コンプレックスが教えてくれた強みのヒント
皆さんこんにちは!いくえです。私は普段クリニックで医療事務として働きながら、副業でSNSライターの活動をしています。
【はじめに】
文章を書くのが好きでライターに転向した私ですが、決して何の苦労もなくスラスラ書けていたわけではありません。言葉を選びすぎて言葉が出ない、書いた後も「この言い回しで誰かが不快にならないだろうか」と思ってまた書き直す…そんな苦しみを伴うことも正直あります。
それでもなぜ書くことにこだわるようになったのか?
今回はそこを深掘りしていきます。「強みと弱みは表裏一体」とよく言われますが、私なりの答えが見えてきました。
書くことが好きになった経緯
私はもともと『人前で話すことへの強烈なコンプレックス』があり、その苦手な部分を補おうとして書くことに取り組むようになりました。コンプレックスとは恥ずかしい黒歴史のようなもの。それを発信することにためらいがありました。それでも、同じ悩みを抱える人に少しでも役立てたら…そんな思いでこの記事を書いています。
人前で話すのが苦手
1対1のおしゃべりなら弾むのに。複数名いる前で発言を求められた途端にポンコツになってしまう私。記憶を辿ると、幼少期からその傾向がありました。幼稚園のお芝居では、セリフの順番が近づくにつれ心臓がドキドキするほど緊張し、練習中はわざと忘れたふりして黙ってしまう困った子供でした。小学校になって学年が上がるにつれ、人前で話さなければならない機会は増えていきます。そのたびに緊張に耐えれず、時には仮病を使ってサボることもありました。ズル休みはよくないけど、自分の苦手なものにどう向き合えば良いのか分からんかったんやろうなぁ… なんてちょっと同情してあげたくもなったり 笑
作文は褒めてもらえた
一方で、文章を褒められることは何度かありました。読書感想文が掲示されたり、先生から「作文の評判が良かったから弁論大会に出てみたら?」とお声がけをいただいたり…。でも、かなり時間を掛けて苦労しながら書いた印象が強く、文章を書くのが『得意』とは言えませんでした。
失敗からのトラウマ
ちなみに弁論大会には出てみたものの、結果は惨敗でした。他の生徒さんの発表がどれも素晴らしく、自分の内容が恥ずかしく思えてしまいました。
みんな堂々と発表していて、内容もすごくしっかりしてる。
それに比べて自分のテーマはなんて幼稚なんだろう?もういやだ消えたい
幼稚だなんて誰も言ってないのに…。一人で勝手にネガティブな思い込みをし、勝手に萎縮して勝手に撃沈していくダメっぷり。こんな心境で迎えた本番は当然ボロボロでした。自信がないから話し方もモゴモゴするし、早く終わりたいあまりに早口になる始末。内容以前に、人様に聴いてもらえるような発表ではありませんでした。見守って下さった方々はみんな優しくて「がんばったね!」と労ってくれましたが、そりゃボロボロだったねなんて言えるわけない…みんな同情して慰めてくれてるんや…。という、なんとも卑屈な思考に陥っていました。完璧主義みたいなところがあり、ダメな自分に寛容になれなかったのです。終わってからも失敗ばかり思い出し、それはやがてトラウマとなり 私は人前で話すのが下手くそすぎる という思考を自ら刷り込んでしまうのでした。
逃げてばかりもいられない
学生の間に『人前で話すのが苦手』という意識がすっかり根付いてしまったけど、社会人になると「苦手だから」とばかり言ってもいられません。
私は過去に何度も『転職』を繰り返しています。30代以降は自分の意志でより良い環境を求めての転職でしたが、社会人になって間もない頃はそうではありませんでした。いわゆる『戦力外通告』ですね。ミスをしたことをきっかけに 自分はダメだ という意識に囚われ、できないと思い込むからまたミスをして叱責される。どんどん萎縮して声が震え、「お前もうええから、他の人に代わって」なんて言われるポンコツぶり…。今から思えば、冷静に自分と合わない環境と判断し、さっさと辞めれば良かったと思います。でも当時はどうしたらいいか分からず、いつか切られるんやろか…。いっそ切られて楽になりたい。 毎日ビクビクしながら出勤し、その想いが会社にも伝わったのか、数か月で契約解除。そんなことが立て続けに3回ほどありました。
自分は必要とされていない
すっかり負のループにはまり、失業手当をもらって凌ぐ時期もありました。しかしながら奨学金の返済にも追われていたから、休んでばかりもいられません。働かせてもらえるならなんでもする。そう思いながら行き着いたのが医療事務でした。しかしそこでも、最初のうちは苦労の連続でした。
Drに申し送りできない…
患者さんからのお問い合わせをDrに伝えなきゃいけない。でも話しかけようとすると「なんや!わしは何をしたらええんや!」また怒られてばかり…。ただ、当時お世話になった先輩は優しくて「あの先生、誰に対してもあの調子やから。気にしたらあかんで」と慰めて下さりました。こういう時、さりげなくフォローしてくれる人がいるだけで、心の持ち方はずいぶん変わるものですよね。確かに先輩の言う通り、他の先生・看護師・患者さんにまで同じ口調だったのです。「あの先生はな、ほんまに自分がどうしたら良いか分からんくなってきてて、そんな自分にイライラしてはんねん」先輩からそんな話しもされ、妙に納得してしまいました。
