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怒りのエネルギーの矛先はどちら?

怒りのエネルギー。
これを東洋医学の世界:五行&五臓の世界でみると、怒りのエネルギーは「木」のエネルギーになり、「肝」の不調によって起こりやすい、逆に、「肝」が不調だから、怒りのエネルギーが起こると考えます。

肝の不調

これは東洋医学の世界での話です。
肝の不調は、気の滞り(気滞)血の不足(肝血虚)
この二つから派生して、気(陽=熱)が溜まり、血(陰=冷却)が減る、つまり、肝が熱を生み出し、その熱が上半身にのぼる=肝陽上亢 が起こりやすい。

ちょっとしたことで感じやすい肝の不調のまとめ
●気滞
●肝血虚
●肝陽上亢

実際の症状
●イライラ・怒り・ほてり→かっかして眠れない
●どっかしらの痛み・肋骨の下あたりの張り感
などなどの症状を感じられる。

肝の不調で生まれる「怒り」はどこに向かうのか

怒りのエネルギーは、
基本的には陽のエネルギーなので外向きに出ようとします。

体質や性質によって、外へ出さずに内にこもらすこともできます。
こもらすことができるというより、こもらせていまう、ということです。

怒りのエネルギーは、
外に向く場合、他の人に当たってしまったり、攻撃的になったりする。
内にこもらせる場合は、自分自身の五臓や気血水を痛めてしまう。

どちらにしても肝には余分なエネルギーがある、つまり気滞の状態になっています。その気が向く胞肓が内向きの場合は、以下のような不調が連鎖的に起こる。

①肝に溜まったエネルギーによって、五行相剋関係にある脾を攻撃する

消化器系の不調がでる(ストレスによる消化器系の不調)

②肝に溜まったエネルギーによって、肝が旺盛になる。

●肝が旺盛になることで熱が生まれ、その熱を冷ますために、
肝が貯蔵している血が消耗。
●身体の陰陽が陽に傾き、眠れなくなる。など

肝の不調を正常な状態にするために

肝の不調、つまり、私たちが感じとれる不調「怒りっぽい・イライラする・眠れない・・・など」を改善していくにはどうしたらいいか?

大きなところでいうと、
気滞を解消する
●肝の不調は、交感神経が優位な状態が多いので、リラックスする。

気滞の解消×リラックス=精油を使った芳香浴
芳香浴によって、気の巡りを改善する。
精油をリラックスする香りや肝の働きかけるような精油を選ぶ
 ・オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系
 ・ローマンカモミール/ジャーマンカモミール

気滞・肝の不調に対する漢方薬
●四逆散:気滞の漢方薬の代表
●抑肝散/抑肝散加陳皮半夏(消化器の症状がある場合):怒りのエネルギーを内にこもらせる
●逍遥散/加味逍遥散(熱症状がある場合):怒りのエネルギーが外向きの人で、舌の出し方が特徴的で先端細目にぴゅっと出す。舌先が赤いこと多い。

個人的な漢方薬のイメージ
四逆散は、生薬自体が気を巡らせるお手伝いをしてくれて、さらに気を巡らせるために、肝をよい状態にしようしてくれる。具体的にいうと肝を柔らかくして、陰分(特に血)をしっかり抱え込めるようにしてくれる。

抑肝散は、他者に対しては我慢していて、その分自分の身体で発散したり(歯ぎしり・夜泣き)、発散しきれずに、不消化器系の不調に陥ったり、貯めこんでしまった気が咳となってしまったり、ため込み過ぎて熱症状が出て、その熱が上の方に上がって不眠になったりと。

逍遥散タイプの人は、細身で神経が細やか。頑張り屋さん。怒りのエネルギーを外に出さなければならないくらいに、留め置く力が枯渇してしまっている。そんなイメージ。それでいながら体内を巡らす力がなくて、いろんなもの(気血水)が滞っている。あちこちいろんな症状がでている。

怒りのエネルギーは色んなものが詰まっている


こうやって「怒り」をみてみると、
「怒りっぽい人」は、ただ怒っているわけじゃない。
その人の歴史があり、その結果。

とは言え、怒りのエネルギー当てられると、
傷ついてしまう人がいることも事実。

怒っている人は、怒っていることを認識する。
認識さえすれば、怒りが収まった頃に少しだけ、余裕が生まれて、
その怒りと向き合える。
それだけでは、きっかけさえあれば「怒りのエネルギー」が生まれてしまう。だから、気を溜めない「肝のケア」が行ってみる。

怒りのエネルギーに当てられてしまった人は、少しだけ柔らかいクッションになる気持ちで過ごす。(その後のメンテも大事!)


自分の中も循環だし、自分と他者も循環。
人は一人では生きていないから。

 


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