カープダイアリー第8565話「新井監督ボブルヘッド人形でも埋まらぬ空席の憂鬱」(2024年3月24日)

広島地方気象台が県内で桜が開花したと発表した。高知、宮崎に続き、全国で3番目の早さ。広島市中区にある縮景園内の標本木になっているソメイヨシノで5輪以上の花が咲いているのが確認された。

広島市街地では、ほかにも花をつけているソメイヨシノは複数あった。だが、マツダスタジアム関係者入り口にある、カープファンにとっての標本木はまだ朝の時点では、つぼみのまま…

このままいけば4月3日には満開になる、という。地元開幕3連戦の最中、だ。

全体練習オフのこの日、マツダスタジアムには何人かの選手の姿があった。秋山もそのひとり。番記者に囲まれて左足の状況が軽傷であることを強調した。

2日前、ウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ球場)で打球を右上腕に当てたハッチもキャッチボールを再開した。開幕から逆算すれば、ここらが踏ん張りどころだろう。

ところでもうひとりの新外国人投手、新戦力のハーンは今どこで何をしているのか?ネットで調べてみても2月6日、キャンプ合流後初のブルペン投球を行ったこと以外、報道されていない。その後、前触れもなく突然、姿を消したままになっている、

一説によれば日南で、しかもグラウンド外において、単独でのトラブルがあったという。不慣れな”異国の地”でのことでもあり、リカバリーに時間を要していのだろうか…

それにしても、何の発表もないところがいかにもカープらしい。不都合な真実は、表に出さえしなければ、これまでも皆なかったことになってきた。

開幕まであと4日。そして地元開幕まであと8日…

驚くべきは、地元開幕6連戦にまだ残席がかなり残っていることだ。特に後半の中日3連戦はその傾向が顕著だった。

球団サイドは危機感を抱き、4月5日のナイトゲームでは先着2万名に新井監督のボブルヘッド人形を進呈すると発表した。16日のDeNA戦でも同様のファンサービスを実施する。

球団担当者から在広メディアにその旨報じるよう依頼があったのが3月15日。放送局はその日のうちに告知した。“カープ村”典型的パターンのひとつ、だ。

おかげで中日戦の方は、残件わずかとなったが、DeNA戦は今なお大半の席種が「余裕あり」となっている。

コロナ前まで毎年、繰り返されたあのチケット争奪戦を思えば、これぞ大ニュース…。もっと言えば当時は何がどう問題でなり、あれほどのチケット枯渇感が生じていたのは何故なのか?

そんな疑問に答えてくれるメディアは、この広島には存在しない。

同様に、今のチームの何がどこでどうなっているか?を、正確に報じるメディアもまた、この広島には存在しない。その証拠に、毎年シーズン終わりに開幕前の様々なニュースを振り返ってみた場合、各社報道内容とかけ離れた結果になった…という事例は枚挙にいとまがない。

“盛り上げ”は地元メディアにとっては大切な役割だが、報じるべきことを報じないまま、ただ“いいよ!いいよ!”を繰り返すだけなら、それは報道機関ではない。テレビ視聴率は10数年前とは比べ物にならないほど低下し、1部わずか10数ページにまで追い込まれるような新聞も、もう見る影もない。それ故、自分たちの延命措置を優先し過ぎてはいないか?

SNSやオンデマンド配信による情報の拡散にスポーツニュース・報道・中継の軸足が移り、ただしその新たな情報空間もまた玉石混交…

ゆえにニュースに触れるひとり、ひとりが、のちのち“その報道がどうだったか?”を検証しながら“頼りになるメディア”と付き合うことが必要になる。

さて、そんなこんなで新井カープ2シーズン目の最終順位予想はいかに…こればかりは他の媒体にお任せしたい。セ6球団に関する必要な情報を、すべて持ち合わせてはいないので…


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