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(令和三年・2021/06/11〜06/19) 📚📚📚「宮崎正弘の国際情勢解題」 & etc., 💕🐧


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月19日(土曜日)弐
通巻第6955号   
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(速報)
 クレディスイス、孫正義との取引を停止
  孫の絡んだファンド投資の失敗で、55億ドルの損失
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 クレディスイスがソフトバンク(孫正義)との取引を停止したとウォールストリートジャーナルが伝えた。同行は孫が出資したファンドなどへ巨額を投資していた。

三月に事実上倒産したアルケゴス事件をご記憶だろう。
複雑なコンピュータ取引を隠れ蓑に、世界の一流銀行、証券を、結局は騙していたアルケゴスは韓国系のビル・ホアンが経営していた。

最大の損害はクレディスイスで5900億円、ついで野村が3100億円、モルガン・スタンレーが1000億円、UBS(ユニオン・バンク・オブ・スイスランド)が930億円。三菱UFJ銀行は300億円の損失を記録した。

直前にゴールドマンサックスは全株を売り抜けていた。あざとい手口で、共同でリスク管理を提案していた矢先のことである。

 孫とクレディスイスは過去20年に亘って取引があった。アルケゴスへの出資失敗が引き金となった。
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    樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2242回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港124)

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 引っ越しといったところで人手は多く荷物は少ない。だからアッと言う間に終わり、1階の広東料理レストランで早目の昼飯となる。
 排骨、鮮竹巻、牛百葉、腸粉、蘿卜?、馬来?、鹹魚飯、叉焼包などを飲茶の料理を前に生力卑酒(サンミゲル・ビール)が進む。本来ならお礼をしなければならない身だが、この時も支払いは李さんではなかったか。

留学期間を含めに現在までの半世紀余を振り返って見ると、一貫して李さんのオゴリだったような。自慢にもならないが、この半世紀ほどでコチラが支払った回数は両手の指で数えてギリギリ。いやはや厚かましい限り。甚く反省し、内心忸怩たる思いに駆られはするが、やはり「慣れ」というものは空恐ろしいもの。
いつも支払いは李さんだった。

 部屋に戻ると、李さんは「何かあったら私に連絡を」とわざわざ大家に挨拶してくれた。
たしか林語堂に、「社会的経験からして中国人は実年齢より大人びている。だから『お若いですね』と言われるのを嫌う。『大人ですね』が誉め言葉だ」といった趣旨のエッセイがあったはず。李さんのみならず、黄さん、もう1人の黄さん、関さん、邱さん、梁さん、呉さん・・・誰もが同年輩のはずだが、たしかにズッと大人のような気がしたままだ。

大家は60歳ほどか。真っ白の頭髪を短く刈り込んだ細身で中背だった。大分若く寡黙で働き者のカミさんとの間に小学校高学年の娘と低学年の息子。大家は何軒かの貸家から上がる家賃収入と株取引で生計を維持していた。

 当時の経済界は上海系と潮州系が押さえていたが、大家は潮州系。とはいえ大物であるわけがなかった。じつは当時は文蔚楼でお世話になったSさんから、「潮州語は野蛮な言葉だ。広東人が『潮州音楽』と口にしたら、それは『オマエの言ってることは皆目わからない』という侮蔑だ」と聞いていただけに、潮州語は気にも留めていなかった。

 ところが人生は不思議である。後に潮州系が主流を占めるタイの華僑・華人社会に興味を持ち、多くの潮州系タイ人と知り合うようなった。
香港で、あの時、潮州語を真面目に習っておけばタイでの調査はもっとスムースに進んだろうに。後の祭りではあるが。

 大家で最も印象深いのがトイレだ。7時頃からトイレを2時間ほど占拠したまま。家族用のトイレは使わず、専ら下宿人のそれを使う。トイレで何をしているのか。じつはラジオと新聞と鉛筆を持ち込んでラジオの株式市況に耳を傾けながら、株の売買銘柄を思案しているのだ。当然のことだが真剣であり、この間はトイレのドアは固く締められたまま。

 一瞬のタイミングで先にトイレに入られると、こちらとしてはお手上げである。洗面も歯磨きも、ましてや用便も。そこで致し方なく、裏道を小走りで新亜研究所に向かうしかない。ヤレヤレ、ではあった。

四海保齢球場に向かって左側が梭椏道(SOARES AVE)で、そこに洗濯屋、肉屋、八百屋などが並んでいた。夕方、買い物客が集まる頃になると、どこからともなく肉や野菜を積んだトラックがやって来て、肉屋や八百屋の前で商売を始める。日本でなら「うちの店先で・・・」と喧嘩になるはずだが、平和共存状態で商売に励んでいるから不思議だ。

事の次第を尋ねると、大家は「不思議でもなんでもない。八百屋には野菜を求める客が、肉屋には肉が欲しい客が来る。だから客の求めに応ずるだけ。店が増えれば客も増えるのが道理だ。限られた客を取り合う訳ではない。これが互恵互利という商法だ」と。

トラック側は店舗にショバ代を払っているに違いないから、喧嘩にはならないだろう。
相互扶助で互恵互利。また一つ日本の学校では教えてくれそうにない中国文化──商人としての生き方──を学んだ。
勉強のタネはどこにでも転がっているらしい。改めて香港全体が庶民文化の生きた博物館、いやテーマパークだと気付かされた次第である。

   ★
 (宮崎正弘のコメント)文化が違うという実感がでていますよね。ところで潮州語、香港は圧倒的に潮州料理レストランですし、そもそも香港財閥一位の李嘉誠も潮州出身者でした。
十数年前に、その潮州市へ行ったときの強烈な印象とは、どの写真館も、飾ってあるのは李嘉誠の大きな額入り写真でした。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)中国が間接侵略して、事実上の植民地とした香港、次に狙う台湾は日本の命綱です。中国は侵略行為を「統一」という言葉で詐欺行為を働いて、香港を完全な属国にし、台湾狙っていますね。
 秦の始皇帝、チンギス・カーン、清の康煕帝などを中国の「統一」なしとげた英雄と讃えている中国の歴史教科書が「珍奇」です。
 他国が一歩でも中国領土に踏み込んだら「侵略」なのでしょう。
(野中雄介)

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(休刊予告)小誌は6月26日から30日まで休刊となります!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月19日(土曜日)
通巻第6954号   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜香港リンゴ日報、幹部逮捕という抑圧翌日、50万部が売り切れ
  香港ジャーナリスト団体は一斉に香港行政府非難
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 暗黒に曙光が射した。
 香港の街角でリンゴ日報は唸りを上げて、50万部を売り切った。
 17日早朝、リンゴ日報本社に香港警察500人が「乱入」し、書類やパソコンを押収し、資産凍結に踏み切ったため、発行の継続は不可能と言われた。

 リンゴ日報の社員はくじけなかった。押収されなかった旧型のパソコンをかき集め、あるいは自宅のパソコンから記事を作成して送信し、深夜まで作業が続いた。

この間、香港市民から激励の電話、メールが集中し、「発行したら家族、友人、近所に配布するので50部買う。おれは百部買うぞト鼓舞激励、深夜にリンゴ日報は通常部数の六倍にあたる50万部の印刷を決めた。
一部10香港ドル(140円)だから、50万部売れたとしても、全体の営業経費には覚束ないとはいえ、香港市民がいかに行政府に対して怒りを抱いているかが分かる。

 2020年8月のジミー・ライ不当逮捕翌日も、リンゴ日報は55万部を印刷し、売り切った。前にも書いたが中国共産党系の「文わい報」はコンビニでもまったく売れず、朝7時に主要駅党で無料配布している。

 6月18日の「リンゴ日報」に一面見出しは
 「国安警捜、拘五人──該報員工下、午後継続工作進加印刷50万部」
 リンゴ日報は資産を凍結されているため、印刷に必要な紙、インクなどの確保には市民と浄財が必要になったとしている。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 労働不足だからと「外国人実習生」を受け入れたら一割が行方不明になった
   われわれの税金で、外国人スパイを援助している日本政府は馬鹿の所業

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川口マーン惠美『無邪気な日本人よ、白昼夢から目ざめよ』(ワック)
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 それにしても白昼夢に七十五年も浸っているとは、人類史始まって以来の椿事ではないか。
 国防、医療保険、エネルギー政策、とくに発電などで、危機は目の前にあるのでなく、すでに危機の輪の中に陥落しているのが日本。だが多くの国民には、その認識がまるでない。
 トチ狂った左翼メディアの洗脳に、日本国民多数の脳幹が侵されてしまったからだ。
 いったい這い上がれる余地はまだあるのか。日本を救うには何をしなければいけないのか。
 ドイツと日本を往復する生活を送る川口さんは、自然にEU諸国と日本とを比較する目を培養してきた。とくにドイツのやっていることの矛盾、日本のノー天気な政治家のなかでも小泉とか管(直人)とか、IQが極端に薄い馬鹿が、まだ発言する機会があることに驚くのは当然である。
 評者(宮崎)、かつて小泉時代に鳥越俊太郎のラジオ番組で評価を聞かれたので「靖国神社参拝に100点。郵政改悪(民営化)にマイナス100点。だからプラス・マイナス零点」と言ったことがあるが、これは蛇足。
 さて本書で川口さんが抉り出す問題は多いが、とりわけ外国人の土地買い、それも水源地の森林地帯や離島を大量に購入している実態、ついで難民問題、エネルギー枯渇を目の前に太陽光パネルとはこれ如何にと鋭く矛盾を追及している。
 「日本の私立大学には、2019年だけで、国から総額3165億円もの補助金が給付されている」。
 しかし日本の十五の大学に設置されている孔子学院は「見直す」という提言が自民党内で囁かれている程度だ。
外国人技能実習生制度は、スキャンダルだらけだが、「すでに累計で一割近くの実習生が行方不明です」。
あまつさえ医療保険が悪用されている。外国人が日本の保険制度のうまみを知って、たかる術を覚えたからだ。
 ところが日本は「外国人登録法」を廃止した。外国人犯罪は増える一方となったが対策をまじめに取っているとは言い難い上、メディアは「人種差別」と騒ぐので、ニッチもサッチも行かなくなった。
 政治生命をかけて、問題に取り組む政治家は不在、次の選挙と公明党の票の前に、国を売る政策が次々と実行されているのに沈黙している。
 ドイツの背信行為はいまさら言うまでのないが、難民をあっけらかんと受け入れたメルケルにより、ドイツからは完全にアイデンティティが失われた。残っているのは反日感情と親中路線だ。
落ち目のドイツが中国のEVに取り込まれたのもフォルクスワーゲンのトヨタ敵視、ハイブリッドが最高と分かっていながら難癖をつけるのはトヨタ追い落としにあるのではないかと行間に示唆されている。
豊田章男社長が記者会見で、この危機を訴えても、メディアはゴミ記事扱いだった。トヨタよ、一層のこと、メディアへの広告出稿をやめたらどうか。
 日本がクリーンエネルギー政策を謳って太陽光パネルを推進しているが、これも自殺行為だろう。
 川口さんは問題点を明快にまとめる。
 「パネルには寿命があります。破損したりしたパネルは処分しなければなりませんが、中国製のパネルには、砒素やアンチモンなど有害物質が含まれています(中略)。太陽光パネルの寿命は風力の回天羽よりも短く、2030年後半に、日本では年間20〜80万トンのパネルが廃棄される見込みです。世界では500〜2000万トン。アンチモンは発ガン性が疑われ、砒素は毒性が高い。」
 周回遅れながら対策は緒に就いたばかりで、将来の経済のマイナス要因となる。救世主は原発でしかない。
 いま日本が抱える問題点をきれいに列挙し、やさしく解説してあるので、頭の整理が出来るのが本書の強みである。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)6月17日の宮崎先生のコメントに「雑誌『国の防人』(18号、令和三年六月発行)にも、『三島由紀夫と橘孝三郎の天皇論』を書かれ、そのなかで明確に『(三島が)女系天皇を容認した形跡はない』と断言しています」とあって、久しぶりに橘孝三郎先生のお名前聞いて懐かしい気持ちになりました。
 橘先生はわが家同様中野区在住でしたので、少年時代、この橘孝三郎先生宅に父のお使いで何度か行った記憶があります。
 全国愛国者会議の顧問勤めていらっしゃり、新橋の会合でご挨拶した記憶もあります。
「日中戦争時代の父・野中進一郎」。確認したら父からは橘先生は「刎頸の友」と聞いていたようです。宮崎先生のお蔭で懐かしい気分になりました。
(野中雄介) 

(宮崎正弘のコメント)以下のサイトですね。
https://plaza.rakuten.co.jp/shinichirononaka/

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(読者の声2)宮崎先生の著作のどこかに、香港のリンゴ日報のジミー・ライ(黎智英)との独占会見記があったと記憶しているのですが、どの御著書でしたか、読み直したいです。
   (TU子、横浜市)

(宮崎正弘のコメント)時期が時期ですので、じつは小生も捜しているのです(苦笑)。あれは香港返還直前に『諸君!』の特派で一週間ほど香港に滞在し、あちこちを廻りながら証券取引所、当時、香港野村にいたオーバーホルト(元ハドソン研究所)、香港中文大学の専門教授。香港デベロッパー二位のヘンダーソンランドや金大福の社長、政庁関係者から中国銀行のエコノミストなどに取材し、拙著にも、その『諸君!』に書いた記事を大幅に加筆して挿入したのです。
数ページのコラム欄を割いて、ジミー・ライ(黎智英)独占会見記をその拙著のなかに編集しました。ですから、96年以後、98年までの拙著のどれかです。後日、捜し出せたら、小誌に再録します。

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(読者の声3)昨日の日本文化チャンネル桜の「フロントジャパン」は、宮崎さんと葛城奈海さんの息のあったコンビで、バイデンの対中政策は『ザル』という総括。そのうえバイデンvsプーチンの米露首脳会談は『空疎』と一刀両断。
https://www.youtube.com/watch?v=V_RpuvU3-Yc
 たいへん参考になります。こういうアングルから国際政治を見ておられる人がいるのですね。紹介のあった御新著の『WORLD RESET 2021』(ビジネス社)を、さっそくアマゾンで予約しました。
   (NN生、前橋市)

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(読者の声4)三島由紀夫研究会「公開講座」のお知らせです。
6月公開講座は、信州松本の病院長であり、初代三島由紀夫研究会事務局長もつとめられたことのある三島由紀夫研究者である関健氏(せき けん)が講演されます。是非ご期待下さい。

日時   6月25日(金) 18時より
会場   アルカディア市ヶ谷(私学会館)JR/地下鉄「市ヶ谷」下車2分
講師   関健(せき・けん)、城西病院(松本市)院長、三島由紀夫研究者
演題   「自刃の思想」
参加費  一般2千円 (会員・学生は1千円)
     講師略歴 昭和24年生れ。長野県松本市出身。順天堂大学医学部卒。在学中に創設されたばかりの三島由紀夫研究会初代事務局長をつとめる。その後、医師、病院経営者として医療業務に従事する一方、三島由紀夫研究に力を注ぐ。現在は城西病院総長(長野県松本市)の職にある。著書に『三島由紀夫の世界 ー恋と死 ー附病跡学的考察』(秋津道翁の筆名による。SEC出版)他多数。
    (三島由紀夫研究会事務局)
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(休刊予告)小誌は6月26日から30日まで休刊となります!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月18日(金曜日)     通巻第6953号   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~香港は二度殺された。リンゴ日報は倒産の危機
  中国共産党を批判する言論は絶対に許さない
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 日本に当てはめると分かりやすい。
 左翼全体主義が権力を握れば、例えば「産経新聞」が外国勢力と与んで「間違った報道を配信し」、社会の安全を乱したとして、経営ならびに編集幹部を根こそぎ逮捕し、資産を凍結する。事実上の倒産に追い込むのだ。

 同時に中国共産党を批判する出版社、雑誌、テレビ・ラジオのミニ局、ネットメディアにも捜査が及び、「国家安全維持法」などという出鱈目な法律で裁判にかけられ、日本から
言論の自由が完全に消えてしまう悪夢。さしずめ小誌も廃刊に追い込まれる。

