カープダイアリー第8369話「ハーラートップ行くDeNA東に新井流”秘策”も不発…一番野間、二番矢野、三番小園…」(2023年9月7日)

対戦成績13の6。ハーラートップを行く東に強い菊池は、出番がないまま九回の攻撃をベンチで見守った。2日前の初戦で一塁にヘッドスライディング。その際に負傷した右手親指は思ったより重症だった。

2点を追いかけて、まずは3夜連続の延長へ、打順は三番から…

試合は劣勢の展開になった。8月13日以来の先発マウンドに上がった遠藤が六回に桑原にソロを打たれて勝ち越されると、八回のアンダーソンも桑原に2打席連発を許した。反撃は三回に飛び出した末包の8号ソロだけ…

ケガ人続出でまさに新井監督の言う「その日暮らし」の戦いの日々。あすからの阪神3連戦を前にいかにしてDeNAから3戦目も勝利をもぎ取るか?新井監督はこの窮地を秘策で乗り切ろうとした。

スタメンは…

野間
矢野
小園
マット
堂林
ライアン
曾澤
末包
遠藤

三番までは左打者で、そのあと全員右。

今季、すでに東とは4度対戦して、左腕の2勝0敗、対戦防御率2・25。クオリティスタート成功率100%で、要するに攻略しきれていない。柵越えはマット、ライアン、それに菊池の1発ずつ…

前回対戦は8月24日の横浜スタジアム。7回97球5安打無四球の相手から奪ったのは1点だけ。適時打は七回のマット…

一方、この試合では野間が3打席で21球、小園も同じく15球投げさせた。このふたりに矢野を加えて、積極的にスイングしてファウルも打って、そして早目に降板に追い込めないか?

しかし、この日の対東ファウル打ちで光ったのは六回、小園の第3打席ぐらいで6球目を左前に弾き返した。野間は八回の第4打席で1ストライクから中前打。矢野は三回の第2打席で2球目を中前打したが、1打席目は見逃し三振、3打席目は空振り三振と手玉に取られた。

「きのう、おとといと延長戦で中継ぎの方たちがたくさん投げているので、きょうはできるだけ長く投げようと思ってマウンドに上がりました」(東)

要するにDeNAバッテリーの方が一枚上手だったことになる。

「かっとばせー!こ・ぞ・の!」

九回の攻撃は今一番振れている小園から。カッターストライク、カッターボール、真っすぐファウル、真っすぐファウル、スライダーファウルのあとの6球目はチェンジアップ。巧く拾ってレフト前へのナイスロブショットになりかけだが、突っ込んできた関根に好捕された。これもまた新井監督がよく言う「球際」の勝負。もちろん運にも左右される。

勝利まであとアウト2つの東は、ここまで球数107球。日中はいまだ30度超えの広島市内も、日没後は気温が下がる。まだ余力は十分、そんな様子が見て取れた。

前夜サヨナラ弾のマットは2球目を打って三ゴロ。続く堂林はボール球、ファウルのあとの3球目、打席ライン上への厳しい内角攻めを、バットの根っこがバラバラに弾け飛んでもレフト前に運んでみせた。

これで一発出ればまた延長…

代打松山にもスタンドから大声援が送られた。ところが、この勝負はDeNAバッテリーの方が圧倒的に優位な立場にあった。

「一度、相手の球筋を見れば、次回対戦からはほぼほぼ自分の打撃ができる」が松山の持論。

今季はこれが初見だから、2ストライクからのスライダーを一度ファウルにするのが精一杯。4球目のショートバウンドするチェンジアップに、代打成功率4割に迫るバットも空を切った。

“秘策”も“切り札”も封じられた新井監督ら首脳陣は、また新たな対抗策を考える必要がある。クライマックス・シリーズでの一発勝負に「次回」はないからだ。

試合のなかった阪神とのゲーム差は8に広がり優勝マジック減らしにも協力した。まだ貯金が14あるのに、追いかける相手は30もある。

7戦を残す直接対決は、あすからの甲子園3連戦のあとマツダスタジアムでの4試合。新井カープレギュラーシーズン1年目のゴールも、秋空の下の9月30日、10月1日の本拠地阪神2連戦という締めになる。

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