味噌汁がおいしい
最近、味噌汁が昔よりもおいしくなった。何も特別なことはしていない。野菜や豆腐などをお椀に入れ、そこに水を入れて鍋の上にあける。中火で茹ではじめ、沸騰して火が通ったら、適当に味噌を入れる。味噌を溶かし終われば完成。ほとんどこれだけ。野菜は冷蔵庫にあるものを適当に切って入れるだけで、入れちゃだめな組み合わせとかはたぶんない。失敗したと思ったら次から変えればよい。
味噌汁を頻繁に作るようになったのは、土井善晴先生のレシピ本『お味噌知る。』を読んでからだ。と言っても、先生が本の最初のほうに書かれていたことを実践しているのみで、後ろの方のページのレシピはあまり読んでいない。味噌汁は簡単だということ、手を抜いてもいいということ、だけどとても奥が深いものだということ、これだけわかれば大丈夫だ。
先生は味噌汁には出汁がなくても大丈夫だと言っておられる。半信半疑で試してみたところ、確かに水から茹ではじめれば、野菜の味が汁に染み込むため、そもそも野菜が出汁になるということがわかった。それを知った上で、今度は野菜と一緒に煮干や昆布を茹でてみると、乾物の出汁のおいしさが一層よくわかる。一緒に放り込んで茹でるだけだからとても楽だ。わざわざだし汁を作っておく必要などないのだ。
肝心の味噌だが、やはり味噌は味噌汁の顔であるので、できればここだけはちょっとこだわったほうがいい。そんなにすぐなくなるものではないし日持ちもするのだから、できるだけ安いものを選んで買おうとはしないほうがいい。高いものだってインスタントで飲むよりはぜんぜん安い。スーパーでたくさん並んだ味噌の中からよさそうなものを選ぶのでもいいし、東京なら亀戸にある「佐野みそ」などの味噌屋でブレンドされた味噌を買うのもおすすめだ。旅先でご当地のものを買うのもよい。私は都内に唯一ある味噌蔵「糀屋三郎右衛門」の味噌を赤白と買ってきてそのときの気分で使いわけている。
そんなわけで、出汁×具材×味噌の組み合わせだけでも味噌汁の味は無限にあり、死ぬまで毎日作ったとしても全てを知ることは叶わない。私はいまのところ、キャベツを煮干しと一緒に焼き炒めてから油揚げを加えた味噌汁がいちばんすきだ。今後もし家に人を招いて食事を共にするようなことがあれば、ぜひ味噌汁を作ってふるまいたいと思う。冬は味噌汁であたたまりましょう。
あ、そうそう。フライパンで卵を揚げ焼き(卵焼きを巻く前みたいな感じ)してから味噌汁に放り込むレシピがあるんですけど、これが本当に美味しいんです。簡単なのでぜひやってみてください。
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