 このようにオーウェルが預言した、権力が言うがままの奴隷となるロボット人間社会=「1984年」状態が、いまの香港で実際に展開されている惨事である。

 2021年6月17日午前七時、香港警察は500人の警官を動員し、香港唯一の自由なメディア「リンゴ日報」本社を手入れし、経営ならびに編集幹部五名を逮捕した。
 張剣虹CEO、羅偉光・編集長、幹部の周達権、陳姉便、張志偉ら経営幹部らは「香港国家安全維持法」の第二十九条に違反し、外国ならびに外国機関と結託し、香港社会の安定を損ねた」などとする逮捕理由を挙げた。
香港警察国家安全担当の李桂華が記者会見で容疑を説明し、同社の資料ならびにコンピュータ38台を押収した。五人は別々の警察署に連行された。(註 陳姉便の「姉」はさんずい)。

 リンゴ日報の持ち株会社「壱媒体」は香港株式市場で、取引が成立せず、またリンゴ日報と関連会社の資産(およそ1億6000万円)が差し押さえられた。
 
 印刷所の資産も差し押さえられたため、リンゴ日報が発行を継続できるかどうか、絶体絶命の危機に立たされることになった。

 リンゴ日報は香港返還直前の1995年に創刊され、斬新なカラー印刷と共産主義批判の誌面がたちまち人気を博し、売り上げトップ、一時は週刊誌『壱』に加えて、台湾でも新聞と週刊誌を発行するほどだった。『壱』の紙媒体の発行は2028年に休刊となった。

 創設者のジミーライ(黎智英)は2014年の雨傘革命でも逮捕されているが、昨秋以来、拘留されたまま起訴されており、長期の禁錮刑と資産没収が行われた。ジミーの二人の息子も取り調べを受けた。

 これらは2020年7月1日から施行された自由民主弾圧強化法である「香港国安維持法」を全ての法源としており、ジョシア・ウォン、アグネス・チョウ(周庭)らの逮捕、拘留も、同様である。


 ▼香港にあった、あの闊達な自由は中国共産党によって殺された

 簡単に経過を振り返ると2020年12月に、香港警察は、まずジミー・ライを「詐欺罪」で別件逮捕した。契約と異なった使用をしているのが「詐欺」にあたるというイチャモンだった。

同時に国安法違反容疑だとしてリンゴ日報本社を捜索し、「外国勢力との接触」の証拠を見つけ出すためにジミーの保有するヨットまで捜査をすすめた。

香港行政長官は歴代、中国共産党の傀儡だが、香港の百万人デモ、一連の反対行動や抗議集会は、欧米の支援があると睨んでいるからで、事実、ジミーが渡米した折には、ペンス副大統領、ポンペオ国務長官が彼と面談しているのだ。

大量の民主活動家の起訴理由は「不許可集会を組織した」とし、とくにジミーが『香港民主化のイコン』として尊敬されているため、再逮捕、起訴。2021年4月に一年二ケ月の実刑判決を出し、ジミーの個人資産を凍結した。
この裁判では民主党元党首だった李柱銘らも起訴されており、執行猶予付きの判決が出た。

 G7(ロンドン、6月11日─13日)では共同宣言に「香港における人権、自由および高度な自治の尊重を求める」と銘記した。このG7宣言をあざ笑うかのように、中国共産党は香港の自由、人権、自治を殺した。

 欧米メディアは一斉にこの逮捕劇を報道し、「中国共産党の創立百周年を前に、党の権威を傷つけるような言論を封じ込めた」とした。しかし、日本のメディアの扱いは小さく、ワクチンと五輪報道の陰に隠れている。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ワクチン接種
「コロナワクチン」2回の接種完了。ファイザー社製だった。本件これで一応完了。手続き、つまり申込には苦労したが済んでしまえば結局どうということはなかった。
 これで自分ながらひとつヤマを越えた感じ。
 接種場所は私の居住地の近畿の某市立病院。病院正規の外来受付とは離れた急ごしらえの接種現場であった。検温・予約票含む種々の書類審査・体調等の相談コーナー・医師の予診・接種・接種後の健康観察・接種証明書と2回目接種予約票発行(これは1回目のみ)等々の作業が順に行われる。医師看護師のみならず多くの被接種者に対する説明案内等のために多くの要員が忙しく従事していた。
2回目の際、感じたのは接種会場の雰囲気。感じがすごくやわらかになっていた。慣れたこともあろうがみんなホッとしたのではないだろうか。TVのワイドショーでもそう漏らしていた出演者もいたようだ。
 考えてみれば、これはまれにみる壮大な国民的国家的行事なのだ。仮に1億2千万余の国民の半数が接種を受けるにしても膨大な作業であることは間違いない。動員される関係者・公務員(国家・地方自治体含めて)等々延べ数百万になるだろう。戦後初めてのことではないだろうか。まさしく国家的危機を乗り越えんとする国民の意志とみてよい。
 奥さんに手を引かれて杖をつきながらやって来た高齢者がスタッフに深々と頭を下げてありがとうございますといって去った。これにつきるのではないだろうか。もちろん問題は種々あるにしても。
(EF生)

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(読者の声2)「中国共産党成立百年抗議行動」のご案内
 今年7月、忌まわしき中国共産党が成立100年を迎えます。そこで、中共に対する抗議のデモ行進を行いますので、ご案内申し上げます。「打倒中国共産党」の旗の下、共に闘いましょう。
     記
中国共産党成立百年抗議行動
【日時】  7月11日(日)11時30分 集合
12時00分 デモ出発
【集合場所】三河台公園(東京都港区六本木4-2-27)
(中共打倒委員会)
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(休刊予告)小誌は6月26日から30日まで休刊となります!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月17日(木曜日)弐    通巻第6952号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「注視」するだけ、売買停止命令は曖昧、実質はザル法ではないのか
   「重要土地取引規制法」、国会が未明に可決・成立
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 6月16日未明、国会は「重要土地取引規制法」(いわゆる「外国人土地規制法」が改称され骨抜きとなった)をなんとか成立させた。
 国家の安全保障にかかわる重要案件だが、数年にもわたって議論され、あげくが、このザル法?

 たまたま国会議員開館前を通ったら、数十人が「反対」と叫んで座り込んでいたが、どうも組織動員された活動家ばかりのようだった。

 「重要土地」とはずばり自衛隊基地や原子力発電所、水源地、橋梁などだが、新法では単に「注視区域」と「特別注視区域」に分けられ、前者は「土地所有者」や「利用実態」を「調査」するだけ。後者は「土地売買に事前届け出」を義務つけた。
 「禁止」させることは出来ないのである。

 そのうえで、「施設の機能を妨害する行為があれば利用中止勧告・命令が出来、刑事罰が適用される」(罰則は懲役二年以下、罰金二百万円以下)となっている。
 「勧告」だけで、刑事罰も軽すぎないか。

 近年の妨害行為はハッカーに加えて電波妨害、ラインの寸断など、すでに一般国民の生活レベルでも起こっている。
とくに北海道では水源地の森林が買われ、対馬では自衛隊のレーダー基地地区の土地が韓国資本により買収されている。
山梨県の富士山側のホテルは五軒が中国人経営である。

 米国は「外国投資リスク審査現代化法」を制定し、CFIUS(対米外国投資委員会)の機能強化に踏み切った。
豪は「事前承認」を義務づけたばかりか、「中央政府の方針とは異なって地方政府が売買した場合、それを無効に出来る」法律を作った。
英国も事前届け出を義務づけた。
 いずれの国でも中国人の不動産投資が熱狂的に活発化している。

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム 
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 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港123)

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 香港でなければ出会うこともなかったに違いない田中さんとの一件があった少し前のことだったと思うが、住み慣れた文蔚楼24階の下宿を引き払うこととなった。それというのも同室のTさんが新亜書院を卒業し就職することになったからだ。

 日本風にいうなら4畳半ほどの部屋に机が1つに鉄パイプ製2段ベット。下段がTさんで、上段が我が居所。1か月300ドル(当時は1HKドルが60円ほど)の家賃を2人の「専有面積」の割合で分担していたから、Tさんが抜けたら1人で払うことになる。それに大家のSさんは価格調整、つまり値上げをしたいらしい。費用対効果に加え同じ場所に長く住み続けるのも芸がなさすぎる。そこで思い切ってSさん宅を出ることにした。

 中国語個人教授の甘先生に相談すると、早速、知り合いの不動産屋を紹介してくれた。
 数日後、その不動産屋に連れられ物件を見て回った。
 最初に案内されたのが、九龍(割譲地)と新界(租借地)を限る界限街(BOUNDARY St.)の外側、つまり新界側で、九広鉄道が界限街を跨ぐガード近くの旧い4階建ての洋館の2階、いや3階であったか。旧いだけあって内装も「コロニアル風」で雰囲気は良かったが、なにせ水回りが悪い。つまり大家一家がダラシナイ。それに家賃が高すぎた。

 次に案内されたのが尖沙咀の漢口道の旧いビルだった。何階だったか記憶はないが、不動産屋は、「繁華街に近いし、そのうえ家賃はバツグンに安い。掘り出しモンだ」と。
 その部屋に入って驚いた。錆びついた鉄パイプ製ベットに小さな机が1つ。やけに暗い。

暗いはずである。壁に40センチどの小さな窓が1つあるのみ。そのうえ、日光が射し込まないから部屋の空気がカビ臭くジメジメと澱んでいる。これでは冗談でなく酸欠状態になりかねない。ブチ込まれた経験はないが、日本の拘置所の方がマシだろう。家賃は確かに安かったが、香港までやって来て、こんな酷い環境で生活することもないだろうに。

こちらの不満気な顔を見たからだろう。不動産屋は「ならば少し高いが次に行こう」。
 向かった先が窩打老道(WATERLOO Rd.)に面した小奇麗なビル。名前は「冠華園大廈」だったような。一階には広東料理のレストランと香港上海匯豊銀行の支店があり、道路を挟んだ向かいに四海保齢球(ボーリング)場があった。

 20階より上の高層階だったように記憶しているが、エレベーターを降りると気のよさそうな大家が迎えてくれた。ドアを開けると、そこが10畳ほどの広さのリビング。陽射しがいっぱい差し込み、部屋全体を明るくする左側の大きな窓の向こうには、閑静な住宅地で知られた何文田地区の高級マンションが望める。右手が台所に大家一家の住む部屋、リビングの角が短い廊下で、その左右に4畳半ほどの部屋。左手前角にバス・トイレ。

 どちらの部屋も空いているとのことだが、やはり右手の部屋の方がいい。鉄パイプ製ベットが置かれていたが、これが新しい。そのうえ窩打老道側に向いた広い窓からの眺めがバツグンだった。視界に高層ビルは見当たらず、大帽山に続く新界の山並みが見えた。不動産屋の言う通り「これ以上の好物件はザラにはない」。だが、ネックは家賃だ。 

やはり高い。だがモノは考えようだ。子供たちに教える時間も増えたし、生活全般をさらに節約すれば払えない金額ではない。裏道を使えば新亜研究所まで歩いて行けるから交通費が浮く。それに下町の繁華街でもあった旺角地区にも近い。同地区の山東街や洗衣街には馴染の古本屋が店を構え、歩道には屋台が軒を並べB、C級グルメのテーマパーク然とした街並みだ。
それに格安の映画館も。「総合的・俯瞰的」に考えるなら、ここしかない。

 引っ越しは、李さんや黄さん、それに梁さんなど第一日文の学生が手伝ってくれた。2つ折りにして丸めた中国式の薄い布団、それに李さんが調達してくれた小さなタンスに折り畳みの書棚に机などを黄さん運転のトラックに積み、住み慣れた文蔚楼を後にした。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)過日(15日)の「宮崎正弘の生インタビュー」(未来ネット)で、門田隆将さんと「女系天応論」議論がありました。
 そこで生前の三島由紀夫とおつきあいがあった宮崎さんにうかがいますが、三島由紀夫は「女系天皇」を容認していたという議論を時折、耳にしますが、実相はどうだったのですか?
   (SI生、茨城)

(宮崎正弘のコメント)容認していた形跡は欠片もありません。
三島さんの『文化防衛論』を精密に読んでも、女系容認に結びつく言葉はありません。ただし楯の会になかに憲法研究会があって、阿部勉氏が座長で18名が参加しておりました。何回か議論を行ったことはありますが、初回に三島の方向性が述べられているだけで、あとは会員だけ。しかも事件後はひられておりませんし、毎回出席していた森田必勝氏は議論には加わらなかったという証言もあります。
 この事案は、楯の会一期生だった篠原裕氏が『三島由紀夫研究』の最新号(令和三年五月発売号)にかなり長い論文を書かれており、また雑誌『国の防人』(18号、令和三年六月発行)にも、「三島由紀夫と橘孝三郎の天皇論」を書かれ、そのなかで明確に「(三島が)女系天皇を容認した形跡はない」と断言しています。

   ◎☆◎◎ど☆◎□☆く□◎◎☆し◎◎□☆や◎☆◎◎  



(50分以降~がオススメ👇 最後の方の放射能汚染・中国産鰻の話も恐ろしい…)


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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月17日(木曜日)   通巻第6951号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~バイデンv プーチンの首脳会談で何の成果があったのか?
  両国は「大使」を戻し、捕虜交換、START交渉を始める、の三つだけ合意
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 ジュネーブ入りするプーチン特別機はスイス空軍機が護衛した。しかしスイス高官との会合は、プーチンがやんわりと拒否した。
 
 英国でのG7、その拡大会議を終え欧州入りしていたバイデンはEUとの会合、ついでNATOとの会合を終え、ジュネーブ入りした。この一連の西側の会議は、かなり大きな成果をあげたといえる。EUは中国への警戒心を強め、制裁にもある程度の同調を示した。
 NATOでは、中国を体制上の脅威とみなすことで合意している。

 6月16日、米露首脳はそれぞれがスイスへ集まった。
バイデン政権発足以来、初めての首脳会談が開催され、延々と五時間(撮影と休憩を挟み)行われたが、共同記者会見はなかった。それぞれが別途に記者会見しただけ、つまり成果は殆どなかった。
 
 合意に達したのはバイデンが「人殺し」とプーチンを罵ったために、ロシアはただちに駐米ロシア大使を召還し、駐モスクワの米国大使も引き揚げていた経緯があるが、両国は大使をもどすことで、まずは合意した。

 次に捕虜交換(これも首脳会談にはつきもの)、さらに五年間延長した新STARTの次の交渉の準備にはいること、ついでサイバー安全保障についての両国の会議を開催することで合意した。

 ロシアは「ハッカー攻撃でコロニアルパイプライン社が身代金を支払って困惑した」とする米国の抗議に「ハッカー犯罪はロシア政府とは無関係。言いがかりだ」と反論した。

この問題では平行線。人権、とくに反政府運動のナバルヌイ釈放に関してプーチンは「かれは法律を犯したのであり、公平な司法解決に委ねている」と、これまた米国の民主化要求を突っぱねるかたちとなった。

劇的な成果ははじめから期待されていなかった。ともかく「会うことが重要なのだ」とプーチンが言ったように、お互いはギクシャクしながらも腹の探り合いとしてという殊だろう。
   ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎   
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~皇位継承議論が、基礎から歪んだのはなぜ?
  歴史の教訓にわたしたちは学び直す必要がある

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青山繁晴著、ヒロカネ・プロダクション画。新田均(皇學館大学教授)監修
 『誰があなたを護るのか ーー不安の時代の皇(すめらぎ)』(扶桑社)
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 左翼メディアと、GHQが残した洗脳装置=WGIP(ウォー・ギルド・インフォメーション・プログラム)を奉ずる「敗戦利得派」の残党たち、そしてグローバリズム集団が仕掛けているのが「認知戦争」(COGNITIVE WARFARE)と言われるもので、突拍子もない非論理を駆使して、正統な議論の前提を壊し、概念を構成する基盤を交換する策謀(中国のいう「超限戦」)である。
 相手の脳幹を取り替える陰謀とも言える。思考回路の前段を変え、意識の形成である認知力の隙を衝くのだ。
 この典型が「愛子天皇」「女性宮家」という日本破壊の議論であることは保守の人なら知っていることである。世論調査は、或る意図を持って「情報操作」されているのが常識だが、じつに七割ちかい日本国民が「愛子天皇でいいじゃん」となっている。
 すなわち立太子、皇嗣がおられ、旧宮家の系統をたどれば、七人の後継皇族候補があられるのに、世界世論だからといってジェンダー問題、男女同権にすり替えている。そのうえ諸外国の国王制度は女王が多いと、覇権国家と万世一系を意図的に混同させている。悪質である。
 このマス、つまり「ものを考えない人々」の迷妄を開かせるにはどうしたらよいか。そこで発企され、編まれたのが漫画による入門書だった。
 本書はじつに巧く組み立てられたストーリーで出来上がっていて、中学生、高校生読ませたい。評者、さっそく孫に送った。

