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デコレーションドーナツを作ったら、カカオ豆をすり続けることになった

雨の週末。外で体を動かすこともできないので、カカオ豆からチョコレート作りをしてみることにした。

と言うと唐突に聞こえるかもしれないけれど、発端は前の週末。やりたいことブレストで出てきた「デコレーションドーナツ作り」をしていたら、板チョコの湯煎をしたタイミングで、「チョコレートってどうやって作るの?」という話になったのだ。

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「どうやって」をどんどん遡って説明していたら、カカオ豆に行き着き、これはカカオ豆から作ってみるのが早いんじゃない!ということになった。

・・・でも、カカオ豆って、どこで売っているんだろう?近所のスーパーにはさすがにないよね?カルディならあるかな?調べてみたら、オンラインで見つかった(作り方のプロセスも載っているやつが)。

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1週間後に届いたカカオ豆。私も初めて見る。ちょっとコーヒー豆を大きくしたような形。子どもは開封一番、「つーんとする!くさーい!」とのこと。確かに、酸っぱい匂い。チョコレートの匂いはほとんどしない。これがチョコレートになるのか…!

まずは豆をしっかり洗う。ぬるぬるしたものが出てきて、水がすぐ赤黄色に変わる。

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何度も水を変えて洗い、水分を拭き取ったら、次は焙煎。フライパンで炒めると・・・「色が変わった!ぱちんぱちんいう!」

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15分くらい焙煎したら、こんな色になって、柔らかかった皮がパリパリになった。まだ酸っぱい匂いは残っているけれど、チョコレートの香りがほのかに漂い始めている。

家族総出で皮をむく。パリッと割れて気持ちよくむける。これは無心になれていい、と夫。
気づけば1歳児もむいている。立派な戦力だ。

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ここまではたぶん30分くらい。順調にサクサクいった。

大変だったのは、ここから!!!豆をすりつぶして粉状にし、さらに練り続けてペースト状にして、湯煎にかけるらしいのだけど・・・

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豆はつぶれたものの、すってもすっても固い粒がなくならない。

30分経って、ようやくこんな感じ。まだサラサラ、パラパラしてる。ペースト状にならない。粉になった部分に大きな粒が埋もれて、つぶせないのだ。

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これで湯煎にかけても全然溶けなさそう。さらに30分、交代しながらすり続ける。子どもは飽きて隣の部屋に行ってしまった。

腕が痛くなってきた。これ以上すり続けるのは辛い。先が見えない。ちょっと次の工程に進んで、湯煎しちゃおう。

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あ!少し色が変わった。もしかして温めたことで豆から油脂が出て、しっとりしてきたんだろうか??(カカオ豆は30度で油脂が溶けるんだそう)
少しだけペースト状に近づいてきた。温めてみてよかった。希望が見えてきた。

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15分くらい練ってみる。しかし、火からおろしてしまうと、あまり変化がない。
次の予定が迫ってきた。また湯煎して、もう砂糖も入れちゃおう。ザバー。(チョコレートって、こんなに砂糖入ってるんだ・・・恐ろしい)

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砂糖をいれたら、色がまた元に戻って、粉っぽくなってしまった・・・。砂糖が溶けて少しペースト状になるかと思ったんだけどな・・・。本当はトロトロになるはずだったけど、全然そんな気配もなく、諦めて型に入れて冷蔵庫へ。

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冷蔵庫に入れて二時間。一応固まった。ちょっと無骨だけど、チョコレートらしくなった。チョコレートを作り始めてから、食べられるようになるまで、五時間半ほどワクワク待っていた子ども。できあがったチョコレートをウキウキ口に入れた次の瞬間。

「にが!」

カカオ豆の粒感がザクザク、苦味の残る大人味のチョコレートに仕上がっていた(赤ワインのつまみにぴったりな感じの味)。

美味しいチョコレートを作るのって、簡単なことではないんだなぁ。あの作業を簡単にしている機械ってすごいなぁ。あんなに砂糖を入れても甘くならなかったってことは、実際はどれだけ砂糖が入っているのかなぁ。しかもカカオ豆からチョコレートを作る前に、外国でカカオ豆を植えて、育てて、摘んでいる人もいると考えると、壮大なプロセスだなぁ。(→世界地図でカカオ豆の生産地をたどる)

というかそもそも、あの酸っぱい匂いがする豆を、誰がどんなきっかけでチョコレートにしたんだろう?なんでコーヒー豆はコーヒーになって、カカオ豆はチョコレートになったんだろう?最初の頃はやっぱり、豆を何時間もすり続けていたのかな?

ふだん何気なく食べているチョコレートに思いを馳せた午後でした。


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