十字架

私が背負った十字架をどうしたら外すことができるだろう。
「大丈夫だよ、貴方だから」そう言っていつも私を支えてくれていた。
自分に自信が無かったから。ここにいていいかわからなかったから。居場所をずっと探していた。何かを言い訳にして涙を流し、君を遠ざけていた。本当はわかっていたはずなんだ。ここが私のいるところ。貴方がいる、ここが私の1番幸せなところ。
信用とか信頼とか心のうちを全て話すとか、本当に難しいけど、あの頃そうしていたらきっと何かが変わったんだと思う。言い訳を探して逃げることで自分を守りたかった。貴方のことなんて本当は何も考えてはいなくて自分のことで精一杯だったんだ。
「仕方ないよ。大丈夫。俺がいる。」甘え過ぎていたのかもしれない。きっとどこかでは全て気付いていて、それでも事故中心的に貴方の気持ちを無碍にした。
最後の最後で呆れて疲れ果てた君の顔は、今までわたしに向けたことのない悲しい顔だった。それから半年、同じ環境に置かれた私達は顔を合わせても、話さない。目も合わせない。私が今日生きているのかすらわからないように疎遠になった。

ずっとこの後悔を背負って、貴方を見守り続ける。ずっと懺悔し続けて、しっかり杭で止められた十字は、私の歩みを遅くさせる。

頭と心はいつも素直に動いてくれるとは限らない。

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