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ジェスチャードローイングを1年やってみて-ひらめかなくてもサクッと一枚絵が描けるようになった・編-

ジェスドロ1年やってみた


こんにちは。いくらです。
普段一般的な社会人をしつつ、ニチアサ系特撮のイベント行ったり俳優さん応援したりファンアート描いたりするおたくをしています。
ファンアート描く…といっても1年前までは、遅筆な上に描きたいもの(俳優さんとか、ヒーローのガワとか)がイメージ通りに描けず、そのうちやる気が霧散して多忙な日々に押し流され筆を置く…みたいな負のサイクルをやっていました。

そんな時に砂糖ふくろうさん(著書「はじめてのジェスチャードローイング」1に続き2巻発売・増刷おめでとうございます!)
が講師をつとめる「絵を描くハードルが下がる!だから描くのが楽しくなる!3つのお絵描き勉強法(通称:3つ勉)」を偶然知り、受講したのがきっかけでジェスチャードローイングをはじめて、約1年経って

これが

1年前(2022年5月)

↓↓↓↓↓↓

こう

現在(2023年5月)

それでこう
↓↓↓↓↓↓↓

1年間で消費したクロッキー帖とipadで描いたファンアート作品数

異常事態かも。


自分でもびっくりしたので以前も「たくさんレポ絵描けるようになったよ!」の記事を書いたのですが

ジェスチャードローイングをきっかけに、そこから派生・発展してレポ絵以外にもいろいろなことができるようになったので、また記事に残そうと思いnoteにしました。やってみたいけど(もしくは最近始めたけど)、ジェスドロって続けていったらどうなるの?と思ってる人の参考などになれば幸いです。

ジェスドロ1年やってみて「ひらめかなくても、サクっと1枚絵が描ける。」

絵を描く時に、ぱっと「こんな絵にしたい!」といきなりある程度思い浮かぶときと、「なんか・・・いい感じに描きたいんだけどいまいちどうしたいかわからない・・・」みたいなモヤ・・・とする事がありませんか?私はよくあります。
今までは後者のほうはモヤ・・・としたまま先に進めずやる気が霧散して形にすることなく終了していたのですが、ジェスチャードローイングの応用で最近は簡単なテーマから、ちょっとだけストーリー感のある1枚絵が描けるようになりました。
たとえば最近こういうFAを描いたのですが

倉庫で何か食べてますね。鍋かな。

この時はいきなり描きたい情景をひらめいたわけではなく、いまいちどんな絵にすればいいかわからないよ~~~!!!!というところからスタートして
1時間後にこれになりました。

というわけで、この記事では
ジェスドロ1年やってみたら、ひらめかなくても1枚絵がサクッと描けた
という事例を紹介します。

1:好きなもの見て「最高」になる

私が最近見て最高!になったのが仮面ライダーギーツの36話。
今まで敵対して顔を合わせればバチバチだった主人公とライバルが、ある目的を同じくしたことで共に闘うはこびとなり、共闘前夜にアジトの倉庫で2人で鍋を囲んですき焼きを食べるシーンがありました。

は~最高です…いい…以外の感想が出てこなくなってしまいました。良すぎて。
FA描きたい!と思ったのですが、いかんせんドラマが最高すぎて手を加えることに気が引けるのか何を描けばいいのかいまいちパッとしません。こころがふたつある~。

2:簡単なテーマをつくる

いまいちパッとしないので、とりあえず描きたい簡単なテーマを設定します。
テーマ「36話のすき焼きのシーン」
あんまりこねくりまわしてもどうせまとまらないのでこれでOK

3:「何をした」→「どう感じた」

テーマを決めたら次に、「何をした→どう感じた」の式にアイデアを当てはめます。

「何をした」=できごと(事実)、「どう感じた」=それをしたキャラクターの感情


4:アイデアが伝わるために必要なもの(ジェスチャー・小道具)を連想ゲーム感覚でリストアップ

上で出てきたアイデアが伝わる絵になるために必要そうなものをリストアップします。
このリストアップするときには、
・誰なのか?
・何をしているのか
・何を欲しているのか(考えているのか

の質問を頭に浮かべながら
誰が、どこで、何をして・・・どういう感情で…を書き出していきます。(字で)あんまり難しく考えず、連想ゲーム感覚で。
また、今回の場合はFAなので、元々のキャラクターやドラマの世界観を踏まえつつ、「何をした→どう感じた」が伝わるために必要そうなジェスチャー(姿勢・仕草・表情)やプロップ(小道具)を考えて書き出します。

伝えるために必要そうなジェスチャーやプロップを連想ゲームみたいにリストアップ。
この時点でこれは資料がないとかけないな、というものは資料もさがしておきます。

これをやっているうちにぼんやりこんな絵にしたいなという構図が浮かんできます。(あくまでぼんやり)

5:ジェスチャードローイングの要領で大ラフを描く

アイデアの整理とリストアップができたら、それらを盛り込みながら
どんな構図がいいか考えつつ、ジェスチャードローイングの要領で大ラフを描きます。短時間で、簡単な図形と線で、誰がどこでどんな動作をしているのかがわかる最低限の絵でOK

大ラフ。誰が何しているところなのか、どういう感情か、さっきのリストの内容を盛り込んでざっくり描きます

しっくりこなかったら別のアングルで描いたりトリミングしたりしてしっくりくるまでやります。(といっても、一案5分~10分くらいです。)
今回はこんなことを意識しました

