カープダイアリー第8387話「負けられない140試合目も”新井流”、床田7回2/3、島内1/3からの栗林でスペシャル完封リレー」(2023年9月26日)

広島市内の最高気温が2日連続で30度を切った。正午過ぎ、マツダスタジアムのグラウンドには半パントレーニング姿の新井監督や小園、矢野、末包ら早出特打メンバーが姿を見せた。

「選手たちの方から練習しようと言ってくる」

新井監督は最初のシーズンでそんなチームを創り上げた。

やらされる練習では意味がない。それぞれがコーチらの声にも耳を傾けながら、自分の課題克服のためにバットを振る。全体練習オフだった前日は、休んでいる間に5年ぶりのCS進出も決まった。力強いスイングが目を引いたのも当然か。

今季、11勝11敗1分けと互角のまま迎えたこの日の中日24回戦。今季最多タイとなる”3連勝”で勢いづく相手をホームに迎えて「相手は最下位だから…」などとは口が裂けても言えない、大事な一戦になった。

だが勝敗の行方は、初回でほぼ決した…

15試合ぶりに一番に入った小園が中日先発・涌井の初球ストレートを捉えてセンターオーバーの三塁打。上本が内野安打で続き無死一、三塁として、打席には右脇腹コンディション不良から13試合ぶり復帰となった龍馬…

今季4度のカープ戦先発で龍馬に柵越え3本を許している涌井は、高目や外野球で餌を撒きながら必死に抑えにかかってきた。しかし久々の実戦でも球筋を見極める龍馬の方は落ち着いたもので、9球目をセカンドに転がしてさっそく打点を記録した。

さらに四番堂林の初球で上本が三盗に成功!堂林が三振に倒れても五番坂倉が一塁線を破って2対0と早々に主導権を握ることができた。

10勝目を挙げてからここ4試合勝てていなかった床田は、走者を背負ってもテンポよく投げ続けてゼロを7つ並べたまま八回へ。カリステ、石川昂の三番、四番を簡単に打ち取ると101球5安打1四球という理想的な内容でマウンドを島内に譲った。

2点差ゲームならリードを保ったまま1死を奪って交代すればホールドがつく。予め新井監督によってデザインされたこの継投は「家族」思いの首脳陣からのプレゼント…

ビシエドに対してボールカウント3-1にしたものの結果は二ゴロ。九回の栗林が17個目のセーブをマークして島内にはヤクルト清水に3差をつける41個目のHPがついた。球団タイ記録(2016年のジャクソン42HP)まであとひとつ…

試合後のお立ち台には完封リレーの3人が上がった。レギュラーシーズンラスト登板となった床田はクライマックス・シリーズに向けて自信を深めたことだろう。島内と栗林は残り3試合でどこまで自分たちの数字を伸ばせるか…

3投手のお立ち台

-床田投手はどんな思いでマウンドへ

床田 最近、不甲斐ないピッチングが続いていたので、絶対に勝とうとおもってマウンドに上がりました。

-バッティングでも3安打

床田 森下よりバッティングはいいと思っているので良かったです。

-後輩のリリーバーたちはどう見ていますか

床田 実力を考えればこういうことになるんだろうと思ってました。

-島内投手は?

島内 床田さんがツーアウトまで取ってくれたので、ワンアウトだけ集中と思って肩を作っていました。3ボールになった時は焦ったんですけど、前に飛ばしてくれて良かったです。自分だけの力ではここまで来れなかったと思うので…今日の床田さんにしても残り1アウトで行かせてもらったチームにも感謝の気持ちでいっぱいです。何とかCSを広島でやりたいので、残り試合全部投げるぐらい頑張りたいと思います。

-栗林投手はどんな気持ちでマウンドへ?

栗林 前回中日戦は僕のホームランで負けているんで、ホームランを打たれたビシエド選手を島内がアウトに取ってくれたんで、ちょっと楽にマウンドに上がれました。…3連勝して自力で2位になれるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?