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【MTGアリーナ】第二回タイムレス雑感&サンプルデッキリスト




■はじめに


皆さん、タイムレスやってますか???
私は1日48時間やってます。
実装されてから未だ数日と言ったところですが、既にこのフォーマットが大好きです。
元々モダンやレガシーを好んでプレイするプレイヤーだったので、紙と遜色ないフェッチランドによる安定したマナベースに見慣れたカード群、さらには歴史の闇に葬られた違法兵器の数々をぶん回せる全能感…。これらをスマホゲーとして味わえるのは破格のユーザー体験です。ありがとうウィザーズ。

実装初日にも記事を書きましたが、約一週間経過して環境も落ち着いたのでタイムレスBO3のランク戦に実装初日より潜っていた所感と実際にランク戦で使用し感触の良かったデッキリストをまとめました。
全文無料で有料部分にはインポート用のデッキリストがおまけ程度に乗っかってます。

■ランクマッチ雑感


・グリクシス系の隆盛
決して少なくない枚数のレアワイルドを要求されますが、流石にタイムレスに突っ込む狂人プレイヤーは妥協しませんね。

思考囲いやコジレックの審問による軽量ハンデス、稲妻やプッシュといった良質な除去、記憶の欠落や呪文貫き等の優良カウンターでこちらの動きを阻害しつつ、チャネラーやオークの弓使いと言った下環境でも実績のある精鋭クロックでライフを詰めに来ます。

さらには宝船の巡航が非常に強力であり、1:1交換を行いつつも継戦能力も非常に太く、更にはルールスまで控えておりクロパとは思えない安定感を有するこのデッキはカードパワーだけでなく、「マジックやってる感」も味わえて非常に高い人気を有しています。

モダンのグリクシスシャドウやレガシーのデルバーを好むプレイヤーにはこの上無くフィットするデッキなのではないでしょうか?
この辺の事情もデッキの人気を底上げしているかと思います。

・オークの弓使いの大量発生、それに伴うラガバンの価値の低下
レガシー禁止カードであり、モダンでも上位のデッキパワーを擁するカウンターモンキーのデッキ名の由来ともなっているラガバン。
殴り続けるだけで無限のテンポとアドバンテージを稼ぎ、スペルが軽い環境程輝くはずのラガバンですが、タフネス1というのはタイムレス環境において非常に大きな傷と言わざるを得ません。

そうです、オークの弓使いにとても弱いのです。
後手1ターン目ラガバンを先手のオークの弓使いの流鏑馬の的にされるのは必敗パターンで、かと言ってラガバンの後出しもオーク動員トークンとの相打ちになってしまい猿vsオークは0:6億でオークの圧勝です。

さらに言えば赤黒白には優秀な1マナ除去が存在しており、死儀礼等のブロッカーも出てこない方が珍しく、先手のラガバンと言えども安定したバリューを出すのは難しいです。
ラガバンが振るわない背景には目くらましが無かったりとかもあるのですが…ここでは割愛します。

一方そのオークの弓使いは高い採用率で世紀末を謳歌しています。
ルールスやチャネラーとの親和性があるガラクタやパワー9相応のスペックである1マナ3ドローの宝船の巡航、フェッチランドのあるレガシーでは青いデッキの象徴とも言えるブレスト等…パワーカードは得てしてカードドローに結びついており、ドローの価値が高い環境程ヘイトベアとしての輝きに磨きが掛かります。

さらに言えば、こちらのドローを咎める相手のオークの弓使いへの一番スマートな回答はこちらのオークの弓使いで相手の弓使いを燃やす事であり、抑止力としても青いデッキがサブカラーに黒を選ぶ理由になるくらいには強力です。

環境に対してあまりにも強いため、黒の入っているデッキでオークがいないデッキを探す方が難しく、更にはエンカウントする相手の体感8割は黒入りです。

・不意をついて現れる血染めの月
皆さん、基本土地使ってますか?

