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ないものねだりコンプレックス

あけましておめでとうございます。
正月早々、重い話を失礼します。
久しぶりに、もやっとしたことがありまして。

帰国して10年以上たって、
日本で進学して就職して改めて当時の友達にあって。

新しいコミュニティに入るたびに、
"どこ出身なんですか"
"地元どこなんですか"
"え!海外居たんですか?お父様なにされてる方ですか?"
"海外いたから英語喋れるんですね、羨ましい"

"転勤族で地元がなくて〜"
"フツーのサラリーマンですよぉ〜"
"いやいや、全然っす"
笑って答えるけど"うわ。でた"ってなる。
帰国子女を羨んで正義を語る人も不平等を語る文章にはもっと"うっ"てなる。

自己紹介で、凍りつく瞬間を貴方は経験しましたか?
あだ名が住んでた海外の都市名で呼ばれたことありますか?
海外にいたから、日本語不自由だねっていじられたこと、いじめられたことありますか?
この時代に、就活で、父親の仕事聞かれたことありますか?
海外で海外の言葉を学ばなきゃ行けない状況に陥ったことありますか?その時の努力を誰も見てくれないで羨まれるんですよ。
日本人だからって学校に石投げ込まれる事件巻き込まれたことありますか?
日本人だからって罵倒されたことありますか?

自分の育った街が、破壊されること、知り合いが政治犯として逮捕される恐怖があること、経験したことありますか?

実際に私と友達が経験したことで、
これからも経験し続けなければならないことも中にはある。

私は香港にいた6年間、日本での空白の6年間って呼んでる。
当時の流行ったもの、日系スーパーやデパートで手に入ったけど、日本にいた貴方達の15%くらいしか知らない。
むしろ、香港だから15%は触れられていた。

確かに帰国子女は幼い頃から、外国語に触れる機会に溢れてる。
それを羨ましい、"恵まれてる"って
それ、価値観の押し付けだなぁって。
そうなるまでに、その人が子供ながらにどれだけの嫌な思いや努力をしてその言語を習得したか。
その人が帰国してからどれだけの苦労を強いられているのか。
ずっと日本にいる人が、自分の意思でなくそこにいるように、
帰国子女だって多くが親の仕事に振り回されて移動させられてる。

お互い無い物ねだりなのに。

帰国子女の数が少ないのと、
経済的な面だけでみると"恵まれてる"数が多いから、
ただただ"恵まれてる""キラキラしてる"人として扱われているのが、嫌でしかない。
そのキラキラはわざと魅せている、纏っている、それが楽だとしてるからかもしれないし、それだけの努力を幼少期してきたからかもしれないのに。

帰国子女ははっきり言うって、強いって。
そりゃあ、こっちの努力や苦しさの配慮全くなく羨望や理想をおしつけられてきて、
都合が良くても"帰国子女だから"
都合が悪くても"帰国子女だから"
そんな理不尽に笑顔で捌いていくには、
強くなるか、潰されていくかしかないんよ。

帰国が帰国で連むのだって、
そういう理不尽をされてきて、
でもそんなん話せるのが帰国同士しかないから。
そういうの無しで話せるのが帰国同士だから。
それも大きいのよ。

ずっと日本にいる人
ハーフの人
帰国子女の人
日本で育った海外の人

それぞれ、ないものねだりなんだよ。
差別や虐めまでいったら問題だけど。
だから持ってる人を"恵まれてる"とか、
持ってない自分を"貧しい"とか、
そうじゃなくて、
前向きに努力して頑張るしかないのよ。
で、自分と違う類の人にも羨望ばかりではなくて、理解してあげる必要があるのよ。


だって、帰国子女の私は、
日本人として何の欠けもなく、日本で育ってきた人たちが羨ましい。
努力して得た言語力を自分の努力と評価してもらえる貴方が羨ましい。
帰ったら友人や親戚のいる地元がある貴方が羨ましい。


ほら、お互い様。

生まれ落ちる環境、
みんな選べないんだから、自分の意思でどうにかできる歳になったら受け入れて、前向きに努力するしかないのよ。
差別、いじめ、毎日の食事が厳しいような貧困ではない限り。

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