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【OTC】ステロイド点鼻薬

コロナの検査キットを聞かれる日々のドラッグストアです。
まだまだ、風邪症状(軽症コロナ?)のあるお客様が多く、花粉症の薬が爆発的売れるところまでは来ていません。

2022年の今年は、花粉の飛散量が昨年の1.3倍とも言われております。
東洋医学の観点からみると、2022年という年は「木運太過」という運気で、
陰陽五行の世界観の「木」のエネルギーが多すぎる年と言われています。
「木」に関することが、影響を受けやすくなるということです。
「木」は「成長」「肝」「胆」「風」「怒」などのキーワードを持っております。五臓六腑でいうと「肝・胆」の不調が出やすく、「怒りっぽく・イライラ」なりやすいということもあると思います。

特に花粉は「風」によって舞い上がる、そして、私たちの身体にとって花粉は「風邪(ふうじゃ)」にあたるので、花粉の影響が大きくなるとも。

花粉症の対策はいつも以上になるかもしれません。

花粉症の状態をより軽減するために

・飛散が増える少し前から抗アレルギー薬を服用する。
・鼻症状重めの方は、ステロイド点鼻薬を併用する。

ドラッグストアで購入できる抗アレルギー薬(第2世代抗ヒスタミン薬)は、フェキソフェナジン(アレグラ)・エピナスチン(アレジオン)・ロラタジン(クラリチン)・エバスチン(エバステル)。
※( )内は商品名。

ステロイド点鼻薬は、
・フルチカゾンプロピオン酸エステル(要指導薬)製品名:フルナーゼ
・ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(第2類)

ともにアンテドラッグステロイドなので、
局所(鼻)で抗炎症の効果を発揮した後、体内に吸収されると、
速やかに薬効が消失するように設計されています。全身的な副作用を軽減できます。

ステロイド点鼻薬は即効性は低い

抗アレルギー薬も効き始めるのに1週間はかかると言われています。
ステロイド点鼻薬も同様で、即効性は低いです。
ステロイド点鼻薬に即効性を求めて「効かない・・・」となるのでは、もったいない。作用や効いてくるタイミングを理解して使用すれば効果は高いと思います。

★即効薬と言われている内服薬
●第1世代の抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩・マレイン酸カルビノキサミンなど)
●粘膜の腫れをおさえる(アドレナリン作動薬:プソイドエフェドリンなど)
●鼻水の分泌を抑える(抗コリン薬:ベラドンナ総アルカロイドなど)

★即効性のある点鼻薬
●血管収縮させて一時的に腫れをおさえる(ナファゾリン・オキシメタゾリンなど)

ステロイド点鼻薬は炎症を抑える

即効性のある点鼻薬との大きな違いは、炎症自体を抑えること。
とりあえず鼻を通しておく「血管収縮作用」の点鼻薬ではない。

1日2回の使用で細く長く効いてくるのが特徴です。

ステロイド点鼻薬の使用方法(必須)

●1日2回(朝・夕=内服を飲むタイミング)
●1回左右1プッシュ

●追加投与する場合 3時間あける 1日4回まで限度
(↑製品によるので製品の添付文書を確認)

●1年間のうち3か月の使用/例:2月~4月or1月~3月or8月~10月など
 ↑OTCで販売されているステロイド点鼻は「花粉症による鼻症状」であり通年性のアレルギー性鼻炎は対象外通年性アレルギー性鼻炎であれば受診。

使用禁忌

ステロイド点鼻薬の共通した使用禁忌
・真菌症
・結核性疾患
・反復性鼻出血
・感染症
・鼻孔が化膿している
・妊婦及び妊娠している可能性のある人
抗炎症作用があると症状が悪化してしまうため。
鼻出血に関しては、点鼻全般×。

フルチカゾンプロピオン酸エステル(要指導薬)のみ禁忌
・15歳未満

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(第2類)のみの禁忌
・高血圧
・糖尿病
・ぜんそく
・緑内障
・18歳未満

高血圧・糖尿病のある人の点鼻薬

基礎疾患がある人は、かかりつけ医に相談するのが1番。
ご時世的に難しい場合、
OTCで対応するなら
●フルチカゾンプロピオン酸エステル(要指導)
薬剤師のいる店舗での購入この一択になります(2022.2現在)


●ケトチフェンフマル酸塩(第2類)
2020年までは、ケトチフェンフマル酸塩のみが配合されていた
ザジテンAL鼻炎スプレーαがありました。しかし、製造中止(需要ダウンによる廃番)。

ケトチフェンフマル酸塩のみ配合された鼻炎スプレーはなくなってしまったので、高血圧・糖尿病のある方で、鼻炎薬をOTCで購入する場合は、
薬剤師のいる店舗にいきましょう。

★ナファゾリン塩酸塩の点鼻薬と高血圧について
添付文書では「相談」であり「禁忌」ではありません。
動物実験において血圧上昇が認められたのは、13/35例 約37.1% ということなので、
●血圧上昇のリスクがある旨を伝える
●違和感を感じたらやめるを伝える

情報を提供した上で、お客様がどう選ぶか、試してからやめる という選択肢もありだと思います。鼻詰まっていたら、つらいですし・・・。

まとめ

●つらい花粉症の治療
 抗アレルギー薬+ステロイド点鼻薬

●花粉症の中程度から軽症
 【鼻水症状が強い】
 抗アレルギー薬/つらい時に即効性のある点鼻
 【鼻づまり症状が強い】
 ステロイド点鼻薬/鼻づまり用内服薬(頓服)

●高血圧・糖尿病の持病がある方
 抗アレルギー薬
 点鼻が必要ならフルナーゼ/即効性のある点鼻(リスク理解の上)

●妊婦の方
 かかりつけの病院に相談。

●授乳中
 服用時は授乳を避ける。
 

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