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【MTGアリーナ】第4回タイムレス雑感&サンプルデッキリスト集


※例の如く全文無料です。有料部分は投げ銭のお礼にインポート用デッキリスト(サイド込)が置いてあります。

■はじめに


皆さん、タイムレスやってますか?
自分は1日334時間プレイしています。

怒涛の黎明期を乗り越え、主要なデッキがお行儀良く鎬を削る競技フォーマット面をし始めたタイムレス環境。
下環境のパワーカードが実装当初から大量に詰め込まれているため、スタンダードやエクスプローラに比べて環境の変化は起きにくいフォーマットとなっています。

とは言え、ヒストリックホライゾンの様にデジタル特有の露骨な強カードパッケージの実装は当然期待していて然るべきでしょうし、拡張セットの到来に常にアンテナを貼りつつ、通常セットは摘む位にしておくのがタイムレスプレイヤーとしては無難な………無難な…………

ん?

"教育"の時間だ・・・

■ランクマッチ雑感


・ショーテル、襲来
カルロフ邸殺人事件。
セットとしての下馬評は決して高いとは言い難く、単体で環境を破壊する様なバグカードは現状見つかっていませんが、スタンダードの有象無象の影に紛れてコッソリ1枚の犯罪者が実装されていました。


うらやましそう


そのカードとは実物提示教育。

3マナソーサリーでありながらハンドから任意のクリーチャーorアーティファクトorエンチャントor土地を踏み倒せると言う意味不明なテキストをしていますが、当然大きなデメリットを内包しており、相手も同じくハンドのパーマネントを1枚踏み倒す権利を与えられます。
……大きなデメリット?

新卒一年目社会人の年収と大谷翔平の年収は同じ年収と言えども月とスッポン程の差がある様に、同じ1枚の踏み倒しと言えどもこちらは構築段階で一騎当千のパワーカードを搭載しておけるため、撃つ側が明らかに有利なのは自明の理です。
平等と公平のニュアンスの違いを優しく"教育"してあげるカードというわけですね。

※言ってない

踏み倒し候補としてはマスト対処な肉と後続を同時に確保出来るアトラクサやグリセルブランド、単体では何もせず他の踏み倒しともくっつき難いものの大量ドローが絡むとゲームが終わる全知辺りが候補でしょうか。 

最速2T目に仕掛けつつ1枚通せば即死まで見えるスケールの大きいコンボでありながら、ベルチャーの様に構築上の制約が無く島1枚から走れるため月耐性もありますが、カウンターやハンデスは月並みに効果的な上に特定カードに依存したコンボのため石の脳などのぶっこ抜きも有効なため、ショーテル側もそれらをケア可能な構築にする必要があります

加えて注意すべきは実物提示教育デッキのミラーマッチであり、うかつに実物提示教育を打つと相手に全知を設置されて殺されるケースもあるため、十分にハンドを整えてから仕掛けるか軸ズラしでの完走を狙うべきでしょう。

既存の環境デッキに与える影響としては、まず割を食うのはタイタン原野かと思います。
そもそもアトラクサが割と無理寄りのデッキであり元々自然の秩序系対面が苦手でしたが、ショーテルに原始のタイタンを合わせたとしてもアトラクサの前にモジモジしてしまう事実は揺るがず全知が絡むと基本的に受け切れません。

また、盤面を無視して即死させてくるコンボデッキのため、非青フェアデッキはサイドの練り直しが必要になるでしょう。
神秘の聖域での積み直しを考えると、対策をハンデスのみに絞るのは心許ないと言わざるを得ません。

逆に地位を上げたのはトライバルZOOであり、重いクロックでコンボパーツを揃える暇を与えずショーテルには力線の束縛を合わせる筋も見込めます。

・コッソリ実装される呪文嵌め
実物提示教育ほどのインパクトはないものの、呪文嵌めの実装は青いデッキにとって僥倖でしょう。

燻し銀という言葉が似合う


渦巻く知識の裏目であるオークの弓使いを1マナでスマートにカウンター可能でありながら、カヴーやタルモ等厳しい説教で対処不可能なサイズの肉も打ち消し対象であり、2マナの重クロックを駆使するトライバルZOOにとっては思わぬ伏兵と言ったところでしょうか。

血染めの月やジャージル、実物提示教育やネクロポーテンス等ゲームを決定付けるパワーカードは3マナが多いですが、脇を固める妨害やクロックに当てどころが多いため青1マナ構えは呪文貫き以外のケア候補が増えたと言っていいでしょう。

