見出し画像

リッチな気分になるために乗ったグリーン車で、損をしたような気持ちになった話

JR東日本には「普通列車グリーン車」なるものがある。運賃にプラスアルファの額でちょっとした旅行気分を味わえるので、中距離の移動の際に私もたまに利用する。

普通列車グリーン車は、東海道線、横須賀・総武快速線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、常磐線の普通(快速)列車に連結されています。

https://www.jreast.co.jp/railway/train/green/

しかし、この普通列車グリーン車には厄介なポイントがひとつあって、それは「指定席ではない」ということ。席が空いているかどうかは、乗ってみないとわからない。そして、いざ乗り込んでみたら満席だったとしても、席の料金は取られてしまうのだ。

ならば、席に座れた時点で料金を払えば良いのでは?と思うが、車内でグリーン券を買うと高くつくのである。ホームに設置されている専用の販売機であらかじめ買う場合の「事前料金」と比べ、乗車する距離によって異なるが、約300円も違ってしまう。

先週末、久々に電車で中距離のお出かけをすることになった。ホームでふと券売機に目が行った私は、夫に「グリーン車乗っちゃう?」とノリで声をかけてみた。しかし、週末だし、駅も電車も混んでいる。もし、券を買っても座れなかったり、せっかくのお出かけなのにバラバラの席になってしまったりしたら…などの心配事を、次の電車が来るまでの短い時間で話し合う。

その時、券売機の横に「3月から変更」「同一料金」などの説明書きがあるのが目に入った。よくよく読まなかった我々夫婦は「3月から事前購入と車内購入の料金が一緒になったのだ!えー!知らなかった!!」と早合点。「じゃあ、とりあえず乗ってみて、座れたら払えばいいし、座れなかったとしてもそこまで痛手ではないのでは?」と判断し、ええぃ!っと丸腰でグリーン車に乗り込んだ。

「通常料金」「通年同額」などの文言に勘違いさせられた(後日改めて撮影)

車内はそれなりに混んでいたが、なんとか2人並びの席を確保できた。「よかったね」なんて言っていたのもつかの間、グリーンアテンダントの車内改札で、改定前で言うところの「車内料金」に近い額を取られた。納得の行かない我々はいくつか質問をするが、よくわからない説明をされ、よくわからないままSuicaで料金を支払い、紙のレシートを受け取って腑に落ちないまま終わった。

もやもやするので、帰ってきてから調べてみた。

料金改定は今年の3月に行われたようだ。しかし、我々にとって最大のネックであった「事前or車内」が改善されたのではなく、お得かどうかの軸が「モバイルor紙」に変わったとのこと。

事前券売機でSuica決済すれば(=レシートは出ない)割安、車内でもモバイルSuicaで購入すれば割安。車内でグリーンアテンダントの端末でSuica決済すると(=レシートが出る)割高。事前購入であっても、みどりの窓口などレシートが出るタイプの購入方法だと割高、ということらしい。今、文字にしてみて自分でもようやく理解できた。

車内でSuica決済してもレシートが出ればそれは「紙のきっぷ」なのだ

「事前or車内」の観点で質問してる奴らが、「モバイルor紙」の説明をされて即座に理解できるわけがない。グリーンアテンダントは、もうこの類の質問をされすぎて、いなし慣れている顔をしていたけれど。

結局、確実に空いている時間帯を選ぶ以外、グリーン車への「損をしない乗り方」というのはわからないままである。通勤時間帯にホームから見るといつもびっしり埋まっているが、彼らは毎朝空席ギャンブルに挑んでいるのだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?