『TENET テネット』をグランドシネマサンシャインのIMAXで観なきゃいけない理由
9月18日にクリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』が日本で公開されました。
『ダンケルク』から3年。待望の新作に皆さんワクワクしていると思います。
圧倒的な臨場感を得るために、多くの人はIMAXシアターでの鑑賞を選択すると思います。
ですが、残念なことに特定の映画館以外のIMAXですと最高レベルの臨場感を味わうことができないのです。
池袋にあるグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティ。
現状、日本においてこの二つの映画館でしか『TENET テネット』を完全な形で鑑賞をすることができません。
普通の映画館だと上下が見えなくなる
池袋にあるグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティは日本に唯一存在する「IMAXレーザー/GTテクノロジー」に対応したシアターです。
いわゆるフルサイズのIMAX®規格。
その最大アスペクト比は1.43:1となり、通常のスクリーンと比較すると上下合計で約40%も画角が拡がります。
つまりこうなります。
見てわかる通り、70mm IMAXフィルムで撮影した『ダンケルク』を普通の映画館や通常のIMAXで鑑賞をすると奥にある煙や水平線が見えなくなってしまうのです。
これだとクリストファー・ノーラン監督の伝えたいことや戦場の臨場感を本来の形で経験することができないので、ストーリーの魅力が激減してしまいます。
同じく70mm IMAXフィルムで撮影された『TENET テネット』でも見比べてみましょう。
背景の違いは一目瞭然ですね。
フルサイズIMAXの方が臨場感、解像度、視覚的な情報量が段違いです。
だからこそ、皆さんにはこの素晴らしい映画を1.43:1をフルスケールで上映ができる、先ほど述べた二つのシアターで体験してほしいのです。
しかし、全ての映画がこのような形で上映できるわけではありません。
70mm IMAXフィルムで撮影された映画のみが、この価値を提供できるのです。
クリストファー・ノーランがこだわる70mm IMAXフィルム
クリストファー・ノーラン監督はIMAXフィルムカメラという高額かつ複雑なカメラを長編映画に始めて本格的に活用した人物でもあり、『ダークナイト』以降の作品で頻繁に使っています。
IMAX 70mm フィルムカメラ1台の値段が$500,000(5,200万円ぐらい?)。
1週間レンタルで$16,000(170万円ほど)。
フィルム代は1分の撮影で$200(2万円)かかります。
高いですね。
ちなみにノーランは『ダークナイト』『ダンケルク』『TENET テネット』撮影時にこのカメラを何台か壊してるらしいです。
頭おかしい。
『TENET テネット』も例に漏れず、このカメラで撮影した超大型70ミリIMAXフィルムで前代未聞のとてつもない臨場感を作り出しています。
※70mmフィルムと70mm IMAXフィルムは別です
通常の映画は35mmフィルムを基準に作られているので、70mm IMAXフィルムですと面積比4倍。
一説によると70mm IMAXフィルムの情報量は18Kに匹敵するとのことです。
このように特殊なフィルムを使っているため、上映には特殊なシアター環境が必要になってくるのです。
ノーラン監督は生粋のフィルム原理主義者であり完璧主義者。
自分のストーリーを最も効果的に伝える手法がフィルムということを悟っているので、最も品質が高く、高価で面倒な70mm IMAXフィルムを使うことがスタジオから許されているのです。
そしてその分の費用を十分回収できるネームバリューと価値提供。
そんなノーラン監督が伝えたいストーリーを、ぜひフルサイズIMAXでご堪能ください。
ちなみに日本にはIMAX "フィルム"シアターが存在しないので、ホンモノの70mm IMAXフィルムで鑑賞することはできません。
※「IMAXレーザー/GTテクノロジー」はあくまでもデジタルに変換したもの。
※画質の面だとIMAXレーザーシアターはせいぜい4K、IMAX 70mm フィルムシアターは18K。
フィルム鑑賞するには海外へ渡航しなければいけないのであしからず。
こちらはredditで公開されていた『TENET テネット』と『ダンケルク』のフィルム、デジタル、IMAXにおけるアスペクト比と解像度の比較表です。
ご参考にどうぞ。
※10月16日追記
池袋グランドシネマサンシャインにクリストファー・ノーラン監督から直々に感謝の手紙が届いたようです。
最高の状態で「TENET」を届けてくれたことへの感謝が記されています。
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