 現在の「有識者会議」は聞き取りを終了した段階だが、議論されたであろうトピックの一つは継体天皇であろう。
 この個所が本書の肯綮、下記にダイジェストする。
 第二十五代武烈天皇の早世により「天皇空位」となった。皇位継承者として発見されたのは第十四代仲哀天皇の五世孫、倭彦王である。ところが迎えに行くと、大勢の行列を前におそれをなして山中に逃げ、行方不明となった。
 そこで次の皇位継承者は、仲哀天皇の皇子、第十五代の応神天皇の五世孫、オホドだった。オホドは「越前の開祖」として広く産業を興し、渤海との交易による経済力と財力を背景にしていた。「越前」は「高志国」の玄関口に位置し、良港と言われる敦賀がある。敦賀から、神功皇后は新羅征伐に出航した。凱旋後、筑紫の宇美で応神を出産し、凱旋の帰路を待ち受ける反対勢力を平定し、その後、建内宿弥をして高志の敦賀に皇子(将来の応神天皇)を派遣し、禊ぎをさせたことは古事記に出ている。
 大伴金村と物部アラカイが迎えに行くと、オホド王は「天子の風格」があり、すぐには承諾しなかったが、やがて決意し、葛葉宮(枚方市)で即位した。五年後、山城に都を移し、さらに七年後に山城の乙訓(長岡京市あたり)、十九年後に玉穂宮(桜井市あたり)に入った。
漫画は以上で終わるが、じつはそのあとの継体天皇の事蹟を追うことも重要である。
継体天皇二十一年(527)に磐井の乱が勃発し、大兵団を筑紫に派遣して制圧した。十九年間も大和に入れなかったのは近畿豪族の反対が強かったという説が有力だが、葛葉宮の位置から地政学的に判断すれば、琵琶湖、淀川水系の要衝であり、一方で西国には剣呑な空気があった。その対応だったと解釈するべきではないか。
とくに磐井の乱は、新羅との複雑に絡み合った国際関係が背景にあり、単に継体天皇の治世に歯向かったのではなく、大規模なクーデター未遂であった。
当時の国際情勢を勘案すれば、オホドは近畿豪族と巧みに均衡を図りながら、西国の諸事情に通じていて適切な手を打たれたのである。

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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) 宮崎さんの「生インタビュー」(未来ネット)の毎月一回の対談シリーズを拝聴していての感想です。
 6月15日のゲストは門田隆将氏でした。たいへん有益で、とくにお二人が女系天皇問題にも言及され、継体天皇のケースでは5代溯り、そこから5代目の孫で、越前王だったオホドが、第二十六代天皇に即位された経緯など目から鱗でした。つまり皇位継承は、いまげんに立太子がおられ、皇嗣がおられるのに、意図的にお世継ぎ議論をするのは左翼の陰謀以外の何ものでもないといわれたのは膝を打ちました。
 ところで、次のことを申し上げたい。
 この未来ネットの「宮崎正弘の生インタビュー」シリーズを、老生は最初から楽しみに見てきております。初回の高山正之氏から加瀬英明、乾正人、渡邉惣樹、許世偕、近藤大介、廣瀬陽子、中村彰彦、三浦小太郎の各氏がゲストでした。そして今回の門田隆将の各氏。十回こなされて、さらに続くでしょうが、このDVDをダイジェスト版で製作されるとか、あるいは、活字にされて対談集として出版されるとか、記録としても十分読み応えがあると思いました。
  (GH生、茨城)

(宮崎正弘のコメント)過分な御評価ありがとうございます。ただ、お気づきのように、これらはほぼ全て時局、政局が話題です。つまり時局ものは、激動する情勢の変化によって、情報の鮮度は長くて半年が寿命であり、活字化はとくにむずかしいでしょうね。
 原稿が完成して、実際の本になる迄に最低3ケ月。常識的には半年。つまり活字で世に出るころには時局、政局は激変しているでしょうから。

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(読者の声2)いつぞや宮崎先生がラジオ番組で「古墳時代に佐渡に漂着した未知の民族ミシハセがいた」と発言されていましたが、耳で聞いただけなので、このミシハセとは、何のことが、ずぅっと気になっていました。
 敢えてうかがいます。
    (DD生、長崎)

(宮崎正弘のコメント)ミシハセは「粛慎」と宛て字します。そもそも、如何なる種族だったのかは謎で、『日本書紀』の欽明天皇の項に曰く。
 「十二月に、越国言さく。『佐渡嶋に北の御名部の崎岸に、粛慎(みしはせ)人有りて一船舶に乗りて留まる。春夏捕魚(すなどり)して食に充つ。
彼の嶋の人、人に非ずと申す。また鬼魅なりと言して、敢えて近つかず。嶋の東の兔武邑の人、椎子を採拾ひて熟し喫まむと為欲ふ。灰の裏に着きていりつ。其の皮甲、二の人に化成りて、火の上に飛び上がること一尺余許。(中略)『この邑の人、必ず魅鬼の為に迷惑はされむ』といふ。久に有らずして言うことの如く、其れ抄掠めらる。是に、粛清人、瀬波河浦に移り就く。浦の神厳忌し。人敢えて近付かず。渇えて其の水を飲みて、死ぬる者半に且す。骨、厳岬に積みたり。俗(くにひと)、粛慎隈と呼ふ』」(岩波文庫『日本書紀』、第三巻284p)
 歴史学界では、どうやらツングース系の漂流民とする合意があるようですし、蝦夷征伐の途次、阿倍野比羅夫が、これを退治し、首魁を都へ連れかえり、饗応したという記録もあります。

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(読者の声3)電気自動車の普及に関し、KM氏とPB氏で意見が割れました。片や日本はいつものガラパゴスでEVに乗り遅れて自動車産業が没落、いっぽうはEVの覇権など怪しいという御意見。
 トヨタはドイツなどが急速にEVシフトする傾向に危機感をおぼえ、その卓越したハイブリッド技術を公開、どんどん他社に使わせてハイブリッド勢力の伸長を企図した。それでも世界はEVに向かっているのは個人的には残念ですが、最も残念なのはガースー首相はじめ日本政府の姿勢。
 なにやらCO2を減らすとかいう意味不明な目標を立て、日本もEVシフトすると宣言。
 トヨタの社長が激怒するのも無理もない。本来なら政府はトヨタとがっちり手を組んで世界にハイブリッドの優秀性をアピールし、少なくとも急速なEV化にブレーキをかけるべきでしょう
 もしEVをゴリ押しするなら、原子力発電所の増設は避けて通れない筈だが、誰も原発増設はおろか再稼働の話すらせず、自然エネルギーとかのお花畑な話ばかりが聞こえてくる。EVと原発推進は表裏一体の筈だが、日本政府は何故ここを誤魔化すのか?
 私が言いたいのは将来的には不可避と思われるEV化への時間を出来るだけ遅らせ、世界中にハイブリッドを売りまくり、その間に現状のEVの問題点を全て解決するよう研究することです。むろん、より安全で高効率な原発の開発も含みます。超電導リニアを作れる日本人なら出来るでしょう。
 今はまだ問題だらけのEVを性急に押し進めれば人類は必ず大きな災厄に襲われると思いますね。
 それにしてもEV推進の頂点が「絵に描いたような理想を歌いあげて邁進するド イツ人」であることに不安を憶えます。
クリーンディーゼルなる美味すぎる話が実現不可能なのに、あたかも実現しているかのように検査結果を偽装し、結果として欧州全部の空を汚したのもドイツ人でした
少し前まで英国や欧州に行くと日本より空気が汚いのが実感され、その後ドイツ車のディーゼル詐欺が暴露されるに及び、その理由に納得したものです。本日の結論はPB氏、KM氏、どちらにもちょっと賛成、ちょっと反対です
(Stratocaster)

(宮崎正弘のコメント)拙著新刊『WORLD RESET 2021』(ビジネス社)で、小生も書きました。EVは中国とドイツの陰謀、フォルクスワーゲンのトヨタ潰しでしょう。
 2050脱炭素なんて出来るわけがありません。これはグリーンなんとかプロジェクトを言いつのっている利得組みの最大の利権です。

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(読者の声4)貴誌通巻6949号(読者の声2)に掲載して頂いた拙文に対して、同第6950号(読者の声3)で想定外に「(椿本祐弘)様」から「お答え」なるものを頂きました。感謝、感謝。まずは、「当方についても、一部知人から、実名を使って投稿するのは避けた方がよいという忠告も受けているのですが、小生は、死も遠からざることを日々に自覚する「キチガイ老人」そのものであり、いまさら隠れることもないという開き直りにより、実名で投稿しています」との御決意に素直に敬意を表します。
通常実名で投稿される方は、既に政治や文筆活動で何らかの実績がある方々か、非常に目立ちたい人かなと、俗人は勝手に考えておりました(笑)。一応誤解の無い様に言っておくと、拙文中で「(椿本祐弘)様」を客体として「キチガイ老人」と言及したつもりはありません。あくまで、おらの心の鏡の中で映った主観を表現したまでです。だが、そういう「キチガイ老人」なら悪くは無い(笑)。

 さて、その「お答え」の中身ですが、趣旨からずれた感じがします。まず、「(道楽Q)氏から、 小生の投稿についての言及がありましたので、正直なところ「連投」を避けたい」との箇所ですが、拙文を良く読んでもらえれば、それ自体を批判してる訳でなく描写していると分かると思います。問題はそこでなく、数多の週刊誌が現時点で眞子内親王殿下の婚約内定者の「KK氏」を批判している中で、わざわざ保守系高級メルマガ誌で同じ事を繰り返し書く必要があるのかとの疑問です。
「(椿本祐弘)様」は法律にお詳しいのか、民法上(天皇陛下以外の)皇族といえども婚約等で一般国民と平等に扱われるとの御指摘。ならば、眞子内親王殿下が週刊誌に誹謗中傷された場合でも、普通に刑法で裁判でもすれば良いではないかとなる。だが、お立場上そう簡単にはいかない。
 次に実に下らないが、「「KK」と呼ぶのは、「おらの知る限り旧皇族竹田宮家の竹田恒泰氏のみです」ということですが、You Tubeで、KKという略称を真っ先にかつ頻繁に使われているのは、「篠〇常一郎」氏でしょう」と後文で前文を否定する形になっています。これに関して、おらには事実確認する術がありませんが、事実を主張なさるなら、竹田恒泰氏が最初に「KK」と使ったメディア及び日付と「篠〇常一郎」氏のそれとを書いていただきたい。
そうすれば、分かりの悪いおらでも充分に理解出来る。強弁は必要ありません。
 あと、「KK氏」と眞子内親王殿下との婚約の内定についてですが、「婚約の内定は内定に過ぎず、婚約そのものではない」というのが普通の理解。それを「婚約の内定は内定である、と同時に婚約そのものである」とか、「婚約の内定は婚約の内定ではないが、婚約そのものである」とか、「婚約の内定は婚約の内定でも、婚約そのものでもない」と理解するのは、「赤は赤で白ではない」という常識が、「赤は赤である、と同時に白である」とか、「赤は赤ではないが、白である」とか、「赤は赤ではないが、白でもない」と言うようなものです。
わざわざ、つまらない法律解釈を持ち出すまでもないと思いますが。
 それよりも重要なのは、婚約の内定とはいえ前帝つまり上皇陛下の「裁可」が「KK氏」と眞子親王殿下に出ている事だと思います。

戦後の法体系では天皇陛下の裁可は法律上の効力を何も持たず、「(椿本祐弘)様」などからすれば、全く価値の無い戯言にしか聞こえない事でしょうが。
結局法律論を突き詰めれば、秋篠宮皇嗣殿下が渋々お認めにならざるを得なかった様に、「結婚は両性の合意のみに基づく」という現行憲法24条に行き着く
のであり、皇族ですら口を出せないのに、当事者でも無いものが何を反対するのだろうという結論に帰結する。その法の意味を最も熟知しているのが、まさに「KK氏」であり母親の小室佳代でしょう。最後に、「(椿本祐弘)様」の「この問題については、もう少し本質論として述べたい点があるのですが」という言葉に一抹の期待をして、この低レベルの話題は打ち止めにしましょう。ご回答は結構です。乱筆乱文をお許しください。
  (道楽Q)

(編集部より)御指摘のように、この議論は打ち止め、ということで。
    ◎☆◎◎ど☆◎□☆く□◎◎☆し◎◎□☆や◎☆◎◎    
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(休刊予告)小誌は6月26日から30日まで休刊となります!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月16日(水曜日)   通巻第6950号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国原子力発電所で放射能が漏洩か
  中国が否定する前にフランスが「事故ではない」と会見
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 6月15日、中国広東省の台山原子力発電所で、放射能漏洩があったと米国メディアが伝えた。
 位置的には広州市の南、もちろん原発は海辺に位置する。もし漏洩が危険なレベルで、そのうえ偏西風が強いと、すぐに香港、そして台湾へ流れ出す。

 中国は現在、三十一基の原発を稼働させており、海南島に3基、広東省に数基に加えて福建省(四基)から山東(参基)、遼寧省に四基と沿岸部に点在する。
 それにくわえて、二十三基の原発をあらたに建設中である。

 (物騒な話だなぁ)。日本との距離から言えば、これらの全てが偏西風にのると、日本にやってくる。そのためか、日本は7ケ所に放射能を計測するモニタリング拠点を設けている。

 さて中国はもちろん「安全は保たれており、事故ではありません」と否定したが、その前にフランスが「事故ではない」と声を挙げた。
なぜ? 調べると当該原発はフランス製、しかもメインテナンスはフランスの「フラニトム」社が担当していた。

 日本の福島原発の「処理水」を「汚染水」とイチャモンを就け、いまもって福島産の農産品を輸入しない。ところが、自国の原発事故となると、すぐに安全ですと断定的なのは、政治宣伝のうまさに卓越していることを示唆する。日本はメディアの過大で誇張の夥しい事故報道によって、次世代エネルギーの根幹を奪われた。
   ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎   
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) トルクメニスタンと中国の不思議な関係、旧ソ連圏は概ね世俗化しているのでアルコールが飲めるのはわかる。個人崇拝もソ連のスターリン時代や中国の毛沢東神格化を思えばどうということもない。
 スターリンとトロツキーの関係など学生時代に無理やり民青に引っ張られ、1ヶ月でバカバカしくて抜けたので深く考えたこともなかった。
共産勢力のなかではトロツキーの世界同時革命が本流、なのでスターリンのソ連はけしからん、とコミンテルン由来の共産党がソ連批判をしているのはわかった。
 いま読んでいるブログにある「 ラコフスキー調書」というのが面白い。トロツキー派が闘争に破れたあと1938年のトロツキスト裁判で死刑を待つばかりのラコフスキーが取調官に語ったとされるもの。ユダヤ革命の内幕、独ソ不可侵条約の提案などイギリスのスパイ小説のような趣もある。
https://satehate.exblog.jp/10815933/
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/urashikan/top.htm

 ロシア革命でスイスから送り込まれたレーニンとニューヨークから送り込まれたトロツキー。豊富な資金力と将来の地位の約束で白衛軍を寝返らせたトロツキーはレーニンの後継者確実。レーニンはロシアの革命が成就したあとはドイツの革命を支援するはずがロシア革命で満足してしまった。
さらにレーニン死去の際、トロツキーは病気になりスターリンに後継者の座を奪われる。計画がくるった資本家はスターリンに対抗するためヒトラーを育てる、といったように、資本家・銀行家は対立する双方に資金を提供する。神輿は軽くて馬鹿でも実権を握ると強いですね。
 家族やキリスト教文化を破壊され国の存立すらあやうくなったソ連が、ユダヤの過激な政策を修正しドイツとの戦争では正教の聖職者を活用したからこそスターリンがロシアで一定の崇拝をうけているのかもしれない。
ブレジネフ時代が外から見れば停滞かもしれないが、ソ連にとっては安定だったというロシア人の声もある。
 ソ連の失敗をもとにフランクフルト学派のやり方でLGBTが猖獗を極めているのが欧米でしょうか。ニュージーランドでは元男性の重量挙げ選手が女子としてオリンピック参加など馬鹿げたことがおこっている。
 アメリカではコミックがポリコレで衰退し、日本のマンガが伸びている。
フランスでは300ユーロのクーポンを若者に配布したら日本の漫画が大人気。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1200F0S1A610C2000000/
https://hosyusokuhou.jp/archives/48904860.html

