序
「アーツ・アンド・クラフツ/ウィリアム・モリスの展覧会がやってる。」
チラシだったか、アート番組だったか、ニュースだったか。開催を知り、行きたかったが、近場の巡回を逃し、諦めた。
ところが、あれれ?年明けまたやってる。
今度の会場は千葉県立美術館。近くはないが、まぁなんとか行ける範囲。関心あるテーマの展覧会と、まだ行ったことのない美術館の開拓(これはこれで好き)のコンビネーション。奮起して行ってきた。
展覧会情報
今回の会場は千葉県立美術館。
以下が公式サイト。
3月24日(日)まで。
冒頭話題にしたとおり、この展覧会は
これまでいろいろな地域を巡回している。
これまでの巡回先が、以下で確認できる。
今回、最後の巡回先に間に合ってよかった~と思いきや、べつに最後ではなかった。次は4月30日から、新居浜市美術館@愛媛に出没。なんというか、ポップアップストアみたいな展覧会である。
会場まで
千葉県立美術館の最寄り駅は、京葉線の千葉みなと。
最終駅の蘇我の一つ手前。
以後、写真ベースで。
* * *
会場風景・展示について
この展覧会の特徴。一言で言うなら、いわゆる狭義の「西洋美術」には属さない、19世紀後半~20世紀第1Q辺り英米の、ありとあらゆるジャンル・素材の「手仕事による生活良品」が一堂に会した展覧会。
舞台や映像の背景・小道具などで引き合いの多い対象だと思うので、そういった仕事をされてる方には、実物を間近に見れる貴重な機会では。
新築引っ越しやリノベ等で内装や家具を検討中の人にとっても、なかなか有益な内容だと思う。
そのような必要上の背景がなくても、素朴に「良い仕事/良い品/良い生活とはなにか」の気づきや閃きを期待しても良い。そうして得たイメージを、日常の選択や現世の仕事に繋げていきたい(なぁ)。
ショップ・グッズ
この展覧会の特設ショップ。展覧会テーマらしい、全体的にハンドメイドの雑貨屋的雰囲気。もちろん、図録、絵葉書も販売。ほかに変わり種として、図録とは別に、研究者による論考集『千葉とアーツ・アンド・クラフツ』(図録よりも高額だった)も販売していた。
美術館について
ここ千葉県立美術館は昭和49年10月に開館。近年耐震補強などはされているが、もうすぐ築50年。外観はレンガ調の落ち着いた佇まいだが、内装は正直古めかしい。昭和の薫りが、残っている。
関連話題
最近読んだ『現代美術史』(山本浩貴, 中公新書, 2019)は非常にお気に入りの一冊なのだが、その冒頭第1節は、アーツ・アンド・クラフツの解説から始まる。4頁程度の記述だが、アーツ・アンド・クラフツやウィリアム・モリスなどの名前程度しか知らなかった自分には、ちょうどいい内容だった。
『現代美術史』を読み、展覧会も見たあと、購入した図録の論文やセクションテキストを読むと、歴史知識や今回の展示の内容がススッと頭に入った。もしこのテーマに興味があり同じようなレベルの人には、オススメしたい。
昨年のことだが、ケルムスコット・プレスのことやその作品(刊行物)は、「本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション」展@練馬区立美術館で堪能した。このとき、自分の中でウィリアム・モリスへの関心が一挙に高まったのかもしれない。今思うと。
以 上