イクラまん

毛穴から窒素。

イクラまん

毛穴から窒素。

最近の記事

最近の出来事

前々から予定していたディズニーデートが近づいて来た。前日から僕の家に泊まり、そのままディズニーに行く予定だ。 僕は前日から一緒に居れる事に浮かれてその日が待ち遠しくて仕方なかった。 なるべく早く会いたいため最寄り駅ではなく、途中の駅まで迎えに行く。改札口に彼女の姿を見てやっと会えた事に気持ちが溢れた。 彼女の荷物を持って僕の家に向かう。荷物の重さがこれから四日間過ごせる事を物語っていた。お互い昼食が遅かったので予定していたイタリアンをやめて居酒屋で軽く飲む事にした。

    • 航海

      僕はとても臆病な人間だ。 道を歩いていて前からいかにも柄な悪そうな人が居れば目を逸らして歩くし、親しい人にもなかなか言いたい事も言えない。 リスクを冒して冒険する勇気なんてモノは勿論あるはずも無い。 身体だけ無駄に大きくても出てくるのは弱音や卑屈な自分ばかりだ。 そんな僕にもある日好きな人が出来た。 とても華奢で小柄な彼女は向日葵のように笑う人だった。 その声は周囲を明るくさせ、空気を軽くしてくれた。皆んな彼女が好きだった。 そんなある日1つの出来事を境に僕達の距離は縮ま

      • 流星

        真冬の夜、今日は流星群が来ているらしい。 あまり星の見えない東京に住み、2DKの壁の薄い部屋で僕らは暮らしていた。 お互いに星が好きで、時間を見つけては都内にあるプラネタリウムに通った。 星座を覚える訳でも無く、小さくそれでも強く光る所が好きだった。 流星群が来る事を知るとよく見える時間まで夜更かしをして、なるべく街灯の少ない場所を探して静まりかえった町を歩いた。 何重にも着込んでポケットにはカイロ。耳までグルグルに巻いたマフラーの間から白い息が漏れた。 ブルーシートを片

        • 喪失

          その日はいつもより景色が澄んで見えた。 風に吹かれた桜が落ち、無骨なコンクリートを染め上げていた。鮮やかな色はよく見ると散ったばかり花弁から枯れ始め茶色く滲んだものもあり、儚い寂しさが混じっていた。 私は処女を失った。 漫画で見たようなシーツに血は付かなかった。しかし身体にじんわりと残る痛みは容易に時間を巻き戻した。 彼の体温、徐々に熱くなる吐息、じわりと浮かぶ汗のどれも全てが愛しく思えた。 ぎこちなく歩く私は、私だけが知る愛しい痛みを抱きしめてフワフワと浮かんでるのだ。

          裸足の夜に

          12月に入り気温はグッと下がった。 冷たい冷気は空から地面を押さえ付けるように降ってくる。その冷気は身体の芯を冷やし私の体温を奪った。 12月の事を暦で師走と呼ぶのは年末に忙しくバタバタと駆け回る様子から呼ばれるようになったと言われている。その通り私は会社を駆け回っていた。 定時に上がれる事は無く夜遅くまで残業が続く毎日だった。 帰るとコンビニで買った弁当を突き、疲れた顔にクレンジングオイルを塗り、水垢の付いた鏡と向き合った。 なんとかシャワーを浴び重い身体をベッドに沈める

          裸足の夜に

          3rdDays

          目が覚めるとまた寝ぼけながら彼女の事を触っていた。 多分僕の右手と左手は別の意思を持ってて勝手に動くんだと思う。 酒を飲んでそのまま寝てしまった為、喉はカラカラで呼吸をすると空気がひっかかる。それでもそんな事はどうでも良くなるぐらい彼女に夢中だった。 後ろから愛撫しながら首筋や背中にキスする。その度小さく震えるのが可愛かった。 性器同士を押し当てて擦り合わせると音が聞こえてくるのがより興奮させた。 お互い我慢が出来ずにゴムに手を伸ばして挿れる。朦朧とした意思の中乾い

          2ndDays

          気付くと後ろから横になって寝ている彼女の事を愛撫していた。 何を言っているかわからないと思うが、僕が寝ぼけながら足の間に手を入れて触っていた。 どれぐらい寝ぼけながら触っていたのかわからないが既に濡れていて吐息を吐きながら小さく震えて感じている事がわかった。 そのまま愛撫を続けて、最後までした。 セックスを終えた後にそれまで一言も喋らなかった彼女が「おはよう」と言ってきてくれた。 携帯を見るとまだ4時で眠ってから3時間ほどしか経っていなかった。 「わぁ!まだ全然寝

          1stDays

          目が覚めてまず時計に目をやるとアラームが鳴る1時間以上も前だった。 午前3時56分。目が冴えて再び寝る事は出来なかった。小さい頃からイベントや旅行の前日は楽しみで寝れない性格でこの歳になってもそれは直らない。 寝不足のまま車を運転する事に多少不安を持ちつつレンタカーを借り、彼女を迎えに行く。 待ち合わせ場所に到着し彼女を待っていると向こうから歩いて来るのが見えた。いつもよりカジュアルな格好に新鮮な気持ちになった。 ノリでお揃いのスニーカー買っちゃう!?と盛り上がり買っ