 日本は囲碁や将棋などプロは年齢関係なし、漫画も鬼滅の作者が女性だったり実力勝負。日本の少年漫画は1980~90年代は高橋留美子のらんま1/2や鳥山明のドラゴンボールでおっぱいがでてくるのは普通だった。
少年誌ではいまでも女湯をのぞきにいって返り討ちにあうのはお約束。青少年のスケベ心を刺激しつつ、露出がどうこうではなく話の面白さで読ませるのが重要なのでしょうがキリスト教国には難しいでしょうね。
  (PB生、千葉)

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(読者の声2)(読者の声)テスラ vs トヨタについて。日本の鎖国的情報空間は近年さらに強化され、特に都合の悪いこと、怖い事、聞きたくない事、などは排除し、日本の良い事を、強調して報道する傾向がある。
それは戦中の「連戦連勝」という嘘に騙されていた状態に似ている。
しかも敵の能力を嘘と知りながら過小評価する。近年では、数十年間も支那や韓国の能力をバカにして、彼らの現実的、膨大な努力や、かつていかに日本が成功、失敗したかの研究、などを無視し、その結果が「失われた10年」が今30年になる。
 明治維新の際、日本の指導者は真剣に現実と真実を認識し、正しく勇敢に行動して、世界に追いつき、追い越した。しかしそれは1970年代には機能しなくなった。
つまり優秀な官僚による、正しい指導が不可能になった。今の世界は東大卒の素人の受験生官僚が理解、予想、出来ない。自己の不能を認識する。国家に貢献するどころか、彼らの指導の結果が常に「負の結果」をもたらし、自己の荒廃、腐敗が始まる。
「ノーパン・しゃぶしゃぶ高級官僚」寄生虫、売国奴に成り下がる。

 多様性の必要性とは、「多数派は必ず間違える」という認識を基にしている。それ故に、報道機関の最大の任務は、「権力の批判」ではなく、「多数派の誤謬を指摘」することにある。NHKも朝日もマス・ゴミ全てが、一番大事な時に、権力の家来になり、「協調・迎合・賛同」してしまう。
それが、最大の問題、敗戦、国家の劣化・貧困化、に繋がる。
 世界の常識は日本の非常識、と言われる。EVはICEを凌駕する、と世界は認識し、その動きは止められない。かつて石炭産業が日本の華であった頃、日本は官民挙げて、莫大な税金を費やして石炭使用を強制したが、結局膨大な無駄に終わった。
世界はとっくに石炭から石油に移っていたが、報道機関、政府は既存の会社、雇用を護るため最後まで戦った。当時の都会の空はドス黒く、住民の肺は煤煙で恒常的に汚染されていた。(この状態は現在の国民の命、健康、を犠牲にし、武漢菌対策なる「嘘」を強要、と同じ)
 最後の砦、「ものづくり」で生き延びよう、という日本が、トヨタが、再び同じ過ちをおかさないことを祈る。
 断じて官僚主導の「観光立国」などという後進国の「過去の遺産」で生き残る、という消極的・自虐的な計画はダメ。
それこそがGHQの意図した「ゲイシャ・すき焼き・フジヤマ」のあるべき日本。私見によれば、日本人の頭脳、知恵、知識、教育を決める文科省とNHKが存在する限り、日本、日本人の劣化は止まらない、つまり、世界に太刀打ち出来る人材が製造されない。
旅館の番頭、料亭の板前、支那語のできる通訳、嘘のような事実は、日本の中学校で支那語を必須科目に。自ら属国化を率先している。
(KM生)


(宮崎正弘のコメント)小生の持論は「イーロン・マスクは高転びに転ぶ」です。
 ところで御説をうかがいながら大川周明の次なる文章を思い出しました。
 「(朝鮮の人々は)シナが盛なりし間はシナの意を迎えていたけれど、三国以来の混沌にシナの対外発展中絶するに及び、今度は吾国に対して服従的
態度を採り、少なくも南鮮一帯は吾が勢力範囲に帰した。その地理的不利より来れるかくの如き不幸なる運命は、朝鮮の民族性を傷なわずには置かなかった
(中略)。シナ人もまた、三国以来乱利離を極めし故国を去りて、吾国に帰化する者が多くなった。彼らが朝鮮人以上に尊敬せられ、従って社会的・政治的に
好待遇を与えられしことは言うまでもない。それらのうちには、秦の始皇帝の裔と称する融通王の如く、百二十余県の民を率いて帰化せる者あり、雄略天皇の
時代にはその人口が一万八千を超えた。また後漢の霊帝の裔と称する阿知使主も、十七県の民を率いて帰化し、魏の文帝の裔と称する安貴公も、多数の人々を率いて帰化した。これらの帰化人は、工芸技術の教師として、殊に秦漢帰化人は養蚕及び機織の教師として、吾国の文化に貢献するところが多かった。朝廷に於いて学問を奨励し、諸国に記録の官を奧に及んで多く彼らが之に任ぜられた」(大川周明『日本二千六百年史』、毎日ワンズ)

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(読者の声3)貴誌6月15日付通巻第6949号「読者の声」で(道楽Q)氏から、小生の投稿についての言及がありましたので、正直なところ「連投」を避けたいということもあり、しばらくは投稿を抑制したいと思っていたところでしたが、とりあえず、お答えをしたいと思います。
 まず、「KK」と呼ぶのは、「おらの知る限り旧皇族竹田宮家の竹田恒泰氏のみです」ということですが、You Tubeで、KKという略称を真っ先にかつ頻繁に使われているのは、「篠〇常一郎」氏でしょう。イニシャルを使ったのは、本メルマガに少しでも迷惑がかかることがあってはならないという気持ちからです。 
 なお、当方についても、一部知人から、実名を使って投稿するのは避けた方がよいという忠告も受けているのですが、小生は、死も遠からざることを日々に自覚する「キチガイ老人」そのものであり、いまさら隠れることもないという開き直りにより、実名で投稿しています。
 さて、「婚約」という用語ですが、(皇族に民法等が適用されるかという問題はさておき)「婚約とは、将来結婚するという約束であるから、合意だけで成立する」(内田貴『民法4
』)ことは明らかですし、両当事者の記者会見も行われており、女性側御両親も記者会見などで言及されておられますから、民法的に言って(少なくとも当事者間では)「婚約」がなされていることは否定しがたいところでしょう。
 なお、結納の法的性質については、最高裁は「婚約の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与である」(昭和39年9月4日)としています。
「納采の儀」をそのまま民法的に解釈することは乱暴だとしても(ただし、納采は一般社会で行われる結納の起源と言われる)、あくまでも、結納は「婚約の成立を確証」するものであって、婚約が(少なくとも当事者間では)「成立」していることを前提とするものです。
 「納采が済むと、これを祝賀するために納采を寿ぐ宴会が開かれ、出席者は納采を祝福する」(Wiki)ということで、「納采の儀」については、「婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする」という意味が重要になるでしょう。
 すなわち、「納采の儀」も経ずに結婚された場合は、天皇、他の皇族方との交誼を(双方的に)拒絶または忌避してしまうことにもなるのではないか。
 (道楽Q)氏は、「『皇女の婚約を取り消す』など大変な事で、・・・美容院でオバチャマが無責任だが罪の無い噂話をする如くに軽々しく言うべきでない」と言われるのですが、少なくとも民法的には「婚約取消」と言うほかないのではないかと愚考したのであって、「オバチャマが無責任だが罪の無い噂話をする如くに軽々しく」言っているわけではないつもりです。
その他、この問題については、もう少し本質論として述べたい点があるのですが、長くなるし、取り急ぎ、「婚約」についての考え方だけに限って述べさせていただきました。
  (椿本祐弘)

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(読者の声4)菅首相は、G7の中で、一人、ぽつん、とあった。確かに菅首相は、外国語が話せない。
しかも相手は全て白人である。謙譲を美徳とする農耕民の日本人が、おれがおれがとパフォーマンスする狩猟民の白人相手に、自分を出したらどうなるだろう。日本のマスコミは、安倍元首相を叩いたように、「ええかっこしい」と批判しただろう。
アドルフ・ヒトラーは、外国語を話せず、外国へもほとんどいっていない。歴史は、彼を外交音痴というのであろうか。
  (斎藤周吾)


(宮崎正弘のコメント)かと言って英語がパーフェクトに話せた宮沢さんの外交たるや、ひどいものでした。中曽根さんはかなりの英語遣いでしたが、公式の場では通訳を入れ、考える時間を持ちました。また読解力と会話力は異なりますし、通訳のノウハウもまた普通の英語遣いをこえる技量が必要です。
    ◎☆◎◎ど☆◎□☆く□◎◎☆し◎◎□☆や◎☆◎◎    
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        ★アンディ・チャンのアメリカ通信★
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バイデンは危機の創造者だ
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 アメリカは本当に大変なことになっている。さまざまな社会問題がすでに問題ではなく危機になっている。それはみんな「バイデンの創り出した危機」である。なぜ「バイデンの危機」と呼ぶのか。バイデンがいくつも危機を作り出すからである。バイデンは危機を作り出しても危機を認めず責任を負わない。国民の危機意識を逸らすため新しい危機を製造する。
 バイデン就任以来の出来事を時間的に書くと、国境の塀を解放、未成年者の越境を歓迎、違法越境者の増加、麻薬密輸の増加、BLMとAntifaの暴動を放置、黒人の白人差別を容認、白人の原罪意識を推進、CRT(白人の人種差別犯罪論)の教育と推薦、警察力の削減と犯罪の増加、大型バラまき予算、企業増税と赤字予算の天文学的増加、法と秩序のない国家、……。バイデンのホワイトハウス、国会、司法もバイデンに同調し、メディアはバイデン支持で危機を報道せず国民を騙し続けている。これがアメリカの現状だが、特に民主党州では顕著である。

1. 国境の塀と違法入国者の増加

 バイデンは就任すると真っ先にトランプの政策に反対するため、国境の塀の工事をストップし、違法移民を歓迎するとしたため、未成年者もテロリストも犯罪者も越境入国できるようになった。報道によると違法入国者の数は20年来最多の危機を迎えている。違法入国者の増加と麻薬密輸、犯罪者の密入国が増え、国境警察は未成年者を収容することで忙殺され、麻薬や犯罪者の取り締まりに手が回らない。
未成年者は収容所はイワシの缶詰にようなひどい環境で違法入国した子供達が生活している。バイデンもハリスも国境の違法入国や収容所を視察したことが一度もない。メディアも国境問題を報道しない。Foxnewsは何回も違法入国の状況を報道したが、未成年者の収監所はマヨルカ国土安全部長官が禁止しているので内部の悲惨な状況を報道することができない。これがバイデンの「人道的理由」で未成年者を収容した結果である。

2.BLM とAntifaの犯罪増加、黒人の白人差別

 黒人がBLMを叫んだら警察は何もできない。偽金を使用して捕まった麻薬常習犯の黒人フロイドが逮捕された際に死亡した事件で黒人暴動が各地で起き、Antifaグループが加わって街頭で放火、店舗を破壊し掠奪の限りを尽くしても警察は放任したままである。フロイドの死で警察が有罪判決を受けたほかにフロイドの家族は7400万ドルの慰謝金をミネアポリス議会から受け取った。これが契機となって今では黒人が警察に射殺されれば善悪に関わりなく裁判でいくらかの慰謝金を取ろうとするケースが増えた。
 黒人が暴行、掠奪で逮捕されて起訴されても裁判官が簡単に放免する。だから犯罪者が増える一方である。各都市でBLMの暴動や街頭で放火しても警察は無力である。
バイデンは黒人擁護を繰り返し、あまつさえ「アメリカの大殺人事件はすべて白人優越主義者の犯罪だ」と何度も講演した。バイデンが白人原罪意識を吹聴すれば黒人がのさばるのは当然である。確かにアメリカには奴隷制度もあったし黒人を差別する社会でもあったが、今では黒人が白人を差別する「黒白逆差別」となったのである。
前の記事にも書いたがバイデン政権の教育部長は小学校にCRT(白人の人種差別犯罪論)を学生の教育に取り入れることを推進した。
このため今ではアメリカ各地で反対運動が起き、テキサスやフロリダ州ではCRTを学校教育に取り入れることを禁止した。問題は学校教育だけでなく、全米で「黒人を雇用し白人は雇用しない」と宣言する会社が増加しつつある。黒人の入学を優先し白人学生は後回しにする大学も増えている。黒白逆差別も人種差別である。バイデンは人種差別を推進しているのだ。

3.大型予算とばら撒き補助金、基本建設など

 バイデンがインフラ(基本的建設)予算として2.2兆ドルを発表した。これに対し共和党側は5500億ドルの予算を発表した。それでバイデンは予算を1.9兆ドルに下げ、共和党側は9500億ドルまで上げたが双方の違いは2倍である。共和党のインフラ予算はの建設には交通、橋梁や道路などである。
バイデンの予算は余計に学校や病院の建設、サヨクが尻推しをしている風力やソーラー発電なども含む。サンダース議員はインフラ建設に貧民補助金なども加えているが、これでは金がいくらあっても足りない。
5月の雇用増加は55.6万人で失業率は5.6%まで下がったとバイデンが得意に発表したが、同じ5月の企業求人数は940万人だった。バイデン政権が失業者に失業手当を払うため働く意欲を失った人が増えた、しかも企業に必要な人材がいない。企業の示す月給と失業者の要求額との違いが原因であるとされている。
サヨク政権が失業者に補助金を与えるから就職意欲が低下し、企業が月給を上げることでインフレとなる。

4.警察の無力化、法と秩序の空洞化

 アメリカの黒人運動が盛んになりバイデンが黒人をチヤホヤするため警察は無力化するだけでなく地方政府も警察を重視せず警察の経費を削減するとしが増えた。
政府は警察を保護しないため全国の警察の数が従来の半分以下となった。各地で無法地帯が増えたにも拘らず政府は法と秩序(Law and Order)を重視しない。
バイデンやサンダースなどサヨク政治家は補助金をばら撒いたら暴動を鎮静化できると主張している。法と秩序を維持できない都市が増えているのにバイデンは無法化しつつある国家の危機を解決する意欲がない。
バイデンはアメリカの危機を無視し、責任を取らない、解決する意欲もない。「アメリカの危機は国境問題でも移民問題でも犯罪増加、インフレでもない、アメリカの危機は地球温暖化である」と主張した。
現存する諸問題を解決せず新しい別の問題を掲げて国民の危機意識を逸らすつもりである。国民はいつまでバイデンの危機を我慢する必要があるのか。2024年まであと3年半もある。
                  (アンディ・チャン氏は在米評論家)



★あの60年安保から61年、しらない世代が多数となって。。。。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月15日(火曜日)弐   通巻第6949号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~明日、バイデン vs プーチンの米露首脳会談(ジュネーブ)
  「バイデン大統領は政治キャリア、大人である筈」とプーチンは語る
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 明日、6月16日、スイスのジュネーブで米露首脳会談が開催される。さまざまな問題で意見の食い違いが目立つ両国だが、何がひとつでも合意事項があるのか、あるいは両者はいかなる思惑で、この時期に首脳会談に臨むのか?