構図の作り方については3つ勉の「フィルムスタディー」で学びました。

・視線誘導(目線、画面の3分割ラインに顔を入れる)
・2人の上下関係=対等(頭の位置)
・2人がどこにいるのかがわかる(フル(全身)ショット)

6:大ラフ→ラフ(顔とか手の詳細を少し加える)

大ラフが出来たら、服とか顔や手だけもうすこし詳細を描きます。普段1分2分でジェスドロするときは詳細は省くので顔の表情やパーツまでは描かないことが多いです。けど推しのFAの場合、顔面さんは…大事なので…

顔のほか、服や髪や手の大まかな形を書いておきます

顔の描き方はこの動画を参考にしています。
<hidechannel:「世界標準の顔の描き方」シリーズ>

7:清書して完成

ラフの上に作った別レイヤーに清書して完成。

完成。少しだけ明暗を付けました。

今まで敵対していた二人が殺風景なアジト(倉庫)で鍋を囲んでちょっとここから友好的に・・・なるのかな?微笑ましいね~といった、まあ仮面ライダーギーツ見た人ならなんとなくストーリー性が汲めるような絵にはなっている…かな。(と思いたい。)

まあなんか上手くいかなかった~と思ったら色々改善点考えたりしつつもう1枚とか描けばOKだと思います。あまり時間をかけてないので、やり直しの痛手も小さいです。

この絵は最初のテーマ決め、アイデアの書き出しから大ラフ~清書まで、だいたい1時間強、くらいだったと思います。簡単なテーマから、連想ゲーム感覚でアイデアを出し、ジェスチャードローイングの要領でラフにサクっと描いた、といった感じです。だから完成も丁寧な線画ではないし、色も塗っていないですが、私はサクっとできるものが好きなので、これでOK。

ジェスチャードローイングやる→楽しい→応用する→気づけば1年

1分や2分でモデルから受け取った印象をもとに全身を描くジェスチャードローイングを1年続けていると、それはただ単純に人体を描き続けるという話ではなく、「自分の感じた印象を具体化してみる」「ちょっとアイデアの引き出しを増やす」「絵にすることで伝える」といった、絵との付き合い方みたいなものが頭と手にしみ込んでくるようになりました。そして絵を描くハードルがものすごく下がったので、全身を描く以外のことにもどんどん挑戦してみたくなり、今に至ります。
砂糖ふくろうさんや栗田唯さんの講座のなかで、絵だけで伝える「ビジュアルストーリーテリング(VST)」という世界があることを知り、それが面白かったのでいろいろ自分で描いたり講座受けたり自分で描いたり本読んだり…とやっているうちに、遅筆で腰が重かった私が気づけば息するようにお絵描き楽しい楽しいになってる異常行動さんになりました。
「ジェスチャードローイングって名前は聞くけど結局人体いっぱい描いてどうなるの?続けてるとどうなるの?その先は?」と気になっている人に
「人体だけ描く、にとどまらずいろんなことに応用できて(したくなって)いろんなことができました!1年やったら今、こうなってます!」という一例として、ご参考にでもなれば幸いです。

楽しいです!

参考資料

私は砂糖ふくろうさんきっかけでジェスチャードローイング、フィルムスタディー、カフェスケッチを一気に学び、そこから面白くなってなんでも描いてみるようになりました。
3つ勉は年2回の不定期開催なのですが、本や動画があるので興味のある方はご参考にどうぞ。
最近「はじめてのジェスチャードローイング」の2巻が出ました!

↑ 服を着ている人を描くのがテーマ。かゆい所に手が届く内容で、装丁も素敵です。そして砂糖ふくろうさんのtwitterでは一部内容がことなるものの1巻も2巻も無料で全文公開されています(どういうこと???)

↑ こちらは講座の動画です。「絵で伝えるって何だろう」「イメージを出力するにはどうすればいいんだろう」という土台の部分の講義は、理論と感情がほどよくミックスされてストンと腑に落ちる内容ですし、
「感じたものを描く」「短時間で、全身の、印象をとらえる」というのがどういうことなのか、動画では講義だけでなく実際に1分ドローイングを砂糖さんのデモを見ながら一緒に自分も手を動かして学べます。

↑ 3分割の構図やショットの種類(今回はフルショットで描いた)と選び方、そういうのってどう学んでいけばお勉強じゃなくて「たのしい!使える!」になるのか実践しながら進められます。

↑ 今回の絵の制作過程のたねあかしはこれです!
ひらめかなくても描ける「何をした」→「どう感じた」を具体化してストーリーが伝わる絵にするための7つの質問、構図の使い方、リファレンス(資料)の活用方法、伝わりやすい・伝わりにくい絵の違いは何?など技術がぎっしりです。ジェスドロをはじめて人を簡単に描くことが手になじんでくると、この講座が面白くて面白くてとまらなくなりました。


おまけ:今もほぼ毎日ジェスドロやっており、描いたものをまとめてFANBOXで無料全体公開しています。何年も趣味でイラストやってるくせに笑っちゃうほどガッチガチで何描けばいいのかもよくわかってない最初の1体からのせてます。実際どんな感じのもの描いているのか、続けるとどう変わっていくのかご参考とか絵を練習している人の励み(?)になれば幸いです。↓


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