Illuviumとは何か① （イントロダクション）
Illuviumは、Immutable XのL2ネットワーク上に構築される、完全に分散化されたRPG / コレクションゲームです。
Illuviumの世界へようこそ。ここであなたは、美しさと不思議に満ちた未開の土地を旅して危険な獣を狩ったり、アリーナで戦わせたり、取引所で他のユーザーと交換することができます。
Illuviumは、ユーザーがILVトークンをステーキングをすることで、ガバナンスへのアクセスや、イールドファーミング、さらにゲーム内収益の一部を受け取ることができるメカニズムを採用しています。
完全に分散化されたプロトコルであるIlluviumは、新しい時代の「ゲーム」を象徴する存在を目指しています。これは、ゲームプレーヤーにAAA（トリプルAゲーム）級の体験を提供しながら、同時にILVトークンの価値を長期的に高めるためにゼロから設計されています。
Illuviumのユニークな点は、ユーザーがILVトークンのステーキングをすると、定期的にゲーム収益の一部を受け取ることができたり、ゲーム自体の機能からトークンエコノミクス関連の仕組みまで、あらゆる点について「投票」ができることです。
つまり、Illuviumの未来はユーザーの手に完全に委ねられているのです。
なぜ、DeFiなのか？
このプロジェクトの大きな目標は、自律的に運営が行われる完全に分散化されたゲームを作成することです。2020年初頭から、DeFiアプリは目覚ましい成長と急速な発展を遂げてきました。今日では、取引・貸付・ウォレットのインターフェイスから、約1.6兆円以上の時価総額をもつ資産やコミュニティに至るまで、何百ものDeFiプロジェクトが注目を集めています。
一方で、ユーザーに具体的な付加価値を提供しないプロジェクトからは、すでに投資家の関心が移り始めていることも事実でしょう。
Illuviumが実現する「a decentralised gaming economy（分散型ゲーム経済）」は、投資家であるILVトークンのステイカーと、企業から干渉を受けたくないゲームプレイヤーの両方に、中央集権的なゲームには不可能だった付加価値を提供します。
また、現在DeFiマーケットには、映画レベルの3D特殊効果などのクオリティや、オープンワールドRPG機能を備えたAAAゲームタイトルはありません。Illuviumはゲーム機能と暗号通貨を融合させることで、暗号通貨を愛する投資家から、熱心なゲーマー、テクノロジーに関心が高い人々を魅了できると考えています。
ユーザーを魅了する、ゴージャスかつレアなNFTにより、ステークホルダー（投資家 / ゲーマー）がILVプロトコルに長期間にわたり関心を持ち続け、プロトコルの安定性を保持することを可能とします。
イーサリアムのL2スケーリングソリューション Immutable X
「オーナーシップ（所有権）」はコレクションゲームにとって不可欠な要素です。もし、あなたがアイテムを完全に「所有」できなければ、プラットフォームの価値は低いと言わざるをえないでしょう。
これこそが、デジタルメディアがゲーム業界で苦戦をしている理由であり、カードゲームなどの「有形資産」を扱うゲームが長きに渡り生き残ってきた理由です。しかし、ユーザーがデジタルに所有することができるNFTの出現により、デジタル資産の所有権・価値・有用性は一気に変わろうとしています。
では、NFTとは？
NFTは、Non Fungible Token（代替不可能なトークン）の略で、ブロックチェーン（デジタル台帳）上のデータの単位です。その名の通り、各NFTはユニークなデジタルアイテムを表すことができるため、代替することはできません。
最初のNFTは2012年にビットコインブロックチェーン上で誕生しました。現在最も一般的なNFTであるERC-721は、イーサリアムブロックチェーン上に構築されています。
NFTは2017年11月にローンチした「CryptoKitties」をきっかけとして人気に火がつきました。イーサリアムブロックチェーン上に構築されたCryptoKittiesは、スケーラビリティの問題に悩まされながらも、デジタル資産であるNFTを「所有」するという新しい経験は、多くのユーザーを惹きつけました。それから、NFTは様々なゲームやアート、コレクションとして普及していきます。
なぜ私たちは「Immutable X」を選んだのか？
