

 銀行・金融・投資──
   亜洲証券国際有限公司:不動産投資に特化。73年登記・上場。 
   恒生銀行有限公司:HSBC(香港上海匯豊)銀行に次ぐ規模。72年上場。
   百富勤投資有限公司(Peregrine Investment Holdings Ltd.):72年登記・上場。
   第一上海投資有限公司(First Shanghai Investment Ltd.):中国系。72年上場。
   新鴻基有限公司:新鴻基地産創業者の1人の馮景禧によって69年創業。72年上場。
   湯臣太平洋有限公司(Tomson Pacific Ltd.):73年創業。
   友聯銀行:中国系資本。64年創業。73年上場。
   永隆銀行有限公司:伍一族創業の両替商から出発。73年に銀行に改組。
   中策投資有限公司:72年9月創業。同年11月上場。
   港基国際銀行有限公司:70年創業。
   聯合集団有限公司:オーストラリアの李明治の不動産投資。72年創業。73年上場。
   粤海投資有限公司:中国系粤海集団傘下。73年創業・上場。
   麗新製衣国際有限公司:林百欣一族の中核企業。72年上場。後、不動産金融へ転身。
   南順(香港)有限公司:マレーシアの黄一族の香港における中核企業。72年上場。
   利豊有限公司:馮一族の中核企業。73年上場。
   力宝有限公司:インドネシアの李文正一族の中核企業。73年上場。
   廖創興企業有限公司:中核は廖創興銀行。70年登記。72年上場。
   森那美香港有限公司:マレーシアの森那美集団傘下。70年創業。
   宝光実業集団有限公司:タイの黄子明一族の中核企業。72年上場。
  永安国際集団有限公司:マレーシアの郭鶴年傘下。73年創業・上場。

 製造業── 
   実力国際集団有限公司:75年創業。主として電子・音響機器製造。
   東茗国際(集団)有限公司:74年、劉学宏が中心となって創業。
   航天科技国際集団有限公司:中国系製造業(電子機器)。75年創業。
   通用電子有限公司:73年に方叔海一族が経営権を取得し、電子機器製造・販売。
   蜆殻電器工業(集団)有限公司:翁祐一族中核企業。70年登記。
   升岡集団有限公司:劉克勤・錫康父子、69年創業。
   福田実業(集団)有限公司:夏松芳・蔡建中、69年創業。
   南聯実業有限公司:69年6月登記。同年11月上場。
   徳昌電気控股有限公司:59年汪松亮創業の小型モーター製造。72年家電製造に。
   金山実業(集団)有限公司:電池製造で出発し、70年代に電子機器製造に。
   冠亜商業集団有限公司:カンボジア出身の楊啓仁創業の時計製造。
   北京発展(集団)有限公司:中国資本系。63年創業。72年上場。

 以下、デパート、小売り、ホテル、飲食、メディア、公共事業(電気・ガス・水道・電話・交通機関・フェリー・トンネル)などと続くが、登記・創業・上場の時期は70年代前半に集中し、規模・業種・業態に拘わらず、なんらかの形で不動産ビジネスに参入していることに改めて気づかされる。
やはり資産形成の道は「地産致富」から、なのか。
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(読者の声1)「グローバル化に対する風当たりが欧米先進国を中心に強まっている。自由貿易や移民の受け入れに反対する政党や政治家が台頭し、生活に
不満を抱く人々の問で一定の支持を受けるようになった。このうねりを放置するのは危険である。保護主義的な政策や人の移動を不当に抑える動きにつなが
れば、世界経済を下押しし、人々の暮らしをかえって悪化させかねない。反グローバル主義の台頭にどう効果的に対抗していくか真剣に考えるときだ。
・・・・こうした潮流の背景には、金融危機以来の経済停滞で中間層の雇用や所得が低迷していることがある。それに対する人々の不満につけこみ、安直だがわかりやすい政策で支持を得ようとする政治の動きがまん延し始めたといえる。・・・・自由貿易によって、人々は食料品や衣服などを安く手に入れることができる。サービスの輸出拡大で雇用を増やすこともできる。移民もうまく社会に溶け込めれば経済や社会に活力をもたらす。・・・・」。