自分を責めるのは止めて、改善策を考えよう
ともかく自分だけが責められているわけじゃないんだと分かると、開き直ることができました。そこからは、叱責されたことで悩むより、どうすればDrをイライラさせずにすむだろう?と、改善策を考えるようになりました。
伝え方を工夫する
Drからいつも「何をしたらええんや!」と言われたのは確かに的を得ていたと思います。オドオドしすぎて何が言いたいのか分かり辛いので、『話し方=伝え方』を工夫する訓練が必要でした。人前で話すことが下手なんだから事前準備を徹底するしかありません。じゃあ伝わりやすい話し方って何だろう? まずは身近で話し上手な人をお手本を探すところから始めました。
お手本となる人を真似する
冷静に周りを観察していると、先輩はDrと比較的なごやかに会話している印象でした。何をしてほしいのか結論から入り、簡潔で明快な申し送りをされているのです。人間ができている人は仕事もできるんだなぁとますます尊敬しつつ、その先輩の伝え方を真似してみることに。伝える順番を意識しながら内容をメモにまとめ、そのメモの通りに喋れば私も先輩の話し方に近づけるかも!自分が心から尊敬できてお手本となるような存在がいるなら、成長しやすい環境と言えます。
当たり前のことを当たり前にするための努力
「〇〇Drへ指示書のご依頼です。△△様が下痢が続いており、下剤を施設判断で調整できるよう指示書配布を希望されています。△△様の現在のバイタルと排便状況は…」
冒頭に結論を述べ、何をしてほしいのかを明確にする。当たり前のことだけど、苦手意識から緊張しすぎて頭が真っ白になる私には、些細な報告にも準備が必要だったのです。要点をまとめながら、ご高齢の方にもスッと頭に入るような言葉選びを意識する習慣がつきました。
自分が変わると周りも変わる
伝え方を意識しだして少しずつ、Drの対応が優しくなりだしました。「はいはい。了解」すんなり受け止めてもらえて、お互いに余計なストレスエネルギーを消耗することが減ったと思います。先輩からは「ハッキリ言えるようになったやん!入りたてのころはすぐ辞めてしまうんちゃうかって心配してんで」とお声がけ下さいました。たった一人でも、味方になってくれる人がいたから頑張れたんですよね。
自信は後からついてくる
Drへの申し送りが怖くなくなった! 小さな成功体験をきっかけに、他の業務も上手くまわりはじめたように思います。そんな中、スタッフ向けのメールでの申し送りや報告を事務長から「読みやすい文章を書くね」と褒めていただけるようになりました。
話し下手を『書く』ことで補う
当時は深く考えなかったのですが、振り返れば、『話すことへの苦手意識』を『文章で書く力を磨く』ことで補ってきたと言えます。たくさん恥ずかしい思いや惨めな気持ちがあったけど、だからこそ書くことに関しては妥協せず向き合ってこれました。
コンプレックスの中に強みのヒントがある
これまでの話から、私が最初から「文章を書く仕事が自分に向いてる!」という認識があったわけではないとお分かりいただけたのではないでしょうか。
・もともと「話すことへのコンプレックス」があった
・コンプレックスを補う手段として文章にまとめてから話す習慣がついた
・周りから「文章が読みやすい」と評価をいただけた
手っ取り早く強みを見つけたい人にとっては意味のない話かもしれません。
ですが、私の経験を踏まえて言えば、コンプレックスと向き合う過程で
・「これなら自分にもできる」と思えるもの
・周りの人から褒めてもらえたこと
そういうところに「強み」のヒントが隠れています。コンプレックスと向き合うことは言葉にならない苦しみを伴うけど…。ダメな自分をまず受け入れること、その上で自分の活かし方を見つけること。
苦しみを乗り超えれば、オセロの石が一気にひっくり返るように、黒歴史の失敗談も全て活きてくる。
これが「強みと弱みは裏返し」という言葉に対する私の中の答えです。
個性を活かせる環境
私が『書く』習慣を身に付けるキッカケとなった職場には、運よく支えてくれる先輩がいました。もしそうじゃなくて、味方になってくれる人や適切に評価してもらえる機会がなければ、ただただコンプレックスを拗らせるばかりだったことでしょう。自分を活かせる環境を選ぶことも大切ですよね。
あれから数年後に先輩が退職され、私もその職場を離れることになりました。だけど、その先輩とは今でもずっと交流が続いています。
最後に
ここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございます!
noteではこのように、私が副業を続けるうえで得られた価値観を発信していきます。
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