カープダイアリー第8386話「原巨人、横浜スタジアムで力尽きる…5年ぶりCS進出となった新井監督は広島の空を見上げて新たな闘志」(2023年9月25日)

3万3271人、3日連続の大入りとなった横浜スタジアムのナイトゲームは、回を追うごとに“痺れる戦い”の度合いが増していった。

1対0、DeNAリードで迎えた八回、巨人の攻撃は一番から。先頭の長野が粘った末の右前打を放つと二死一、二塁までウェンデルケンを攻めたが重信が三振に倒れて最後の反撃機を逸した。

この試合、唯一の打点を叩き出したのはルーキー林で、先発の大貫は七回途中まで自己最多の11三振を奪いながらこの1点を守った。四回には宮崎がプロ初盗塁を決めるという場面もあった。

DeNAはタフだ。今永を立てながら逆に戸郷に完封された前日デーゲームから素早くリカバリーに転じた。

巨人はこの敗戦により138試合目で3位以下が確定、自力でのCS進出がなくなった。対戦成績から反省材料が見て取れる。阪神とは6勝19敗1分け、カープとは8勝17敗。DeNAは13勝10敗だった。

そして、この瞬間に新井監督以下首脳陣・スタッフと選手たちが目指してきた目標のひとつ、5年ぶりとなるクライマックス・シリーズ進出が決まった。ただし3位をキープするDeNAとのゲーム差が1・5に詰まった。

DeNAは残り6試合。5勝1敗でこられると相手は貯金10に届く。現在貯金9のカープは仮に残り4試合2勝2敗だと2位に届かなくなる。

試合のなかったカープナインは全体練習オフのため、それぞれ自分の時間を使って英気を養った。マツダスタジアムに姿を見せたのは午前中の指名練習に参加した床田、森下の両先発とあすから一軍復帰の龍馬、宇草ら一部の選手だけだった。

内野とホーム付近に防水シートが敷かれたマツダスタジアムのグラウンドは静かに決戦の時を待っているようだった。ラスト4試合、チームはどんな形でゴールテープにフィニッシュをかけるのか?

「日本一」を目指す新井監督はCS進出に関するコメントとして「振り返るにはまだ早い…」とこれまで通り「大空と大地の中で」からの歌詞を一部引用?した。

ここまで11勝11敗1分けの中日とあす1試合、インターバル2日のあと最終戦、翌日からはここまで8勝14敗2分けの阪神との2連戦が組まれている。予定通りに日程が消化されれば10月1日、日曜日のデーゲームが143試合目になる。広島の大空に向けて新井監督はどんな言葉を発するだろうか?

※この記事内で選手などの呼称は独自のものとなっています。

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