フェッチランドで多色化も容易となり、各色のパワーカードを使う上で基本土地がデッキの邪魔になるのは分かります。
しかし、これまでアリーナに常設されていたフォーマットと異なり、タイムレスには特殊地形を強烈に咎めるキラーカードが存在します

ふーんなるほどね 

モダンやレガシー民には馴染み深いカードかと思います。テキストも漢らしく一行だけと昨今のテキスト長くなりがちな現代mtgと違い目に優しいですが、テキストを読み換えると「基本土地がないなら赤単以外は死ね」と書いてあります。

上述したグリクシスの様なデッキはフェッチからのショックランドで色マナを安定させつつ動くため、直撃すれば赤いカード以外マトモに使用出来なくなりますし、多色構造のデッキの赤いカードのみで着地した血染めの月を捲るのはほぼ不可能です。
そのため、更にテキストを読み替えると「適切な状況でプレイすればゲームに勝利する」と書いてある3マナ1枚コンボであり、赤絡みで色を絞るデッキの構築理由にもなります。

ラクドスやイゼットカラーのデッキでルールスが見えていなければメイン戦でも警戒してフェッチランドから基本土地をサーチできる様に備えておくのが無難です。

・フェア環境だけどコンボもいるよ
アリーナに実装されている下環境の凶カードはオーコやラガバン等フェアデッキ用のカードが多く、メインから軽量カウンターやハンデスの割を食うコンボデッキには辛い環境ではありますが、一定数コンボデッキも存在します。

オタクなので顔のいいイラストが好き

その筆頭が騙し討ちです。
一度着地すれば赤1マナ払う度にハンドから好きな生物を展開しつつ速攻で顔面をぶん殴っていいとか言う意味不明な権能を手にする事が出来、大体の場合アトラクサやらグリセルブランドやらがすっ飛んでいって後続を確保しながらクソデカ絆魂パンチを仕掛けて概ねゲームに勝利できます。

騙し討ちは赤をメインに据えたコンボデッキのため、上の項で記載した血染めの月をサブプランとして採用しやすいのもデッキの人気を支える理由の一つかと思います。
カラーリングも暗黒の儀式からの急戦やフェア用の太いカードを採用出来るラクドス、マナクリで安定して速度を確保し弾丸のハードキャストも狙えるグルール、クロパ気味に動けコンボコントロールの風格があるイゼットなどなど、様々な型が模索されている印象で最強のスニークアタックはどの形になるか動向から目が離せません。

他にもブリーチストームや自然の秩序、チャネル等のタイムレスならではのコンボもチラホラ遭遇します。

・勿論コントロールも強い
環境がフェアに寄るならば勿論より重くより太いカードを使う方が勝つよね、とコントロール系も一定のシェアを見せます。
ソープロや力線の束縛、プッシュ等一戦級の除去を大量搭載しクロパのクロックを根絶やしにしつつ、こちらはウーロやオーコ、指輪などの一騎当千の重カードをぶつけて一枚辺りの質で相手を圧殺します。
また、死者の原野は事故要因にもなりますがコントロール同型に非常に強く、クロパ対面でゲームが伸びた際にも無駄引きとなるはずの土地ドローですら地上ブロッカーを無限に生成でき、突破不可能な盤面を容易に作ります。

フェアには強いはずなんですが、ピッチカウンターがないためクロパ側の表現の反復や宝船の巡航などのリソース補充を止められない点、脱法カードの使用枚数でクロパ系に遅れを取る点からかクロパの方が遭遇頻度が高いなと言った印象です。
地味にウーロが表裏両方記憶の欠落に弱かったり、オーコが邪熱で昔より死にやすかったりの環境事情もあるかと思います。

と言うか、序盤からマウントを手放さないまま撃ち込まれる宝船の巡航が本当に終わっています。

・かなりプレイヤーの腕に依存する
タイムレス環境、他のフォーマットと比べて軽量カードが強いためデッキ構築が軽く寄ります。
となるとゲームプレイに必要な土地枚数は少なくなるのですが…それはつまり、自分も相手も事故が起きにくいと言うことを意味します。

