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【スタッフブログ】リーダーシップに必要な資質(前編)

先日、在シアトル日本国領事館公邸にて行われた教育シンポジウム≪Rethinking Leadership≫で、非常に光栄なことにリーダーシップの基調講演をする機会を頂きました。

講演では、創立以来10年以上に渡ってリーダーシッププログラムを展開してきたiLEAPの学びを、実際の参加者の変化のストーリーを交えながらお話しさせて頂きました。リーダーシップは特定の人間だけが持つものでなく、誰もが持っているものであること。それを自身で見つける過程で大きな内的変化が起こること、そしてそれぞれの個が持つ色を反映させたリーダーシップを発揮してこそ他も自分もより良く導くことができるのではないか、というお話をしました。

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去年から領事館の運営の方、モデレーターの方、パネリストの方たちと事前にリーダーシップに対するそれぞれの考えを共有しあい、シンポジウムに来られる教育関係の方々にはどんなことを得てもらいたいのか、次の日からそれぞれの現場に反映できるための具体的な提示はどのようにしたらいいのか、といった話を重ねました。

結果として、講演とパネルディスカッション、質疑応答を含むシンポジウム全体を通して、一貫したメッセージ【誰にでもあるリーダーシップ】が伝わっていたような気がしています。(関係者の皆さま、貴重な機会を本当にどうもありがとうございました!)

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(写真上はシンポジウム企画運営を担当された領事館の柳本さん(左)とパネリストの一人で友人、タコマコミュニティカレッジの菜美子さん(右))

また私にとっては、言語教育など、他の教育分野に関わる方たちとリーダーシップについて話すことができたことで新たに見えてくるものも多く、手元の紙にはぎっしりメモを書き留めていました。

今日は報告と、私個人の気づきについてのシェアです。

様々なリーダーシップの形と、必要とされる資質

リーダーシップには多くのスタイルがあり、講演では4つのリーダーシップだけに絞ってお話ししました。

1. Directive Leadership
2. Visionary Leadership
3. Collaborative Leadership
4. Servant Leadership     

①と②はリーダーシップと聞くと多くの人が思い浮かべる形に近いもので、①は達成する目標への到達が何よりもプライオリティで、トップダウン式指令を出す形、②はまだ存在していない世界を描き、それを明確な強いビジョンとして掲げ人を導く形になります。いずれにしても自分の方向性に対する揺るぎない自信がない限り、なかなか形になりづらいリーダーシップであるとも思います。また、このリーダーシップの形だけを知っていると、誰もがリーダーシップを持っているとはなかなか考えにくくなります。

反対に、③と④の形は日本では文化的にも強い部分でもあると思っていて、iLEAPのプログラム参加者でもこのリーダーシップを自分は持っていると答える人がほぼ80%はいるのではないかと思います。

ここで印象的だったのが、パネリストの一人、以前日本に住んでいて現在はシアトルの大学でディレクターを務める方が仰った「I learned so much about Collaborative Leadership from Japanese people I worked with in Japan.(実はリーダーシップについて一番学んだのは日本ででした。一緒に働く日本人の人たちからコラボレーティブリーダーシップについて、とても多くのことを学んだのです)」

この発言に続き、ディスカッションの中では①②はアメリカで多く、③④は日本で多いリーダーシップの形だという話も出てきました。

またリーダーシップの資質についての話では、パネルでも会場からも様々なものが出てきました。

Empathy(共感力), Compassion(思いやり), Humanity(人間性)
Listening(聴く力), Observing(観察力), Ability to learn form mistakes
(間違えから学ぶ力), Authenticity(偽らない自分らしさ)
Storytelling(ストーリーテリング), Persistence(粘り強さ)
Sense of humor(ユーモア), Open-minded(オープンであること)
Inclusiveness(インクルーシブであること), 
Patience(辛抱強さ), 
Collaboration(コラボレーション力), Ability to ask questions(問う力),   
Ability to articulate who you are(自分が何者であるのかを明確に
言語化できる), Ability to trust and be trusted (信頼関係を築ける力),
Ability to put yourself in someone else's shoes (他人の立場に立つことができる)

その他、私の講演の中でもAbility to hold uncertainty(不確かさを抱え続けられる力)、Self-Awareness(自己意識)  、Resilience(立ち上がる力) などの資質に関してお話ししたのですが、私自身としても特に大切にしている力でもあります。どれだけ先が見えず、足元が揺らぐ中でも信念を持って立ち続け、自分がどういう状況や人に対して過剰反応しやすいのかを知ること、などは明確な方向や答えが見えづらい時代を生きるうえで、ますます必要になるスキルだと思っています。

後編は「どうやってリーダーシップを教えるのか」についてです。

文責:エリクセン恵

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iLEAPウェブサイト:http://ileap.org/ja/








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