 直前の14日、NBCの独占インタビューに応じたプーチン大統領は、会談に臨む心境や討議される内容の予測と対応などを積極的に語った。

 まずはバイデン大統領個人に関して「前のトランプ氏とまったく異なる性格であり、ワシントンの生活が長い意味で、非常に成熟した政治家であるが、刺戟を受けることは少ない。トランプ前大統領は、異質の個性を放つ、才能豊かな、多彩な人物であったし、(政界の)エスタブリシュメントの出身ではなかった。そもそも彼は大統領になるべき人出もなかった」。
 この発言の裏にはトランプへの好意、バイデンへの警戒感がある。

 サイバーアタックに関して質問されると「なにか証拠でもあるのか、BLMへロシアが関与したなどというニュースに驚いているのはわれわれである」
 「ナバルヌイ逮捕、虐待など、ロシアには暗殺の風土はないし、かれは拘置所で、ちゃんと扱われている。不当な虐待などあるはずがない」と胸を張った。

 イランへ衛星通信システムを売却するという噂があるが、と糾すと、「それはフェイクニュース」とプーチンは一刀両断で切り捨てた。

 ロシアのメディアは「米国のファシストがウクライナに介入しており、NATOが軍事演習をしているから、ロシアは国境に軍隊を移動して備えるのだ。ロシアの指導者を『人殺し』よばわりするとは何事か、イラクで虐殺をやったのは米国ではないか」と激しいナショナリズムが『プラウダ』などにあふれている。

 米国の主眼は「START3」である。
 バイデン政権の発足とともに、期限が来た「START2」の五年間延長を決めたが、そろそろ新バージョンの準備を始めたいというのが米国のホンネである。またシリア、イラク問題のほか、気象問題にも話題となりそうだ。
 明日のバイデンvsプーチン劇場、G7なんぞより遙かに面白そう。

    ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎   

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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@【知道中国 2240回】                  
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港122)

     ▽
 敗戦の混乱が続く1946年秋、浩と□生は北京から上海に送られ、国民党兵士が厳重に警備する施設に軟禁された。国民党政府は2人を飽くまでも中国人であり、敵である日本に故国を売り渡した漢奸として処刑しようと狙っていたとも考えられる。

 「浩夫人と令嬢軟禁」の情報を得た日本側の上海連絡班(本部長は岡村寧次大将)は、田中さんに2人の救出を命じた。そこで田中さんは2人が軟禁されている施設を急襲する。

 「十二月二十七日夜。国民党軍の警備を突破して、突然、中国服姿の田中徹雄と名乗る元大尉が母娘の部屋にやってきた。あっけに取られる浩に、精悍な顔つきのその男は、落ち着いた口調で軍人らしくてきぱきと事の次第を説明した。
 明日、戦犯を残して最後の引き上げ船が出る。その船に乗らなければ、もう日本に帰る望みはなくなる。
一刻も早く荷物をまとめて乗ってきた車で脱出しなければならない。
 
 『私を信用して、ついてきてください。ここさえ脱出できれば、あとはどうにかなります』
 その言葉に浩は即断した。この人は信用できる。危険を冒してでも、今ここを脱出しなければ、生きて還る術を失う。

 浩に抱えられた□生が自動車に潜り込むやいなや、車は猛スピードで突っ走った。
 『後ろからきっと撃たれます。なあに撃ってきたって当りませんから大丈夫ですよ』

 田中はそう言いながら銃撃する兵士の前を突破した」。
──かくて1946年12月28日、浩と□生は窮地を脱し、夫の愛新覚羅溥傑の行方も分からないままに上海から最後の引き揚げ船で日本に戻ることが出来たとのである。

 日中戦争中の8万人兵士帰順工作、それに1946年の上海における映画007のクライマックス・シーンを思わせる危機一髪の救出工作──田中さんをめぐる2つの英雄譚のどちらが鹿鳴春の宴席冒頭の会話に繋がっていたのか。
聞きそびれてしまったことが悔やまれる。
 
 それにしても、あの場の会話から想像するに、鹿鳴春に現れた北京からの要人は日中戦争時から国共内戦初期にかけ国民党軍、あるいは国民党政府のしかるべき地位に就いていたはずだ。
国共内戦の帰趨が決した後に共産党政権入りして喬冠華の側近に納まったのか。それとも一貫して「本籍共産党・現住所国民党」として動いていたのか。中国における政治の、なんとも奇妙で空恐ろしいまでの底なし沼のようなカラクリの一端を見せつけられたような思いがした。
 
 2日ほど過ぎていたと記憶する。ホテルに尋ねると「一歩遅かった。目白のオッサンに先を越された。周恩来は福田ではなく田中を選んだ。オレの仕事は終わったから帰国する。北京に連れていってやれなくなった。ヌカ喜びさせて申し訳なかった」。
続いて「これから日本の政治は、これまで以上に中国の政治に操られることになるに違いない。危うい限りだ。だから香港で中国のこと、中国人の生き方をシッカリと学んでくれ」。

 そういえば田中さんとの何日かを過ごした後だったと記憶するが、恩師が日本からやってきたことがある。香港は初めてで、広東語も中国語もできない。恩師との1週間ほどは、まさにフル・アテンド状態だった。

 恩師は田中主導による日中国交正常化に異を唱え、中華民国(台湾)との日華関係維持を掲げ運動を展開していた。であればこそ物見遊山の観光旅行であろうはずもない。
 帰国から程なくして、恩師は共産党の対日工作に関する重要文書を発表している。恩師の最も近くにいたわけだから、その文書に関する経緯を知らないわけはないはずだが、どうにも思い出せない。

それはともかく、その後、あの文書がまるで「M資金」のように間歇的にメディアで話題になる度に、別れ際の田中さんの言葉が思い出されるのだ。
   ○△□◇ヒ◎○△□イ○△□◇ズ◎○△□ミ△□◇◎   
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) またまたテスラ絶賛の投稿、時速320kmだの1/4マイル加速が2秒未満だの実用とは関係ないことばかり自慢している。
趣味の超高級車と同等以上の性能が得られてとして見た目の安っぽさからテスラは高級車にはなりえない。小金持ちの見栄張りていど。
 円筒形の安物の電池を使って事故が起こった際には電池が周辺の住宅にまで飛び散りあわや火災の危機、中国では駐車場のテスラ車が突然の発火と問題は多い。品質調査では最下位圏をうろうろ、値段は高級、作りは大衆車レベル以下といわれている。
 確かに大型のフレス機で一気に部材を鍛造する、車載コンピュータも自前の設計で部品点数を大幅減と革新的なことはわかる。そもそも電気自動車が安くなるという嘘がまかり通るのがおかしい。駆動系がエンジンからモーターになって将来的に価格が下がることはあったとしても、それ以外のタイヤもガラスもプラスチックも値段は変わらない。400Lの大型冷蔵庫が10万円にならないのと同じこと。テスラが本当に革新的な自動車づくりができるのならカローラやカムリに対抗できる自動車をつくったらいいでしょう。
 欧州の電気自動車シフトは欧州自らが燃費規制でメーカーごとにCO2の排出量を決めたものの基準をクリアできたのはトヨタのみ。
クリーンディーゼル詐欺のフォルクスワーゲンは罰金という失態。そのため辻褄合わせのため急遽EVシフトしているのが現状。アメリカにしろ、欧州にしろ、EVがある程度普及したところで寒波が襲来すればEVシフトなど雲散霧消するかもしません。
   (PB生、千葉)

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(読者の声2)最近貴誌中で「(椿本祐弘)様」が世間の注目を集める小室〇氏らしき人物を「KK」と呼び週刊誌さながら連投で執拗にディスりまくる(笑)。対して、在米46年の「(桑港老亀)様」がその発言を咎める投稿があり注目しました。
まず小〇圭氏の事を忌諱して「KK」と呼ぶのは、おらの知る限り旧皇族竹田宮家の竹田恒泰氏のみです。それでそこの説明と言うか約束事を抜きに、いきなり「KK」という言葉を使い始めるのはかなり違和感がありました。
ちなみに竹田恒泰氏は〇室圭氏の母親の小室佳代の元婚約者の事もやや軽侮して「MK」と読んでいる。
この独特な用語の使い方は竹田恒泰氏一流のユーモアというか、お茶目さから来ているのだが、そこがキチンと伝わらないと、例え皇室の安寧を願う為の主張でも、冷めた目で見ればキチガイ老人が不気味な言葉の刃物を振り回す風にしか見えない。
 事実ベースで言うと、「KK氏」は秋篠宮家長女の眞子内親王殿下の婚約者ではなく、「M子さまとの婚約は、速やかに取り消されるべきだと考えます」という言葉はその事実がない以上は意味を持たない。
米国メディアなどで「KK氏」は「日本のプリンセスの婚約者」と誤解されている様ですが、実際には眞子内親王殿下の婚約内定者でしかなくて、現時点で内定を取り消す事は充分に可能です。
逆に「皇女の婚約を取り消す」など大変な事で、失礼を承知で言えば(申し訳ありませんが)読者諸氏の姉妹、娘、孫娘らの婚約の破棄などとは次元が違うので、美容院でオバチャマが無責任だが罪の無い噂話をする如くに軽々しく言うべきでない。
 「(桑港老亀)様」は日本から遥か離れた視点で、いずれは皇族から離脱される眞子内親王殿下のお気持ちや「個人の幸福」を非常に優しい目で見守っておられる御様子です。
ただ、それも海外での御生活が長い所為か、元々国際結婚が常識で海外で暮らす事に何の抵抗の無い欧州の王族達と、(旧梨本宮家皇女で長年韓国に住まわれた李方子さまの例を除けば)ほぼ国際結婚などなく、留学などを除き海外で長期間暮らす前例の無い日本皇族の皇女を同列に考えるのはどうなのか。
皇籍離脱された元皇女が普通に日本で暮らすならば、警察庁警備局の指導の下で地元の都道府県警の所轄の警察署が二十四時間警備に目を光らせる事が出来る。
 これが海外となると、米国財務省のシークレットサービス要人警護やFBIの保護が一民間人になられる外国の元皇女に充分になされると思えない。
まして銃社会のアメリカでは日本に反感を持つシナ・朝鮮人のみならず、白人や黒人でアジア人に優越感や嫌悪感を持つ人種差別主義者が容易に武器を手に入れる事が出来る。それを防ぐ為に高額の民間警護を雇うとなると、皇室からの結婚一時金ではとても足りず直ぐに無防備状態に置かれる。
眞子内親王殿下はいずれは皇位につかれる悠仁親王殿下の姉君であり、いくら皇籍を離れるとは言っても「個人の幸福」のみを追求していただく訳にはいかない。
  (道楽Q)

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(読者の声3)何度か「MMTは『お金は印刷されれば簡単に用意できる』という論点に立脚しているにも係わらず、『価値イコール通貨である』との簿記的構造形態から成っているのはおかしい」とその矛盾点を指摘してきました。しかしMMTを創った人達は、実際はこの「欠陥」を認識してはいるものの、そのわけをあへて言及していないのだとおもいます。
なぜか?
 恐らく彼らは「価値イコール通貨ではない」ことを公言してしまっては、MMT全体が社会的にボツになってしまう事を恐れているはずです。
なぜならこのMMTの源流は南北戦争時代のリンカーンによる法定通貨発行にあり、これが中央銀行派の支配するアメリカ金融界との覇権争いに「敗北」し続けてきた歴史を思い起こさせるからです。
そしてもしMMTの本性を、現代のグローバリスト派(=中央銀行制度維持派)の勢力が警戒しはじめれば、MMTの存在自体も覚束なると恐れていると思うのです。つまり、渡邉惣樹氏の御著書「公文書が明かすアメリカの巨悪」や「アメリカ民主党の欺瞞2020~24」に書かれているような、ナショナリズム派の元トランプ大統領が先の選挙で受けた「不条理」な攻撃が二重写しになっているために、あえて「価値イコール通貨・貨幣」を「建前(妥協)として堅持」していかざるを得ないのでしょう。
要するにMMTの理論的・学問的検証を進めるとタッチ─な政治闘争に押し流されてしまうのです。
(SSA生)

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(読者の声4)「表現者クライテリオン」からシンポジウムのお知らせです。
 京都大学レジリエンス実践ユニットと共催のシンポ。
 「中国ロシアのプロパガンダ戦略に対抗する日本のパプリックディポロマシー(広報外交)を確立せよ」をテーマに東京で開催です。
        記
とき    7月1日(水曜) 午後六時半~八時半(1800開場)
ところ   星陵会館
会費    2000円
問い合わせ&参加申し込みは
https://kei-bunsha.co.jp/archives/2463
●登壇者
?原響子 日本の正しさはなぜ世界に伝わらないのか? 中国政府による米国世論対策
佐藤優 ロシアにおけるパブリック・ディプロマシ─の功罪、日露の事例から
伊藤貫 (アメリカよりオンライン出演) 日本にパブリック・ディプロマシ─は可能か?
・パネルディスカッション 伊藤貫×佐藤優×?原響子×藤井聡(京都大学大学院教授/クライテリオン編集長)
当日も参加可能です。直接会場にいらしてください。当日参加の旨を受付にお申し付けください。

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(読者の声5)18日(金曜日)の生番組、ニュース解説のお知らせです。きたる18日午前11時からの「フロントジャパン」は、キャスター葛城奈海さん、ゲスト宮崎正弘さんでお送りします。日本文化チャンネル桜のニュース解説と時局分析番組です。
後刻、ユーチューブでご覧頂けます。
  (日本文化チャンネル桜)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月15日(火曜日)通巻第6948号  <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~極右と極左が連立、イスラエルのベネット政権はすぐ頓挫するだろう
  バイデンは直ちに祝意。ネタニヤフは「すぐに戻ってくる」と宣言した
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 6月13日のイスラエル国会(クネセトは定員120)。60vs59。野党八党が野合してベネット政権の信任が可決された。一人が棄権した。
 新政権は「シナゴーグを燃やせ」と公言しているアラブ政党と、どちらつかずの中立的な政党、宗教政党などの「大々的野合」である。
 日本で言うと非自民の全党が野合し、そこに公明党が加わった類推すれば良いだろう。しかも首相にはミニ政党の党首があるのだ。

 ユダヤ人入植の拡大やオーソドックス(ユダヤ原理主義)への免税、兵役免除などの優遇措置継続か反対かで、連立の八党はそれぞれ立場がまったく異なる。この点では、相手の反対を無視して政治信念を突き進んだネタニヤフ政権は、外交、国防政策では一定していた。

 新首相になるナフタリ・ベネットは右派政党「ヤミナ」を率いる。49歳。外相になるのはセイール・ラビドで、『二年後に首相交代』という約束がある。
 バイデン米大統領はすぐさま祝意を表明し、ベネットと電話会談。またラピドは、ブリンケン国務長官と電話して「ネタニヤフの外交路線は変えない」と発言した。

 イスラエルの主要紙『ハーレツ』は、「早い時期に連立の矛盾が吹き出すだろう。政策の一致がなにも望めないからだ」と書いた。

 過去二年間に四回も選挙をやっても、第一党がせいぜい35議席くらいしか取れないのがイスラエル政治の特色であり、今回の野党の野合は、ようするに「ネタニヤフ降ろし」の只の一点で合意したのだから政局の安定は望むべくもない。
 
米紙『ニューヨークタイムズ』は「イスラエル王(ネタニヤフ)の退場」と比喩し、論説には「この政変は首相を替えたのではなく、不動だったユダヤ人国家の骨格を変更する歴史的な事件だ」とする論評もあった。
 
 ネタニヤフは退任に当たって、「イランとの取引で妥協してはならず、ベネットは知識がなく、経験もなく、危ない政権であり、この弱い立場の新政権誕生を喜んでいるのは、イランだ」とし、「わたしは早い時期にカムバックする。神がそれを早めてくれるだろう」と自信を示した。

ナタニヤフ時代の12年間、「インティファーダを抑え込み、ハイテク経済は成長を遂げ、先の11日間のガザのハマスとの紛争に勝利した。新政権にそれが出来るか」と言外に含ませた。
    ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎   
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) 宮崎先生の「宮崎正弘の国際情勢解題」は今では私の教科書で読むのが楽しみです。
 今回の投稿で気になる読者の声を見ましたが、在米46年の当地に墓まで造り、骨を埋める覚悟の人間から今回の「KKの留学問題に限定して述べましたが、KKの周囲には、あまりにも品性が低い問題点が満杯です。との投降に疑問があります。「M子さまとの婚約は、速やかに取り消されるべきだと考えます。」
これは優越感のエゴだと感じて、読者の品位を感じる投稿だと感じています。
 KKが留学先のアメリカに永住してアメリカで弁護士をすれば、このレベルでのアメリカの弁護士は沢山いますので、何も注釈を入れて、どうのこうのと言う様な人間が居る狭い日本を離れて、アメリカに二人で永住して気楽にアメリカに住めばよいと感じます。
 今ではバツイチのワイフを娶り、今ではカリフォルニア州のサンタ・バーバラに住む元王室の御曹司も居ますが、娘が6年ほど住んでいたので良い所に住んだと感じています。
 二人が子育てにも最適で気候も良く、LAの奥座敷に長く住まわれて、気軽な生活を過ごされることを見守りたいと思います。
   (桑港老亀)