では例の如くサンプルデッキリスト集へ。
流行りに乗ってショーテル多めです。

■サンプルデッキリスト


・スニークショー

アリーナでこのアーキタイプを見る事になるとは


レガシーの踏み倒しA定食、スニークショーの名を由来となった騙し討ちと実物提示教育の2枚看板がなぜかタイムレスに実装されたため、アリーナでもスニークショーを回す事が出来る様になりました。
騙し討ちor実物提示教育+砲弾の2種類を手札に揃える絵合わせゲームであり、妨害やハンド入れ替えでコンボ成立を支えます。
面倒な下準備なしに必殺級パーマネントを投擲でき、踏み倒しが決まると並大抵のデッキでは耐えられませんが、ハンドでの絵合わせデッキのため、ハンデスで要点を抜かれると単体で何もしないゴミを大量に抱えて憤死するリスクも内包しています。

しかしながらフリースロットは多く、カウンターや除去を増やして再現率を上げたり血染めの月や寓話による軸ズラしの攻め筋を用意したりとプレイヤーの構築の腕が光るアーキタイプになります。

・青緑オムニテル

概ねレガシー(一部出禁あり)


こちらもレガシーにてメタ上位に食い込む実績持ちアーキタイプです。
スニークショーより採用可能なコンボパーツの枚数は減っているものの、コンボパーツの片割れだけハンドに抱え落ちし辛くなるのに加え、コンボが青単色で完結するため構築の自由度が高いです。
サブカラーに緑を選ぶことにより、夏の帳とかいうクソオリカでハンデスと打ち消しをケアしながらコンボパーツを溜め込める様になる上、レガシー出禁の大罪人クソオリカである王冠泥棒オーコが軸ズラしや対策カード無力化に八面六臂の活躍を見せます。

対フェアの序盤戦等だとアトラクサを適当に投げつけるだけで相手が爆発していきますが、ゲームがもつれて相手に十分な時間を与えてしまっても全知設置からアトラクサ・ロリアンの発見等を連打する事で、最終的にアトラクサ+全知の裏に大量の対抗呪文と夏の帳を構えて相手を受け無しの状況に持っていけます。

キルターンが早く力戦の束縛で全知をケアされるトライバルZOOには不利な印象ですが、それ以外のデッキには軒並み五分以上はある感覚です。
事実、プラチナ3から1日でミシックまで昇格出来、序盤は15-1という異常なマッチ勝率を叩き出しました。

・青黒オムニテル

暗黒の儀式を信じろ


上記の青緑オムニテルの色違いです。
夏の帳とオーコの代わりに、ハンデスとオークによる妨害に加えて暗黒の儀式によるマナ加速も可能であり、2T目に暗黒の儀式→ハンデス+実物提示教育の様な上振れも見えます。

暗黒の儀式経由で一つの指輪やカーン等の中マナ域を早期投下しやすいのも面白いです。
サーチカードも悪魔の教示者や鏡に願いを等強力であり、全知後に浮いたチューターから適当な大量ドローにアクセスすれば相手が爆発するのも時間の問題でしょう。

全体的にライフペイが多くなるのは気になりますが…。
神秘の聖域を運用しつつ鏡に願いをの黒トリプルも使いたいので足回りが強いとは言い難いです。

・青白オムニテル

コントロール誤認した相手を即死させよう!


他のカラーも紹介したのでついでに。
白をサブカラーにするメリットとしては除去の質が高く、コンボパーツを集める時間を確保しやすい点があるかと思います。
また、力線の束縛は相手のショーテル全知に合わせる事でソーサリータイミングのスペルを唱えられる前に全知を処分出来るため、ショーテルの撃ち合いにおいても一定の強度を持っています。

とは言え相手に能動的に干渉しづらいのは気になる点ですが…。
アグレッシブサイドボードに僧院の導師を採用する事で、除去を全抜きした相手をズタズタにする軸ズラしも検討出来ます。みんなこういうの好きだろ!!!まぁ自分は神話レアワイルド足りてないので無理ですが

ちなみにオシャレポイントですが、力線の束縛の版図カウントのためのトライオームでアトラクサを素出しするための色マナが賄えます。白除去でゲームを伸ばせるため覚えておくとゲームプランの幅が広がります。

ショーテル系統全般に言えますが、ハンデスやカウンターで未遂に終わった実物提示教育を神秘の聖域で使い回す動きが強力なので島を並べやすいマナベースにするのがオススメです。
3T目まで能動的なアクションをする必要が薄く特定パーツを探すアーキタイプのため、暇なターンにフェッチから山を掘れる諜報ランドも併せて是非とも採用したい所です。

・青単オムニテル

目に優しい


ついでに青単も置いておきます。
月耐性が高く、ショックインせずにスペルを唱えていけるため不必要なライフ損失を抑えコンボ成立までの猶予を確保出来ますが、一度着地したパーマネントに触り辛くラガバンに一生殴られたりはします。

コンボ全振りなのでショーテルへのぶっこ抜きは死ぬ気で阻止しましょう。
全知着地まで通れば後は適当に山札掘って副陽の接近2回打って終わりです。
カウンターを多めに積めるため、ゲームレンジが長めの対面には有利な気はします。
後はショックランドを作らなくていい分ちょっとお安く済むかもしれません。ちょっとだけ。

