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せめてポエムとは呼びたかったショートショートたち

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短文の寄せ集め。常に呪文のように復唱して書いているものの、この旋律ではやはりポエムすら呼べないだろう。 と自虐しつつときたま「詩(と自称するもの)」も入れてゆきます。
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スピンネーカー

卵をもらったからおりょうりをした 空の殻の片割れにつまようじの帆を立てた 小さなヨットを洗…

幾兎 遥
2年前
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仮想粒子の行列

ゆくゆくはこれらの細胞も みな死滅してしまうというのに なぜ記憶だけはいつまでも 私を私た…

幾兎 遥
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タイトル

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幾兎 遥
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糸が、伸びている。 おれの指の一本一本から、無数に。 大人になればなるほど増えていって、も…

幾兎 遥
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雨の日の子どもたち

雨降りの日、女の子が横断歩道を歩いていた。 白線から落っこちないように、傘を杖代わりに、…

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いかないで

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幾兎 遥
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