さらに言えば、コンボデッキの様な特定カードに依存したデッキが少ないのもそれに拍車を掛けており、がっぷり四つのフェアなゲーム展開が必然的に増えます。

加えてブレストで返す不要牌やチャネラーの諜報、ガラクタの使い方や軽量除去の宛先、フェッチの切り方等…選択肢が増える瞬間が無限に存在しており選択ミスでの損失が重なるとそれだけ敗北に近づきます。

しかも1枚で盤面を捲るのが不可能なマッチだと…その差を埋められずズルズルと不利になっていき、「トップがあのカードなら一発逆転!」も起きづらいゲーム展開が多いです。

つまり、細かいセオリーやカード選択等が上手いプレイヤーが運だけで負けにくいフォーマットである印象です。
紙で下環境をやっているプレイヤー程有利では?

大体遭遇率としてはクロパ・ミッドレンジ>>コントロール>コンボくらいでしょうか。相棒ルールス公開でほぼクロパがバレますがデッキバレしてもパワーで圧殺出来て流石って感じです。
カードパワーは世紀末クラスですが何やかんや環境自体は健全かと思うので末永く大怪獣戦争をさせてほしいですね。

ではラダーで使用していたサンプルリストを4つほど紹介して終わりにします。
一応ちょっと遭遇頻度低めかな?と言うリストを。
一部枚数やらサイドボードやら見切れてますが雰囲気だけ掴んでいってほしい。

■サンプルリスト


・スゥルタイ死の影(相棒ルールス)

宝船の巡航!本当にすごいんだ!

王道クロックパーミッションですが、カラーリングはスゥルタイです。
スゥルタイを使う理由としてはタルモゴイフが一番大きいです。
昂揚が達成しやすい環境のため基本サイズが大きく、序盤のクロックの斬り合いにおいて相手のオークの弓使いに焼かれずキルターンの早いタルモゴイフは想像以上のプレッシャーとして機能します。
また、死の影もオークの弓使いに討ち取られにくいクロックであり、グリクシス相手にこちらだけオークを強く使うコンセプトになっています。

逆にチャネラー、ラガバン擁する赤は相手のオークの弓使いに損な交換を強いられる展開を懸念してカットしました。
チャネラーによるデッキの高速回転から宝船の巡航連打は確かに強いのですが…。
しかし相手の巡航をカウンターやハンデスで妨害しつつこちらの巡航を一度通せば概ね勝つ点から、巡航の回転率には目を瞑って受けつつクロックの太さで勝つゲームメイクを行います。

サイドカードの夏の帳はグリクシス系のハンデス、除去、ソフトカウンターを弾けるので一度解決すれば大体勝てます。

・ラクドスバーン(相棒ルールス)

タイムレスにしては安め


私個人はバーンと言うデッキがあまり好きになれないのですが、タイムレスのバーンはラダーで回せる程度には好感が持てます(回されたくはないですが)

と言うのもフェッチショックを積極的に行うプレイヤーが多いため削らないといけないライフ水準が低い事が多く、天敵となる高速コンボやコーの火歩き等のキラーサイドがほとんど存在しないのでトップ勝負でも勝機を見出せる対面が多いのです。

バーンと一口に言ってもカラーリングは様々ですが、今回はサブカラーに黒を採用して1マナ3点火力の水増しとオークの弓使い及び相棒のルールスを採用する構築にしています。
追加ドローこそガラクタ位ですがブロッカーとしてのオークがそこそこ邪魔な点、相手がドロースペルを使用した際のバリューが大きい点からそれなりに強く運用できます。
また、オークの弓使いは相手の死の影等のクロックに2体分のブロッカーになれるのもトップ勝負においては頼りになります。

熊野は先置きしておくとチャネラーをオーク圏外に逃しつつ、昂揚達成に貢献しやすいと悪くないカードです。

サイドはレアワイルド割きたくないので適当です…が、あるなら乱動する渦は複数枚採用が良いかと思います。シェオル指輪やウーロなどがタイムレス環境のライフゲイン手段として強力です。
ただメインが相当に強力なのでぶっちゃけサイドも特に必要無いです。