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(読者の声2)G7で東京五輪開催に賛同を得たため、どうやら五輪強行の雲行きですね。コロナ変異種が日本に集中しますから第五次感染が広がり、どうしようもなくなるでしょう。国民の七割が五輪開催に反対しているにもかかわらず、です。
 永田町と霞ヶ関は中止すれば1・8兆円の損害となるなどと言ってますが、何を唐変木なことをのたまわっているのでしょうか。
 第三次予算編成が73兆円の真水と喧伝されていますが、社会保障を除けば30兆円しかない一般予算という制約がありました。
いま、判明しているのは一律給付金に13兆円を使い、持続か給付金が4・2兆円、家賃支援に2兆円。GOTOに2・7兆円、デジタル支援が2・8兆円、国土強靱化に1兆円。予備費が異様な高さで10兆円となって、なんだか利権構造的じゃないですか。
 国民全員への給付金がまずは先決。73兆円なら、5回出来るし、消費税ゼロとすれば、五年続けられる。
 仁?天皇の教訓を思い出せよ、管首相。
   (怒りの鉄拳)

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(読者の声3)日中平和友好条約やモスクワ五輪ボイコットが大きな問題だった70年代から80年代に掛けて数度に亘って首相、外相の特別顧問等を務めた人物が、オリンピックの国際的な意義や現在の都政や国政そして2022年の北京冬季五輪ボイコット問題等に関して語ってくださいます。
貴重な機会ですので多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。
      記
とき   7月8日(木)午後6時~8時分(受付5時30分~)
ところ  憲政記念館 会議室
講師   加瀬英明氏(外交評論家、元首相特別顧問)
演題   五輪の国際的な意義。国政。北京冬季五輪ボイコット
参加費  2000円 (当日受付にてお支払いください。)
定員   30名(席の間隔をあけております。マスクの着用をお願いします。)
共催   一般財団法人尾崎行雄記念財団
主題   グローバル・イッシューズ総合研究所
【要予約】以下のフォームより必ず事前にお申込ください
https://ozakiyukio.jp/information/2021.html#0610

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(読者の声4)フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどが世界一を競って超高性能のスーパー・スポーツカーを手作りで少数作り、一台一億円から2億円という高価な値段で販売している。性能を全てに優先するので、冷暖房、ラジオなどの無駄な贅沢品は一切排除されている。
そんな過酷な競争において、ゼロから時速100キロまでの時間が2秒をきれない。ところがテスラが1.99秒の車を3日前に披露し、週に1000台ほどの大量生産にはいる。最高速度320km/h、1020馬力、620km走行距離。しかも価格は1/10から1/20。外装は極めて地味で大人しく、普通の4ドア、五人乗り、内部は静かな高級車の快適性を備えており、しかも100万円追加すると、運転手もおまけに付いてくる。
毎日の予定表を見せてやれば、現在地を認知し、混雑状況を調べ最適な道順で目的地に黙っていても「以心伝心」的に運んでくれる。(AI自動運転とは24/7, 365日専属の最高の運転手を雇うのと同様で、8時間勤務x3名、つまり年間2000万円以上の価値がある。)。「モデルS」は9年前発売され、世界の自動車報道紙が、「世界1」と絶賛した。その新型である。

 もちろんEVであるが、このモーターは毎分2万回転するが、動く部品は一つ。ガソリンエンジンは数百の部品が高熱、高速で凌ぎあい、上がったり下がったりの無理な不合理な動きをするので、劣化、修理、維持、保全が必須であるが、EV車はその必要がない。
 米国内の建坪・最大の建物はボーイングの工場であるが、これを抜き、今工事中のテキサス、テスラの工場になる。他の自動車工場が4年かかるところをテスラは1年で作るという。大規模の鋳物を使うことによって数十の部品を一つに。これにより、数十のロボットを解雇。
 この新車発売の意味とは、世界の全ての自動車メーカー、「物作り」が完璧にテスラに負けた、という厳然たる事実である。
トヨタさん達にとっては迷惑な恐ろしい話であるが、消費者にとっては、かつて超金持ちだけが得られた特別な楽しみと便利さを享受できる。100年ほど前には音楽は金持ちが「生演奏」でしか聴けなかったが、今では誰でも安くいつでもどこでも楽しめる。
それは進歩、善。言い忘れたが、急速に発進する際、動物が獲物に飛びかかる前に頭を下げ地につけるような仕草をするという。それは物理的に必要だと。
https://www.tesla.com/models
(KM生)
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月14日(月曜日)    通巻第6947号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~トルクメニスタンが中国からの借入金を「完済した」と宣言
  謎の国のパイプラインは年間300億立方のガスを中国に輸送
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 トルクメニスタンという謎の国、「中央アジアの北朝鮮」とも云われる。ともかく不気味な国家なのだが、実際に行ってみると、「明るい独裁国家」。イスラム教スンニ派だが、通俗宗教で、アルコールは飲めます!

 人口は600万人足らず、国土面積は日本の1・3倍。観光の売りは「地獄の門」と言って、砂漠のど真ん中に大きな穴、溶岩がぐつぐつ沸騰しているが、噴火をしない。廻りにテントを張って、かなりモノ好きな観光客が世界からやってくる(筆者のその一人だったが)。

 6月12日、ベルディムハメドフ大統領は唐突に会見し、「中国からの借入金は完済しました」と明らかにした。返済額や金利に関してもコメントはなかった。

 2009年から、営業を開始したのは鳴り物入りのプロジェクト「西気東輸」で、年間300億立方メートルの天然ガスを中国の上海までパイプラインで輸送する。トルクメニスタン東部から、途中のウズベキスタン、カザフスタンに通過料を支払い、新彊ウィグル自治区へ入ると、中国国内で分岐され、最終的には上海に届く。

 中国上海銀行の資料によれば、同行は2011年時点でトルクメニスタンへ81億ドルを貸し付けたとしている。
 明らかになっている数字はこれだけである。

 しかし、このガス輸出だけでトルクメニスタンの国庫には年間65億ドルの歳入があるとされ、この独裁国、経常収支が黒字なのである。

 トルクメニスタンは、1990年代初頭に、ソ連の頸城から解放されて独立、すぐさま「永世中立国」を宣言したのは絶対にソ連とは協調しないし、新生ロシアとなっても距離をおく姿勢を内外に明らかにした。ロシアへの恨みは固執的である。

だから最大のガス輸入国である中国とも親密な姿勢を取らず、「上海シックス」にはオブザーバーで二度ほど参加しただけ。中国としても扱いにくい国であることに変わりはない。

 ニヤゾフ前大統領の独裁は、突然の死でおわり、後継となったのが現在のベルディムハメドフ大統領、すでに権力の座について14年の歳月が流れた。まさに光陰矢のごとし、だ。


 ▼「言論の自由」「結社の自由」など、あるはずがないが。

 大統領主催の閣議をテレビで見たことがある。まったく北朝鮮と同じで、閣僚は大統領とは目をあわせないように汗をかきながら必死でメモを取っている。ときどきお追従笑い。
 しかも偶然だが、筆者はこのベルディムハメドフ大統領を目撃したことがある。グルジア(現在のジョージア)のトビリシで、目抜き通りにある豪華ホテルに黒塗りのリムジンが数台とまっていて、トルクメニスタンの国旗があった。玄関で待機して見ていると屈強なボディガード達に囲まれて、大統領がリムジンに乗り込んだ。

 日本との関係改善には意外に前向きであり、ベルディムハメドフ大統領の訪日は即位の礼を含めて四回。日本からの首相訪問は2015年に安倍晋三首相が首都のアシュガバード入りした。援助国としても、米国に次いで、日本はドイツを抜いて、二位である。

それはアシュがバードを走っているクルマの90%がトヨダのランクルであることを目撃すると分かる。此の国の国土の85%は砂漠なのだ。首都の目抜き通りは輝くように大理石のビル群。ところが入居テナントもない様子である。

 ニヤゾフ前大統領の金ぴかの像が立っていて、右手に持つ書籍も輝いている。ガイドに「あれはコルランだよね」と聞くと「NO」。あれはニヤゾフ大統領の著作『聖なる書』です、と答えたのには面食らった。ちなみにこのニヤゾフ前大統領の著作は日本語にも訳されている。
 さて借金を完済したという独裁国家、つぎに何をやらかすか。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)明日(6月15日)の午後四時から「宮崎正弘の『生』インタビュー」、未来ネットで生放送、ゲストは評論家の門田隆将氏です。
6月15日 1600-1640 対談。2分のCMののち、視聴者からの質問にお答えするコーナーが1700まで。
  (未来ネット、旧「林原チャンネル」)

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(読者の声2)産経新聞の意見広告に二面ぶち抜きで台湾有志からの「日本よワクチン有り難う」の感謝広告がでました。
https://www.sankei.com/article/20210613-KMKLKJWFKZIIZE3UBHQCMFPXCU/
 なにか、込み上げてくるものがありますね。
  (JJセブン)

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(読者の声3)英国のコーンウオールで開催された今回のG7は、主要国の経済政策がすっかりMMT型になってしまいまったことを裏書しているようです。
合意事項は「一帯一路に対抗するインフラ支援、経済回復に向けた積極的な財政出動、ワクチン10億回分を途上国に提供」などいずれも、旧来の常識では大型資金がかかわってくる案件であり、今までの「主要国会議」の報道なら、その資金負担がどこの国にかぶさってくるかについての首脳間同士の「駆け引き」が注目の的でした。
ところが今回は、どこの国もその点についてはとてもアッサリとしたものに感じました。あたかもスルーしているかのようです。なぜでしょう?
 私はその背景として、主要国の首脳たちの共通認識には、既に「お金は印刷されれば簡単に用意できる」という「MMT的財政論」がすっかり定着してしまっていたことにあるのだと思います。
 一方、この様子を見て中国は「G7の首脳もやっと中国の通貨・財政政策のカラクリを理解し、われわれをマネするようになったな」と受け取り、苦虫を潰していることでしょう。
なぜならば(そのカラクリを私は2020.11.25.通巻6712号をのべましたが)
「中国は『世界中の人間は、価値と通貨をイコールだと思い込んでくれている』ことに気付き、その『弱点)』を突く諸策を以って自国の経済システムの中に巧みに組み、成功せてきたから」なのです。
この中国が味わってきた「うまみ」がようやく白日の下にさらされると共に、旧来の貨幣論が書き換えられたことが露呈されたことが、今回のG7の「意義」の一つだと思います。
(SSA生)


(宮崎正弘のコメント)「B3B」がアメリカの主導したスローガンでした。バイデンが虚ろな目をしながら繰り返していました。
BACK BUILD BETTER(これで3B)と言葉の駄洒落で終わらないように、あとからレトリック並べてのお祭りと批判がおきないような実質を伴って欲しいものです。

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(読者の声4)貴誌6月10日付通巻第6943号「読者の声」で、小生は、KKのLaw School 留学について、最初の1年をLL.M(法学修士)課程で過ごし、2年次からJD(Juris Doctor)課程に編入したというのは奇妙な修学過程であること。米国のLaw SchoolのJDコースでは、1年次で、契約法、不法行為法、刑法などの基礎科目についてソクラテス・メソッドによって厳しく鍛えることになっており、1年次が最もハードだとされていること。
 したがって、KKは、JD課程の中核(法律解釈学の基礎)については十分に習得しているとは言えないこと、この過程を経ていないKKは、真のJD学位取得者とは看做されないのではないか、と述べました。
 これにさらに疑問点を付加すると、そもそもJDコースに入学するためにはLaw School Admission Test (LSAT)の受験が必須とされていますが、KKはこれを受験していないと思われます。
 近年では、日本人にも、NY州弁護士資格を有する弁護士、企業人は多いのですが、NY州では、LLMコースを修了すれば受験資格が得られるので、LLMコースに1年間在籍して修了してからBar Examを受けた方がほとんどであると思います。

JDコースでは、終了に3年間を要する上に、特に1年次における厳しいソクラテス・メソッドによる授業に対応していくことは、通常の英語力では困難であるためであると考えられます。
 日本でLLB(法学士)を取得していないKKが、いきなりLLM(法学修士)課程に入学を許可されたことも疑問ですが(一橋大学の修士号を取得していた?ことが評価された?)、LLMコースを修了できたのなら、なぜ、その時点で、Bar Examを受けなかったのかと言う点も疑問です。
 高額な費用を1年でも節減するよう努めるのは当然のはずです。

 以上のように、留学に関してだけでも、数多くの不審点があります。その費用貸付けをした(?)というO法律事務所は、KKの雇用、留学費用の貸付を含む事情について説明責任があるのではないでしょうか。
 実は、たまたま、このO法律事務所に所属する弁護士の中に、小生が過去に関わった人物が在籍していることを発見して、少し驚きました。
その人物は、優秀だとはとても言えない能力で、また、かなり左翼的思想の持主だと私には思えます。このような人物を採用するようでは、この事務所のレベル、品格を信用できないと私には思えます。
 今回は、KKの留学問題に限定して述べましたが、KKの周囲には、あまりにも品性が低い問題点が満杯です。
 M子さまとの婚約は、速やかに取り消されるべきだと考えます。
   (椿本祐弘)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月13日(日曜日)   通巻第6946号  
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山本悦夫『ホーニドハウス』(インターナショナルセイア社)
樋泉克夫のコラム 【知道中国 2239回】ほか。    
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 1960年代後半の南部アメリカの原風景を活写
  健全で、純朴で、若者に夢が溢れていた時代へセンチメンタル・ジャーニー

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山本悦夫『ホーニドハウス』(インターナショナルセイア社)
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 1960年代から日本の経済離陸が始まった。しかし当時の日本の外貨準備は20億ドルしかなく、海外旅行どころか、ドルは闇でかえて調達しアメリカへ出かけた成金もいた(闇で1ドルは五百円だった)。アメリカを目指した多くの若者らは船にのって、西海岸からグレイハウンドのバスで東海岸へ行った。
 またアメリカは世界に冠たる、リッチな国という印象があった。1ドル・ブラウスに象徴されるように、日本製品は「安かろう、悪かろう」の代名詞だった。
 主人公は、こんな時代にフロリダ大学へ留学した。1965年のことだった。
 東海岸か、カリフォルニアへ留学する日本人は多少はいただろうが、南部、それもディープサウスのフロリダ州である。日本人は誰もいない(たぶん先駆者はミッキー安川だろう。ミッキーの『ふうらい坊 アメリカ留学記』(1960年、カッパブックス)は、往時、小田実の『何でも見てやろう』と並んでベストセラーだった)。
 本編の主人公であるタロウが留学した先は、フロリダ州の学園都市で、学期中は五万人の町も夏休みとなると二万人に減る。学費と生活費を稼ぐため夏休みに太郎はニューヨークへアルバイトへ出かけたという。
 町は白人専用のバアに映画館、濃厚な西部劇の世界が残る地域で、ベトナム戦争の傷が少しづつアメリカを蝕み始めた時代だった。黒人専用の映画館に入ると、珍妙な雰囲気があった。
 下宿したのはホーニドハウスだった。何のこと? 
 南部訛りの英語、正式にはホゥンテッド(HAUNTED)。つまり幽霊屋敷だった。
 最初同居したキムは韓国のソウル大学卒、学友の劉は台湾からの留学で「大陸反抗」を本気で叫んでいた。スカルノに近い人脈が家系のインドネシア人はスカルノ失脚後、帰国できなくなることを本気で懼れていた。
タイからの留学生は王族で贅沢に慣れているようだった。
 かくして多士済々が織りなす強烈なキャンパスライフ、というより南部アメリカの1960年代後半の原風景である。
 なにごとにも好奇心を燃やすタローは物怖じせずに雑多な人種間の阿鼻叫喚を聞く。どこへでも出かける。友人が増える。たまり場のバアで煽るのはバーボンウィスキー。懐かしいなぁ。あのトウモロコシの酒は、南部アメリカの象徴だった。
 隣室のジョンは中年の冴えない白人男だった。ある日、血を流して変死していた。それを契機にタローはホーニドハウスを引き払った。
 ジョンが太郎に言ったことがある。
「無数の火焔を描かなければならなかった。無数の火焔の中に無数の亡者が燃え尽き、燃え尽きずに地底を深く流れていく。。。」
評者(宮崎)がこの個所で強く連想したのは、新潟県十日町の笹山縄文遺跡にある博物館でみた国宝の火焔土器のことだった。まさに人間の情念が燃え尽きる火焔土器!
 主人公は回想する。
 「地底深く滔滔と流れる地底の川、闇が拡がる洞窟の入り口に奥深く飲み込まれていく亡者が閉じこめられている無数の火焔、その火焔の中にジョンが閉じこめられて流れていく。その光景は、一生幻影となって太郎が死ぬまでつきまとうのだろうか」 
 日本に帰国後、貿易ビジネスに成功したタローは、20年後にセンチメンタル・ジャーニーを試みた。こんにち流行のホームカミングディ個人版というわけだ。
 町は変わっていたが、ホーニドハウスはペンキを塗り替えて残存していた。
かくして陽気なはずのアメリカの原風景が活写されるが、留学の日々から半世紀以上の歳月が流れて著者のハードボイルドな文体は哀愁に満ちているのである。
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●読後余滴●評者(宮崎)が最初にアメリカへ行ったのは1974年。独立から丁度二百年のお祭り騒ぎをやっていたが、町は荒廃していた。1ドルは330円くらいだった。NYの朝飯は卵二つのスクランブルにソウセージ、トースト。珈琲は飲み放題で99セントだった。38丁目のキタノホテルは20ドルだった。
1983年に米政府の招待で加州はクレアモンド大学に遊学したが、同じような学園都市で、近くにはピーター・ドラッカーも住んでいた。あとで聞いたら藤井厳喜氏もここに留学していたという。
その折のアジアからの「留学生」は若手学者とシンクタンク、並びにジャーナリストで、豪紙オーストラリアンの記者はその後、東京支局長となって六本木の家賃70万の豪邸にひとりで暮らしていたので、よく遊びに行った。日本に関する本も書いて貰ったことがある。台湾からは連合報の記者で、その後、中国からの亡命者の取材で世話になった。インドネシアからはシンクタンクの研究生で、やはり日本にきたとき宴会をやった。
2020年、コロナ騒ぎが起きる直前、評者は大統領選挙の取材がてら、NYに一週間ほど滞在した。驚くなかれ地下鉄の初乗りが300円、タバコは一箱が1400円。ホテル代は十倍、レストランはちょっとした店でも二人で百ドルを越え、別途チップが20%(NYは最低でも18%)、こんな物価高のアメリカで、とくにNYで生活を維持するのはたいへんだろうと思った。雑談終わり。