以下でショーテル以外のデッキもピックアップ。

・ベルチャー

土地入れ忘れたんですか?(笑)(笑)(笑)


mtg初等教育からあまりにも逸脱しており三度見くらいしたくなる謎のデッキです。

端的に言うと1枚で40点以上のダメージを叩き出せるイカれたアーティファクトを核としたコンボデッキですが、構築上の縛りとしてデッキに土地を積めないとかいう禪院甚爾もビックリの天与呪縛を己に課しており、縛りの抜け道である両面ランドや暗黒の儀式でどうにかゴブリンの放火砲の起動コストを賄うというmtg屈指の限界異常構成コンボです。
タイムレス環境でいかにも貧相なタップインランドでスタートして来たらほぼ間違いなくベルチャー対面となります。

単色タップインランドや単色ボルトランド等あまりにも脆弱なマナベースを枷として背負っているものの、暗黒の儀式やチャネルが絡むと平気で2〜3キルしてくるトラックレーサーでありながら、大量のサーチカードによるある程度の再現性も持ち合わせています。

特定カード依存かつ全身急所系デッキなのであらゆる妨害が通ると思いきや、ベルチャー側も夏の帳や神聖の力線で妨害を乗り越えに来るので割り切ってクロック並べて撲殺した方が勝てたりします。

地味にショーテルに対しての優位点があり、相手の実物提示教育にゴブリンの放火砲を合わせる事で相手がデッキをぶん回す前に放火砲起動で焼却するルートが存在します。
暗黒の儀式が絡むと黒1マナ立っているだけで最悪ショーテルを打つと逆王手をかまされるパターンがある点には注意を払うべきでしょう。

勝ちも負けも大体早々に見えるので適当にタイムレスを遊びたいなら悪くない選択ですが、汎用性に乏しい両面ランドに大量の神話レアワイルドを食われるのは自分の様な貧困プレイヤーには苦しいところがあります。

・アマリアオーダー

概ねパイオニア(一部出禁)


エクスプローラやパイオニア環境にて頭角を現した期待の新星ですが、タイムレス環境でもやれんのか?と思い構築。

着地点の盤面一掃&20点クロック+探検で直接ダメージ手段を拾いに行く動きがタイタン原野のゾンビ横並びに強く、クリーチャーコンボ+自然の秩序により単体除去依存の非青ミッドレンジ相手にも戦えます。
コンボ対策に除去は温存したい所ですが、生き残った肉が自然の秩序で射出されるため出来れば肉は殲滅したい…と相手視点不自由な二択を迫られます。

似た構造のデッキにヨーグモスがありますが、どっちが強いの?と聞かれるとうーん。
とは言えエクスプローラ環境でのアマリアコンボのパーツを流用できるので、そっちをやってるのなら比較的安価に参入出来るかも。
多分レアワイルド10枚ちょい+神話ワイルド6枚とかだと思われ。安価とは。

・ターボマクサス

最近レガシーで話題のヤツ


ゴブリンをこよなく愛する某ヴィンテージ神に触発されて構築したタイムレス環境のゴブリンです。

当初は赤単で構築し寓話等のリソースカードを多めに搭載したミッドレンジ風味の構成でしたが、こちらがマクサスを出せる4〜5T目には相手の盤面が3億体のゾンビトークンに埋め尽くされていると言う不具合が発生したため、速度アップのために非合法ドラッグの暗黒の儀式を採用するため黒をタッチした構成になります。

2T目ずる賢いゴブリン→3T目ダリチュマクサスや1T目探鉱者→2T目ダリチュダリチュマクサス等で3T以内にマクサスを投下する事が可能な構成であり、捲れ次第ではそのまま相手を殺害可能と上振れ時の殺傷力は魑魅魍魎跋扈するタイムレス環境においても最速クラスです。
フェア相手には首謀者や群衆追いでの消耗戦もありますね。

赤単ベースなので相手のコンボには無力なものの、ショーテル→アトラクサにはマクサスを合わせると捲れ次第で返しに撲殺出来るケースもあるかもしれません。

■おわりに


今回はショーテル特集でした。
環境が停滞するとマンネリ化してしまうため、新しいアーキタイプで刺激を与えてくれるのは大歓迎ですね。
スケールが大きいコンボのため、パワカ押し付けが通用し辛く細かい妨害の重要性が上がったという認識で面白くなったと思います。
まぁ紙の下環境程ジャンジャンドーピングが入ると付いていくのが厳しいのですが…。

デジタル化されていない化け物カードはそれこそ星の数ほどあるので、ウィザーズがタイムレス環境をどう料理しにくるのか今後の動向にも注目です。

有料部分には例の如く投げ銭のオマケのサンプルデッキリストのインポート用英リストを載っけてあります。
わざわざ買ってくれてる人はありがとね。

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