以上のような「学生向けの教科書」のような記事は 日本経済新聞2016年5月2日付けの「反グローバル化にどう対処するか」と銘打った社説なのですが、これを読んだ時、私は唖然としつつも「記念」にこの記事を切り抜いて保管しておいたのです。
5年前といえば、「反グローバル化に対処」するなんて言うのはもはや憚れる頃でしたし、それ以前までは口を開けば「グローバル化」を大声で「連呼」していた社長さんたちも、慌てて口に蓋をし始めたころです。其れゆえ、私はこの新聞社は経済専門家からなる組織ではないようだと感じました。
 こんな調子ですから、同社のデジタル通貨や最近の脱炭素社会やDXなどの「大合唱」的報道姿勢には、一歩引いた立場に身を置きたくなるのです。
それにしても果たして「安直でわかりやすい」報道記事と、フェイクニュースのどちらの方が悪影響を社会に及ぼすものなのでしょうか?
先日の(Z生、逗子)氏のトランプ・メルマガを読むと、私は前者の方が、長期的には社会に害を与えてしまうような気がいたします。    (SSA生)

  ♪
(読者の声2)中国の豪雨が悲惨な状況。内モンゴルの洪水につづき河南省鄭州市では地下鉄が水没。
 地下鉄車内では胸まで水に浸かる事態でネットではホームに溺死者が横たわる姿が多数。
タイの洪水のようにじわじわ水位が上がるのではなく道路も地下鉄路線も濁流になっている。
 新唐人テレビに日本語のまとまった動画があった。
https://www.ntdtv.jp/2021/07/51259/
 中国共産党100周年は天に見放されたように思える。
  (PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)公式発表の河南省における死者は25名(7月22日午前三時現在)ですが、おそらく数千人の犠牲が出ていると思います。黄河の氾濫は凄まじいですね。
 鄭州、洛陽、開封は河南省最大の人口集中地かつ観光地、小生も乗り換えを含めて数回は行っておりますが、雨に弱いのは昔から。逆に水利が佳いので人が集まるわけでしょうね。山側の小林市(少林寺拳法のメッカ、体育大学、体育専門校だけでも三十数校)でも被害が出ているようです。
 また内モンゴル自治区に於ける洪水被害ですが、ふたつのダムが決壊し、25の橋梁が流されたようです。被災地はフルンボルトとしか報じられていませんが、宏大な面積で、中心はハイラル(海拉爾)、ここには旧日本軍の軍事要塞があり、公開されたときに見に行きましたが、とてつもなく広くて頑丈な要塞です。このハイラルからタクシーを飛ばすこと三時間、ノモンハン事変の現場です。空と地面しかありません。
 ハイラルから北へ二時間。国境の町「満州里」。目の前がロシア。鉄道輸送で原油が運ばれ、活況のある町で、この先にホロン湖、バイル湖。雄大な草原地帯で、あちこちにリゾートを兼ねたゲルがあります。
 洪水はいったいどのあたりなのか、あの広い草原地帯ですから、具体的な場所を知りたいと思いました。

  ♪
(読者の声3)オリンピックの不祥事がとまらない。障害者いじめを自慢していたミュージシャンと擁護する人々。芸能や興行の世界はもともとヤクザな稼業。仲間内で利権をまわす実態が見えてくる。
昭和の戦後の時代でも役者買いの伝統がなくなることはなかった。ホストクラブや韓国の男性アイドルグループなどケバい化粧で昔の言葉なら男妾(めかけ)です。LGBTの世の中ならさぞ需要も多いでしょう。
 韓国と日本の違いを表す笑い話で有名なのがある。同じ言葉なのに意味がまるで違ってくる。
日本人:犬が大好きです
韓国人:犬が大好きです
日本人:人の嫌がることを進んでします
韓国人:人の嫌がることを進んでします
 日本人ならペットとして犬が好き、韓国人は食べ物として犬が好き。日本人はゴミ拾いやトイレ掃除など他人の嫌がることをするのが美徳、韓国人は他人の足を引っ張り嫌がらせをしてでも上に立つのが美徳。

