見出し画像

いちいち腹が立つ

いちいち腹が立つ。

ポットのお湯が昨日のままのようだから、取り替えてもいいかどうかを聞いただけなのに、まだやってなかったの?と責められでもしたかのようにムキになって、今やるから!と迎撃態勢で反応する母。

顔を見るなりおやつをねだる(息子の)飼い猫と、決まった時間以外にはやらないで、ってあれほど言っているでしょ!と、祖母と息子の板挟みで、猫かわいがりも出来ずに、猫のおねだりをスルーするしかない自分。おやつをねだる猫に腹立つ。みてない時間まで管理しようとする息子に腹立つ。猫を取り上げられたらイヤだから、従うしかないこっち(祖母と私)の弱い立場に腹が立つ。(孫が出来たらこの構図がもっと顕著になるのかと思うと、その予感にげんなりする)

内臓を悪くして入院し、ほどなく退院してきた夫。脂っこい物や、消化の悪い物は極力控えるようにして、大事をとっている。私は私なりに彼に心配りをして調理を変えて、様子を見ていたつもりだったけれど、いつもいつも、この世で一番辛い目に合っているかのようにしかめっ面で、出された料理を口に運ぶ。ついには自分で食材を買いに行って、煮物と茶がゆを作り始めた。おかゆに入れる梅干しも、普段は買わないでスルーしている、いかにも美味しそうな高級南高梅を買ってきた。おにぎりに使うつぶれ梅じゃダメだったらしい。今ある食材の中から、工夫をして口に合う物をあれこれ思い巡らせていた自分が途端にバカらしくなってきた。私の心配りは「つもり」にもなっていなかったらしい。本当は「もっとこうしてよ~」とか、「こんなのが食べたいな♡」とか、甘えるなり、頼るなりするのがスジだと思うが、ヤツはその全てをスルーした。私という存在に対して、指示したり、命令したりすることは出来ても、甘えたりお願いしたりすることはプライドが許さないのだろう。そうして、頼ったり、した手に出たりするくらいなら、自分で自分の欲する物を調達する方が心理的にラク、と踏んだのだろう(今ならまだ、自分にはその力がある。自力で食材を買いに行き、調理することが出来る。経済的にも、身体的にも、能力的にも)だから。そう言う行動をとることでヤツは、私を要らない物扱いした。私のやり方が不十分だと身を以て示した。「それで気を配ってるつもり?全然なってないじゃん。こうゆう事、言われなくてもやってくれなきゃ、気にかけてることにならないんだよ」って、それ、何の嫌みだよ?

腹の虫が治まらない。食べ物を見るたびにむかむかと腹が立つから、ツンツン険悪な態度を止められない。そして、そんな私を気にしながらも、絶対、いったい何が気に入らないんだ?はっきり言ってよ!どうしてそんなに怒っているの?原因は何?とは決して言わない。私の想いに耳を傾け、理解し、改善する姿勢は決して見せない。ここでやり合っても、最終的に行き着く先は「ぐだぐだ文句は聞きたくない!気に入らないなら出て行け!」としか言わない夫に、いったいいつ、愛情や親近感を持てばいいのだろう?

多分に被害妄想的に脳内編集された解釈だと言うことは分かっている。分かっているけれど、この脳内編集と反応を止められない。止められないから私は今、誰とも上手くいかない。夫とも、息子とも(娘とも)母とも。

私は私「が」人から、責められ、疎まれていると感じているけれど、こんな私が口を開くことで、周りは「私から」責められ、攻撃されていると感じるからこそ、私を疎んじる態度になっているのだと言うことも、「知識としては」分かっている。

人は、私の欠点を「直した方がいいよ」といっているだけなのに、私はそれを「悪いところだらけの私は、存在しない方がいいんだ」と感じてしまう。

メンヘラ気質の私は、メンヘラ増強剤の夫と暮らすようになって、ますますその気質に拍車がかかってきた。自分で自覚して修正するにも限界があるよ。私は、私が突然死んで、ほんのいっときでも、夫が耐えがたいほどの寂寥感を抱いてくれるのだけが望み、というか憧れ。その日が来ることを願って、今、生きてる。

きっと現実は、そうじゃないんだろうけどね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?