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【実体験】筆者が語る、精神病棟の実態

心を病んでしまった人が利用する精神科病院、人々の多くは利用したことがないのではないだろうか。
そこに入院したことがある人はもっと少ないに違いない。
そこで、日頃から精神科病院に通い、入院したことのある私が精神病棟の実態を語ろうと思う。

私が入院した期間は2021/10/18〜22の5日間だ。
長いようで短い入院期間だったと、今になって思う。

【入院生活1日目】
病棟に入る前に、まず持ち物検査がある。
病棟に持ち込めるものは限られているのだ。
精神病棟なので、当然先端が尖ったものや縄状のもの、薬などは持ち込めないことになっている。その理由は言うまでもないが、患者が自傷行為を行うのを防ぐためだ。
私はそこで紐がついたズボンを没収された。
おかげで5日間2着のズボンで生活することになってしまった。

病室に案内されてからは、すぐに奇妙なことが起きた。
別の病棟からだろう、誰かの叫び声が聞こえてきた。
私の入院生活は誰かの叫び声から始まった。

11時30分になると、ご飯が運ばれてきた。
どうやらこの病院ではこの時間に昼食を取るらしい。

昼食の後、13時30分になると作業療法の時間だ。
この日の作業療法は映画鑑賞だった。
「カンフー・パンダ」という映画の鑑賞だった。
ここでは映画に関する感想は割愛することにする。
15時に作業療法は終了した。

18時に夕食の時間らしい。

夕食後にテレビがある広場に行ってみた。
すると、おばあちゃんが私に話しかけてきて、すっかり仲良くなってしまった。
私が入院した精神病棟は老人ホームのようにお年寄りしかいないので、筆者ぐらいの若い患者が物珍しいのだろう。ちなみに私は16歳だ。

そんなこんなで1日が終わった。

就寝時間は22時からとなっている。

【入院生活2日目】
この病院では6時30分が起床の時間になっている。
学校の日はいつもこのぐらいの時間に起きているはずなのに、病院にいるとやたらとこの時間が早く感じた。

この日の朝は採血があった。
入院する者は2日目に採血をするのだろう。

採血のあと、本当は良くないのだが、あまりに眠かったので私はついつい2度寝をしてしまった。
起きたら7時30分、朝食の時間だった。
入院食は「美味しくない」や「味が薄い」というイメージがあったが、そんなことはなく普通に美味しかった。

朝食を済ませたあとは、看護師に言われるがまま脳の検査へと向かった。
具体的にどのような検査をしているのかは不明だが、頭にベタベタとクリームのようなのを付けられて、ダサい帽子を被せられたのは鮮明に覚えている。
検査の途中、目を閉じるように看護師から命じられたりした。
目を閉じていても明らかに確認できる、まぶたの上でピカピカと光るうざったらしい機械。
一体何の検査をしていたのだろう…

頭にベタベタなクリームを付けられたまま、検査が終了した。

13時30分になり、作業療法の時間になった。
この日は患者さんたちで歌を歌うという内容だった。
予め決められた曲の中から、患者が指定した歌を次々とみんなで歌った。
用意されていた歌は世代が古いもので、私が知っている歌は1つもなかった。

15時30分からは病院の施設の1部であるグラウンドに外出した。
記述し忘れていたが、1日目の夜に外出許可願い書を書いておいた。
特に何かをしたわけではないが、なぜか異様に楽しかった。

2日目のこれ以降は特に何もないまま夜になった。
夜は、1日目の夜に仲良くなった患者さんと雑談して床についた。

【入院生活3日目】
3日目になると入院生活にも慣れてくる。

いつもどおり早い起床をし、朝食と昼食を済ませた私は日常となりつつある作業療法室へと向かった。
3日目の作業療法の内容は、音楽鑑賞だ。
この日に鑑賞した歌も、2日目と同様、かなり昔の歌だった。
その中でも私が気に入った歌は天童よしみさんの「道頓堀人情」と、やしきたかじんさんの「やっぱ好きやねん」だ。
興味がある人はぜひ聴いてみてほしい。

【入院生活4日目】
4日目になると、入院生活の新鮮味も薄まってくる。

この日は木曜日、私が入院した病院では月曜日と木曜日の午前中が男性の入浴日となっている。
1日目は月曜日だったのだが、私が部屋にたどり着いたときには入浴の時間が終わっていたので、この日が入院生活で初の入浴だった。
入浴と言っても、私はシャワーしか浴びなかったがとても気持ちよかった。
2日目の脳の検査のときに付けられたクリームもこの日になってやっと洗い流せた。

午後になり、作業療法の時間となった。
4日目の作業療法は、布ボールとプラスチックのボールをフラフープの円の中に投げて点数を競うというものだった。
私の番になる前は、心のうちで「年寄りしかいないんだし、最年少の私が1番になるだろう」と思っていた。
が、結果は察しの通り、私は老人たちに負けてしまった…
実は、5日目には退院してしまうため、この日が作業療法の最終日だった。

18時、夕食の時間だ。
この日のメニューはしょうが焼きだった。
入院食の中で一番美味しかったと思う。

【入院生活5日目】
長かった入院生活も、やっと最終日になった。
この日の午前9時に親が迎えに来てくれることになっていた。

朝食を食べ、仲良くしていただいた患者さんたちに別れを告げて、私は病室を去った。

【まとめ】
正直初めて病室に案内されたときは「廃墟のような部屋だな…」と思っていたが、見た目なんて3日もすればなれるものである。
予想以上に美味しかった入院食、優しい患者さんたち、やや楽しい作業療法、ふかふかなベッド、なんだかんだかなり快適な入院生活だった。
ただ、便所が尿の匂いで臭かったり、男性用トイレから女性が出てきたりと、不吉なこともあった。

このようにして、私の精神病棟での入院生活は終わった。
気になる人もいるかもしれないので、入院中のルールを以下にまとめてみた。
以下の内容でもわからないことがあれば、筆者のツイッターのDMなどで相談してみてほしい。できる範囲で答えるつもりだ。

【入院中のルールについて(病院によって異なる)】
・刃物、紐状のもの、過激な内容の書物、薬は持ち込み禁止
・入浴は月・木の午前中(男性の場合)
・携帯電話の使用時間は午前9時から午後8時まで(作業療法の時間は携帯電話をナースステーションに預けること)
・院内の店で購入した品物は他の患者に渡すのは禁止



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