カープダイアリー第8461話「師走の広島に用意された幸せな、そして激闘へと続くスタートライン、今の気持ちを大切にライトサイドを駆け抜けろ!」(2023年12月13日)
高倍率の抽選をモノにしたファン倶楽部会員およそ500名と、大勢のメディアが壇上の新人選手8名を見つめる。その中央左に松田元オーナー、その左がドラフト1位指名の常廣羽也斗、中央右に新井監督でその右がドラフト2位指名の高太一。
独特の空気が張り詰める中、しかし代表質問者によるインタビューは実にスムースに進み、会場は熱気に包まれた。
それにしても8人8様、それぞれの個性が滲み出ていた。これもSNS世代の特性か…
-どんなピッチャー?…になりたい?
「自分と勝負するんではなくて、常にベクトルを相手に向けて、勝負しようという気持ちで常に今までは投げてきました。先発ローテーションを1年間守れる、ピッチャーになっていきたいです。まず、しっかり自分のできることをして、最終的に新人王を目指せるようにがんばっていきたいと思います」(常廣羽也斗・22歳・投手)
ドラ1右腕は前評判どおり、クイックレスポンスで頭の中がよく整理されている。会見やインタビュー内容だけでは計り知れないものがたくさんありそうだ。
……
-広島には縁がありますね。
「広陵の時から、広島カープの試合を見ることが多かったので、やっぱり、そういう見ていた舞台でやれるっていうのは、すごい幸せなことだと思うので、がんばりたいなと思っています」(高太一、22歳・投手)
緩やかに受けて、緩やかに答えるスタンス。無駄な力みのない投球が期待できる。首脳陣も早く試したい左腕だろう。
……
-大学の4年間で一番成長した点は?
「技術面はそうですけど、精神面が一番、入学当初より成長したかなと思います。高校までは小さなチームでやっていたので、マウンドに上がっても弱みとか見せた部分があったんですけど、やっぱり地元を離れてから、いろんな人に感謝の気持ちを持てて、その中でやはりマウンドでは弱気にならないように、強い気持ちを持ってやれています」(滝田一希、21歳・投手)
北海道寿都郡黒松内町出身、6人兄弟の5番目、寿都高から北広島市の星槎道都大へ進学。昨年5月に急逝した母・美智子さんや、兄弟、関係者への「感謝」の言葉を繰り返し、応援してくれる人の思いとともにプロのマウンドに挑む。
……
-持ち味は?目標は?
「一番は勝負強い打撃かなあ、と思います。昔からチャンスが好きなので、楽しむことはほかの人よりできるかなあとお思います。チャンスに強いバッターになりたいので打点王やホームラン王になりたいです」(仲田侑仁、18歳・内野手)
憧れの存在であるSEIYA SUZUKI の「勝負強さ」をプロの世界でどう表現していくか?那覇市出身、来年2月にコザしんきんスタジアムのグラウンドに立てるか…
……
-目標とする投手、新井監督にどうやってアピールしますか
「元阪神の藤川球児投手、分かっていても空振りが取れるストレートを投げられるところがすごいなと思います。新井監督より身長が大きいので、マウンドに立ったらもっと高くなるので、そういうのを生かしてアピールしていければな、と思います」(赤塚健利、22歳・投手)
大きな人ほど、気持ちは優しい…キャラは指揮官と完全にかぶっている。そのフィジカルを指先に集中できればまさに“火の玉”…
……
-先ほど、支配下登録への思いもありました。そのためにはどんなところを大事にしたい?
「支配下になれなかった…ということは、やっぱり足りないものがあるので、そこをしっかり自分で見つけて、先輩たち、同期のピッチャーもすごくレベルが高いので、ほんとに得られるものはたくさんあるので、ひとつひとつ、大事にやっていきたいなと思います」(杉田健、22歳・投手)
初めて静岡県三島市の実家を出て、寮生活へと入る。そこでどこまで野球漬けの日々を送ることができるか?育成枠は1年目からが勝負…
……
-目標にしている選手は?
「新井監督です!(視線を新井監督に向ける、どんなところを?と聞かれて)フルスイングとガッツ溢れるプレーと、ファンに愛されるその姿が自分の思い描く未来と重なるので、目標にしてます!」(佐藤啓介、22歳・内野手)
…未来のことは誰にも分からない。しかし、イメージは浮かぶし、そこから強く念じることもできる。新井監督はそうやってドラフト6位から今の立場になった。野手で成功のカギはフルスイングとガッツ…
……
-杉原投手にもファンクラブの方からの質問です、30代女性の方から、推しは何ですか?
「女優の有村架純さんは好きです…(会場笑、でどんなところが?と聞かれて)かわいいので…かわいいなと思います。(プロで活躍したら有村さんの目に留まる…と振られて)やっぱり支配下登録勝ち取って、すごいピッチャーになれば、連絡先もらえたりもあるかもわからないので、がんばりたいです!(一同笑)」(杉原望来、18歳・投手)
まさにそんな夢を叶えることができるのがプロの世界。ただしライトサイドとダークサイド、その両面が常に並走しているのも事実。18歳の新年の誓いに“待ってて、かすみん”と描いて部屋に飾り、日々精進…?
……
新井監督は、あいさつでルーキーの言葉を全部受け止めた。きっとみんな温かい思いになったはずで、同時に挑戦者としてのあるべき姿を噛み締めたに違いない。そして広島という特別な街でグラウンドに立つ、マウンドで投げることの意味についても…
新井監督の話
みなさま、おはようございます。新井です。
まず、朝早くから平日にもかかわらず、たくさん、前にいる新しく入団する8名のお祝いに駆け付けていただきありがとうございます。
わたくしは常日頃から、カープは戦いながら強くなるチームにしたいと言っておりますが、またこの8名を加えて来年、戦っていきたいと思います。
今年以上にわくわくする試合を、たくさんお見せしたいと思います。マツダスタジアムでお待ちしています。
そして新たに入団した8名の選手、おめでとうございます(左右を見て頭を下げる、会場から拍手)。そして、ありがとうございます(また左右に頭を下げる、会場から拍手)
今こうして、みんなのスピーチを聞いていて、自分が入団した時の入団会見を思い浮かべていました。それに比べると、みんなハキハキと自分の気持ちを言葉に出して、こんなにたくさんのみなさんの前でしゃべることができるな、と感心しながら見てました。
また、小さいころからの夢…おそらくプロ野球選手ではなかったかと思います。その夢は、もうみなさん叶いました。また、これがスタートラインだと思って、いっしょにがんばっていきましょう。
そして、ご列席のご家族のみなさま、本日はありがとうございます。そして、おめでとうございます。
広島という街は、すごく温かい街です。
また、カープ球団と深く結びついています。
わたくしは常日頃から、選手または球団のみならず、ここにたくさんお集まりいただいたファンのみなさまも家族の一員だ、というふうに申しております。
それくらいカープと広島というのは、結びつきの深いものであります。
いろいろ不安なことはあるであろうとは思うのですけれども、12球団一家族的で温かいチームであるとわたくしは自負しております。
どうぞ、ご安心して応援していただければ、と思っています。
本日は、おめでとうございました。ありがとうございます!
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