NFTプロジェクト、およびそのユーザーが現在直面している最も大きな問題は、イーサリアムネットワーク上での取引コストです。イーサリアムが一定時間内に処理できる取引数には制限があるため、ユーザーは（自分の取引を優先してもらうために）高いガス代を支払わなければなりません。このホワイトペーパーの執筆時点で、NFTの送信手数料は１回あたり約$15もかかってしまい、NFTの取引量は急落しました。
Immutable Xはこの状況を一変させます。いわゆるZero-Knowleage（ZK）Rollupを活用することで、ユーザーはガス代を支払わずにNFTをトレードすることができるようになります。ガス代を節約できるだけでなく、ユーザーには以下のようなベネフィットがあります。
・ユーザーはイーサリアムのメインチェーンと同じセキュリティレベルで、自身のNFTを自律管理することができます。これは、MaticやxDaiといったスケーリングソリューションにはない特徴です。
・取引は瞬時に完了し、イーサリアムのメインチェーンに戻すのはトラストレスかつ検証可能です。
・他のソリューションとは異なり、ユーザーはNFTをトレード（買い、売り、送信、受信）するために、L2トークンを所有する必要はありません。
・オフチェーンでのミンティングにより、ユーザーはより面白く魅力的なゲームメカニズムや、デザインをIlluviumで楽しむことができます。
・Immutable Xは、パートナーであるStarkWareによって開発されたテクノロジー「Cairo」のおかげで、近い将来、チューリング完全な汎用計算を提供可能になります。
・Immutableエンジンは、毎秒9000以上の取引を処理することができます。
また、Immutable Xはバイヤーとセラーが簡単に互いを見つけられるよう、NFTの流動性の改善にも力を注いでいます。
彼らは「メタデータ・オーダー」と呼ばれるシステムを構築し、これによりバイヤーはNFTを構成する特徴（メタデータ）をもとに、素早くかつ簡単にアセットを購入することができるようになります。これは、「わずかな違い」によりプライスが異なる数千ものNFTに検索をかけて、プラットフォームを利用するユーザーにとっては大きなメリットになるでしょう。
もし、これをお読みの方が「ZK Rollups」をあまりご存知でない場合は、イーサリアム創始者であるVitalik ButerinのRollupsについてのガイドをお読みになることをオススメします。なぜ、「ZK Rollups」がイーサリアムの最適なスケーリングソリューションと考えられているかを、お分かりいただけると思います。
Illuviumのコアメカニズム：ミンティング、バーニング、交換
これまで、ほとんどのNFTゲームの標準的なパラダイムは決して魅力的なものとはいえず、実用性に欠けていました。一部のゲームでは、NTFを購入して、ゲームで遊ぶことができます。確かに改善はありましたが、私たちは「もっと魅力的な体験を創ることができるのではないか」と感じていました。
つまり、プレイヤーと彼らのコレクション（NFT）の間に「感情的なつながり」を確立する方法が必要だと思っていたのです。現在のNFTゲームと、あるべき姿の間にギャップを感じているのは、私たちだけではないはずです。しかし私たちは、その中でも感動的な創造を体験したいと願ってきました。
Illuviumのゲーム内では、「Illuvials」と呼ばれる野生の神秘的かつ戦闘的な生き物に遭遇します。未知な惑星を旅しながら、ユーザーはそれらを狩り、打ち負かし、捕らえます。これを行うには、「シャード」と呼ばれる道具が必要です。シャードとは、獣を内部に閉じ込めることができる結晶の断片です。（ポケモンでいうところの、モンスターボールですね）
シャードはいくつかのレベルに分かれており、それによって獣を捉えられる可能性が決まります。捕獲が成功すると、獣（Illuvials）をあらわす新しいNFTトークンが作成され、ユーザーのウォレットに保存されます。例えば、同じ属性の獣をいくつか捕獲することができれば、それらを融合し、より強力な獣をミントすることも可能です。
IlluviumはImmutable Xの上に構築されていますので、プレイヤーはオープンワールドのRPGに没頭することができます。これまでのように、自らのNFTコレクションに少しの変更を加えるたびに、ガス代を支払う......というようなことも無くなるのです。また取引は高速に行われるため、プレイヤーはゲームの主要な要素である冒険・収集・戦闘・獲得に集中することができるというわけです。