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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2239回】           
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港121)

  ▽
 当時の鹿鳴春は文字通り隠れた名店で、味にうるさい常連客に合わせて旨い料理を食わせてくれた。その後、有名になり客あしらいがゾンザイになると、味も落ち始める。
 1970年代末期、鹿鳴春では「顔」の友人に連れられて出掛けた時のことだった。運ばれてきた料理を口に運んだ途端、「マズイ」と言って彼は皿を突き返した。「別の店へ行こう。有名になり過ぎて厨房が手を抜くことを覚えたらオシマイ」と。尖沙咀の美麗華酒店(ミラマ・ホテル)の隣の楽宮楼も北京料理の名店ではなかったか。

 田中さんに戻る。
 店に入り互いに相手を認めると破顔一笑で近づき、互いに手を差し出し固い握手だ。席を譲り合った後、やおら田中さんが口火を切った。

 「オレがドアを開けて部屋に飛び込んだ時、部屋の右手の隅の方でアンタがこう身構えていた」「そうそう、あの時、アンタはこんな格好して身構えたっけ」「あの時、部屋のあそこに机があったが・・・」「机の上に××が置いてあって・・・」「アンタの後ろに、2人ほどがいたなあ・・・」など、なにやら判じ物のような会話が続いた。

 暫くして、北京からの要人が?記(ボーイ)に料理を持ってくるよう合図する。
 次々に料理が運ばれて来るが「菜譜(メニュー)」に記されていないような珍しい料理もチラホラ。もちろん喉はゴクリである。田中さんが箸を持つ頃合いを見て、箸を動かす。
食べながら、飲みながら、なによりも興味深い話に耳を傾けながら・・・。

 緊張の2時間ほどが過ぎ、田中さんは「では返事を待ってます」と言って席を立つ。
ホテルに戻ると「話はだいたい聞き取れただろう。先方の返事によっては意外と早く出発することになるかな」。

 そうなると田中徹雄秘書として北京で周恩来に・・・千載一遇の大々々好機。否応なく胸は高鳴り、希望は際限なく広がるばかり。

「ところで」と、宴席冒頭での奇妙な会話の意味を問うと、田中さんは「あれかい、あれは相手がホンモノかどうか、お互いに探りを入れてみたわけさ」。当事者しか知り得ない事実を確認し合うことで、相手の真贋を計ろうとしたわけだ。

じつは北京とのルート開拓は、世評では公明党を通じた田中派が俄然先行していた。口では「へ〜へ〜ホ〜ホ〜」などと平常心を装う風の福田は、自らの対応を「アヒルの水かき外交」などと愚にもつかない形容でお茶を濁していた。

 だが、当時の美濃部東京都知事などという「悪手」まで使っていたということは、内心では相当に焦りを募らせていたに違いない。おそらく福田を佐藤の亜流と見なし、佐藤亜流の『福田反動政権』の誕生阻止を狙った内外勢力によって、福田ルートは北京中枢に辿り着く前に潰されたのではなかったか。
あるいはメディアを含んだ田中支持勢力、その応援団、あるいは佐藤・福田に反対する勢力が北京に対し、福田を「佐藤亜流の米帝追随超反動政権」と印象付けることに力を注いでいたのではないか。所謂「告げ口外交」である。

そう考えると宴席でのやり取りに、なんとなく納得がいく。あるいは北京も次期政権最有力と見られていた福田の真意を確かめたく、ホンモノの福田ルートとの接点を求めた。そこに田中さんの登場となり、北京も香港まで人を派遣した。双方が相手をホンモノと認めたことで、どうやら田中さんを使った福田ルートは北京中枢へ近づいたらしい。

 じつは敗戦直後の上海で、田中さんは宣統帝(愛新覚羅溥儀)の弟である溥傑の浩夫人に加え、夫婦の間の2人の娘の1人である?生の命を救っている。
その折の田中さんの動きを、愛新覚羅浩『流転の王妃の昭和史』(新潮文庫 平成13年)と本岡典子『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅?生』(中央公論新社 2011年)で簡単に追っておきたい。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) 武漢コロナ禍、あまり笑うこともないと思いますので、笑える話題を。
 朝日新聞の値上げ理由「フェイクニュース批判」に失笑。自身の捏造報道を棚に上げ『被害者』気取り、購読者の激減必至
https://i.mag2.jp/r?aid=a60c1e363e7e7c
 築地にある新聞社のジョークも、なかなかいけてます。それとも、フェイクニュースはWEB版や英字新聞しか流さない!という宣言でしょうか?
 家では産経新聞を購読していますが、
販売店が近くになく、朝日新聞の販売店から投函されています。新聞紙回収用の袋も毎月入っているのですが、妻は、別の袋を購入して使っています。理由を聞いたところ、下記の通りでした。
「だって、「ASAHI」って大きく書かれた袋に新聞入れたら、廃品回収の日に、恥ずかしくって家の前に出せないでしょ!」
 ちなみに、「ASAHI」と大きく書かれた袋は缶ゴミをまとめるのに使っています。赤い缶ゴミ袋にさらに入れるので、外からはみえないので。
  (NS生 千葉)

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(読者の声2)通巻6939号にて「1(産経田村記者の記事」2(堤堯氏の御意見)は『貨幣・通貨額イコール価値』であり、3(養老孟司氏)は『貨幣・通貨はイコールではなく、通貨・貨幣は価値を生み出す酵素・触媒・道具・情報となった』と言っている。
この違いが旧来の経済学とニクソン・ショック以降の経済学の違いを生みだし、通貨と同一視されている『債務』はもはや『(マイナスの)価値』を示していないという経済理論に変わりつつあるのです」と私は書きました。
しかし誤解を招きかねないことなので補足いたします。
それは養老孟司氏はMMTを「貨幣・通貨を情報(手段)とみなすようになった」と書いておられますものの、実際はMMTは『価値・通貨イコール価値ではない』という理論にまでは立ち至っていないということです。

「簿記を知っている人なら(難解な?)MMTはすぐ理解できる」と今のところMMT派の学者・評論家がしばしば解説していますが、ということは、MMTは「価値イコール貨幣・通貨である」という理論であることになります。
なぜなら簿記は「価値イコール貨幣・通貨である」を前提に構築されているからです。つまり、MMTは理論的には養老孟司氏のそれは『貨幣・通貨はイコールではなく、通貨・貨幣は価値を生み出す酵素・触媒・道具・情報となった』との見解に準拠した理論とは合致しないのです。
詳しくは2020.12月の通巻6724.6725.6732号の拙論をご参照いただきたいのですが、要するにMMTは今もって「価値イコール通貨・貨幣」を前提とした旧来の経済学理論を墨守しているのです。
私はMMTなるものは「現実経済」に近づいてきたように感じますので、旧来の経済学とこれからの経済学の「移行期」の中間に位置する理論であるような気がするのです。
(SSA生)

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(読者の声3)「日本の偉人 出光佐三の生涯」。出版記念講演会のお知らせ、です。
 出光佐三と言えば、「皇室とともに歩んだ三千年の歴史から培われた日本精神」を基盤に事業経営を展開した偉人です。民族派企業『出光興産』の経営者です。
このほと『出光佐三を知らずして、近代日本を語るなかれ』(展転社)の著者、奥本康大氏の講演会が開催されます。
出席者全員に当該著書が進呈されます。

とき   6月20日(日曜日)午後一時半
ところ  友愛会館(三田会館=港区芝2−20−12)
     https://map.goo.ne.jp/place/4ERHHSHA/map/

会費   2000円
来賓挨拶 高池勝彦(新しい歴史教科書をつくる会会長。弁護士)
激励   村田春樹(今さら聴けない皇室研究会顧問)
     茂木弘道(史実を世界に発信する会 会長代行)
講演   奥本康大(空の神兵顕彰会会長)
問い合わせ (090)1037−8754

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(読者の声4)貴誌前号・樋泉克夫先生の「「じつは田中さんは20代半ばの少尉時代、河北・河南・山西にまたがる太行山脈一帯で「敵軍帰順工作」に従事し、軍刀を下げただけの姿で敵地に単身で乗り込み、7万余の蒋介石軍を無血で帰順させた軍功の持ち主。戦争中には松竹映画の主人公のモデルになったとか」
 とありました。
 これは『将軍と参謀と兵』ですね。名画座で見たことがあります。戦時中の代表的な映画です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E8%BB%8D%E3%81%A8%E5%8F%82%E8%AC%80%E3%81%A8%E5%85%B5
  (HT生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)昭和十七年製作とあった、板妻が主役。水島道太郎が参謀役のひとり、小林桂樹がちょい役(当番兵)で、でていますね。

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(読者の声5)米国軍にも自虐史観教育が始まった。戦後日本でGHQによって行われ大成功した総合的大々的な「洗脳実験・日本弱体化・非日本化」のアメリカ版が最近行われている。
日本人にとっては、ざまーみろ、という感情が起こるが、これが軍人の教化にまで及ぶと、国防を米軍に頼る日本としては、由々しき問題である。
つまり、米国は白人に支配され、黒人などを差別、虐待し、何も誇れる国ではない、故に他国の不正などに関与する資格も正当性もない、という論理になる。これは古くからの左翼の認識・主張であるが、これが軍の正式な教育機関にも及んでいると最近上院議員・トム・コットン氏などが警鐘を鳴らしている。
ほとんどの米国民の感知しないうちに、幼稚園から大学まで左翼の思想が行き渡り、つまり日本の子供たちが過去70年間洗脳されてきたように、米国民の頭が狂ってしまい、現在の指導者たち、例えば極左のオバマ氏、そして現副大統領のハリス氏(バイデンが不能後、昇格される)などを国民が選ぶ、という状態になっている。
 これを見て喜んでいるのはロシヤ、支那。長い間継続した努力の甲斐があった、と。その絶え間ない、組織的、効果的な洗脳工作は卓越した技術であり、独裁国家だけがなし得る政策でもある。民主主義の政権では、次の選挙の準備で忙しく、50年も先にしか効果が現れない工作に予算をつけるわけにはいかない。
 日本の指導者、愛国者がすべき事は、まず極めて危険なGHQの置き土産、日本国体破壊運動のカナメ、文科省とNHKをぶっ壊す。自衛隊の教育も調べると、恐ろしい状態になっているのだろう。
何しろ故三島由紀夫氏に対してヤジを飛ばした。そんなヤカラが幹部になっていた。
https://www.zerohedge.com/political/hundreds-whistleblowers-say-military-forcing-anti-american-indoctrination-them-sen-cotton
(KM生)

(宮崎正弘のコメント)小生の狭い経験から申し上げても、1980年代から明確に米国の学者、知識人には「白人原罪論」が台頭していました。映画がその先頭を切っていたような気がします。それを「進歩的」と認識して日本でも、留学帰りの亜流が輩出し、言論界を猖獗し始めました。
当時、民主党左派の牙城とも言えた「サイマル出版会」のラインアップをみるとほとんどが左翼学者でした。
    ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    



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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月11日(金曜日)弐   通巻第6945号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~全人代、「反外国制裁法」を制定、即日実施
  入国拒否、国外追放ばかりか「在中資産凍結」が含まれる
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 中国に駐在する外国人の給与は銀行口座に振り込まれる。現金支給はない。ドル交換は年間5万ドルまでに以前から制限されてきた。あとは? 闇で両替するか、一年後にまた引き出しにくるか。

 全人代は6月10日、バイデン政権の措置に対抗して「反外国制裁法」を制定し、即日実施すると電光石火の行動にでた。
 直前にバイデン大統領は取引停止の中国企業59社のリストを発表し、8月2日から実施するとしたばかりだった。

昨秋までにトランプ政権は中国の45社をブラック企業と認定し、さらに軍の支配下にあるか、影響力の強い中国企業を取引停止とした。そうした灰色企業の株式売買も禁止するとしたが、小米などは対象からはずされた。バイデンもTIKTOKに関しては、トランプの制裁を覆す決定を出した。

 中国のいう制裁とはヴィザの発給停止、制裁対象とする人物の入国拒否、ならびに不適切な(つまり中国が気にくわない)外国人の国外退去などだが、企業並びに個人とし、しかも家族も含めるとしている点に注目が集まった。

 米国ファンドが保有する中国国債は60兆円、投資している中国株は57兆円である。中国が保有する米国債券は1兆800億ドル(111兆円)。
 これで明らかになった。もし米国が中国の在米資産の目玉である米国債を凍結したら、すぐさま米国ファンド筋の債券、株式を差し押さえるという脅しなのである。
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樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@   【知道中国 2238回】               
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港120)

  ▽
 田中さんの話はこうだった。
副知事を辞めて浪人生活をしているところに福田(「田中君が嫌いな福田君」)から「北京の中枢に繋がるルートを早急に、極秘に築いてくれ」との話があり、香港までやって来た。
明日か明後日に北京からやって来る要人と話をつけて、うまくいけば北京に乗り込んで周恩来と話をつけたい。秘書としてどうだい。北京に行くかい──

もちろん、である。周恩来に会えるなら、たとえ火の中、水の中・・・である。
当時、佐藤長期政権に黄昏が迫り、ポスト佐藤をめぐって福田、田中の間で熾烈な後継争いが展開されていた。世に謂う「角福戦争」である。次期政権を目指す両者にとって北京との関係を如何に築くかが『勝負の分かれ目』となっていた。
まさに「日中国交正常化」を錦の御旗に、一気に相手を圧倒しようというのだ。一方、佐藤首相も影響力保持を狙って、独自のルートで北京との関係構築を模索していた。

 かくして『毛沢東のお墨付き』を目指して、田中、福田、佐藤の3勢力が暗闘を繰り返すことになる。これに自称・他称を織り交ぜた事情通、往時の支那通から大陸浪人崩れ、怪しげな共産党工作員が渦を巻き、国民党系の手練れの工作員が加わり、さらに米英の情報機関が参戦する。まさに有象無象が登場し、様々な勢力の思惑が雁字搦めに絡み合うわけだから、勢い複雑怪奇な動きが錯綜することになる。

さらに事情を複雑にした背景に、日本(自民党政権)の政権争いをダシにした形を変えた国共内戦──毛沢東対?介石、共産党対国民党──があったことは否めないだろう。
国連での中国代表権争いで一敗地に塗れた?介石からするなら、対日工作を積極展開し、あわよくば日中国交正常化交渉の進捗に待ったをかける。そのことは毛沢東の面子を潰すことにもつながり、蒋介石政権としても多大のメリットが見込まれたはずだ。

