カープダイアリー第8252話「宮崎サヨナラ弾に歓喜するハマスタ、森下暢仁と松本竜也1泣の甘さ…」(2023年5月4日)

宮崎の5号サヨナラ弾が西日の中、満員のライトスタンドに飛び込んだ。九回を任された松本竜也。初球内角ボールのあと、サインに首を振って投げた146キロのストレート。曾澤のミットより高く、外目に入ったところを振り抜かれた。

「積極的に行こうと、それだけを思っていました」という打率4割超えの相手に力だけで挑むとこうなる。

前回、4月29日の巨人戦(東京ドーム)ではカーブを初球に投じて秋広に右中間スタンドに持っていかれたから、その気持ちが分からないでもない。

必要なのは慎重さ。29日も栗林が中田翔に2ランを打たれてチームはサヨナラ負けだった。

そうはさせじと七回のターリー、八回の島内にはホールドがついた。みんなで勝利に向かって積み上げてきたものが1球でダメになる。それが勝ちゲームを投げる者の定めだ。

先発は自身の開幕が1カ月以上ずれ込んだ森下。6回5安打2失点で数字的には合格点だった。

ただし150キロを超えたのは一度だけ。大瀬良の登録抹消により、万全とは言えない中での一軍マウンドになった。

エース抹消を受けて同じ日(4月27日)に鳴尾浜で先発。4回0/3、球数76で降板して4安打1失点だった。

それまで二軍戦では4試合に投げて来た。徐々に肘や肩を作ってきていたのに、最終的には二軍調整“強制終了”となった。

初回と二回に1点ずつの援護をもらい、スコアボードにゼロ4つを並べて迎えた五回。先頭の桑原をファウルと空振りで簡単に追い込みながら、真ん中低目に投げた5球目のストレートを左中間スタンドに運ばれた。

開幕5戦目からソトに替わって五番に固定された1番は、前日のお立ち台で「僕自身もすごくもどかしかった気持ちがあったんで、仮はひとつずつ必ず返していきます」とベイファンに約束していた。

その言葉通り、続く六回の守備でも2の2で第3打席を迎えた堂林の大飛球をフェンスにぶつかりながらキャッチした。

首位を行くDeNAだから、そこにはそれ相応の理由がある。

そんな相手をねじ伏せようと思えばいかに勝負どころで流れを引き寄せるか?

森下は逆に流れを相手に譲ってしまった。勝ち投手の権利がかかる五回の被弾は微妙なメンタル面の変化につながる。

関根、戸柱を打ち取って”勝ちまであとワンアウト“を意識した瞬間からピッチングが難しいものになる。中日時代によく打たれた「八番」京田に1ストライクから中前打されると、代打大和への3球目で二盗を許して7球目に適時打された。

六回も続投して締めて84球。京田と大和への8球を頑張っていれば…

ゴールデンウィークの各球場はどこも満員でしかも熱戦に次ぐ熱戦になった。

同じくデーゲームの東京ドーム、巨人-ヤクルトは七回、村上に同点2ラン、九回、丸にサヨナラホームランが飛び出して8対7で巨人。

甲子園の阪神-中日は阪神が八回に柳を攻略して逆転に成功、3対2とここも1点差…

福岡PayPayドームのソフトバンクーオリックスは延長十一回、栗原サヨナラ打で8対7のルーズベルトゲーム。

ベルーナドームの西武-日本ハムは1対0で日本ハムが勝った。

セ・リーグの荒波に揉まれる新井カープには「鬼門」とされる交流戦が月末から始まる。初戦の相手は「オリたちの野球」で首位を行く強敵だ。新井監督をよく知る水本ヘッドは容赦してくれないだろう。

5月5日、コイの日を前にチームは借金1。あすからは雨模様の広島に阪神を迎えて、2位・3位直接対決。その後はG7広島サミット開催を受けて2週間の長期ロードが待っている。

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