 オリンピック選手村の韓国選手団、横断幕を撤去したとおもったら今度は垂れ幕。朝鮮半島を虎に見立てたものですが北朝鮮の切手図案とくらべてあまりの下手くそさにネットでは失笑もの。まるで中国にしがみつく猫。
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2017/05/24/20170524dde001010006000p/9.jpg?2
https://www.wowkorea.jp/images/meta/2021/307978_1200x675.jpg

 韓国は国宝の修復にも失敗しているし芸術的センスもどんどん劣化している。選手村の食事にケチを付け福島県産食材を拒否、あげくに独自に給食センター設置という報道。放射能怖いの韓国人、ガイガーカウンターを食材に当てているが空間放射線量を測ってどうする。
韓国人が基礎的な科学知識すらないのか、わかって嫌がらせをしているのか不明ですが、日本統治時代の測量の鉄杭を民族精気を断ち切る呪いの楔といい、ソメイヨシノが済州島に自生していると主張するのですからノーベル賞などとれるわけもない。
 日本でも反ワクチン派のブログなど見るとスピリチュアル系では波動だの夢を叶えるだのと高額なパワーストーンや波動水などがでてくる。
宗教系はもはやカルト。どちらにしても自分で考えない人はお金を搾り取られる運命にあるようです。
  (PB生、千葉)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月21日(水曜日)   号外 
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「静かなる侵略」シリーズの決定版です!
宮崎正弘の最新刊、30日発売決定!!
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『中国の静かなる日本虐殺 2025』(徳間書店、1760円)
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 中国共産党百年の式典で、独裁皇帝は言いはなった。「つぎの百年」だと。 
 日本をウイグルに、ジェノサイドが始まっている。あの文化人もコメンティターも洗脳。
 電波、新聞、そしてSNSの言論空間も中国のサイバー攻撃と操作で乗っ取られた!
 議論の前提を破壊する「認知戦争」とは中国オリジナルの「超限戦」のタクテック!
 
 中国軍は日夜、台湾と尖閣諸島侵略のための軍事演習を繰り返している
 「2025 中国製造」とは中国の日本侵略の目標だったのか
 
 本日よりアマゾンにて予約受付を開始しました
 『中国の静かなる日本虐殺 2025』
(徳間書店、1760円)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月21日(水曜日)弐   通巻第6989号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~正義と博愛と友情を示したリトアニア
  台湾の名前を冠した代表処を首都ビリニュスに設置
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 「台湾代表処」がリトアニアの首都にデビューする。中国は猛烈に抗議したが、リトアニアの決断に揺るぎはなかった。
 7月20日、リトアニア政府は台湾の事実上の大使館のビリニュス設置を認めた。直前にもリトアニア政府は、中国主導の「17 プラス 1」から脱退を声明した。ダムの決壊のように、中国主導のBRI(一帯一路)プロジェクトの一角が崩れた。

 三月の「17プラス1」の首脳会議にリトアニアは欠席した。エストニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア、スロベニアは下級官僚を派遣するにとどめ、間もなく脱退を準備していると観測される。
いずれの国々もソ連に痛めつけられ、弾圧されて自由を剥奪されてきたため全体主義に対する憎悪が燃えており、近年の中国の人権弾圧に強い抗議と不快感を示してきた。中国はナチという認識が拡がっている。

五月には欧米英につづき、リトアニア国会は、中国のウィグル自治区における人権弾圧を「ジェノサイド」として非難決議を行った。中国との関係に大きな亀裂が入っていたことは誰もが認めるところだった。

まして中国のリトアニア投資で目立つ案件は殆どなく、貿易関係も微々たる額でしかない。
リトアニアは人口280万人。北がラトビア、東がベラルーシ、南にポーランド、西がロシアの飛び地カリニングラードであり、海の出口はクライベタ港(ちなみにこのクライベタと、岩手県久慈市は姉妹都市。琥珀が結んだ友好関係がある)。