 かくして当時の香港は自民党における権力争いのもう一つの戦場と化し、?介石からする毛沢東に対するリベンジの格好の舞台ではなかったかと思うのだが。
 
田中(角栄)ルートについては、第一日文のY、D両先生が些か絡んでいたようでもあり、その動きは薄々ながら感じていた。

 当時、第一日文の学生に20代前半と思しき美女がいた。登下校も教室内でも常に屈強な若者2人がボディーガード然と寄り添い、訛りのない中国語を喋り、広東語を話す他の学生とは振る舞い全般が違っていたし、他の学生との接触も避けがちだった。Y、D両先生の彼女に対する扱いは他の学生に対するのとは違って見えた。当時は奇妙なこともあるものと特に気にもしなかったが、後になって、どうやら佐藤ルート関係者の血縁だったらしいと知って、当時の疑問が氷解したものだ。
 なお佐藤ルートについては、宮川徹志『佐藤栄作 最後の密使 ──日中交渉秘史』(吉田書店 2020年)が詳しい。

 田中さんの話に戻る。
 「北京からやって来る要人」とは、中国外交部で大きな影響力を持つ喬冠華(外交部長は1974年~76年)の側近らしい。「彼とは深い因縁があって」と田中さん。
 じつは田中さんは20代半ばの少尉時代、河北・河南・山西にまたがる太行山脈一帯で「敵軍帰順工作」に従事し、軍刀を下げただけの姿で敵地に単身で乗り込み、7万余の?介石軍を無血で帰順させた軍功の持ち主。戦争中には松竹映画の主人公のモデルになったとか。

 翌日だっただろうか。田中さんから「先方に会うことになったから何時までにホテルに来い」と電話。それなりに失礼のないような「一張羅」で、田中さんのお供をして指定の場所へ。
今にして思えば、尖沙咀の麼地道にあった北京料理の鹿鳴春だったような。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) コロナワクチン接種の「怪」その2。
 政治家保守の根本的な姿勢は「真の国体を守る」に尽きる。戦争で敵を破る、国を富ませる、子供に正しい文化・教育を与える、国民、国内の平和、協調、などなど。故に、例え、敵に打撃を与えるにせよ、「一億総玉砕」は最大の「反・保守」であり、親敵。
 国の政策は、全てこの高い安全な基準で運営されるべきなのは当然。独身の個人が全財産を競馬に賭けて失い自殺するのは当人の自由だが、家族を持つ者はしてはならない。
まして国の富、経済に関する政策は極めて「保守的」であって、MMTなどの「人体実験」はしてはならない。が、最近は世界指導者がMMT菌の病に罹った。MMT菌は日銀で生まれた、と世界は認識している。
 なぜ「怪」か、という理由・証拠は、山とあるが、始まって1年ほどたって、やっと「反省・疑問」の論調が現れた。その代表として、マス・ゴミの大手、ニューヨーク・タイムスの著名な記者マイケル・カプーゾ氏の15ページの記事。
これは当然邦訳されるべきだが、おそらく無視される。彼の属するタイムス社からでさえ拒否され彼の妻の運営する小さな雑誌に掲載された。
https://covid19criticalcare.com/wp-content/uploads/2021/05/The-Drug-that-Cracked-Covid-by-Michael-Capuzzo.pdf
 
 何故、非科学的非医学的非人道的な「対策」(実験)が全世界規模で行われているか、という疑問。この実験には「世界の影響力のある指導者」が「企画・運営」していると思われる。
マス・ゴミも当然加担していなければ不可能。
 それは、来たる巨大な全世界規模の総合的な「破綻」に備える、準備体操のようなモノだ、という説がある。幸せ安全安心の家族が突然の破産に見舞われると、気が狂ったり弱い心が一家心中してしまう。
ふだんから多少の困難を経験していた方が強い。そんな親切な配慮から、武漢菌対策という名目で、世界の人民を「訓練」する。恐慌の際、当然政府の強い指導・規制が必要になる。個人の自由は制限され、個人の財産も凍結されたりする。
 では、その恐慌とは何ぞや?
何故世界の指導者どもは知っているのか。今や世界の富の半分を数人の人間が所有する、という不思議な極端な偏在が生まれたが、本人たちがいちばん良く認識している問題とは、「限界に達した」。とうとうバブルの塔が崩れる時期がきた。
つまり1971年に世界史上初めて基軸通貨が、なんの裏付けもない、「金兌換性(キン・だかんせい)」を捨てた。
その実験が、やはり「あまりに素敵な美味い話、は嘘」という当然の結果が近未来に現れる。これらの超富裕層、その家来である政治家・官僚などもは、完全な無秩序な崩壊は防ぎたい。
そこでこれからできるだけ、彼らにとって被害が少ない過程で、来たるべく「恐慌」を制御・運営する。
 この説明が当たっているかは数十年後にならないと解らない。「真珠湾攻撃の嘘」がFDRによって仕組まれた、という事実は長い間隠されていた。
(KM生)

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(読者の声2)貴誌6月10日(木曜日)付け通巻第6943号「読者の声」で、小生は「KK母が、現在も遺族年金を受給し、詐取を続けているならば、その法益侵害状況は、2002年以降現在に至るまで、約19年間、継続していることになる」として、これは「継続犯」だから、「犯罪の継続している間いずれの時点をとっても既遂であり、その間はいつでも幇助犯・共同正犯が成立し、公訴時効起算点などは、既遂到達時ではなく、犯罪終了時が基準になる」と述べました。
 しかし、前半部分は正しいとしても、犯罪としては、2ヶ月に一度遺族年金が支給される毎に、騙取(状態犯)が成立し、その犯罪が、長期間にわたり、反覆継続的に行われている状態だと考えるべきかと思います。
 あらためてこのように考えてみると、KK母による遺族年金騙取は、現在もなお、2ヶ月に一度繰り返されているわけで、その状態が明白であるにもかかわらず、これを放置するようなことは、法治国家として、絶対に容認できないことだと考えます。
 警察・検察当局は、このような長期にわたり反覆継続的に継続されている犯罪について、早急に立件して、刑事責任を問うていただきたいものと切望いたします。
 いずれにしても、このKK問題については、論じていて、気分が滅入ってきます。応急的なその場しのぎで禍根を後世に残すようなことなく、早急に婚約内定が取り消され、KK母子のようないかがわしい家族と次代の天皇家が姻戚関係になるというような恐ろしい事態にならないことを願っています。
  (椿本祐弘)

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(読者の声3)G7にむけ10日夜に羽田を出発した菅総理、専用機の機材トラブルで予備機に変えての出発だったとか。
 航空関連のサイトでは羽田の出発からの経路を見ることができる。
https://ja.flightaware.com/live/flight/JF001
 羽田を午後8時36分に出発、9時には佐渡の東を通過しロシア上空へ。その後は中国領空にかからないようやや東に進路を変えている。
 台湾が欧州からコロナワクチンを空輸した際には、ドバイ経由でしたが通常の中国上空ルートではなく南回りルートでした。
日本からのワクチン輸送では通常3時間半の飛行時間がわずか2時間58分でした。飛行ルートひとつとっても政治情勢を如実にあらわしていますね。
  (PB生、千葉)
    ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎    
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      (休刊予定)週末は小誌、休刊の予定です
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)6月11日(金曜日)通巻第6944号  <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~中国、ビットコインのギャング団1100名を逮捕
  闇決済市場を手入れ、ギャンブルの13%がビットコイン決済だった
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 6月9日、中国公安部は全土のギャング団のアジトを手入れし、1100名を逮捕するという大捕物劇があった。
 ビットコイン取引を当局が禁止したにもかかわらず闇世界におけるマネーロンダリングがWeCHATを通じてネット上で暗号通貨で取引されていたのだ。

 ギャンブルサイトの決済の13%が、中国では暗号通貨を利用している実態がうかびあがり、またビットコインなど暗号通貨を現金に交換する闇市場では手数料が1・5%から5%が相場だという。

 ブラジルのJBSは世界最大の食肉加工企業だが、ハッカーの襲撃を受け、流通システムが停止した。1100万ドルの身代金を支払っていたとウォールストリートジャーナル(6月10日)がすっぱ抜いた。

 さきのコロニアルパイプライン社も5億円近い身代金を支払っていたが、FBIは半分を押収したと発表している。ダークサイドというハッカー集団の全容解明はまだだが、当局の捜査を逃れるために、すでに解散したという説も流れている。

 中国人民銀行は「ビットコインの決済取引の停止」を発令し、中国国家発展改編委員会は取引所を閉鎖した。
しかし「上に政策あれば下に対策あり」の中国人、当局の裏をかく行動を続けてきた。暗号通貨の採掘には膨大な電力消費をともなうため比較的電力に余裕がある内蒙古省などに取引所があったことは当局が把握していた。 
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 ■宮崎正弘の最新エッセイ
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バイデンの仕掛ける深謀遠慮
米軍、アフガニスタン撤退に隠された裏の意味
https://news.yahoo.co.jp/articles/d8ebfdb77c0aa2a966576b0d677e7342b301aefc
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)生番組の予告です。好評「宮崎正弘の生インタビュー」(未来ネット)。次回のゲストはジャーナリストの門田隆将氏です。
6月15日(火)16:00から生配信です。下記で予約登録ができます。
https://youtu.be/QCzIMd6rdUE
  (未来ネット、旧「林原チャンネル」)

  ♪
(読者の声2)韓国の光州市で解体中のビルが崩壊し路線バスを直撃という惨事。5階建てのビルの解体でどうすれば道路側に倒れるのか不思議でしたが、動画ニュースを見て納得。
https://news.yahoo.co.jp/articles/121b4ffc5e2321f36a74abfb6d040102c5336739
 以前、上海の高層アパートが根本から倒壊したのと同じです。
韓国では一般の建物は基礎工事なしでいきなり建てると韓国の大学で研究職をしていた女性のブログにあったのが嘘ではないとわかります。
 韓国の不思議といえば済州島で駐車中の警察パトカーが岸壁を突っ切り小型漁船に突っ込む事故。
https://ninoq.hatenablog.com/entry/2021/06/09/040000
 いかにも韓国らしいほのぼの事故。韓国ではクルマを停めるときに。「邪魔なときに押して動かせるように」ブレーキを掛けないのが普通だという。
なにからなにまで想像を絶する国ですね。
    (PB生、千葉)

  ♪
(読者の声3)貴誌前号投書欄でKK問題が取り上げられ、疑惑の拡がりが見られますが、週刊誌の報道にもあるように、国民は不信、というより不満が噴出してきたのではないでしょうか。
 つまり国民は「KKが天皇になる?」というシナリオは受け入れがたいと、風向きが「女系天皇」反対へ大きく変わりつつあると思います。
  (FH生、藤沢)

  ♪
(読者の声4)今回の武漢ウイルスとワクチンについて、毎日、医学書と医学ニュースを追いけているものとして、意見を書かせていただきたく、メールを差し上げました。
 もちろん、新しい経験ですから、わからないことだらけではありますし、浅知恵ですので、早く収束してほしいという祈りのようなものですが。
 今回の武漢ウイルスは、私も最初は普通の風邪と思っておりましたが、酸素吸入器と点滴を持って、自宅隔離の患者さんの家を、看護師さんが訪問して、何とか入院させなければと電話をかけ続けている。ホテルの宴会場にベッドを並べて、酸素吸入と点滴をしている現状はとても普通の風邪とは言えないと思います。
 RNAは逆転写酵素がなければ、DNAには組み込まれないと理解しておりますが?
HIVなどは、それを自前で持っていると思います。ワクチンができるのが早すぎるといわれますが、研究者が自分の研究の成果を見届けられることはまれだといいます。機が熟しかけていたところへ、今回のウイルス。「それ行け」ということで、少し見切り発車はあったかもしれませんが。
人体実験と言われますが、人間生活なんて、すべてが人体実験のようなものですよね。そうじゃないと何も発展しないですし。私は役立たずなので、実験に使っていただけるなら、光栄です。
何千年も、もっと前からかもしれませんが、海の向こうに新天地があると期待して、海流と風と、尽力だけで船で漕ぎ出す。それが延々と続いているだけ。ただ自作の小さなレンズで微生物を見つけた時代と違って、研究には膨大な資金が必要なので、国の威信をかけた予算を付けてもらうか、資本家に出してもらうしかない。だから陰謀論が出てくるんでしょう。
話がそれますが、地球環境や健康のために、あれも禁止、これも禁止しようって、地球も体も、使えば汚れたり擦り減ったりするのは当たり前なので、みんなが我慢して守りましょう、なんてしんどいですね! ワクチンでも何でもいいから、早く収束させて、どんどん新しいことをやってほしいと思います。
  (TT生)

  ♪
(読者の声5)貴誌前号、読者の声3(KM生)氏が指摘しておられたコロナワクチン接種の「怪」とトランプ再選阻止クーデターについて、今読んでいるブログには2007年から2014年までさまざまな論が取り上げられている。9.11のテロもモサドとCIA・米軍過激派のクーデターという説も紹介している。
 ワクチンについてはエイズから鳥インフルエンザ、エボラ出血熱まで人口削減計画の一環として取り上げていますが、アメリカは囚人や黒人を対象に人体実験を平気で行ってきた国なのでコロナ騒動の元が米中合作だったとしても驚きはない。
 世界支配構造についてもフェニキア~ベネチア~フランス~英国と続く支配層がメインでユダヤは下請けという説から、ユダヤがカトリックからプロテスタント、イスラムまであらゆる組織に浸透し操っているという説までさまざま紹介。いずれの説もオカルト・グノーシス主義や悪魔・ルシファー崇拝がからんでくる。シンボリズムとしては逆五芒星が有名で、ヒラリー・クリントンの大統領選挙の写真で星条旗が逆五芒星だったり、共和党のシンボルが2003年から逆五芒星になっているのも有名。
9.11以降アメリカ乗っ取り完了の象徴かもしれない。

 宗教やオカルトで興味深かったのがフランスの黒いマリア信仰とモルモン教について。
https://satehate.exblog.jp/15166812/
 欧州には180ヶ所以上に「黒い」マリア像を信仰する教会があり、バチカンはなぜマリアが黒いのか説明できないできた。黒いマリアは古代シュメール、エジプト、ギリシャの流れを汲むマリア信仰を偽装した悪魔信仰だという。古代ギリシャのアルテミスがマリア信仰に変形、移行したとされているが、アルテミスは古代ギリシア語のアルタモス=葬り殺害する意味の言葉を語源にしているという。
 現在のキリスト教では外典・偽典とされる「マリア福音書」や「エノク書」を取り上げ、『「エノク書」の教える所は「奴隷として人間を酷使した後、十分な富が蓄積された後には必要の無くなった大部分の人間等は皆殺しにせよ。半分神である白人の一部だけをノアの箱船に残し、他の人間等は殺害して良い。大部分の人間は殺して食べて良い家畜である。」
モルモン教によれば、このノアの箱船がイスラエルである』と紹介する。
モルモン教の建物にはいたるところ逆五芒星が見られることなど知らなかったのですが、一夫多妻のカルトから始まったモルモン教やキリスト教一般の奴隷を当たり前とする価値観には2千年以上の歴史があることがよくわかる。
 有色人種を奴隷にする物語といえば沼正三の「家畜人ヤプー」。中学か高校の頃に読んだ記憶がありますが内容はすっかり忘れていました。のちに石森章太郎が漫画化、2003年には江川達也が漫画化しています。そんな江川版の漫画が LINEマンガで無料公開中。WEBでは第1話から5話まで公開、それ以降はスマホアプリで公開です。日本人は黒人奴隷以下の家畜扱い。
https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0001062
 5話まで読んだだけでも、会田雄次の「アーロン収容所」にでてくる白人女性が日本人捕虜(会田)の前では裸でも平気だったというのが事実とわかる。家畜の前に羞恥心などない。人種差別が当たり前だった時代の作品だけに白人の本質を捉えている。サダム・フセインやカダフィ大佐に対する仕打ちを見ても白人の残虐性は変わらない。
米中の狭間の日本、マフィアと山賊のどちらにつくかといえば、マフィアのほうがまだ約束を守るだけマシといったところでしょうか。
  (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)そういえば四半世紀ほど前だったか。沼正三を名乗る陰気な人物(本物らしかった)と或る会で偶会した記憶が甦りました。たいそうな陰険な印象を抱いたものです。
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