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テロリズム

テロリズムは二つの意味で論争的な暴力である。一方で、それは勝ち負けでなく、論争の存在を公にさらすことを目的にする。暴力による破壊には、当然視されていること、あるいは既定のことを疑わせる効果がある。

他方で、暴力を振るうことは正当とも、不当とも、人によって評価が分かれるがゆえにテロリズムは論争的である。意図や目的といった主観的な要素はテロリズムの定義からぬぐいされない。その意図または目的が正しいと思う人にはテロリズムは正当である。民族解放のための闘争は正当である、という主張は近代の歴史において圧倒的に支持されてきた。

今回のテーマは、「テロと戦う」ことは是か非か、また、是とすればその手段はどうあるべきか、について論じなさい、である。

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