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人身売買

どこからが人身売買で、どこまでは違うのか?、というのは難問である。子供を売るのはもってのほかとして、臓器を売るのも危険すぎて十分、反社会的である。では、髪の毛を売るのはどうなのか? 一生、奴隷としてこき使うのはもってのほかとしても、複数年契約を交わして働いてもらうのはどうなのか? 人身売買とそれ以外の実践とでは、微妙なところは明確に区別できず、程度の問題でしかないこともありそうである。こういう場合は、歴史に尋ねるのも一つのやり方である。何が許され、何が許されないか? 公然と論争が繰り広げられた歴史がある。今回のテーマは、奴隷貿易や苦力貿易など人身売買の禁止と自由移民時代の到来をめぐる歴史について論じなさい、である。

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