 筆者は二回、リトアニアを訪問したことがあるが、首都ビリニュスはこじんまりとまとまった美しい都市で意外に人々の表情は明るい。古都のカウナスは杉原千畝記念館があり、ユダヤ人を助けた人道主義の象徴として、日本人ツアーのメッカとなっている。
記念館へ行くと「杉原チョコレート」を売っているのはご愛敬。コロナ禍以前には年間三万人近い日本人が訪れていた。

 このリトアニアはバルト三国と旧東欧諸国のなかで、つねに自由化、民主化への先駆的な役割を果たしてきた。
 ソ連に併呑される前にはパルチザンと組織して勇敢に戦い、合計80万人近い犠牲がでた。

 ▲地下運動で反ソ活動は活発だった歴史がある

ソ連に併呑された期間中も、地下では抵抗運動が続き、反ソ運動の母体だったサユディスが表面化したのはゴルビーのペレストロイカ以後。ソ連はKGB特殊部隊をおくって弾圧したが、国民の抵抗運動は強く、人間の鎖などがあって、90年にははやくも独立を宣言した。

この直後に筆者はリトアニアに入ったのだが、国会から市民広場周辺にはソ連製の装甲車が配備されており、KGB特殊部隊の覆面がまだ残留していた。

 1993年にソ連軍が撤収するや、いなやリトアニアはNATOに加盟申請した。2004年にNATO、EU加盟を果たし、2015年にはユーロに加入した。
 2016年にリトアニアを再訪した。宗教画の天使がユーロを運び、手にはドルという風刺的な絵画がレストランに飾られていた(拙著『日本が全体主義に陥る日』、ビジネス社参照)。

 リトアニアが灯した自由化への道、そして台湾代表部の設置。旧東欧の中国政策も大きく変わろうとしている。 

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(読者の声1)トランプ氏がメルマガを始めたようです。現在寄付を募っていますが、以下内容をお伝えします。
 「トランプ・メルマガ」から抜粋
「Friend, Have you noticed that the Radical Left is now admitting I was right about everything they LIED about before the Election? Hydroxychloroquine works.
The China Virus came from a Chinese lab. Hunter Biden’s laptop was real.
Lafayette Square was not cleared for a photo op. The 『Russian Bounties』 story was fake. We did produce vaccines before the end of 2020, in record time I might add.
Blue state lockdowns didn’t work. Schools should be opened.
Critical Race Theory is a disaster for our schools and our Country.
Our Southern Border security program was unprecedentedly successful.
The media and their Democrat partners spent YEARS lying about me to the American People and it turns out I was RIGHT all along. I’ve received NO apologies, NO retractions, nothing」
(簡約)
「友人へ、極左勢力は選挙前の吐いた大嘘について、私が正しかったことを認めつつある。抗マライヤ薬は有効だ。チャイナウイルスはチャイナが発祥だ。ハンターバイデンのラップトップは本物だ。ラファイエット広場でのデモ排除は写真撮影のためではない。ロシアがタリバンに報奨金を与えた事実はない。2020年末までにワクチンを生産した。民主党州のロックダウンは有効ではなかった。学校は開校すべきだ。クリティカル人種理論(CRT)は教育および我が国にとって悪夢だ。南部国境の封鎖は大成功だった。
メディアおよび民主党の連中は何年にも亘り、米国に対して私を中傷し続けた。結局、私が正しいと分かった。私は謝罪や撤回を受け付けない」。
   (Z生、逗子)

(宮崎正弘のコメント)先日フロリダ州のトランプ集会は豪雨のなか、数万人が数時間から前から並んで、じっとトランプを待った。
この凄い集客力、トランプ人気は、いまだ衰えずというところですね。共和党予備選は行われるでしょうが、ペンスもヘイリーも、これじゃ出馬しないかも。或いは三年後、トランプはポンペオとチケットを組むかも。党内リベラルとの妥協人事を考えていないようですから。

