膀胱炎と漢方薬~膀胱炎とは~

薬屋勤務では、膀胱炎”らしき”症状で相談される方が増えました。
おトイレの回数が多いから膀胱炎。
おトイレをする時、なんとなく痛みがあるような・・・。
これぐらいの感じの相談です。

膀胱炎は、膀胱・尿路に炎症が起きて、
各種自覚できる症状を体感することで「あっ、膀胱炎かも」と
思うわけです。

西洋医学的に見た膀胱炎

西洋医学的にみた膀胱炎は、
細菌感染(主として大腸菌など)によって生じる膀胱粘膜の炎症。
とされています。

尿検査において、白血球の値が上昇したり、血尿が検出されると疑われる。
また、尿細菌検査で細菌が培養されると「膀胱炎」となります。

治療方法は、細菌感染なので抗菌薬の投与、利尿促進です。
抗菌剤を投与しても劇的によくなるわけではなく、
炎症を起こした膀胱粘膜が修復するための時間を要します。

体感できる症状としては、
●頻尿
●残尿感
●排尿痛
●尿混濁
●血尿
です。

東洋医学で見た膀胱炎

膀胱炎自体、排尿に関して問題が生じるひとつの症状に過ぎない。
ということです。
膀胱の状態として、「炎症」を起こしている、つまり「熱を持っている」ということ。

体内に熱が生じている場合、膀胱にその熱が波及しても起こるし、
膀胱に外邪(細菌)がやってきて、熱をもった状態になっても起こる。

膀胱が熱をもった状態になると、
●頻尿
●残尿感
●排尿痛
●尿混濁
●血尿
などの症状が現れることになります。
東洋医学の証で膀胱炎を表現すると「膀胱湿熱証」になります。

ただ、東洋医学では、「膀胱炎」という疾患名で治療をするわけではなく、
上記のような排尿に関わる不調全般を治療していきます。
相談されるお客様は、排尿に関する不調はすべて「膀胱炎」と片付けてしまうので、注意が必要です。

頻尿や残尿感や排尿痛を起こす原因は、「膀胱湿熱証」だけではないので、
その原因を見極めるていきます。
東洋医学的にみた排尿に関する不調の原因として、
●膀胱湿熱
●寒湿
●気虚
●肝気鬱滞(気滞)
●腎陽虚
●腎陰虚
●陰虚火旺
●心火
などがあります。
それぞれの証によって、使われる漢方薬が変わってくるので、
膀胱炎っぽい=猪苓湯(利尿促進+清熱+止血) というわけにはいきません。 

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