三つ子のお母さんである友からのメッセージ
最近、愛知県で三つ子の次男を床に落として死なせた母親が3年6ヶ月の実刑判決を受けたということが世間では論議を呼んでいた。
罪は罪だ、一線を越えたことに対しての償いはすべきだ、という考えは確かにそうだけど、ほぼ年子の3人の子育てをした私は、この判決はあまりにも三つ子育児の過酷さを分かっていないと思うのだ。
私の友達に三つ子のお母さんがいる。私がこの事件への減刑を求める署名をしてFacebookにシェアしたことに彼女がコメントをくれた。そのコメントと、その後彼女も署名をしてFacebookにシェアしてくれた三つ子育児の実態を、了解を得て転載します。
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心が痛む。私も常に自分自身の限界で生きてたよ。倒れるまで休む事が許されなかった三つ子育児。本当にこれは経験した人にしか、分からない拷問の様な生活だった。こんな事言ったら子供かわいそうとか言う人もいるかもしれないけど、子供達をかわいいとか呑気な事言ってる余裕なんて私には全くなかった。それでも自分は子供を殺すような事は考えたりもしなかった。でも、それは私であって、このお母さんと私は、違う人間だから限界を感じるポイントも違うから、責められないな。それに周りの援助の環境も違ったはず。少しでも刑が軽くなってくれる事を願います。
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(三つ子育児の実態)
私も三つ子の子育てをしてきた人間です。三つ子育児は、私の場合、ほぼ拷問に近い生活でした。もちろん赤ちゃんの成長や笑顔がかわいかったでしょうとか言う人もいるかもしれないですが、それは余裕のある育児をしてる人の言う台詞です。私は、子供がかわいいなと思った記憶は、その頃一切なかったし、思ったという記憶さえありません。 これが三つ子育児の現実です。
倒れるまで、休むことを許されなかった三つ子育児。私は、三つ子が産まれてから、栄養不足と、睡眠不足で倒れかけ何回か病院で点滴を打ちにいき、トイレに行く時間すらない生活で膀胱炎になり、夜中に子供達が三人起きるという恐れから、風邪を引いて鼻すらかめず、蓄膿症になったり、子供達が立て続けに水疱瘡になったときには、昼間、家で記憶が薄れて行く感じで倒れているところを、偶然マンションの下に住んでたおばあちゃんが訪ねてきてくれて、発見される事もありました。(田舎なので玄関に鍵がかかってなくて幸いでしたが)
体が限界で、悲鳴を上げてることすら気づけないくらい、徹夜で毎日働かされてる、働いてる状態でした。過労死する一本手前だったと思います。
経験した人にしか決して分かる事がない三つ子育児です。もちろん、旦那さんや自分の家族が常に協力的な家族だったら、少し話は別になるだろうけど、私の場合は同時期に母親が末期がんで倒れて入院、手術、抗がん剤の日々でした。
自分の限界にも人それぞれのキャパは違います。でも、大げさではなく、私にとっても三つ子育児は、終わりが見えない拷問時代だったと言っても過言ではないから、二度と戻りたいなんて思いません。
私自身は、子どもを傷つけるとかいう事は全く考えたりしなかったですが、それは私であって、この三つ子のお母さんではありません。
彼女の限界のキャパは私より低かったのかと思います。だれもが同じ限界を持ってるはずはありません。
人間、限界までの精神状態になると予期せぬ行動にでてしまうのかもしれません。
ただ、私はこのお母さんに殺意があったとは、決して思えません。
ただただ虐待という言葉だけで、判決を下ろすことだけには、私は反対です。日本の政府に全くの援助がないのも、重大な問題です。三つ子育児には、ソーシャルワーカーをつけるべきだし、無料保育園や、ベビーシッターサービスを月に何度かつけることで、お母さんの体と精神が少しでも休める事ができたら、この様な事に至らなかったと思います。
一人の健康な赤ちゃんを育ててる方、育てた方、三つ子育児はその9倍大変です。双子育児を経験した方、その3倍大変です。
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これを読むと、三つ子育児は想像以上に過酷だということがわかる。年子の3人育児なんて目じゃない。
事件のお母さんも睡眠時間1時間で精神的に追い詰められて鬱病になり、ミルクを飲んでくれない次男に苛立って愛せないと思い、それでもそう思うことに罪悪感を持っていた。泣き出した次男に咄嗟に苛立ち取ってしまった行動。私も絶対にしない自信がない。
執行猶予をつけて、このお母さんに残った二人のお子さんを育てさせるのがベストな解決方法だとは言えない。彼女の罪悪感と絶望は一生消えないだろう。二人の育児だって支援がなければ同じことだ。
でも彼女に必要なのは、厳罰ではなく、支援なのだ。カウンセリングにヘルパー派遣、デイサービスなどを無料か格安で利用できることが育児中の親には必要だ。彼女のようにただパンフレットを渡されただけではなくて。
ぜひ嘆願に賛同してください。
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