【横浜FC 2023】第11節H新潟戦 待望の初勝利から見えた横浜FCの原点

 札幌戦終わりに長々と4,000字もつづった文章が思いの外、たくさんの人に目に触れ、横浜FCを応援するたくさんのサポーターに皆様から賛同の声を頂きました。ただの自己満足で書いたつもりだったのでびっくりした半面、たくさんの横浜FCサポーターの皆さんが素人の4,000字もの駄文を読んで、リアクションをして下さる姿を目にして、本当にウチのサポーターたちは横浜FCが好きで、熱いなぁと思いました。

 さて、GWの連休中の第11節、新潟戦。昇格チーム同士の対決ということ、そして昨年のホームゲームは終盤昇格を勝ち取る上できっかけとなったゲームということもあり、非常に重要な一戦だったと思います。結果は1-0で勝利。本当に待望だった今シーズン初勝利を挙げ、聖地・三ツ沢の丘はタイトルを取ったかのような感極まった空気に包まれました。まずは、本当に良かった。その一言につきます。

1.ゲーム内容を振り返って

 まず、ゲームを振り返る上で欠かすことができない大きなトピックはシステムを変更したことでした。今年頑なにこだわって来た4-2-3-1ではなく、昨年のベースシステムである3-4-2-1を採用しました。ゲームの内容はポゼッションこそ相手に圧倒されたものの、形を変えて試合に臨んだ成果として、小川航基、山下、和田、近藤、岩武、ブロと各ラインに昨年のやり方を分かっている選手がいたことで、ピッチ上でやるべきことが整備され、「落ち着いた状態」でプレーをできていたことが勝因のひとつかなと思います。

 そして、戦術的な部分に目を移すと、和田拓也とユーリララの今シーズン初めての組み合わせとなったボランチは素晴らしい出来だったと思います。現状では今シーズンベストな組み合わせだと思いました。

    まず、和田拓也が下がり目でバランスを取ることに徹したことで、ユーリ ララが攻守に前への推進力というキャラクターを存分に発揮することができました。実際に、決勝点の場面もユーリ ララがエリア内までに攻撃参加をしていたことによって産まれたものでした。特に守備面では和田拓也が人に食いつき過ぎずバイタルエリアを埋める守備に徹したことで、最終ラインが過度なプレッシャーに晒されるシーンを少なくすることができ、そして前に出てボールを奪い切る守備が持ち味のユーリララとチャレンジ&カバーの関係性を築くことができました。この2点は守備の安定に大きく貢献したと思います。

   また、コンパクトな守備陣形を可能にしたのは小川航基、山下諒也、小川慶治朗の1トップ2シャドーによる献身的なプレッシングでした。前節の札幌戦でもウイングのポジションで圧倒的な運動量と高いインテンシティのプレーを披露していた山下諒也と同じく攻守に戦える小川慶治朗がシャドーでコンビを組んだ効果はテキメンでした。特に小川慶治朗はベテランならではの味のあるプレーを見せてくれました。トラッキングデータ上のナンバーワンの走行距離だけではなく、攻守に気が利くランニングでチームの勝利に貢献してくれました。ここからスタメンに定着してもおかしくない素晴らしいプレーだったと思います。

2.横浜FCのアイデンティティとは

   この試合を通じて改めて感じたことは、やはり昇格チームなのでポテンシャルで勝てない部分は運動量で補うしかないということ、そして、やはり苦しい状況を選手もサポーターもひとりひとりが戦って、束になって勝つこと、これこそが横浜FCのアイデンティティなのではないかなということです。

   クラブも創設から年月が経ちましたが、このクラブが立ち上がった意味、意義、そしてエンブレムの不死鳥に込められた想い。やはり、逆境に一丸となって立ち向かってこそ横浜FCだと思います。

   だから三ツ沢のサポーターはテクニカルなプレーも称賛するけど、泥臭く走る、戦う選手により強い愛着を感じるように思います。

   近くに大きく強いチームがたくさんある環境のなかで、不死鳥が羽ばたくエンブレムの下にHAMABLUEの血をたぎらせることを選び、集った(少々マゾの気質があるかもしれない)サポーターたち。

   今節のゲームこそフリエのアイデンティティ、これが我々の進む道。そう感じました。次節は首位の神戸。初めてJ1で戦った07年の最終節。これもまたこのクラブの歴史のハイライトのひとつです。不死鳥のエンブレムに誓った、不屈のフリエのメンタリティーで素晴らしいGWの締めくくりを期待したいものです。

   Viva el FULIE!!!!!!

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