新芽吹く歯とアレルギーの海賊船

　一日は良い天気と、ほどほどの仕事で彩られた。日々の流れは静かに、しかし決して一定ではない速度で運命の糸を紡ぐ。明日に何が待ち受けているかは誰にも分からない。しかしそれが人生の醍醐味である。

　最近、息子の口元に新しい発見があった。彼の歯が、そっと頭を出し始めている。まるで春の訪れを告げる芽吹きのように。ガラスのように透明なそれは、まだ新生児のような口の中に、初めて硬さをもたらす。息子は最近、新たに現れたこの歯を使って、見つけるもの全てをガシガシと噛む。その小さな口からは、探求心と好奇心が溢れ出している。

　しかし、明日はちょっと困難な試練が息子を待っている。病院にてアレルギーの負荷試験が行われるのだ。小さな体が無事に乗り切ることができるように、私たちはただ祈ることしかできない。息子は普段より早く起きるため、早めに寝かしつけたが、どうもその日に限ってなかなか寝つけないらしい。まるで明日の試練を予感しているかのように。

　この日々の連続こそが、人生の素晴らしい一部である。大人の生活には予想外の事態が次から次へと巻き起こる。しかし、それに対抗する力を育てるのもまた人生だ。息子がこれから体験する事柄、それが喜びであれ悲しみであれ、全てが彼をより強く、より大きく成長させていくだろう。それは私自身が経験してきたことだから、確信して言えるのだ。