ラガバンは持ってるからサイドに入れてますがオークに焼かれる雑魚なので不要です。マジで。


レアワイルド少なめ

一応使用レアワイルドを抑えた構築も載せておきます。
土地周りはスタンやヒストリックにも転用可能なもので纏めました。
ここまで来たらオークも抜いていい気もします。
でも稲妻だけは絶対作ってください。

安い!早い!強い!がタイムレスのバーンなのでフェッチショックの魔力に飲まれたプレイヤーをしっかり目に焼却しに行きましょう。

・5c独創力

パワーカードのパワーカード載せ


ショックランドの実装と共にフェッチランド→ドワーフの鉱山サーチ→トークンへ独創力といったモダン相応の動きができる様になったデッキです。 

モダンとの差異として、「ドワーフの鉱山へアクセス出来るフェッチの上限が8枚(そこそこデカい)」「残虐な執政官と言う手堅いフィニッシャーの不在(デカい)」「レンと6番が使えない(めちゃデカい)」という3点のネガティブな要素がある一方、「1マナ除去の強さ(ソープロ)」「オーコやミンスク等モダン使用不可のトークン生成能力持ちのハイパワーPW」は差別点となります。

独創力の弾丸として今回はメインフィニッシャーにアトラクサ(単体性能が高くヒット数も稼げる構築)、サブフィニッシャーにエターリ(血染めの月下でハードキャスト可能、X=2以上時でアトラクサ被りの確率を下げる)を採用しています。
セラの使者辺りも出れば勝てる性能ですが、素引き時に白トリプルは足を引っ張る可能性がそこそこあります。
版図カウントを稼げば回し打ちムーブの頂点としてアトラクサキャストはそれなりに現実的ですが、そこまで行かずとも除去+オーコで勝ったりもします。

寓話はオークに睨まれやすく余った除去が当たるものの、月受けが良くなるカードなので4枚採用しています。
レンと6番が無く墓地を利用する事がないため、サイドは安らかなる眠りでチャネラー巡航デッキを破壊しましょう。

また、版図ベースのため血染めの月に弱いので、サイドには月下でキャスト可能なサブフィニッシャーor軸ズラしの勝ち筋を採用しておきましょう。
業火のタイタンとかオススメです。

ちなみにグリクシス系対面では独創力をサイドアウトします。オークの弓使いや除去で容易にコンボに干渉されますからね。
しかしコンボパーツを見せなければ迂闊にフルタップしてくれたりもするので、相手の腕を見てサイドインアウトは考えます。

・イゼットランデス

吐き気を催す邪悪

多色化警察だ!
血染めの月によるイージーウィンを太い勝ち筋に採用していますが、それだけでなくフェッチ環境を逆手に取りもみ消し+ティシャーナでの誘発消し8枚による擬似ランデス、さらには石の雨まで採用して相手の土地をメチャクチャにする事だけに全力を注いでいます。

楽しいだけだな?
とは言えケアされてないと案外もみ消しなり月なりがブッ刺さり最高のユーザー体験にあなたを誘ってくれます。

ランデスが刺さらなくともクロックパーミッションとして立ち回る事が可能であり、表現の反復を神秘の聖域で使い回しアドバンテージを伸ばす動きは往年のurデルバーを彷彿とさせます。

デッキ自体まぁまぁ強い上に勝った時の気持ち良さが尋常では無いのでオススメのデッキです…が使われたくはないです。土地1フェッチキープしてもみ消し直撃したらスマホを破壊する自信があります。

■おわりに


今日はここまで(レアワイルド切れ)
面白いデッキやら環境変化とかあったらまた何か書くかもしれません。
タイムレス、最高のフォーマットです。
紙で環境を席巻したカードでの構築が多くなってるので、アリーナオリカもどこまで通用するのか試していきたいですね。

有料部分には上に貼ってるサンプルリストのインポート用の英リストを載っけてます。
本文中に書くと邪魔になるという事情も込みでめんどくさがりな方や投げ銭のお礼程度に考えてください。

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