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サステナビリティ100

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「サステナビリティ」の観点で優れた事例を収集し解説します。 環境分野だけではなく、社会活動や企業活動、日常生活まで、広い分野で事例収集しています。
運営しているクリエイター

#ソーシャルグッド

オーシャンクリーンアップ:複雑で重たい課題に対して挑むヒーロー。その物語の一員になれるストーリーテリング。 (CASE: 43/100)

▲「The Ocean Cleanup」とサステナビリティ 持続可能な社会の実現は難しい問題です。持続可能性は「Wicked Problem:やっかいな問題」と見なされています。これは、複雑に絡み合った問題であり、他の問題と影響し合い、つかみどころがなく、明確な解決手段もありません。では、どうすれば一般の人々に、そのような困難な問題を理解し、参加するように動機付けることができるでしょうか。 現在、5兆個以上のプラスチックが海に散らばっていることが知られています。そんな手の

ドイツの逆自動販売機:ペットボトル を「捨てる」ことにお金がかかるように。「面倒な手続き」が作るサステナビリティ。(CASE: 41/100)

▲「ドイツの逆自動販売機」とサステナビリティ 自動販売機といえば、「お金を入れてボタンを押したらペットボトル飲料が出てくるもの」ですよね。私が住むドイツでは、これを逆にした、“逆自動販売機”とも呼ぶべき機械がスーパーなどに設置されています。これは、飲み終わった後の空の缶・ペットボトルを吸い込み、1本あたり25セントのお金を返してくれる機械です。戻ってくる25セントは、購入した時に飲料の代金に上乗せして支払っていたデポジットです。 ドイツでは、2003年からこのデポジット制

ストランドビースト:風の力と技術の力から生み出された人工生命(CASE: 38/100)

▲「ストランドビースト」とサステナビリティ 「風の妖精」、私がストランドビーストを初めて見たときの印象です。 ストランドビーストは、オランダのキネティック・アーティストのテオ・ヤンセンによって生み出された「人工生命」です。なお、「STRANDBEEST: ストランドビースト」は、オランダ語で、砂浜を意味する”Strand”と、生命体を意味する”Beest”の2語を繋げた、テオ・ヤンセン自身による造語です。 吹き寄せる風を動力源として、ストランドビーストは砂浜を闊歩します。

NPO法人Motivation Maker: グループマネジメントの経営体制が活動の持続可能性を高める(CASE: 36/100)

▲「NPO法人Motivation Maker」とサステナビリティ 私がちょうど30歳になった2010年、東京大学i.schoolで出会った仲間と、NPO法人Motivation Maker(以下、「MM」と表記)を共同設立しました。MMは、ひとり親世帯で育つ小学生を主な対象として、学習の動機付けを目的とした教育活動を行う非営利活動法人です。 活動内容としては、小学生と親御さんと一緒に、コピーライター体験や建築家体験、発明家体験など、その分野の第一線のプロと一緒に職業体験が