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(読者の声2)世界が国定通貨に収斂してくるまでは、民間銀行も通貨を発行していて、アメリカなどは何千種類にも及ぶ民間通貨があったそうです。
しかし地域経済圏が広がり国家レベルになるにつれ、交換レートの「わずらわしさ」から民間通貨は淘汰されたのでしょう。
今回のデジタル通貨の問題は、再び民間業者が通貨発行者に参入してきたのですが、その特徴は発行の主体者が民間銀行ではないということ。つまり、大手IT企業が銀行機能を今や飲み込んでしまったばかりではなく、国家権力の中枢が通貨発行権にあることが明白になった現代(特にMMT 時代に突入してしまった現代)において、国家を凌駕するまでに力を増してきたIT企業を、国家が「びっくりして」そして「怖くなって」敵視しだしたということなのでしょう。
巨大IT企業を国家が恐れだした理由は、彼らは国民の消費行動はもとより、あらゆる国民の行動様式をITで把握(つまり監視する)できることが、デジタル通貨の「信用」を担保(操作・管理)できることに直結しているからです。
この「信用」は国定通貨の信用よりも、「実需」に即したものであるがゆえに、国定通貨の信用力を凌駕してしまいそうです。
しかるにこの新たな変化を一番敏感に感じ取っているのが、中国共産党でありましょう。なぜなら権力の中核が奪われかねないことに最も早く気づいた(気づいていた)からです。私たちは無意識ながら、すべての事象を「国家ありき」から論じるきらいがありますが、今や、国家の上位に立ちかねない巨大IT企業と、国家の戦いが本格的に始まったとみなせば、整理しやすくなります。
(SSA生)

(宮崎正弘のコメント)江戸時代の半ばから各藩は、財政赤字を補うために「藩札」を出しました。これって、「国債」の原形ですかね。藩札が通貨代替だったとすれば、ローカルな民間通貨が二百数十種類あったと云うことでしょう。
 明治新政府が中央集権を目指し、統一通貨を発行するに際して藩札を如何に整合し、処分したかという大問題が浮かびます。最後の架空通貨である「藩札」は明治十年の「西?札」でした。戦争中、日本は占領地で「軍票」を発行して物資を調達しました。この返済が、戦後賠償です。
現代のクレジットカードもディビットカードも、銀行預金が担保されていますが、約束手形、社債、株式、私募債などは未来の企業収益が担保されているだけで、これが現代資本主義のからくり。
これら従来型の資本主義における資金調達システムを、IT企業が、どのように変革、もしくは破壊して行くのか、そのあたりの大問題が近未来に横たわっているのではないかと思います。

  ♪
(読者の声3)「上喜撰(蒸気船)たった四はいで夜も寝られず」という狂歌は、江戸の末期の日本人の危機に対する正常な反応、を描いている。
現在に翻訳すれば、UFOが東京の上空に居座て、大慌て。当時の日本人は無能な江戸幕府に任せておけば日本は植民地になる、と理解し、全力をあげ全ての既存の「進歩・生存を妨害する」ものを無視・排除していく。
 「カエルを熱湯につけると、驚いて飛び出すが、水から徐々に温めていくと、温泉にいるような気分になり、気がつくと茹でられてしまう」という高度の政略もあるらしい。

 支那は、真剣に日本の歴史・人類学を研究し、この2つの観察をもとに、日本植民地化政策を始め、ほぼ茹で上がり、いま食べ頃になった、と判断している、らしい。茹ですぎると不味くなる。あるいは、今食べないと「漁夫の利」で、誰かに取られてしまうかも、しれない。およそ1京円(一万兆円)ほどの純益・儲けになる。支那人の論理では、盗まれる方が悪い。
 百田氏の「カエルの楽園」にその解析は詳しいが、では今、どうすべきか、何ができるか、について氏は言及していない。
文学の世界に遊ぶ者は、面倒な汚い現実には関わりたくないのだろう。
知っていて見ていても何もしない、とは陽明学では犯罪になる。溺れる子供を助けないのは殺人だ、という。溺れる国家を救わないのは、叛逆、売国奴。
 三島由紀夫氏は、青瓢箪の小説家ではあったが、行動家に変換する。しかし美の世界に生きる氏は、地味で執念深く卑怯な隠れた、しかし効果的な共産党員のような活動は、好みではなかった。
市ヶ谷の自衛隊に発する「激文」は、既に諦観しきった氏の遺書となった。本来の激は、味方を作り、敵を恐れず戦う勇気を授ける。50年も前に天才三島氏は、既に時すでに遅し、と判断したのだろう。
それは正しい判断だったが、いかなる神の計らいか、あるいはインターネットのおかげか、近年の言論界、保守派の力、歪められた歴史の修正、あからさまな支那の攻撃、などが国民の意識を随分と正常化してきた。しかも、
 「失われた30年」のおかげで、夢も希望も金も家族もない、が命も惜しくないという日本人が大量にいる。
日陰者、影武者の彼らにとって、大義が与えられ、計画が示され、可能性があれば、喜んで「行動」する、はずである。世界中で、そんな革命が起こっている。「令和の楯の会」の会員は百人ではなく、すぐに100万人。
「前の戦争ではお役に立てなかったが、何かお役に立つことをしたい」最後のお勤め、をしたい老人も多いだろう。子供たちにと貯めた資産も支那に盗まれては無駄になる。
 一度占領され植民地となれば、「あとに続く者あるを信じ」ることすら出来なくなる。米国の占領下では、売国奴、非日本化に加担した指導者、学者、報道者、などを厚く尊重し、高い報酬を与え、「有益なバカ」として利用したが、次回では、すぐに粛清、処刑され、臓器提供者となる、と心得るべし。
今こそ、全知、全能、全財産を動員し、国土防衛する秋が来た、のでは。
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)7月21日(水曜日) 通巻第6988号 <前日発行>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜   インドのモディ首相もライバルのガンディ陣営の電話を傍聴
  イスラエルのスパイウエアがカショギの電話を盗聴し暗殺に繋いだ??
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 西側が団結して中国の組織的なサイバー攻撃を非難し、政策を含む対抗策をとると声明した。米国のみかわEU、NATO諸国が足並みを揃えた。もちろん日本も。
 米国国務省が公式に発表した典型例は、中国国家安全部がマイクロソフトのエクスチャンジサーバーを悪用したハッカー犯罪で、MSのeメール顧客リストを悪用したとされる。
 ノルウェイのエーリクセン・スールアイデ外務大臣(女性)も中国を名指しでハッカー集団の元凶と決めつけた。

 他方、イスラエルのNSO社が開発したスパイウエアは「ペガサス」と呼ばれ、性能抜群。イスラエルの国家安全保障の立場からテロリスト攻撃予防のための情報収集と分析デバイスとして開発された。

 このスパイウエアは世界中に売られており、すでに五万人の電話番号が漏洩したとされ、世界40ヶ国、およそ500人のジャーナリストの電話番号を犯罪集団が掌握していたと西側メディアは伝える。

 なかでもサウジアラビアの反政府ジャーナリスト、カショギはイスタンブールのサウジ領事館で殺害されたが、電話の盗聴によって事前の連絡網から当日の行動予定が読まれていたとされる。

 このスパイウエアは、特ダネニュースなどと偽ったフィッシングで対象の電話番号を調べるシステムで、メキシコの15000名リストを筆頭に、世界各国ではジャーナリストの電話番号を集めていたらしい。

 アルジャジーラはインドのモディ首相も「愛用」しており、政敵ガンディ側の電話傍聴により情報を得ていたと報じた(7月19日)。
真偽のほどは定かではない。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2253回】          
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港135)

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 曰く因縁のあるカネを銀行口座を転々と経させ最終的に「きれいなカネ」に洗浄することをマネー・ロンダリングと言う。これに倣うなら、さながら越後屋の手法はビジネスのためのヒューマン・ロンダリングとでも表現できそうだ。
「愛国商人」でキレイさっぱり。

 ここで興味深い事実を示しておきたい。
 返還4年前の1993年の記録だが、当時の香港で不動産開発や管理など不動産関連ビジネスで株式を上場している企業を数えると90社。そのうち70年代前半に活動を本格化した企業を拾って簡単に紹介しておくと、

長江実業(集団)有限公司:李嘉誠傘下企業の中核。71年創業。72年上場
華潤創業有限公司:香港における中国系企業の中核。65年登記。73年上場。
鷹君集団有限公司:タイ生まれの羅鷹石一族の中核。63年創業。72年上場。
恒隆有限公司:陳啓宗一族の中核。60年創業。72年上場。
 恒基兆業発展有限公司:李兆基一族の中核企業。72年登記。同年上場。
 全澳控股有限公司:73年にマカオで創業。同年、香港で上場。
 香港興業国際集団有限公司:査済民一族の中核企業。73年登記。88年上場。
 合和実業有限公司:胡應湘一族の中核企業。72年9月創業。同年8月上場。
 希慎興業有限公司:利希慎一族の中核企業。70年創業。
 広生行国際有限公司:化粧品輸出入・販売で1905年創業。75年不動産ビジネスに転身。
 新世界発展有限公司:鄭裕?一族の中核企業。70年創業。72年上場。
 百利保国際控股有限公司:71年創業。73年上場。
 Paragon Holdings Ltd.:70年、富輝企業で登記。73年上場。
 聯邦地産有限公司:会徳豊集団傘下企業。64年にロープ製造業から転身。70年上場。
 川河集団有限公司:64年創業。73年上場。
 海裕集団有限公司:73年登記。同年上場。
 信和置業有限公司:シンガポールの黄廷芳一族の中核企業。71年登記。
 新鴻基地産発展有限公司:郭兄弟の中核企業。72年2月登記。同年8月上場。
 大昌集団有限公司:陳斌一族の中核企業。72年8月創業。同年11月上場。
 大生地産発展有限公司:馮清偉一族の中核企業。68年創業。73年上場。
 尖沙咀置業集団有限公司:黄廷芳一族の中核企業。72年6月創業。翌月上場。
 世貿中心集団有限公司:中国糧油食品出入口総公司の香港中核企業。73年登記・上場。
 僑福建設企業機構有限公司:黄周旋(台湾)一族の中核企業。73年登記・上場。
 中国光大国際有限公司:中国系の光大集団傘下企業。61年登記。73年上場。
 銀建国際実業有限公司:中国系企業。60年登記。73年上場。紡織から転身。
 明輝発展有限公司:72年上場。
 漢国置業有限公司:56年創業。72年上場。2回目の下宿先だった冠華園大廈の所有者。

 ──こう見てくると、70年代前半が不動産ビジネスの助走期に当たると同時に、後に「地産覇権」と呼ばれることになる経済構造の骨格を形作ったことが指摘できそうだ。

 1970年代半ば以降の激烈な不動産商戦のなかで李兆基の恒基兆業、黄廷芳の信和置業、利希慎の希慎興業、シンガポール出身の陳松青の佳寧置業などが一気にトップ集団に接近する。
やがて「返還バブル」に向かって不動産ビジネスが火を噴き始めると、新世界発展と恒基兆業が目覚ましいばかりの急成長を遂げ、「愛国商人」に生まれ変わる。

新世界発展と恒基兆業は合和実業を抜き去り、大昌集団を蹴落とし、長江実業、新鴻基地産、恒隆に肉薄し、新たな「不動産業界の5匹の虎」にまで上り詰めるのであった。
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  読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)三日ほど前の英国紙『タイムズ』が、英国軍が対中国特殊部隊を4000人で発足したと報じ、かなりのメディアに転載されました。日本では報じられなかったようですが、MI6と連携した新特殊部隊とか、詳しく分かりませんか?
   (山根生)

(宮崎正弘のコメント)その報道は読みましたが、対ロシア、対中国向けとした部隊編成替えの予定であり、退役軍人がその企画を語ったものですので、ニュースバリューは薄いのでは? と思いました。
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